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このページは、私が気になった中国に関するニュースを個人的にまとめたものです。

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◎ゴルフの元祖は中国の球技?・中国が主張(2006年4月26日、日本経済新聞)
 【北京26日共同】中国ゴルフ協会と故宮博物院などの研究チームは26日、12世紀の北宋時代に中国でゴルフの原型に当たる球技「捶丸」が始まっていたと発表、文献などに基づいて復元した木製クラブやボールを公開した。
 捶丸は中国語で球を打つという意味。ゴルフの原型は14〜15世紀にスコットランドで行われていた球技とされるが、異説もある。研究チームは元代の文献に、12世紀前半の北宋時代に捶丸が既に流行していたとの記述があり「捶丸がゴルフの元祖といえる」と主張している。
 元代には貴族の遊びとしてルールもほぼ確定。故宮博物院所蔵の明代の絵画にも皇帝や女性が捶丸を楽しんでいる場面が描かれているが、清朝が国民の体育活動を規制してから衰退したという。
 崔楽泉・中国体育博物館研究員は起伏のある競技場でホールに球を入れる形式や、条件に応じて複数の「クラブ」を使い分けることなど「捶丸」と現代のゴルフは共通点が多いと指摘した。

◎黄砂防止で国際協力の強化を訴え、中国林業局(2006年4月20日、朝日新聞)
 中国国家林業局の劉拓・防砂治砂弁公室主任は20日の記者会見で、今春観測されている大規模な黄砂に関連し、発生防止のため「全世界の共同の努力が必要だ」として国際協力の強化を訴えた。原因としては、国土の砂漠化に加え、天候の影響が大きいとの見方を示した。
 今春、北京ではすでに10回黄砂が吹き、年平均の6回を上回っている。
 同主任は植林などの黄砂防止策について「我が国は発展途上国であり、任務の重さに比べて資金の投入が少ないという矛盾が突出している」と述べ、資金が不足している現状を明らかにした。
 黄砂発生の最大の原因としては国土の砂漠化を挙げた。05年の調査で砂漠が国土の18%に達し、1年間に1280平方キロ増加したという。この春は、中国北部で例年に比べ気温が高いうえ極端な少雨だったため、地表の乾燥が激しく、発生しやすくなったと説明した。

◎中国:1〜3月期GDP成長率、前年同期比10.2%(2006年4月16日、読売新聞)
 【北京・大塚卓也】中国の胡錦濤国家主席は16日、台湾国民党の連戦名誉主席との会談の中で、中国の06年第1四半期(1〜3月)の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比10.2%だったことを明らかにした。3月の政府活動報告では06年の成長率の計画値を8.0%に設定したが、これを大幅に上回るペースで、通貨・人民元に対する米国などからの切り上げ圧力が一層強まる可能性がある。
 胡主席は成長率の内訳には言及していないが、前期比で26.6%の大幅増となった輸出や、引き続き好調な固定資産投資などが成長の主因となった模様。昨年7月以降の人民元高は、現段階では成長鈍化の要因にはなっていないとみられる。
 会談で、胡主席は「中国の成長は台湾とのより多くの経済貿易協力にとって好ましい環境を生み出す」と強調。その一方で「我々は過度の経済成長は追求していない。重要なのは経済の効率を高め、省エネや環境保護、国民生活の改善に注意を払うことだ」と述べた。

◎台湾の工作機械、中国が軍事転用(2006年4月12日、産経新聞)
 【台北=長谷川周人】台湾製の超高精度な工作機械が中国で大量に軍事転用され、武装ヘリコプターの攻撃能力を高めるなど、中国軍による兵器近代化に利用されていることが11日分かった。中国が800基を超える短距離弾道ミサイルを台湾に向けて配備するなか、台湾企業の技術がその下支えをするという皮肉な実態が浮き彫りになった。
 台湾の国防当局関係者らによると、中国での軍事転用が確認されたのは、NC(数値制御)旋盤加工と呼ばれる1000分の1ミリ単位の超高精度で金属を加工する台湾製の特種工作機械。昨年の後半段階では、ミサイルの発射装置に使うステンレス部品の加工のため、少なくとも数十台がフル稼働していた。
 部品の形状などから攻撃ヘリに搭載する発射装置とみられるが、中国海軍主力の「直昇9C(Z−9C)」は対潜ヘリで、対戦車、対空ミサイルは搭載していない。
 このため台湾の国防当局では「問題の部品は軽量化が施された多連装式で、陸軍が中国初の本格的な攻撃ヘリとして、台湾上陸作戦も視野に入れて開発した『武直10(WZ10)』に搭載されると考えられる。超高精度加工は精度向上などが目的とみられる」と分析する。

◎日中の税関、支援協定を締結、水際の取り締まり強化(2006年4月2日、朝日新聞)
 日中両国政府は2日、税関当局同士の情報交換手続きを簡素化して、密輸品などの水際での取り締まりを強化する「税関相互支援協定」を締結した。同日発効。違反業者の情報を共有して、不正薬物や鉄砲の密輸の取り締まり、知的財産権の保護などでの協力をしやすくするのが目的という。
 日本は同様の協定を米国や韓国ともすでに結んでいる。中国との交渉は昨年10月の小泉首相の靖国神社参拝によって日中関係が悪化し、締結が遅れてきた経緯がある。

◎中国の国民の85%、生活苦しいと感じる、経済成長の裏、激しい負担増(2006年3月23日、産経新聞)
 【北京=福島香織】急激な経済成長を続ける中国だが、国民の85.3%はいまの生活が10年前より苦しくなったと感じていることが分かった。
 中国青年報などが中国各地の住民7625人を対象に行ったアンケート調査結果をもとに報じた。78.8%が10年前より収入がアップしたとする一方、85.3%が生活の負担が重くなったと答えている。
 中国国家統計局によると、1996年から2005年の10年間で、収入の平均上昇率が消費者物価指数(CPI)の上昇率を上回っており、統計値からみれば生活は楽になっているはず。しかし、中国のCPIが採用する基準が20年前のもので、市民生活を圧迫する3大問題の住宅費、教育費、医療費が含まれていない、あるいは正確に反映されていないことが、このような庶民感覚のギャップを生んでいるようだ。
 例えば、住宅価格は1世帯の年収の3倍から6倍が正常とされるが、中国の都市住民は住宅購入のために平均13.4年分の年収をつぎ込んでいる。上海や杭州、温州など住宅価格が高騰している都市では年収の20倍にも達する。
 さらに、大学の1年間の学費は、20年前は200元(約2800円)だったものが、いまは5000元(約7万円)と25倍にも上る。
 衛生省の統計によると、医療費の総額はこの20年で40倍になり、個人負担も医療費の21.2%から55.5%に膨れ上がっている。中国では健康保険制度が未整備であることが背景にある。最近ではこれに老人介護費の問題が重くのしかかっている。
 今回の調査によって、中国では表面的豊かさとは裏腹に、マクロ統計に現れない負担が庶民の暮らしを強く圧迫しており、中国政府が目標としている「小康社会(ややゆとりある生活)」の実現にはほど遠い実態が浮き彫りになっている。

◎兵器輸入、中国が最大、01〜05年に計1.5兆円(2006年3月23日、産経新聞)
 中国の通常兵器輸入総額が2001〜05年の合計で133億4300万ドル(約1兆5600億円)と世界最大だったことが23日までに、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がまとめた最新推計で分かった。中国は年別でも04年、05年と2年連続でトップだった。
 中国は国防費の実態が不透明と批判される中、日本や米国が懸念する急速な軍事力増強が数字で裏付けられ、特に航空戦力強化を重視していることをうかがわせた。01−05年合計は、中国の次がインドで、原油高によるオイルマネーで潤う中東諸国もここ数年で台頭。世界の兵器輸出市場は3年連続で拡大した。(共同)

◎割りばしにも課税、中国、12年ぶり消費税見直し(2006年3月23日、朝日新聞)
 中国政府は4月から、消費税率を12年ぶりに大幅に改定し、大型車やゴルフ用品、プレジャーボート、高級腕時計などのぜいたく品へ新たに課税したり、税率を引き上げたりする。木材の浪費と環境汚染を抑制するため、割りばしなど木製の使い捨てばしにも5%課税する。環境意識の高まりから、各地の人民代表大会(議会)などで、対日輸出も多い割りばしへの批判が強まっていた。
 一握りの富裕層向けのぜいたく品とみなされたゴルフ用品やプレジャーボートは10%、何十万円もする高級時計には20%を新たに課税。一方、シャンプーやスキンケア用品などの普及品は、一部の高級品を除いて課税対象から外す。
 自動車の消費税率は、省エネ推進のための小型車普及を狙い1〜1.5リットルの排気量車は2%引き下げて3%とし、4リットル以上なら20%など段階的にした。ただ、税率格差は需要の中心の2リットル車前後で数%と小さく、「調整力には乏しい」(地元紙、新京報)との指摘がある。
 中国は94年、たばこや酒、自動車など「ぜいたく品」11品目に対して消費税を導入した。

◎中国、中南米・アフリカ進出、米安保の脅威(2006年3月9日、産経新聞)
・セミナーで専門家、資源獲得へ軍事援助も
 【ワシントン=古森義久】中国の中南米とアフリカへの資源獲得のための進出が独裁政権を支援し、軍事援助をからめるという形が多いという点で、米国の安全保障への侵害にもなるという懸念が七日、ワシントンの大手研究機関でのセミナーでブッシュ政権に近い専門家たちから表明された。
 ブッシュ政権に近い大手シンクタンクのヘリテージ財団は七日、「アフリカと中南米で拡大する中国の影響力」と題するセミナーを開いた。同財団の中南米専門研究員のスティーブ・ジョンソン氏は中国が石油や希少金属などの資源獲得のため中南米のベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、チリ、ウルグアイ、ボリビアなどに貿易、投資、経済援助という形で進出し、とくにベネズエラからの石油輸入を急増させている現状を報告した。
 同氏はこの中国の動向が一般の国々とは異なる特徴として、(1)単なる企業ではなく国家機構自体が当事者となっている(2)経済交流に軍事援助をからませる場合が多い(3)交流の相手に非民主主義の独裁国家が多い(4)交流の方式では人権尊重などの国際規約を守らない−などという諸点をあげた。
 とくに中国はベネズエラ、ボリビア、ニカラグアなどに戦闘機や空対地ミサイルを供与し始めたという。
 有力民間コンサルタント企業のブーズアレン社の中南米専門家エバン・エリス氏も、中国の中南米進出の主要動機は自然資源の獲得だとして、中国の中南米からの輸入が昨年は千三百七十億ドルと前年比26%の増加となった点を強調した。
 エリス氏はさらに、(1)反米チャベス政権のベネズエラからの石油は中国の石油輸入全体の20%にまで急増した(2)中国は最近、チリに二十億ドルを投入して、銅の独占的な調達の権利を得た(3)中国は同じ反米のモラレス大統領が政権を握るボリビアにも急接近して天然ガス開発などのために三十五億ドルの投資をした(4)キューバには新たにニッケル獲得のために四億ドルを投資した−ことをあげて、中国の中南米での動きには反米政権への協力が目立つと指摘した。
 ヘリテージ財団のアフリカ専門研究員のブレット・シェーファー氏は、アフリカでも中国は中南米と似た進出が目立つとして、スーダンでの地元石油機構の40%の株保有による大規模な石油調達、アンゴラでの二十億ドルの融資提供による石油開発権利の獲得、ナイジェリアでの原油獲得、ザンビアでの銅獲得、リベリアなどでの木材調達などの具体例をあげた。
 同氏はそのうえで中国のアフリカでの接近の相手はほとんどがスーダンやジンバブエのような独裁の無法国家だと述べ、スーダンに対してはとくに兵器供与や軍事教育などの軍事援助が顕著だと報告した。

◎鳥インフルエンザ、中国で10人目の死者(2006年3月8日、日本経済新聞)
 【上海=渡辺園子】浙江省衛生庁は8日、同省安吉県の9歳の少女が毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザのため6日に死亡したことを明らかにした。中国ではこの少女を含めこれまでに15人の感染を確認し、うち10人が死亡している。浙江省での死者は初めて。

◎中国、失地農民4000万人、突然の略奪、揚げ句…犯罪者扱い(2006年3月7日、産経新聞)
 中国では開発に伴う農地収用で土地を失った農民は4000万人に上るといわれ、土地問題を主な原因とする農民の暴動を含む住民の集団抗議行動は、昨年だけで8万7000件に達した。5日に開幕した全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で温家宝首相は社会のひずみを是正、発展から取り残された農民ら弱者を救済する方針を強調した。しかし、実際に土地を奪われた農民には、救いの手はほとんど届かず、不満は高まるばかりだ。(北京 野口東秀) 
 始まりは1997年秋だった。山西省臨汾市の村に住む楊如梅さん(45)の土地に突然、10人ほどの男がトラクターで乗りつけ、農地を徹底的に踏みつぶした。夫婦でやめさせようとしたが、髪をつかまれ殴られた。「村幹部が加わっていた。警察官2人も見ているだけ。私は農地の写真を撮るしかなかった」
 楊さん夫婦の農地は0・3ヘクタール。白菜、トウモロコシなどを栽培。小麦の生産は年350キロ、羊も放牧するなど食糧以外に年間6、7000元(1元約14・5円)の現金収入があり、そこそこの暮らしだった。それが突然、村から土地の明け渡しを要求された。最初に襲われたのはその直後だった。村の幹部に掛け合ったが、十分な補償も得られないため、裁判に訴えた。
 ところが判決を待っていた2003年6月21日。楊さんの家の畑は再び襲われた。8月には鉄パイプを持った男たちが自宅に押しかけ、子供2人も殴られた。しばらくすると、今度は4人の男たちが無断で楊さんの農地を耕していた。やめさせようとしたが、男たちは楊さんを殴り、言い放った。「土地はおまえらのものじゃない」
 03年12月に出た判決は、「村民委員会は13万7000元余を賠償せよ」と楊さんの訴えを認めたが、いまだ1元も支払われていない。
 楊さんは山西省や臨汾市政府などへ「直訴」を始めた。ところが04年8月、自宅に公安当局者が来て拘束された。公安当局者は「あの農地を村に渡していたら罪には問われることはないんだ」と言ったという。
 「地元じゃ解決できない」と思った楊さんは、同年10月末から北京に出た。高架下や駅で野宿し、政府機関を陳情して回った。拘束されては地元に送り返され、05年1月、ついに詐欺容疑で逮捕された。
 親戚(しんせき)を通じ、裁判で認められた13万7000元を放棄し、直訴をやめれば罪は問わないと言われたが、結局詐欺罪で有罪となり、懲役1年、執行猶予1年の判決を受け、控訴した。
 その後、再び北京に出て直訴を再開。貯金も底を突き、借金は3万元以上に膨れあがった。訴えもむなしく11月の2審判決では懲役1年、執行猶予1年、罰金2000元を言い渡された。
 今年の元日、天安門広場の国旗を前に、「冤罪(えんざい)だ!」と大声で叫んだ。3度叫んだとき、駆けつけた警察官に拘束された。「社会秩序を乱した」として10日間拘留された。
 故郷の二男は、山西省太原市の経済管理幹部学院に合格したが、入学金もなく入学できなかった。「土地も奪われ、金ももらえない。犯罪者として罪にも問われた。家があっても帰れない」と嘆いた。

◎中国で9人目のH5N1型感染死、広東省で初確認(2006年3月5日、産経新聞)
 中国広東省トップの張徳江書記は5日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染死した疑いがあると4日に発表された同省広州市の男性(32)について、感染を確認したと述べた。訪問先の北京で明らかにした。
 広東省で人への感染が確認されるのは初めて。中国での感染者は15人目で、死者は9人目となった。
 男性は2月22日に発熱などの症状が出て、今月2日に死亡した。鶏と接触する機会が多かったという。

◎中国全人代:農民や労働者の暴動に危機感、弱者対策の背景(2006年3月5日、毎日新聞)
 【北京・成沢健一】5日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の政府活動報告で温家宝首相が弱者対策を強調する背景には、相次ぐ農民や労働者の暴動が「政権の安定を脅かす存在となっている」(中国筋)との危機感があるためだ。
 「以人為本」(人を中心とする)をスローガンに掲げる胡錦涛指導部のカラーが鮮明に表れるとともに、「先富」(一部が先に豊かになる)から「共富」(共に豊かになる)へ戦略を転換させる第一歩となる。
 4日に明らかになった活動報告では、過去1年の実績をアピールする一方で、「長期に累積した矛盾がなお根本的に解決しておらず、軽視することができない新たな問題も起きている」と率直に認めている。具体的には、農民収入の伸び悩みや土地収用をめぐるトラブル、環境汚染、相次ぐ重大事故などを挙げた。
 弱者の不満は数字にも表れている。中国公安省によると、農民や労働者による暴動など公共の秩序を乱す「集団的事件」は昨年、前年より約1万3000件多い約8万7000件起きている。
 都市と農村の収入格差は78年の2.57倍から昨年は3.22倍に拡大した。深刻化する役人の腐敗は、格差に対する弱者の不満に拍車をかけている。
 今年の全人代は、本来なら5年に一度、向こう5年間の中期計画を示す場になるが、活動報告は今年の活動指針に重点を置いた。格差や腐敗に対する庶民の不満が「待ったなし」の状態になった現実を反映している。
 活動報告の中では、「三農(農業、農村、農民)問題」解決のために前年より422億元(1元は約15円)多い3397億元を投入するとともに、失業者対策の充実や社会的弱者による訴訟の支援も表明している。
 だが、役人の腐敗については、新味のある対策は示していないうえ、海外から批判が出ているメディア規制を改める姿勢も見せていない。政府に対するチェック機能を議会である全人代がどう果たしていくかも注目されている。
 ▽温家宝首相の政治活動報告の骨子は次の通り。
 一、06年からの5カ年計画期間中の年平均成長率目標を7.5%とし、06年単年は8%前後とする。
 一、社会主義新農村の建設を推進する。
 一、大衆の身近な利益に関する問題を重視し、解決を目指す。
 一、節約型社会の建設を目指す。
 一、台湾人民に期待を寄せる方針は変えない。
 【北京・西岡省二】

◎中国全人代:成長率「7.5%前後」目標に、政府報告(2006年3月5日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国の温家宝首相が5日開幕する全国人民代表大会(全人代=国会)の冒頭行う政府活動報告の全容が4日、判明した。
 今年1年間の経済成長率の目標を「8%前後」に設定し、安定成長を目指す一方、急速な経済成長で生まれた格差是正、とりわけ農村対策に重点を置き、「民衆の切実な利益にかかわる突出した問題」である教育、衛生、安全の向上を掲げる。
 政府活動報告には、06〜10年の発展戦略「第11次5カ年計画」案も盛り込まれた。今後5年間の経済成長率の目標を「年平均7.5%」に設定した。過去3年間が平均10%と、第10次5カ年計画(01〜05年)の目標値「7%前後」を大きく上回ったためで、より現実的な目標に設定することで地方の過熱経済を防ぐ。
 温首相は全人代の「大胆な改革」として、5カ年計画より政府活動報告に重点を置いた。胡錦涛指導部の1期目任期が残り2年となり、社会矛盾が拡大する中、新5カ年計画の1年目の今年、指導方針を明確にし、目標達成への決意を示す。
 政府活動報告の基調は、バランスを重視し、持続可能な発展を目指す「科学的発展観」による「調和の取れた社会」づくり。これは胡主席の指導指針で、格差是正、とりわけ都市と農村の均衡の取れた発展を急務としている。「三農(農業、農村、農民)問題」解決のため、「社会主義新農村の建設」を全面的に打ち出し、「国家の基礎施設建設の重点を農村に移す」と表明する。
 台湾問題については台湾の陳水扁総統が先月27日、「国家統一綱領」などを事実上廃止すると発表したが、全体としてソフト路線を踏襲した。外交では日本を含め、個別の国名を挙げず、国際協調の推進を表明する。

◎中国国防費、18年連続2けたの伸び、前年比15%増(2006年3月5日、朝日新聞)
 中国の国務院(政府)は全人代に対し、2838億元(約3兆9732億円)にのぼる06年の国防予算案を提出した。前年比約15%の伸び率で、18年連続の2けた増。中国側は経済発展と生活水準の向上にともなう人件費の上昇、原油価格の高騰などを理由にしているが、軍拡路線や国防費の不透明さには「中国脅威論」が根強い米国などから批判を浴びそうだ。
 全人代の姜恩柱報道官が4日の記者会見で公表した。例年通り内訳は明らかにしなかったが、全人代で採択される見通し。姜報道官は国防費は前年実績比14.7%の伸び率だが、国防費が財政支出に占める割合は7.4%と「例年並み」で、米国(17.8%)やフランス(11.4%)より低い水準としている。

◎タン吐きの罰則強化、北京五輪へ、マナー向上策活発化(2006年3月1日、読売新聞)
 【北京=松本浩行】トリノ冬季五輪が終わり、世界の関心が2008年北京五輪に移行しつつある中、北京市では五輪開催に向けた動きが活発化している。
 北京市は1日の記者会見で、所かまわずタンを吐く市民の悪習慣を是正しようと、これらの行為を厳しく取り締まる方針を明らかにした。さらに、各家庭にマナー読本を配布するほか、公共交通機関の割り込み乗車を防ぐための監視員を現在の1500人から今年中に3000〜4000人に増員する。
 中国では、3月下旬から国を挙げて「五輪を迎えよう 文明的になろう 新風を作ろう」運動を展開予定。北京市は、この運動に合わせ、五輪開催都市として恥ずかしくないように、一層のマナー向上を図る。
 市当局は、五輪の招致成功以来、市民のマナー向上作戦に取り組んできたが、一向に減らないのが路上でのタン吐き行為。これまでも、最高50元(1元は約15円)の罰金を課す規定はあったが、空文化していたため、今後は監視と罰金徴収を強化する。持ちあわせがなく、罰金を払えない場合には、自分で吐いたタンの後始末を即時にさせる。
 一方、マナー向上以外にも、五輪期間中どこでも観戦が出来るように、今年中に市内各所に1万台のテレビを設置する計画を策定。一部のバスで、乗務員に英語で停留所を案内させる試みが始まるなど、「高レベルで特色ある五輪」実現のための努力が続いている。

◎人民元:連日最高値、米国の為替自由化圧力が背景か(2006年3月1日、毎日新聞)
 中国・上海の外国為替市場で人民元相場の上昇が加速し、05年7月の切り上げ後の対米ドルの最高値を連日のように更新している。1日は中国が一層の為替自由化策を取るとの現地の報道により、元高が進むとの思惑につられて東京市場で円買い・ドル売りの動きが強まる一幕もあった。米国の中国に対する為替自由化圧力も高まる一方で、市場では一層の元高を予測する声が広がっている。
 中国は、05年7月21日に人民元の為替レートを対米ドルで約2%切り上げるとともに、1日に前日比で上下0.3%の範囲内の変動を認めた。
 実際の上昇ペースは鈍く、上昇率は昨年末までは年率換算で約1.1%程度に過ぎなかった。しかし今年に入り、旧正月に当たる春節の休み明けの2月6日から目立って急上昇を始め、3月1日の上海市場の終値は、1ドル=8.0369元の高値を記録。今年に入ってからの上昇率は年率換算で3%を超えている。
 上昇の背景には、巨額の対中赤字を抱える米国が、中国への為替自由化圧力を強めていることがある。米国政府が今春公表の為替報告書で中国を「為替水準を操作している国」と断定、対米貿易への制裁措置を発動する可能性も出ている。
 これに対し中国は、人民元先物や金利スワップなどの金融商品の自由化などに取り組むことで「予想以上に速いペースで改革が進めている」(邦銀為替担当者)との評価を得たい考え。大和総研の亀岡裕次・シニアエコノミストは中国の動きについて「市場介入で安定的なペースで元高を進める一方、対外投資の規制緩和など、元高要因にならない改革をすることで自由化姿勢をアピールしている」と分析する。
 市場では人民元相場が今年1年間で「3〜4%上昇」と予想する声が多い。「内陸部の低所得地帯への影響を考慮すると元の急伸は介入で抑えざるを得ない」(アナリスト)という国内事情に配慮しながら、米国の圧力をどうかわすか。「この1年、対中投資の規制緩和など、元高にもなりうる改革に踏み出せるかが勝負になる」(同)との声が出ている。【平地修】

◎村田製作所、中国の生産拠点を集約(2006年2月17日、日本経済新聞)
 【無錫(江蘇省)=川瀬憲司】村田製作所は超小型の電子部品を生産する中国の拠点を集約する。上海に隣接する江蘇省蘇州の工場を閉鎖し、その近隣の同省無錫の工場に統合するとともに、生産能力を大幅に増強する。携帯電話やパソコン向けなどの需要が急拡大しているため、生産集約によって効率化を目指す考えだ。
 同社の村田泰隆社長が16日、無錫市内で明らかにした。閉鎖するのは子会社の蘇州村田電子。各種電気製品の生産で大量に使用する積層セラミックコンデンサーと呼ぶ超小型の電子部品を、テープ状の容器にはめ込んで出荷する工程を担当している。3月末で工場を閉め、関連の設備を無錫村田電子に移す。

◎中国、報道規制を強化、メディア幹部の処分相次ぐ(2006年2月16日、産経新聞)
 中国の胡錦濤指導部が報道規制を強め、国内メディアに対する処分が相次いでいる。貧富の格差拡大や環境汚染など社会矛盾が深刻化する中、「社会の安定」最優先を強調しつつ、共産党の一党支配を揺るがしかねない体制批判を封じ込める方針が鮮明になっている。
 有力紙、中国青年報の付属週刊紙「冰点週刊」は先月、歴史教科書に関する評論が問題視され停刊処分となり、関係筋によると、編集長が16日に更迭された。人気大衆紙「新京報」の編集局長も昨年末、編集方針で批判を受け更迭された。
 中国外務省の秦剛副報道局長は同日の定例会見で、冰点週刊について「歴史の事実に反する文章を掲載し、人民の感情を著しく傷付けた」と指摘、処分は適切との認識を示したが、国内メディアの記者は「江沢民前指導部時代に比べ、明らかに規制が厳しくなった」と指摘する。
 中国消息筋によると、胡指導部は2004年9月の共産党中央委員会総会後、党の宣伝強化を命じる文書「16号文件」を全国に通達。昨年も国内メディアの記者証を全面的に更新し体制への批判記事を書くフリーの記者を締め出したほか、党と国家の機密厳守を求めた規定を定めるなど規制を次々と打ち出した。
 冰点週刊の停刊に対し、1980年代に当時の胡耀邦総書記に仕えた朱厚沢・元党宣伝部長ら改革派の元幹部らが「言論の自由のはく奪」と批判。しかし、胡指導部が「報道機関は党の代弁者」との指導を徹底させる中、元幹部らの発言が影響を与える余地は極めて小さいのが実情だ。
 02年秋に発足した胡指導部は一時、メディア改革に取り組み報道規制を緩和する姿勢を打ち出したが、翌春の新型肺炎(SARS)の大流行をめぐって政府の不手際を批判する報道が吹き出して以降、引き締め策に転じていた。

◎香港ディズニーランドおわび、春節の前売り巡って大混乱(2006年2月13日、朝日新聞)
 「春節の経験を教訓に、考え直します」。香港ディズニーランドがチケットを扱う旅行会社などにこんな通知を出した。初めて迎えた春節(旧正月)で人出を読み損ない、前売りチケットを買った客数百人が入場できない事態を招いたことへのおわびだ。客や旅行社は「中国の文化が全く分かっていない」と怒っており、損害賠償請求も辞さない構えだ。
 混乱が起きたのは今月1、2の両日。春節の連休を利用して中国本土などから来た家族連れで園内が膨れあがり、ディズニー側は「チケット完売」の入場制限をかけた。
 ところが、年明けに発売開始した期日指定なしの前売り券を持った客がその後も殺到。数百人が入場ゲートの前で「入れろ」と怒り出し、さくをよじ登って園内に入ろうとしたり、中にいる知人に向かって子供を投げ入れたりするなど、混乱した。
 ディズニー側が春節の中国人客の動きを読み誤ったのが原因。中国本土では大みそかの1月28日から1週間は休みだった職場が大半だが、香港では正月三が日にあたる31日までが休日。ディズニー側も2月1日以降を平日扱いにして、期日指定のない前売り券も使えるようにしてあった。
 ある旅行社の担当者は「中国人にとって春節は最大の休暇。この連休に混雑しなくていつするというのか」と、読みの甘さに首をかしげる。
 ディズニー側は10日、入場できなかった客のチケットの払い戻しに応じるとの通知を出したが、「せっかくの連休が台無しだ」と収まらない客や旅行社も多く、賠償請求額は総額100万香港ドル(約1500万円)を超えるとみる学者もいる。

◎エイズ予防に中国が本腰、公共施設コンドーム常備義務化(2006年2月13日、朝日新聞)
 中国政府は12日、エイズウイルス(HIV)感染拡大の防止を目指した「エイズ予防治療条例」を公布した。地方政府などのエイズ予防と治療の責任について規定。感染者に対して、権利を保障すると同時に感染防止も義務づけている。3月1日から施行する。
 国営新華社通信によると、条例は、地方政府が農村部の患者と都市部の経済的に苦しい患者に対しては治療薬を無償で提供しなければならないと規定。医療機関が患者のエイズウイルス感染を理由に治療を拒否した場合には、刑事責任を問うとしている。ホテルやレストラン、浴場、理髪店などの公共施設・娯楽施設にはコンドームを備えるか販売所を設けるように義務づけ、違反した施設には最高で5000元(約7万3000円)の罰金が科される。
 また、感染者本人の同意なしに職場などが感染の事実を広めることを禁止する一方で、感染者は他人への感染を防止する義務があるとし、エイズを故意に広げることを厳しく禁じている。
 衛生省などによると、05年末の中国のHIV感染者は約65万人で、薬物常用や性交渉による感染が8割を超える。同省は感染拡大に警戒感を強めており、条例により拡大防止に本格的に取り組む姿勢を示したものとみられる。

◎エイズ:感染拡大の防止目的に条例公布、中国(2006年2月13日、毎日新聞)
 中国国務院(政府)は12日、エイズウイルス(HIV)感染拡大の防止を目的とした法令「エイズ予防治療条例」を、国営通信の新華社を通じて公表した。3月1日から施行する。
 衛生省などによると、中国の感染者は昨年末時点で約65万人。同省の専門家は感染拡大の傾向にあると警告しており、政府として拡大防止に本腰を入れる姿勢を打ち出したものとみられる。
 条例は、全国の行政機関に対して、公共施設などでの啓発活動に全力を挙げるよう指示し、怠った場合は処罰すると明記。医療機関が患者のエイズ感染を理由に治療を拒否した場合には、刑事責任を問うとしている。
 また感染者本人の同意なしに職場などが感染の事実を広めることを禁止、中学校以上の教育課程でエイズ教育をカリキュラムに組み込むことも規定した。(北京・共同)

◎中国、ネット統制強化か、「違法」76サイト閉鎖(2006年2月7日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国国家版権局は六日までに、著作権侵害の疑いでウェブサイトの取り締まりを行った結果、百七十二件を摘発し、七十六サイトを閉鎖させたと発表した。国営新華社通信が伝えたもので、中国がこれほど大規模な違法サイトの摘発を発表したのは初めて。これらサイトが、発禁ソフトの発信源とみられることから、著作権保護の姿勢をアピールすると同時に、ネット情報に対する統制強化をさらに進める狙いがあるようだ。
 今回の取り締まりは、中国の情報統制を管轄する共産党中央宣伝部の主導で公安省、情報産業省、国家版権局など八部門が合同で昨年十月十日から開始し、国内の四百五のサーバー(ネットワークに接続されたホストコンピューター)を捜査した。その結果、著作権侵害にかかわったとして、三十九のサーバーと違法所得三万二千元(一元=十四円)を押収。さらに、百三十七のサイトについて管理者にコンテンツの削除を命令。二十九のサイトの管理者に罰金計七十八万九千元を科し、十八サイトについては刑事事件として警察が立件した。
 中国には作者に無断で小説や論文、映画、音楽などを転載し、これらコンテンツをダウンロードできる海賊版サイトがあふれており、国家版権局は「今回の成果は国内外の著作権人からも高い評価を得ている」と意義を強調した。
 ただ、閉鎖されたサイトの詳細は発表されていないことから、国内で発行禁止となっている書籍や情報など、当局に都合の悪いコンテンツをダウンロードできるサイトの取り締まりが目的ではないかとの見方もある。北京では最近、中国青年報の付属週刊紙「冰点周刊」停刊への批判意見を掲載したサイトやブログに対し、当局から内容の削除を求める指導や呼び出しが相次いでいるといい、あるユーザーは「メールのやりとりまで注意された。取り締まりが異様に厳しくなった」と訴えた。
 〇四年にもポルノサイト摘発の名目で、大規模な反体制サイトの取り締まりが行われた。
 中国では民主主義など西側社会の価値観、体制批判、農民暴動の実態、台湾、チベット、法輪功問題など「社会の安定を損なう」情報は自由に発信できず、こういった情報を掲載した海外サイトへのアクセスもできなくなっている。
 これに対抗し、当局の統制システムをくぐり抜けることができるソフトが、ダウンロードサイトを通じて、多くのネットユーザーに配布されてきた。

◎保管爆薬が爆発、6人死亡、中国山西省(2006年2月5日、産経新聞)
 中国の華僑向け通信社、中国新聞社(電子版)によると、中国山西省蒲県の民家に保管していた約30キロの爆薬が4日夜、突然爆発し、民家にいた男女6人が死亡、1人が負傷した。
 現地は石炭の産地で、爆薬は炭鉱で使用するために保管していた可能性がある。死傷したのはいずれも湖南省からの出稼ぎ農民だった。警察当局が爆発の原因を調べている。(共同)

◎批判記事めぐり、警官に暴行受けた新聞編集幹部が死亡、中国(2006年2月4日、産経新聞)
 4日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国浙江省台州市で昨年10月、批判記事をめぐり警察の暴行を受けて入院していた地元紙、台州晩報の呉湘湖・副編集局長(41)が2日、肝不全などのため死亡した。以前に移植を受けた肝臓が暴行を受けた際、損傷していたという。
 台州晩報は、警察が市民から不当な金を徴収しているとの批判記事を掲載。腹を立てた警察幹部が部下数十人を引き連れ、同紙社屋で呉氏に暴行を加えた。
 警察幹部は事件後、警察や共産党内の役職を解かれたという。

◎中国春節の消費が15%増、約1兆4000億円に(2006年2月2日、日本経済新聞)
 中国最大の祝日である春節(旧正月)前半の食品や服飾品、飲食業などの消費額の総額は前年同期比15%増の約1000億元(1兆4000億円)に達したことが分かった。2日付人民日報が商務省の推定として伝えた。
 それによると、1月29日から2月1日までの4日間で、特に飲食業の売り上げは前年比で25%増。このうち、出稼ぎ者が帰省した農村部の消費の伸びが大きく、農村部での酒、たばこ、服飾品の消費は前年比で2倍以上だった。

◎炭鉱でガス爆発、23人死亡、中国・山西省(2006年2月2日、日本経済新聞)
 2日の新華社電によると、中国山西省晋城市の炭鉱で1日夜、ガス爆発事故が起き、2日までに23人が死亡、53人がガス中毒症状で入院し、うち1人が重体となった。
 山西省幹部らが現場に向かい、事故原因などを調べている。

◎トヨタが中国戦略車・第一汽車と開発合弁(2006年2月2日、日本経済新聞)
 トヨタ自動車は中国最大手の自動車メーカー、第一汽車集団(吉林省)と合弁で中国に研究開発会社を設立する方針を固めた。現地の需要や好みを反映させた「中国専用車」の開発を目指す。開発機能を移管することで速やかに新車を投入し、販売拡大につなげる。日産自動車も上海と広州に開発拠点を設置しており、日本メーカーの中国戦略は生産、販売から開発体制の整備による技術移転へと新段階に入る。
 トヨタは生産提携している第一汽車と折半出資で、年内に研究開発会社を設立する方向。海外開発拠点は欧米、タイなどに続き8番目となる。

◎香港ディズニー、春節効果でやっと客足、3日連続チケット完売(2006年2月2日、産経新聞)
 昨年9月の開園後、客足が伸び悩んでいる香港ディズニーランドは1日、1月30日から3日連続でチケットを完売したと発表した。春節(旧正月)の大型連休で香港を訪れている中国の本土客の利用が増えたためとみられる。
 入場者数は公表されていないが、ディズニー側によると、チケットの完売は昨年12月13日を皮切りに今回の3日を合わせてやっと7日目。
 報道によると、連休のピークに当たる1月30日−2月3日の間に香港を訪れる中国本土客は、旅行ブームなどの影響で前年の春節のころと比べ30%増の70万人に達すると見込まれている。(共同)

◎中国、貪欲に石油獲得、消費日量15年で3倍(2006年2月2日、産経新聞)
 世界はいま、「静かな石油危機」に直面している。原油生産が頭打ちになる中で石油需要が年々増え、それが石油高騰を招いている。この新たなエネルギー問題のカギを握るのが中国だ。
 二〇〇五年の中国の石油消費量は、日量六百六十万バレルにのぼった。一九九〇年に比べて三倍近い量だ。工業化の進展や消費形態の多様化を背景に原油輸入を急速に拡大しており、これが世界の原油需給に大きな影響を与えている。
 中国は海外資源の獲得にも積極的だ。中国海洋石油(CNOOC)は昨年六月、米石油大手ユノカルに買収を仕掛けた。ユノカルは当時、石油メジャー(国際石油資本)の米シェブロンに買収されることで合意していたが、CNOOCはシェブロンを上回る買収価格を提示、巻き返しを狙った。
 原油・天然ガス生産量をみると、CNOOCは四月に経営統合して誕生する国際石油開発帝石ホールディングスとほとんど変わらない。それが日本円で二兆円以上の資金を用意し、買収に名乗りを上げた。この買収劇は米議会の反発で失敗に終わったが、その後、中国石油天然ガス集団(CNPC)はカザフスタンに油田権益を持つカナダの石油会社を買収した。
 さらに中国政府は、今年に入ってインドと油田開発の協力で合意したほか、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアとも石油や天然ガスなどの協力強化を決めるなど、エネルギーの安定調達に向けた資源外交も展開している。
 これに対し、日本は特殊法人改革の一環で旧石油公団が解体され、国家としてエネルギー戦略を企画・立案する「司令塔」不在の状態が続いている。環境省や経済産業省など組織の縦割りを排し、地球環境問題を含めた総合的な「エネルギー安全保障」を議論すべき時期を迎えている。

◎中国河南省の爆竹爆発事故、死者36人、けが48人に(2006年1月31日、朝日新聞)
 中国中部の河南省林州市で、住民が爆竹に付けた火が近くの倉庫に保管されていた爆竹に引火して爆発した事故で、国営新華社通信は30日夜、死者が36人に上り、48人が重軽傷を負ったと伝えた。
 事故現場の近くでは寺の縁日が開かれており、春節休みとあって付近から多くの住民らが訪れていた。爆発で寺も倒壊したという。

◎爆竹倉庫爆発で16人死亡、春節連休初日の中国(2006年1月30日、産経新聞)
 中国では29日、春節(旧正月)の大型連休が始まり、全国で祝賀行事が行われた。市街地で13年ぶりに爆竹が解禁された北京では、前日から未明まで爆竹の破裂音が響き渡った。新華社電によると、河南省林州市では29日夕、爆竹が爆竹倉庫に引火して爆発、16人が死亡、多数が負傷した。
 中国では春節を爆竹で祝う伝統的な習慣があるが、北京では粗悪品の暴発で負傷者が多発するなどしたため、1994年から市街地では爆竹が禁止されていた。
 しかし「爆竹がないと新年を祝った気がしない」(40代男性)と解禁を求める声がここ数年高まり、北京市当局は世論に押される形で大みそかに当たる28日から来月12日まで解禁。28日夜は消防士4000人が大事故など不測の事態に備えた。
 新年を迎えた29日午前0時前後には、市内全域で花火が上がり、爆竹の破裂音が轟いた。中国紙、新京報によると、一部病院には目をけがした市民数人が運び込まれたという。

◎進む言論弾圧、中国内も疑問視、「冰点」停刊、編集長は徹底抗戦(2006年1月30日、産経新聞)
 中国の有力紙「中国青年報」の付属週刊紙「冰点周刊」(水曜日発行)が停刊になり、波紋を呼んでいる。今月11日付同紙に掲載された中国の歴史教科書批判論文に対し、共産党中央宣伝部が「報道宣伝の規律違反」などとして、同紙に「死罪」を言い渡したが、同紙編集長の李大同氏は、処分は憲法違反と抗議、徹底抗戦の構えだ。党の報道規制が相次ぐ中、報道界や知識人の間で胡錦濤政権への疑問の声が高まっている。(北京 伊藤正)
 問題の論文は「現代化と歴史教科書」と題し、中国近代史研究の第一人者として知られる中山大学(広州市)の袁偉時教授が執筆した。教授は、(毛沢東時代の)反右派闘争、大躍進運動、文化大革命の3大災難を経た後、人びとは1970年代末になって「狼(おおかみ)の乳で育った」ことを知ったが、中学の歴史教科書を読み「今も青少年が狼の乳を飲み続けている」のに驚いたと書き出す。
 教授によると、「狼の乳」とは「誤った思想や文化、観点」を指し、●(●=都の者を登)力群元宣伝部長が79年の学術シンポジウムで使ったという。「狼の乳」の実例として、教授は1860年の英仏軍による円明園(北京郊外の清朝離宮)焼き討ち事件と、1900年の義和団事件に関する教科書の記述を指摘した。
 円明園事件について、教科書は「(59年、清朝と天津条約調印のため英仏公使が上陸しようとした際)天津・大沽砲台の将兵が侵略軍の艦船4隻を撃沈し、上陸を強行した900余人を撃退、数百人を死傷させた。一帯の人民も銃砲弾の雨をくぐって戦士を支援、高度の愛国の熱情を表した」(一部略)と記述。
 袁教授は、この翌年、英仏軍が再侵略、北京を占拠し莫大(ばくだい)な賠償金に加え、円明園焼き討ちを招いたのは、愚昧(ぐまい)な清朝皇帝らの大罪であり「愛国英雄の壮挙ではない」と断じた。
 同様に教科書が、8カ国連合軍の侵略に抵抗した愛国行動としている義和団事件についても、北京を中心に殺人、放火、略奪の限りを尽くした義和団を「非人道的、非文明的集団」とし、その結果、6年分の財政収入に相当する賠償金や列強による領土分割を招いたと述べた。
 袁教授は、日本の歴史教科書を批判しながら、中国の教科書も「西洋人は侵略者であり、中国人には何をやっても理があり、たたえねばならない」との「愛国主義(教育)の要求」に沿い、盲目的民族感情をあおっていると批判した。
 この批判は歴史の解釈権を握る共産党には許容できないものだった。李大同編集長によると、中国青年報編集長は論文を一部削除して掲載に同意したが、今月24日、宣伝部が「冰点」の停刊を命じた。宣伝部は「帝国主義列強の中国侵略を肯定、歴史の事実に反し、新聞宣伝の規律に違反、中国人民の感情を傷つけ社会に悪影響を与えた」と断じたという。
 李大同氏は公開状を発表して処分に反発。その中で、昨年も(1)5月25日付の台湾人記者による台湾の実情報道(2)6月1日付の平型関の戦いに関する記事(3)胡啓立元政治局常務委員による胡耀邦氏の回顧記−などを宣伝部が批判したと明らかにし、宣伝部の報道規制は「国民の権利の侵犯」と非難した。
 中国では近年、報道規制が強まり、最近も北京の新聞「新京報」で、編集長への圧力に抗議するストもあった。共産主義青年団の機関紙の中国青年報でも一昨年、デスクと記者の処分問題で同紙名物記者が公開状で、報道干渉に抗議した。
 報道規制は活字・放送メディアだけでなくネット情報にも及んでいる。当局は、報道は党と人民の「喉舌」、つまり宣伝道具と主張、党や指導部のイメージを損なったり、社会不安を招いたりの記事はご法度だ。
 その論理からすれば、従来の共産党の史観と宣伝に反した袁偉時教授の論文は“党への挑戦”ということになる。ただし教授によると、この論文を3年余り前に発表したときには、問題にされなかったという。客観性が基本の科学的発展観を唱える胡錦濤政権下で言論弾圧が進む現状に、保守派台頭の政治的背景を指摘する声も少なくない。

◎中国:携帯電話利用者は3億9300万人に、05年末(2006年1月30日、毎日新聞)
 30日の新華社電は、中国の携帯電話利用者が2005年末時点で3億9300万人となり、1年間で5860万人増えたと伝えた。06年はさらに4800万人増え、年末には4億4000万人に達する見通しだ。
 情報産業当局者は、携帯電話は中国人の情報収集にとって大きな役割を果たしていると強調した。(北京・共同)

◎春節前の北京、爆竹と花火解禁、過去最大の帰省ラッシュも(2006年1月28日、産経新聞)
 中国最大の祝日である春節(旧正月)前日の28日、北京の市街地では13年ぶりに伝統行事の爆竹と花火が解禁され、にぎやかな破裂音が響くなど街はお祭りムードに包まれた。鉄道各駅や長距離バスのターミナルなどでは過去最大の帰省ラッシュが続いた。
 北京市民は同日未明から広場や道端で次々に爆竹や花火に火を付け、一足早く新年を祝った。中心部の地壇公園では獅子舞も披露された。
 爆竹と花火の13年ぶりの復活は市民の強い要望で決まったが、市当局は27日、使用に当たって「安全管理規定の順守」を求めるメールを市民の携帯電話に送信。事故が増えると予測し、春節休み中の救急、消防態勢を大幅に強化する。
 交通省によると、14日から始まった帰省ラッシュで27日までに約6億8000万人が長距離バスなどを利用。28日の新華社電は、鉄道も春節の帰省としては過去最高の計約4939万人を輸送したと伝えた。
 中国紙によると、春節の休みを利用した海外旅行はここ数年で定着。欧州や日本、韓国などのツアーは1月上旬から予約がいっぱいになるケースが相次ぎ、急速な経済発展に伴い富裕層が年々増加している実情を示した。

◎米の対中貿易赤字、2000億ドル突破・2005年見通し(2006年1月26日、日本経済新聞)
 【ワシントン=吉田透】米通商代表部(USTR)のバティア次席代表は25日、ワシントンでの講演で、2005年の米国の対中貿易赤字が初めて2000億ドル(約23兆円)を超えた見通しだと述べた。次席代表は「これほど巨大な貿易不均衡は経済的にも政治的にも維持不可能だ」と述べ、米中経済摩擦の激化に警鐘を鳴らした。
 05年の対中貿易赤字は米商務省が2月10日に正式に公表する。昨年1―11月の赤字は1853億ドルで、金融市場でも05年対中赤字の2000億ドル超えを予想する声が多い。中国政府が最近発表した05年の対米貿易黒字は約1042億ドルだったが、米中両国の貿易統計では香港経由の取引の扱いが違うことなどから、双方の数字には大きな開きがある。
 バティア次席代表は米中間の貿易不均衡縮小のために、中国が世界の貿易ルールに基づいて公正な経済政策を進めるべきだと強調。中国の人民元制度の改革や中国国有企業への政府補助金の削減、知的財産権侵害への取り締まり強化などを強く求めた。中国側が応じない場合には、WTOへの提訴も辞さない構えも示した。

◎反中国感情広がり、関連本出版相次ぐ/旅行30%減(2006年1月25日、産経新聞)
 首相の靖国神社参拝に対する執拗(しつよう)な抗議や昨年4月の反日暴動などを背景に、日本人の間に中国に対する反感が拡大している。内閣府が発表した世論調査では、中国に「親しみを感じない」とした人は63.4%と過去最高になった。中国の歴史や反日意識を検証する関連本の出版が相次ぎ、中国への旅行者は減少、対中ビジネスへの意欲も落ち込むなど、対中関係を企業や個人レベルで見直す流れが加速している。(木綿洋平)

≪専用コーナー≫
 「マオ・誰も知らなかった毛沢東」「マンガ中国入門・やっかいな隣人の研究」「胡錦濤の反日行動計画」「中国『反日』の虚妄」…。大阪市内の大手書店では、中国コーナーに平積みされた三十三冊のうち半分以上が、反日意識や共産党独裁体制を批判的に書いた、いわゆる“嫌中本”だ。中国経済の躍進をたたえるビジネス書などは劣勢を強いられている。
 これは昨年七月に発売されて大ヒットした「マンガ嫌韓流」以来の傾向だという。同書は日韓の歴史問題で韓国を論破する内容で「嫌韓」という言葉を定着させた。「嫌中」はいわば二匹目のドジョウだが、書店は「他国を大っぴらに批判する本はあまりなかった。『嫌韓流』以降、出版社も出しやすくなったのでは」と分析する。
 “暴君”毛沢東を描いた「マオ」は上下合わせ十三万部以上、「中国入門」は十八万部以上発行されている。

≪反日暴動余波≫
 旅行大手のJTBによると、この年末年始、関西国際空港発のアジア旅行客は前年比40%増と好調だったが、中国への旅行者は30%減った。アジアで人気なのは台湾やバンコク。ヨーロッパ旅行も15%増で、中国旅行客の減少が際立つ。「昨夏(七−九月)の前年比40%減に比べれば改善されたが、反日暴動の影響がまだ残っているとしか思えない」と同社。
 近畿日本ツーリストでも、年末年始の中国への旅行客は前年より30%減ったという。同社の渡航先では台湾が30%増。

≪ビジネス低迷≫
 経済発展を続ける一方、人民元切り上げや不安定な社会情勢など、さまざまなリスクが顕著になってきた中国。日本企業には“反日リスク”もある。ジェトロ(日本貿易振興機構)が中国進出企業を対象に行った調査でも、ビジネスマインドの冷え込みが浮き彫りに。
 一昨年十二月の調査で「既存ビジネスの拡充、新規ビジネスを検討している」と答えた企業は86.5%だったのに対し、反日暴動を経た昨年五月に集計した調査では、同じ回答は54.8%に減った。
 中国進出企業のコンサルタント、平沢健一さんは、中国に進出した企業の統計はあっても、撤退はほとんど公表されないのが現状だと指摘。「中国ビジネスの失敗例を、もっとオープンにすべきだ」と訴える。
 「合弁会社の契約上のトラブルが多い。共産党が動かす国のことを、日本企業はほとんど知らない。契約をしっかりしないと、なけなしの資金を失うことになる」
 そう警告する平沢さんだが、これ以上対中感情が悪化することは懸念している。「日本と中国は切っても切れない関係でビジネスパートナーになれる。壁は高いが今後は変わっていくと期待している」と話した。

【用語解説】外交に関する世論調査
 内閣府が昨年10月6日から16日に全国の成人男女3000人を対象に実施。「中国に親しみを感じる」と回答した人が前年より5.2ポイント下げ32.4%となり、質問を始めた昭和53年以降最低を記録した。「親しみを感じない」とした人は63.4%(前年比5.2%増)と過去最高となった。日中関係を「良好と思わない」と感じている人は71.2%(10.2%増)にのぼった。

◎中国、HIV感染者は約65万人・昨年6万〜8万人増(2006年1月25日、日本経済新聞)
 【北京25日共同】新華社電によると、中国衛生省と世界保健機関(WHO)は25日、中国のエイズウイルス(HIV)感染者は昨年6万〜8万人増え、約65万人になったと発表した。
 昨年増加したうち約80%が麻薬や買売春によるものと指摘し、性交渉による感染者が顕著に増加するなど感染拡大の傾向にあると警告した。

◎中国、05年は実質9.9%成長・仏抜き名目GDP世界5位か(2006年1月25日、日本経済新聞)
 【北京=吉田忠則】中国国家統計局は25日、2005年の国内総生産(GDP)の前年比伸び率が物価変動の影響を除いた実質ベースで9.9%に達したと発表した。1000億ドル(約11兆5000億円)を超える巨額の貿易黒字と投資がけん引し、3年連続で10%前後の高成長となった。今年も雇用確保を優先し、成長率の大幅な鈍化は避ける考えだ。
 名目GDPは18兆2321億元(約259兆円)で、昨年末の為替レート(1ドル=8.07元)で計算すると約2兆2500億ドルと、初めて2兆ドルを超えた。統計局は昨年12月20日に04年のGDPを上方修正し、イタリアを抜いて米日独英仏に続く世界6位になったと発表した。換算為替レートにも左右されるが、05年はフランスを抜いて5位に躍進、英国と肩を並べた可能性もある。
 05年の実質成長率は投資過熱が問題となった04年の10.1%からわずか0.2ポイントの鈍化。四半期ごとでは1〜3月が9.9%、4〜6月が10.1%、7〜9月が9.8%、10〜12月が9.9%だった。

◎中国の成長率9.9%、フランス抜き5位に、昨年GDP(2006年1月日、朝日新聞)
 中国国家統計局は25日、中国の05年の国内総生産(GDP)の実質成長率が前年比9.9%になったと発表した。GDP総額は18兆2321億元(約260兆円)。6年間で倍増し、フランスを抜いて米国、日本、ドイツ、英国に次ぐ世界5位になったと見られる。
 10%台の成長で景気過熱さえ心配された03年、04年は下回ったものの、02年から4年連続の9%超という高い成長となった。経済の急膨張に伴う資源不足、環境の悪化、貿易摩擦の多発などの諸問題は、中国政府にますます重い課題となっている。
 成長の主因は、ビルや不動産開発への投資や高い輸出の伸びだ。過熱防止のために、政府が鉄鋼やセメントなど一部産業への融資規制などの抑制策をとったにもかかわらず、政府や企業の固定資産投資は3年連続で25%を超える高い伸びを示した。それに比べると政府が新たな成長エンジンと期待する消費の伸び率は12.9%と緩やかだ。
 消費者物価の上昇率は1.8%で、成長率を考えれば低い。ここ数年続いている過剰投資が原因で生産が需要を大きく上回っているためだ。販売価格の低下が企業収益を悪化させ始めており、経済全体への影響が懸念され始めている。
 輸出は28%増と相変わらず好調だが、輸入は18%増と前年の伸び率のほぼ半分になった。この結果、貿易黒字は過去最高の1019億ドルと前年の3倍に膨らんだ。
 貿易摩擦の拡大を受けて中国政府は内需の拡大に動き始めた。これまで手つかずだった農村の消費力の底上げのために、農民の負担減や農村向け公共投資の増額などの政策を掲げている。

◎中国「売春村」施設を強制閉鎖(2006年1月23日、産経新聞)
・女性従業員数千人が抗議
 【北京=野口東秀】中国系香港紙「文匯報」など香港各紙によると、広東省深●(=土へんに川)で十九日、通称「売春村」と呼ばれる区域の一角にある娯楽施設が強制閉鎖されたことに反発、女性従業員ら数千人が抗議活動を行った。現場の市庁舎前は一時騒然となったが、当局は数千人規模の警察部隊を出動させ、約千人を一時拘束した。
 「売春村」は香港からの男性客らが訪れることで知られる一大歓楽街。だが市当局は十八日、無許可営業などを取り締まるため、カラオケ、サウナ、マッサージ店など数百店を強制閉鎖した。
 これに反発した女性スタッフや経営者が十九日、「生きる必要がある」などと叫び、抗議活動を五時間近くにわたり続けた。「文匯報」によると参加した女性スタッフらは二千人だが、土地の強制収用に抗議する農民らも加わり、抗議者は一時五千人ほどに膨れ上がったという。

◎ガス爆発で1800人避難、死者10人に、中国四川省(2006年1月23日、産経新聞)
 新華社電によると、中国四川省仁寿県で20日起きたガスパイプラインの爆発事故は、22日までに死者が10人、負傷者も50人に上り、現場付近の住民約1800人が避難したことが分かった。
 地元当局者は「現場周辺の生活は平常に戻った」としている。爆発したパイプラインは国内の石油最大手、中国石油天然ガスの所有。同社は、パイプラインは1970年代に建造されたが、事故前は通常通りに運転されていたとしている。爆発で付近一帯のガス供給が止まっていたが、22日までに復旧した。

◎中国、昨年の携帯メールが3000億通超す(2006年1月23日、朝日新聞)
 新華社電によると、中国情報産業省は22日、同国で昨年1年間に送信された携帯電話メール数が前年比39.9%増の3046億5000万通に達したと発表した。料金を1通当たり0.1元で計算すると、総額300億元(約4200億円)以上になる。(時事)

◎北京市、一人当たりGDP63万円、3次産業がけん引(2006年1月22日、産経新聞)
 北京市政府は22日、2005年の同市の1人当たり域内総生産(GDP)が5457ドル(約63万円)に達したと発表した。
 中国国家統計局が昨年暮れに全国のGDPを見直したのに伴い、北京市は04年の1人当たりGDPを3割増の4970ドルに上方修正していた。05年はさらに増加、2000年の約2倍になった。
 05年の市全体のGDPは前年比11.1%増の6814億5000万元(約9兆9300億円)。GDPに占める第3次産業の比率は先進国並みの68%に達し、サービス業が成長をけん引していることを示した。特に不動産業は過去5年間に年平均約20%伸び、05年の同市の固定資産投資の54%を占めた。

◎中国人、6000万人が肥満症、欧米並みの社会問題に(2006年1月19日、産経新聞
 中国上海市の第2軍医大学付属長海病院は19日までに、中国人の6000万人が「肥満症」で、うち60万人は手術が必要との見解を明らかにした。中国紙の新京報が同日報じた。
 同病院では過去2年間で肥満治療の手術を40件以上実施しており、専門の外科治療センターも発足。中国社会でも肥満が欧米並みに問題化していることを裏付けた。
 中国人の肥満傾向について、同病院内分泌科の鄒大進主任は「これから30年間で肥満人口は現在の4倍に達する」と述べ、肥満治療の需要は急速に高まるとの見方を示した。
 同紙によると、同病院で実施しているのは、肥満患者の胃の上部を特殊な器具で締め付けることにより食欲を抑え、減量する方法。治療の際には腹部4カ所に1センチ程度の穴を開け、腹腔(ふくくう)鏡を使って器具を取り付ける手術が必要になる。
 外科治療センターの担当医は「胃腸を切開する必要がない。海外でも広く使われている治療法だ」と、急増が見込まれる肥満患者の治療に自信を示した。
 衛生省によると、中国の判定基準で「太り気味」とされる人は、昨年11月時点ですでに2億人を突破。肥満がもたらす場合が多い高血圧症の患者数も1億6000万人に上るとしており、肥満対策が急務となっている。

◎「産経は言論暴力団」 中国誌、名指し批判(2006年1月18日産経新聞)
 【北京=福島香織】中国外務省傘下の半月刊誌「世界知識」(16日発行)は3ページをさいて産経新聞などを名指し批判した。中国メディア上で産経が批判対象となることは珍しくないが、「言論暴力団」「保守御用喉舌(宣伝機関)」と呼ぶなど、ここまで激しい論調は珍しい。今月上旬、日中協議の席で、中国側が日本側に報道規制を求め断られた経緯があるが、当局が日本メディアの中国報道にいかに敏感になっているかがうかがえる。
 記事は中国社会科学院日本研究所の金●(●=「亡」の下に「口」、その下に「月女凡」)・助理研究員の執筆で「日本右翼メディアを解剖する」「日本右翼メディアの言論の“自由”と暴力」といった刺激的な見出しが躍る。
 まず「正論」執筆者らを名指しで列挙、「侵略戦争を否定し、靖国神社参拝を支持し、周辺隣国を誹謗(ひぼう)中傷し、平和憲法改正を訴えるのが“正論者”の最大公約数」と説明。「デタラメの論に立ち、故意に過激な言動で人の興味を引きつけようとする」と批判した。
 一方、朝日新聞については、「広範な大衆を代表する進歩的メディア」と紹介し、戦後の保守勢力台頭に断固反対する民衆と朝日新聞に対し「保守勢力は言論操作の重要性を実感した」と解説。フジサンケイグループを、保守政財界のてこ入れで生まれた「保守勢力の御用喉舌」と位置づけた。
 さらに産経新聞などを「狭隘(きょうあい)な民族主義を吹聴するだけでなく、異論を排斥する言論暴力団」と呼び、「朝日新聞や進歩的論客を長期にわたって悪意に攻撃してきた」と述べた。
 中国は最近、日本の新聞の論調に敏感で、中国外交官が「日本新聞で産経だけが首相の靖国参拝を支持している」と語るなど、当局の産経新聞に対する不満が強まっているようだ。

◎731部隊跡地を整備、抗日関連の観光地へ、中国・ハルビン(2006年1月18日産経新聞)
 中国のニュースサイト「新浪網」によると、黒竜江省ハルビン市は17日までに、「侵華日軍第731部隊罪証陳列館」がある同市の旧関東軍防疫給水部(731部隊)跡地を、4470万元(約6億4000万円)を投じて整備し、抗日戦争関連の観光地にする計画を明らかにした。
 工事は今年中にも開始され、周辺の住宅や中学校を取り壊して(1)731部隊本部の建物復元(2)跡地の門や壁の復元(3)道路や哀悼のための広場整備―などを進める予定。予算のうち2680万元は中央政府からの補助という。
 地元紙は「旧日本軍による犯罪の客観的事実を再現できる」と強調した。

◎中国人の貯蓄:総額200兆円過去最高、目的トップは教育(2006年1月17日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国各紙は16日、中国人民銀行の調査で05年末の中国人の貯蓄総額が14兆1051億元(約200兆円)と過去最高を記録、05年の1年間で2兆2100億元(約31兆円)増加したと報じた。教育費、老後の蓄え、住宅購入費が「3大貯蓄目的」。中国は国内総生産(GDP)に占める輸出入額(貿易依存度)は約70%に達することから、中国政府は「多消費、少貯蓄」で内需拡大を図り、安定した経済成長を保ちたい考えだが、社会保障制度の進まない中国社会で、庶民の心は安心して消費する方向には進まないようだ。
 中国の貯蓄額は改革・開放以来、96年まで高い推移で伸びていた。その後、00年までは毎年減少傾向にあったが、01年から再び増加し始めた。
 貯蓄目的で最も多いのが、教育費。経済発展の進む江蘇省常州市での調査では、大学合格まで子供1人にあてる教育費は平均約13万1000元(約186万円)で、99年から5万1000元(約72万円)増加した。教育の産業化が進む中、一人っ子への教育費用は今後も増加するとみられる。
 このほかに、医療保険制度や年金制度の不備を補うため貯蓄に回す人が多い。今後5〜10年間は、貯蓄はますます増えていくと予想される。

◎金総書記、深センを出発、訪中7日間は過去最長(2006年1月16日、読売新聞)
 【北京=末続哲也】訪中している北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記は15日夜、経済特区がある広東省深セン市の深セン駅を特別列車で出発し、次の目的地へ向かった。行き先は不明だが金総書記は今後、北京に移動して胡錦濤・中国国家主席と首脳会談を行うとの観測が広がっている。
 今回の金総書記の訪中は16日で7日目に入り、過去3回の訪中で最長だった2001年1月の上海・北京訪問の6日間を上回る。
 消息筋によると、金総書記一行は15日、深センの港湾施設やハイテク産業団地などを視察。同日夕には粤劇(えつげき)(広東地方の伝統劇)を鑑賞したと見られる。
 中国系香港紙・文匯報によると、金総書記は14日、同省広州南部の先進的農場を視察した。同省珠海を同日訪れたとの情報もある。

◆特別列車は真っ暗◆
 【北京=末続哲也】中国を訪問している北朝鮮の金正日総書記の特別列車が15日夜、広東省深セン市の深セン駅で多数の人々に目撃された。
 複数の証言によると、列車は、機関車を含め約20両編成。先頭付近の車両には明かりがついていたが、残る大半の車両の窓は真っ暗で、外に明かりが漏れない構造になっている模様だ。また、出発の約15分前には、安全確認用と見られる数両編成の列車が先に駅を離れていたことも分かった。
 前回の訪中(2004年)の際の帰路に起きた北朝鮮・竜川駅での爆発事故の教訓もあり、安全確保に万全の対策をとっているものと見られる。

◎中国:出現!ブランド好きの「新富裕層」(2006年1月16日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国の都市部に住む年収8万〜100万元(1元は約14円)の若い新富裕層が、「高消費、高学歴、高感度(流行に敏感)」の「3高」と呼ばれ、その新しいライフスタイルに注目が集まっている。
 市場調査・研究を行う民間機関「新生代市場監測機構」が北京、上海、広東省広州など国内12都市に住む新富裕層(18〜45歳)約1万人を対象に調査。過半数が大卒以上で、修士課程以上は12%、留学経験者は7%に上った。
 「3高」はマイホーム、マイカーを所有。車に関しては、年収が25万〜40万元になると2台目の車を購入する傾向がある。旅行好きで、年収10万〜15万元だと周辺国のアジア地域へ、20万〜25万元だと欧米への外国旅行を選択する傾向がある。
 食べ物では、牛乳、パン、バター、チーズなどの乳製品、高脂肪の食品が好み。56%が香水を使用していた。ブランド品が好きで、▽車はBMW▽デジタルカメラはソニー▽ノートパソコンはIBM▽携帯音楽プレーヤーはサムスン▽携帯電話はノキア▽香水はシャネル−−が人気だ。
 中国の04年都市住民1人あたりの平均年収は9422元、農民は2936元だった。

◎中国:子ども50人が鉛中毒、北京青年報(2006年1月15日、毎日新聞)
 中国甘粛省天水市の農村で昨年10月、吐き気や食欲不振などの症状を起こした子ども50人が鉛中毒と診断されていたことが分かった。中国紙、北京青年報が14日報じた。
 中国では各地で河川汚染が相次いでいるが、地元の環境当局は、今回の集団中毒も鉛を含んだ工場排水による河川汚染が原因とみて排出源の工場に一時、操業停止を命じたという。(北京・共同)

◎中国:05年、外貨準備が初の8千億ドル、日本には及ばず(2006年1月15日、毎日新聞)
 【北京・飯田和郎】新華社通信によると、中国人民銀行(中央銀行)は15日、昨年12月末の外貨準備高が前年比34%増の8189億ドル(約94兆円)となり、初めて8000億ドル台に達したと発表した。2089億ドルの増加で、01年からの5年間で4倍近くに急増した。
 中国税関総署は11日、昨年の貿易黒字が1018億ドルで、初めて1000億ドルを突破したと発表したばかり。貿易黒字や外国資本の対中投資などが外貨準備の大幅増の要因になったとみられる。
 昨年12月末現在で、外貨準備高は8469億ドルの日本が世界一だが、今年中に中国が日本を上回る可能性が高い。
 中国と香港を合わせた外貨準備高は、昨年6月末時点ですでに日本を抜いていた。ただ、通貨が異なり、それぞれが別の通貨当局を持つ中国と香港の外貨準備高の合計を「世界一」と位置付ける見方は少なく、中国が単独でいつ日本を超えるかが注目されている。

◎中国人民銀行の外貨準備高、実質世界一に(2006年1月15日、朝日新聞)
 中国人民銀行(中央銀行)は15日、昨年12月末時点の外貨準備高が8189億ドルに達したと発表した。前年同期比34.3%増で、昨年1年間で2089億ドルの大幅増となった。香港の同月末の外貨準備高は1243億ドルで、中国と香港を合わせた額は9432億ドルとなり、日本の同期の8468億9700万ドルを超えて実質世界1になった。
 このままの勢いで中国の外貨準備高が増えれば、今年中に単独で世界1になる可能性が高い。(時事)

◎北京の春節は爆発だ!爆竹遊びが正式“復活”(2006年1月15日、読売新聞)
 北京の春節(旧正月)に爆竹の大音響が戻ってくる。北京市当局が、1994年から禁止していた市中心部での爆竹遊びを認めたのだ。今年の春節は今月29日。首都の年越しは、久々に、にぎやかなものになりそうだ。(北京 松本浩行)
 「復活はうれしいよ。みんなの願いだったからね。子供のころの春節といえば、爆竹や花火で空が真っ赤に染まり、街中がものすごい音に包まれたものさ」
 古い北京の街並み・胡同(フートン)が残り、観光客でにぎわう鼓楼の近く。軽食店を営む松広貴さん(45)はうれしそうに言って、こう続けた。
 「実は去年の年越しの時だって、店の前でこっそりやったんだけどね。今年は堂々と出来る」
 中国では、昔から、めでたい日に爆竹は欠かせないとされてきた。特に、中国人たちが最も大事にしている旧暦大みそか(今年は28日)から春節にかけての年越しの時だ。
 観光客向けの人力車を引く任正賢さん(36)は、さすがに「古きよき北京」の伝統に詳しい。春節の爆竹のいわれについて説明してくれた。
 「伝説では、昔、年という名のどう猛な怪物がいて、除夜に姿を現しては人々を襲っていたけど、住民が竹の中に火を放ち、破裂させて退散させたんだ。それが爆竹の始まりさ」
 一年の厄を払う意味があり、庶民にとって、なくてはならない行事なのだという。
 にもかかわらず、北京市は禁令を出した。理由は、「危険。環境も汚染する」。その後、約300都市が追随した。春節の風情を消す禁令が出た当時、多くの中国人は、直感的に政治のにおいをかぎとっていた。
 「禁令は、危ないからじゃないよ。共産党は大勢が街に出て騒ぐのが怖いのさ」――89年の天安門事件や、ソ連・東欧崩壊の記憶が生々しい時代だったのだ。
 もっとも、根っからの爆竹好きの中国人もしぶとい。違反の罰金は100〜500元(1元は約15円)だが、見つかっても注意や没収にとどまることが多いと見るや、隠れて鳴らした。禁止後の年越しの夜も、どこからか聞こえてくる爆竹の音は絶えなかった。
 ちなみに、昨年の春節休暇中にも、違法販売者を含め、北京で961人が摘発され、350件以上の火事、ぼやが発生し、550人以上がけがをしている。禁止期間でこれだから、当局が「危険」と言ったのにも道理はあった。
 「民意を重んじる」を売り文句にする胡錦濤政権は、爆竹解禁を求める民意に応えた。昨年、禁令を撤回する都市が続出、9月、北京市人民代表大会(市議会)も、アンケートで7割近くの市民が解禁を望んでいるのを確かめた上で、春節期間に市中心部でも爆竹をやっていいとの新規定案を可決した。賛成49、反対1、棄権8――これまでの禁令の意味を問いたくなるような大差だった。
 制限は残る。例えば、「治安上の理由」から、天安門広場や、党・政府機関が集中し、指導者が住む中南海周辺では、今後も爆竹を鳴らしてはいけない。政権は、本音では、今も騒ぎを嫌っているようだ。
 ただ、普通の民衆には、そんなことは関係ない。楽しむだけだ。
 「これでようやく春節らしくなる」。鼓楼近くの松さんも、気合が入る。
 春を待つ北京。爆竹は22日から、市内の商店で一斉に売り出される。

◎交通整備に2兆8千億円、北京市、今後5年間で(2006年1月15日、産経新聞)
 15日付の中国紙、新京報によると、北京市はこのほど、今年から5年間で2000億元(約2兆8600億円)を投じ、高速道路や地下鉄などの整備を進める計画を明らかにした。
 北京―天津間の第2高速道路など6本の高速道路を建設、総距離は280キロになるという。また、2008年の北京夏季五輪の開催施設などに通じる地下鉄の整備も進める。
 北京は自家用車の急増に伴い、交通渋滞が激しくなっている。

◎李、王、張で20%超に、中国の三大姓(2006年1月12日、産経新聞)
 中国科学院は11日までに、中国で「三大姓(名字)」と呼ばれる李、王、張を姓とする中国人がそれぞれ人口の7.4%、7.2%、6.8%を占め、合計で21.4%になるとする調査結果を明らかにした。中国各紙が同日報じた。
 中国の人口約13億人のうち、2億9600万人を対象に姓を調査。この調査で示された比率を単純に当てはめると、1位の「李」は全国に約9600万人、2位の「王」は約9400万人、3位の「張」は約8800万人いる計算になる。

◎鳥葬の撮影・報道を条例で禁止、中国チベット自治区(2006年1月12日、産経新聞)
 11日の新華社電によると、中国チベット自治区政府の民政担当者は10日、チベットの伝統的な葬法である鳥葬について、撮影や報道を禁ずる条例をこのほど公布したことを明らかにした。地元の伝統文化を尊重し保護するためとしている。
 鳥葬は、遺体を人里離れた場所の岩の上などに置き、ハゲタカなどの鳥に食べさせる風習で、死者を天に送るためとされている。
 同自治区政府によると、チベットには約1000カ所の鳥葬用石台があり、100人近くの専門の僧侶がいる。条例は、僧侶の地位を尊重することも盛り込み、無関係な人間による撮影や見物だけでなく、鳥葬を行う場所の近くでの採石など開発行為も禁ずるとしている。

◎鳥インフルエンザ公表遅れを釈明、「官僚手続き原因」(2006年1月12日、産経新聞)
 中国の国営通信、新華社は11日夜、同日朝に世界保健機関(WHO)が明らかにした中国での鳥インフルエンザ感染による新たな死者の発生を、中国衛生省の発表として半日遅れで報道した。記事の中で「官僚的な手続きが公表を遅らせた」と釈明した。
 WHOは11日朝、中国南部の広西チワン族自治区の女児と江西省の男性の2人が昨年12月に死亡したことを確認し、中国衛生省から9日に通告があったことも明らかにした。鳥インフルエンザによる中国での死者は計5人。(共同)

◎中国の原油輸入1.3億トン、05年も過去最高、伸びは鈍化(2006年1月11日、産経新聞)
 11日の新華社電によると、中国税関総署の通関統計速報で、2005年の中国の原油輸入が前年比3.3%増の約1億3000万トンに達し、過去最高を更新したことが分かった。伸び率は04年の約35%から大幅に鈍化した。
 1次産品全体の輸入金額は26%増の1477億1000万ドル。鉄鉱石の輸入は32.3%増の2億8000万トンだった。

◎中国の貿易黒字、初の1000億ドル、世界1位も(2006年1月11日、産経新聞)
 2005年の中国の貿易黒字は1018億8000万ドル(約11兆6650億円)に達し、初めて1000億ドルを突破する見通しとなった。04年の約320億ドルの3倍以上の水準。AP通信が11日、中国税関総署の話として報じた。貿易黒字国の日本やドイツの05年の統計は発表されていないが、中国が両国を抜いて世界第1位となる可能性が出てきた。
 鉄鋼や繊維製品の輸出が好調で黒字が積み上がった。中国は昨年7月、人民元相場を約2%切り上げたが、輸出増に歯止めがかかる効果は出ておらず、欧米などとの貿易摩擦が激化、人民元の一段の切り上げを求める声が強まるのは必至だ。
 税関総署は10日、輸出入を合わせた05年の貿易総額を発表し、前年比23.2%増の約1兆4221億2000万ドルと初めて1兆ドルの大台を突破した04年(約1兆1547億ドル)を上回った。
 このうち輸出は28.4%増の約7620億ドルに達した半面、輸入は17.6%増の約6600億ドルにとどまり、黒字膨張につながった。国内の引き締め政策などで原材料輸入の伸びが鈍化した一方、鉄鋼や繊維、石油製品などの輸出が伸びた。
 中国は今年からの新5カ年計画では国内消費主導の成長に転換する方針を打ち出しているが、構造転換は容易ではない。
 中国の2005年の貿易黒字が前年の3倍以上に膨張したのは、過剰投資で国内の生産力が大幅に高まった結果、鉄鋼など国内でさばききれない製品などが大量に輸出に回り始めたためだ。
 中国企業は、品質より低価格を武器に輸出市場でシェアを伸ばす傾向が強く、世界貿易機関(WTO)の繊維製品輸入割当制度が撤廃されたこともあって、05年は衣料品の輸出も急増、米国や欧州連合(EU)などとの摩擦に発展した。
 中国は昨年7月に人民元の小幅な切り上げに踏み切ったが、関係業界の不満を代弁する米議会は再切り上げを強く求めるとともに、中国への報復関税を課すことを辞さない構えだ。
 中国政府は米欧に対しては輸出自主規制や航空機などの購入で理解を求めているが、生産能力ばかりが拡大し、貧富の格差で消費が伸びないことなどによる国内需給のアンバランスがそのまま、黒字拡大に反映しており、構造的な輸出圧力の高まりはことしも収まりそうにない。
 中国のWTO加盟から3年が過ぎた。名実ともに貿易大国になった中国が今後、摩擦を回避しながら経済成長を続けるためには、過小評価されている元を再切り上げするとともに、輸出に偏らない内需主導の成長へ転換することが不可欠だ。

◎昨年の中国の貿易黒字、初めて1000億ドル突破(2006年1月11日、日本経済新聞)
 【北京=吉田忠則】中国税関総署は11日、2005年の貿易黒字が1018億8000万ドル(約11兆6600億円)になったと発表した。過去最高だった1998年の黒字額の2倍以上、04年の3倍に膨らみ、初めて1000億ドルを突破した。黒字額は世界最大規模とみられる。急激な黒字拡大で欧米との貿易摩擦が激化し、人民元の切り上げ圧力が強まる可能性がある。
 輸出額は前年比28.4%増の7620億ドルで、輸入額は同17.6%増の6601億2000万ドル。好調な世界景気に支えられて輸出が堅調に伸びる一方、輸入は国内の過剰投資の反動による生産過剰でやや鈍り、貿易黒字を過去最大規模に押し上げた。
 これまでの最高は1998年の434億ドル。2004年は321億ドルだった。05年7月には人民元レートを対ドルで2%切り上げたが、その後も黒字は毎月約100億ドルずつ増え続けており、相場の見直しは輸出を抑える効果がなかった。中国の繊維品の輸出を巡る欧米との摩擦も影響は小さかったようだ。

◎北京の街に韓国パワー、ビジネスマン進出(2006年1月6日、産経新聞)
≪不動産投資過熱/北の直営飲食店も≫
 北京では朝鮮半島系の人々が存在感を増している。核となるのは韓国の活発な対中投資を背景に進出する韓国人ビジネスマンらで、北京の郊外には通称「韓国村」というコンドミニアム群も登場。韓国人の日常生活の需要を当て込んで、中韓の言葉に通じた朝鮮系中国人(朝鮮族)が熱心に商売を繰り広げるほか、女性を配した北朝鮮直系の飲食店まで韓国人の居住地域に進出してうけに入っている。(北京 野口東秀、写真も)

≪五輪までは≫
 「2008年の北京五輪までこの勢いは続くでしょうね」。北京市街と国際空港のほぼ中間に位置する望京地区。この郊外の新開地に林立するコンドミニアムの看板は、漢字よりもハングルがめだつ。ここが北京っ子の呼ぶ「韓国村」だ。
 韓国系の不動産会社「北京世一東方不動産」の徐在日さんらによると、「韓国村」に住む韓国人ビジネスマンとその家族は、5年前の1万人弱から現在は約5万人に拡大。北京に住む韓国人の半数強、中国全体でも八分の一が住む。北京五輪までには北京在住の韓国人は20万人を超えると予想されるほどだ。
 「村」と呼ばれるだけあって、韓国人向けのサービスは充実している。韓国語による学校や塾は約40カ所、韓国食品専門スーパーは30店。韓国料理店にいたっては、実に100軒以上という。
 徐さんの驚きは、韓国人の不動産投資熱だ。35%の頭金を払い込んでコンドミニアムの数戸を購入する韓国人もいる。ソウルあたりから赴任してくるビジネスマンに貸して家賃をかせぎ、数年後には売却するという。1戸あたりの価格は120万−150万元(1元=約15円)が多い。「北京五輪までは値上がりが見込める」(在住の韓国人)ためだ。5年ほど前に1平方メートルあたり約5000元だった価格は現在8000元超。同社だけでも賃貸、分譲合わせ月70−100戸もの契約があるという。

≪橋渡し役≫
 中国市場への進出が著しい韓国人を支えているのが朝鮮族の人々だ。言葉や習慣の面で、進出した韓国人と中国社会の橋渡し役をになう。
 「韓国村」に常時出入りする朝鮮族は1−2万人。多くの韓国人家庭には朝鮮族の家政婦が月千数百元で雇われている。
 中級クラスのコンドミニアムを改装したもぐりの民宿も営業している。食事と洗濯付きで1泊100元という低価格が売り。「村」の民宿は100軒前後といい、オーナーはもちろん、朝鮮族だ。
 韓国からの旅行者のほか、韓国に渡航するビザ(査証)手続き中の朝鮮族で繁盛しており、このうちの1軒はザコ寝を含め1日最大15人、年間200−300人が宿泊する。
 脱北者らしい男性も宿泊したことがあったが、同宿の韓国人のパスポートと財布を盗み姿を消した。オーナーは「それ以来、北の人は断っている」と話す。

≪歌う女性≫
 「韓国村」で経営する北朝鮮政府直営の飲食店「平壌カフェバー」。供されるカクテルの名は「平壌の夜」「統一」「われわれはひとつ」といかにも北朝鮮らしい。ウエートレスが、客のそばまで来て中国や韓国の歌をギターを奏でながら聞かせる。
 1杯60元の「平壌の夜」はグラスが2段式でアルコール度の高い酒に火を付け青い炎を暗がりで楽しむ。「主体思想の塔を象徴しているという人が多いですが自由に発想を」と「金日成バッジ」をつけたウエートレスは話していた。
 拉致問題を話し合う日朝協議で会食の場となった「玉流宮」レストランでも、人気は20人ほどの北朝鮮から来た女性従業員だ。カラフルな衣装でステージで踊る。客席まで来て歌うパフォーマンスを見ようと韓国人客らで連日大にぎわいだ。
 こうした北朝鮮系のレストランは、北京市内に十数軒。北朝鮮側が女性らを派遣し、中国側が店舗や資金を出すケースが多い。最近は、客とのおしゃべりでリピーターを増やしたり、個室を増やすなど高級化志向にある。拡大する韓国人を目当てに有力な外貨稼ぎの手段として増える気配だ。

◎中国・地下金融:正規金融機関の3割、融資8000億元(2006年1月4日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国で、許可を得ずに金融業を行う地下金融の融資規模が、昨年末時点で7405億〜8164億元と、正規金融機関による融資規模の約28%に上ることが初の実態調査で明らかになった。新華社通信(電子版)が4日、報じた。
 北京の中央財経大学が調査を実施した。調査結果では、中国政府が景気引き締め策として過剰投資を抑制している炭鉱、石油、鉄鋼、セメントの分野で、資金調達の多くが地下金融からだったことが分かった。引き締め策の影響で昨年以来、地下金融の活動が活発化しているという。
 また、正規金融機関が中小企業や農業への融資に消極的なため、中小企業経営者の3分の1強、農民の約55%が地下金融から融資を受けているのが実態だという。
 正規金融機関による融資規模に対する地下金融の規模は、黒竜江省が53.4%と最も高かった。このほかに30%を超えたのは、遼寧省、福建省、山西省だった。
 中国社会では、地下金融が正規金融機関が果たせない一定の役割を担っている。しかし、犯罪の温床となるなど経済発展を阻害する可能性が高いため、規制強化が必要とされている。

◎人民元、4日からの新取引方式で最高値更新(2006年1月4日、日本経済新聞)
 【上海=川瀬憲司】上海外為市場で4日から始まった銀行間取引で人民元は一時、対ドルで1ドル=8.0670元を付けた。昨年12月30日終値に比べ0.0032元(0.04%)高く、昨年7月21日の切り上げ後の最高値を更新した。ただ、銀行間取引は準備不足の感が否めず、銀行のディーリングルームでは混乱がみられた。
 一方、上海外貨取引センターを介した人民元取引も従来通り行われた。同センターで取引を終えた午後3時半(日本時間同4時半)時点での終値は8.0675元だった。銀行間取引は同5時半(同6時半)まで続いた。
 中国人民銀行(中央銀行)はより柔軟な人民元相場の形成などを目指し、4日から日米欧など先進国市場と同様に銀行間取引を導入。人民銀が許容する1日のドルに対する値幅制限(0.3%)はそのままだが、基準値を前営業日の終値から当日の取引時間直前に特定の銀行から聞き取った加重平均値に変更した。

◎人民元、「初値」は1ドル=8.0702元、銀行間取引がスタート(2006年1月4日、日本経済新聞)
 【上海=川瀬憲司】中国人民銀行(中央銀行)は4日、人民元と外貨のレートを銀行同士で決める新しい取引方式を導入した。これに伴い、人民銀は同日から取引開始直前に取引の基準値を公表。初日、元はドルに対し昨年12月30日の終値と同じ1ドル=8.0702元だった。ただ、その直後には一時、昨年7月21日の切り上げ後初めてとなる8.06元台に突入した。
 初日はシステムの運用面などで取引が一部混乱した。午前9時15分(日本時間同10時15分)に公表されるはずの基準値がすぐに取引参加者に伝わらないといった事態が発生した。
 人民元は従来、上海外貨取引センターを介して取引されていた。4日からは常に売値と買値を提示する義務を負うマーケットメーカー(値付け業者)制度を導入し、従来の方法と併用する。より柔軟で、市場の実勢に近い人民元レートの形成を目指す。

◎中国四川省で感染確認、鳥インフルエンザ(2006年1月4日、産経新聞)
 中国農業省は3日、四川省大竹県で新たに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の家禽(かきん)への感染を確認したことを明らかにした。同省で家禽への感染が確認されたのは初めて。
 農業省によると、昨年12月22日、同県の農家で飼われていた家禽1800羽が死んでいるのが見つかり、3日に感染を確認した。四川省の関係当局は感染拡大防止のため、周囲の家禽約1万2900羽を処分したとしている。(共同)

◎中国:米国の中国企業制裁に不満表明(2005年12月29日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】米政府が中国航空技術輸出入総公司など中国国営企業6社に対して、イランにミサイル・化学兵器関連物資や技術を輸出したとして制裁を科した問題で、中国外務省の秦剛(しんごう)報道副局長は29日の定例会見で「米国の間違ったやり方に強烈な不満と反対を表明する」と述べた。
 秦副局長は、「米国が根拠を示さず、国内法に照らして制裁を科すのは道理に合わない」と批判した。

◎米国:イランに武器輸出、中国企業6社など制裁(2005年12月29日、毎日新聞)
 【ワシントン笠原敏彦】米政府は27日、イランにミサイル・化学兵器関連物資や技術を輸出したとして、中国航空技術輸出入総公司(CATIC)、中国北方工業公司(NORINCO)など中国国営企業6社を含む3カ国の計9社に制裁を科したと公表した。
 イランの大量破壊兵器開発阻止を目的とする「イラン不拡散法」に違反したとの認定。制裁を受けた企業は米政府と取引ができないほか、米企業からの技術移転が制限される。中国以外では、インドの化学系企業2社とオーストリアの防衛企業1社も制裁を科された。

◎中国の知的財産保護「輝かしい進展あった」と自賛(2005年12月27日、産経新聞)
 新華社は27日、知的財産権保護について「輝かしい進展があった」と自賛する長文記事を配信した。海賊商品の横行で高まる国際社会の中国への批判に反論する狙いがあるようだ。
 記事は昨年9月から今年末まで、中国政府が全国の各組織を主導し徹底した知的財産保護運動を展開したと強調。施行した条例、摘発した事件などを詳細に伝え、「コピー商品を販売した業者を取り締まった上海市政府に日本の有名企業9社が謝意を表明した」などと成果を誇示した。(共同)

◎60人食中毒、5人死亡、殺鼠剤を検出、中国・重慶(2005年12月27日、朝日新聞)
 26日付の香港各紙によると、中国重慶市の農村部で24日夜、村幹部が開いた宴席の参加者約60人が重い食中毒の症状を訴え、子どもら5人が死亡した。患者が吐いたものから、02年に南京で起きた無差別殺人事件と同じ殺鼠(さっそ)剤「テトラミン」が検出された。中国ではテトラミンの生産や販売が禁じられているにもかかわらず、同様の事件が相次いでいる。

◎中国の政府系機関で不正会計4兆円、196人処分(2005年12月27日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】26日の新華社電によると、中国の会計検査院が今年1〜11月に全国約9万の政府関係機関を対象に行った会計検査で、法律や規律に違反した不正会計処理額が2900億元(約4兆600億円)に上ることが明らかになった。
 また、同期間に検査対象となった全国2万2000人の共産党・政府幹部のうち、196人が司法当局への送致など処分を受けたことも判明。幹部腐敗の深刻さを改めて示した。
 最高人民検察院の報告によると、中国で昨年、汚職事件で立件された公務員の数は4万3757人(前年比267人増)。100万元(約1400万円)を超える収賄、公金横領事件は1275件(同4.9%増)で、容疑者のうち閣僚級は11人、中央・地方の局長級198人、一般幹部は2960人に上っている。

◎オークマ、中国で工作機械5割増産(2005年12月25日、日本経済新聞)
 オークマは中国で旋盤、マシニングセンターなど工作機械を5割増産する。昨年1月に本格稼働した合弁会社で現在月に約20台を生産しているが、2006年度は30台に増やす。自動車や金型関連の現地企業の間で需要が高まっているのに対応する。日系工作機械メーカーではヤマザキマザックも中国工場で増産に乗り出す予定で、工作機械の中国現地生産が加速しそうだ。
 合弁会社は「北一大隈(北京)机床」で、旋盤と縦型、横型のマシニングセンターなどの汎用機を中心に生産している。自動車や建機など中国の地元企業の設備投資が活発化、工作機械の需要が高まっているのに対応する。

◎中国:殺そ剤で村民ら5人死亡、55人入院、重慶市(2005年12月25日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】新華社通信によると、重慶市奉節県康楽鎮で24日夜、村の男性の誕生日を祝う宴会で食事を取った出席者が中毒症状を起こし、25日までに5人が死亡し、55人が入院した。うち10人は重体。地元政府によると、食べ物に殺そ剤が混ぜられていたとみられ、警察が事件として捜査している。

◎中国、鳥インフルサンプルをWHOに提供せず(2005年12月24日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(本部・マニラ)の尾身茂・事務局長は23日、北京で記者会見し、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染した鳥から採取されたウイルスのサンプルが中国政府からWHOに全く提供されていない、と明らかにした。WHOは提供を強く求めていく方針だ。
 尾身局長によると、中国では今年、全国31カ所で鳥への感染が確認されたが、いずれの地域からもウイルスのサンプルが提供されていないという。昨年は5カ所の感染地のサンプルが提供された。

◎中国:炭鉱事故多発で、責任者222人を処分(2005年12月24日、毎日新聞)
 【北京・飯田和郎】中国安全生産監督管理総局の李毅中局長は23日の会見で、今年1年で安全対策が著しく劣っていた炭鉱4000カ所以上を閉鎖処分にし、大規模事故の責任者として陝西省と広東省の副省長を含む222人を処分したことを明らかにした。
 中国では今年、黒竜江省七台河市で11月末に171人が亡くなった爆発事故など、30人以上が死亡した炭鉱事故が11回も起きた。全体では昨年1年間とほぼ同数の約6000人が死亡したとみられている。
 李局長によると、山西省寧武県で7月に起きた事故では、36人が死亡したにもかかわらず、地元政府幹部らが共謀し「死者は19人」と上部機関に報告し、残り17人の遺体を隣接する内モンゴル自治区に隠すなど情報隠ぺいを図る悪質なケースもあった。
 処分の内訳は司法機関に移送された経営者らが96人。126人が共産党の処分を受けた。うち40人の行政職ポストがはく奪されたという。

◎中国:トンネル建設現場でガス爆発事故、42人死亡(2005年12月23日、毎日新聞)
 23日の新華社電によると、中国四川省都江堰市の高速道路トンネル建設現場で22日午後、ガス爆発事故が発生し、作業員ら42人が死亡、11人がけがをした。死者はさらに増える可能性がある。中国では最近、炭鉱爆発や病院火災など大規模事故が相次いで起き、多数の犠牲者が出ている。【中国総局】

◎鉄鋼や電力大手、中国で環境・省エネ事業を拡大(2005年12月23日、日本経済新聞)
 鉄鋼や電力大手が中国で環境・省エネルギー事業を拡大する。新日本製鉄は製鉄所で発生した熱で発電する装置を大型化して2006年夏に発売。Jパワーは現地の電力会社と組み、太陽光や風力を使った発電システムの実験を始めた。経済成長が続く中国では温暖化ガスの大量発生や環境汚染が深刻な問題になっている。日本が強みを持つ環境・省エネ技術で需要を取り込む。
 新日鉄は製鉄所の排ガスを回収して発電する大型設備の納入を増やす。コークス(蒸し焼きにした石炭)をつくる炉に取り付ける乾式消火設備(CDQ)と呼ぶもので、中国の鉄鋼大手、首都鋼鉄グループ(北京市)との合弁会社を通じて販売する。

◎中国の粗鋼生産、3億トンをはじめて突破(2005年12月22日、朝日新聞)
 中国の05年の粗鋼生産量が11月までで初めて3億トンを突破した。年間では3億4000万トンに達する見込み。わずか2年で日本の生産量に相当する1億2000万トンも増えた。中国の生産能力は、小規模な製鉄所の乱立で5億トン近くに達していると見られる。過剰生産による資源の浪費や鉄鋼会社の経営悪化も心配され、中国政府が合併や小型高炉の休止を指導するなど対策を急いでいる。
 国営新華社通信によると、中国の05年1月から11月までの粗鋼生産量は前年比25.5%増の3億1765万トンだった。通年では25%増の3億4000万トン、06年には4億トンの生産が予想されている。供給過剰を懸念した日米欧などの減産で世界的な生産量は横ばいの見込みだが、中国の伸びが目立つ。
 しかも、国家発展改革委員会によると、粗鋼の生産能力ではすでに4.7億トンに達し、建設中や計画分も1.5億トン分ある。中国内の鋼材価格は5月ごろから3年ぶりに下がり始めた。需要は減っていないが、10月の鉄鋼製品の在庫は1年前より42.9%も増えた。
 供給過剰は歴然としており、余剰分が輸出に向かう可能性も高い。欧米や東南アジアの主な輸入国はセーフガードなど貿易制限措置の発動をちらつかせて、中国に自主規制を迫っている。
 中国政府は来年から生産能力が計1億トンにもなる小型高炉を整理する方針だ。合併の指導や、企業の統廃合で生産調整を進める。ただ、対象の約900社のほとんどが中小で、民営企業も多い。経営陣だけでなく、税収減を嫌う地方政府の抵抗も強く、指導の効果は疑問視されている。
 一方、中国の05年の鉄鉱石の輸入量は前年より2割多い2億5000万トンの見通し。3年で倍増した。日本より1億トンほど多く、世界一。最近の鉄鉱石価格の急騰の原因でもある。購買力が大きくなるにつれて、中国は有力輸出国の豪州やブラジルとの価格交渉が、日欧主導で進む現状にも不満を強めている。

◎中国、04年GDPを上方修正、世界5位の仏並みに(2005年12月20日、朝日新聞)
 中国政府は20日、国家統計局が実施した経済センサス(統計調査)によって、第3次産業や個人企業などの実態を反映させた結果、04年のGDP(国内総生産)が15兆9878億元(約1.9兆ドル)となり、従来発表に比べ、16.8%増えたと発表した。ドル換算すると、04年は世界5位の仏に迫り、05年は世界4位の英国に近づく見通しだ。
 発表によると、04年のGDPは、従来より2兆3000億元増えた。増加分の93%は、第3次産業だった。中国政府の想定以上に、第3次産業や民間企業の存在感が高まってきたといえそうだ。
 中国政府は合計3000万余の事業主に対して、1000万人の調査員を動員した統計調査(04年12月末時点)を実施。第3次産業や個人企業まで細かく調査したのは初めて。すでに一部の結果が発表され、就業人口は第2次、第3次産業とも約1億5000万人ずつだった。

◎デジタルカメラ:ソニー「不合格」 ペンタックス製も、中国・浙江省(2005年12月18日、毎日新聞)
 ソニーとペンタックスのデジタルカメラが、中国浙江省工商行政管理局の検査で不合格とされたことが17日、分かった。ソニーは混乱を避けるために中国全土で出荷を自粛している。
 両社などによると、同省は省内で販売されている6社のデジタルカメラ34機種を抜き打ち検査し、13機種が不合格になった。ソニーの「サイバーショット」6機種は、明るさを調整する機能や液晶画面の輝度など4項目で基準を満たさないと判定され、名前が公表された。公表されなかったペンタックスも現地の販売代理店からの情報で、2機種が不合格とされたことが分かった。
 両社とも、自社の検査では品質基準を満たしているという。このため両社は、同省が設定した基準の詳細や不合格になった経緯などの情報収集を急ぐ一方で、当局に再検査を要請している。
 この問題は現地で大きく報道され、ソニーの現地法人には消費者から品質についての問い合わせが続いている。混乱を避けるために同社は中国全土で出荷を自粛。16日からは、販売店に文書で販売自粛を要請し始めた。ペンタックスは販売を中止していない。
 ソニーのコンパクト型デジタルカメラは中国市場でシェア首位。同社の05年度の全世界でのデジカメ出荷見込み1350万台のうち、中国市場向けは10%弱を占める。
 松下電器産業とキヤノンの製品も検査を受けたが、17日段階では当局から通知はないという。

◎中国浙江省、ソニーの再申請却下、デジカメ販売認めず(2005年12月18日、産経新聞)
 【北京=福島香織】国営新華社通信によると、中国浙江省工商局がソニー製六機種などのデジタルカメラの品質が省の基準に達しなかったとして、省内販売差し止めを勧告した問題で、同局はソニーが申請していた再検査は必要はないとの判断を示した。また、必要なら訴訟支援も行う構えを見せるなど強硬姿勢を示している。
 浙江省は消費者の苦情を受けて省内市場に出回るデジタルカメラのうち、六ブランド三十四機種について先月、抜き打ち検査を行い、最終的に十三台の品質が問題有りとの判断を下した。現在のところ、社名や製品の詳細を公表されたのはソニーだけとなっており、浙江省、江蘇省などの百貨店、パソコン店などではソニー製品の撤去が始まっているという。
 十六日付の上海証券報によれば、カメラの品質については国家統一基準はないが、ソニー側が企業の品質基準に関する資料の提供をしぶったことにも一因があるという。
 また、中国科学技術省が最近、多国籍企業が知的財産権を乱用し中国市場を独占しているとの見解をまとめた報告書を発表するなど、中国側が市場を席巻する外資技術系企業への不満を隠さなくなっており、今回の事件は、製品性能ではなく、デジカメ市場でトップシェアを占めるソニーを問題視したためではないか、との見方も業界に出ている。
 実際、ペンタックスの二機種も問題点を指摘されたが、再検査を受理されたという。また、キヤノンは「当局から勧告はきていない」とし、松下電器産業も「販売差し止めの指示はきていない」としている。
 ソニーでは、「事態の収束に向け浙江省と話し合いを続ける」方針だが、一社が狙い撃ちされたことに困惑しており、日系企業も真意をつかみかねている。

◎中国・デジカメ差し止め、日本メーカー影響懸念(2005年12月17日、朝日新聞)
 世界のデジカメ市場を席巻している日本メーカーにとって、中国当局から販売差し止めを勧告されるのは初めてといい、中国事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。ペンタックスも不合格となったが、ソニーへの勧告が先行したため「ソニーが狙い撃ちされた」との見方もあり、日本メーカーは疑心暗鬼に陥っている。
 ソニーは16日、中国全土の出荷自粛に続き、小売店にも販売見合わせを要請するなど対応に追われた。発端は、先月の検査。デジカメへの苦情を受けて浙江省当局が買い集めた6社34機種のうち、ソニーの「サイバーショット」6機種を含む13機種を不合格とした。13機種を5台ずつ2次検査した結果、ソニーの6機種30台はすべて基準を満たしていないとして、今月13日付で省内販売差し止めを勧告。他社の機種の検査は続いており、当局は「不合格なら追って勧告する」という。
 ソニーで不合格とされたのは、被写体の色合いを調整する機能や液晶モニターの明るさなど4項目。機種の個性にかかわる項目とも言え、「不具合」とは異なる。ソニーは「基準を尊重する」としつつ、当局に再度の検査を要請している。ペンタックスも「過去に不合格とされたことはなく、驚いている」と話す。
 当局関係者は「中国で最もカメラの機能に詳しい国家機関に持ち込んで検査した」と強調する。
 世界で約20%のシェアを握るソニーの05年度の出荷は1350万台の予定で、中国向けは1割程度とみられる。中国で販売する13機種のうち自粛対象は6機種で、ブランドイメージの低下は避けられない。上海市内の家電量販店では16日、対象外のソニー製品まで交換を求める客もいた。
 日本メーカーには不安が広がっている。中国には検査基準が複数あり、その主導権争いの中で、世界的なブランド「ソニー」が犠牲になったとの見方すらある。
 今回の検査対象になったキヤノンは「当局から一切連絡がないので、どの機種が対象になったのかも分からない」という。販売差し止めとなれば中国事業への影響は大きいため、各社とも情報収集に追われている。

◎化学工場爆発、有毒物質がロシア到達、非常事態宣言も(2005年12月16日、産経新聞)
 タス通信によると、ロシア非常事態省は16日、中国東北部の化学工場で起きた爆発で松花江に流れ出た有毒物質が同日、ロシアとの国境であるアムール川に到達したことを確認した。
 アムール川流域のロシア極東の市民生活に影響を与えるのは必至。ハバロフスク地方政府は非常事態の宣言も検討しているほか、飲料水確保など対策準備を進めている。
 ショイグ非常事態相は到達が確認される前の15日夜にハバロフスク入りし、関係当局と対策を協議。地方政府は約150万人の飲料水源になっているアムール川からの取水を中止する方針で、安全が確認されるまで数日間断水が続く可能性もある。多くの市民は各家庭で水を備蓄したほか、地方政府も飲料水3日分を確保、給水車85台を準備した。(共同)

◎中国吉林省で病院火災、33人死亡、被害拡大の恐れも(2005年12月16日、産経新聞)
 新華社電によると、中国吉林省遼源市の病院で15日夕、火災が発生。同日夜までに逃げ遅れた患者ら少なくとも33人が死亡した。
 新華社電は近隣の市などから消防車が動員されたとしている。大規模火災だった可能性があり、死傷者は拡大する恐れもある。患者らは火災から逃れるため建物から飛び降りるなどしたという。吉林省幹部らが現場に急行、救助活動を指揮している。(共同)

◎ソニーのデジカメ「品質不合格」、中国・浙江省が認定(2005年12月15日、朝日新聞)
 上海市に隣接する中国浙江省の工商行政管理局は15日までに、ソニーのデジタルカメラ「サイバーショット」6機種が品質に問題のある不合格品であるとして、省内での販売を禁じる、と発表した。ソニー側はこの措置を受け、同日、「実態を調査する」として、この6機種の中国全土での販売を差し止める方針を固めた。
 工商局の発表によると、省内でデジカメに関する苦情が相次いだため34機種の品質を検査。その結果、ソニーの6機種を含む13機種が一定基準を満たしておらず不合格品と認定した。自動フラッシュ機能や露光調整、ホワイトバランス調整機能に問題があるという。中国各紙によると、すでに国内各地の大手家電量販店などで商品引き揚げが相次いでいるという。ソニー以外のメーカーについては工商局は具体名を明らかにしていない。
 6機種はいずれも隣接する江蘇省無錫市や上海市の工場で製造され、中国のほか、北米でも販売されている。ソニーは「工商局と連携し、どこに問題があるのかを早急に突き止める」として、暫定措置として販売自粛を決めた。

◎世界のビール消費量、中国が2年連続1位、日本は6位(2005年12月15日、朝日新聞)
 キリンビールが15日発表した04年の世界主要国のビール消費量によると、中国が2864万キロリットルで2年連続の1位だった。2位が米国の2397万キロリットル、3位がドイツの955万キロリットル。日本は654万キロリットルで昨年と同じく6位。
 世界の総消費量は前年比4.2%増の約1億5039万キロリットルと19年連続で増加しており、東京ドーム約121杯分だった。アジア市場が11.2%増の4314万キロリットルとなり、世界最大市場である欧州の4937万キロリットル(1%増)に迫った。

◎上海に海上コンテナ港開港、世界一の国際ハブ港目指す(2005年12月11日、産経新聞)
 中国上海市が同市南東部の東シナ海に浮かぶ小島「小洋山」に建設中の海上コンテナターミナル「上海国際海運センター洋山深水港」の第一期部分が10日、開港した。
 「世界の工場」となった中国の主要港である上海港は今年、貨物取扱量が世界一となる見通し。将来、洋山深水港の完成により、コンテナ取扱量も世界一に押し上げ、国際的なハブ港を目指す。
 同港の第一期ターミナルは水深15メートル以上の岸壁を持ち、7〜10万トン級の最新大型コンテナ船が停泊できるバースが5つ設置される。コンテナの年間取り扱い能力は300万TEU(長さ20フィートのコンテナ換算)。2012年にはバースが30以上に増え、取り扱い能力は1500万TEUとなる計画で、投資額は約600億元(約9000億円)。
 同港と上海市の陸上部は全長約33キロの「東海大橋」で結ばれ、陸上部には物流基地やハイテク産業が集積する「臨港新都市」の建設が進む。同港と新都市の一部は税関手続きが簡素化される「保税港湾地域」に中国で初めて指定され、国際的な中継貿易が促進される。
 上海港は04年に貨物取扱量が3億7900万トンでシンガポールの3億8800万トンに続き、世界2位。今年は1〜11月までに前年同期比16.6%増の4億4000万トンに達し、シンガポールを上回る見通し。(共同)

◎中国偽物天国、秘密マンションに“世界のブランド”びっしり(2005年12月9日、産経新聞)
≪客は日本人や東南アジア大使館員ら≫
 世界のありとあらゆる偽ブランド品が堂々と売られる北京。「ニセモノ大国」の汚名を払拭(ふっしょく)したい胡錦濤政権は摘発に躍起だが、最近は摘発逃れのためマンションの一室で販売する傾向が出始めた。当局はいたちごっこの状況を変えられるのか。ニセモノ販売の現場を探った。(北京 野口東秀)

≪丁寧で完璧≫
 高層ビルが林立する北京市中心部のマンションの一室。呼び出しボタンを押し、ドアののぞき穴に向け、事前に手に入れていた「名刺カード」をみせた。数秒後、ロックが外され若い男が中に入れと手招きした。
 100平方メートルほどの広さに、シャネル、セリーヌ、フェラガモなど、世界的ブランドのバッグ、スーツ、財布、靴など数千点がびっしりと並ぶ。マンションを活用している理由について若い男は「客がゆっくりと選べる。しかも客以外は容易に入れない」と声をひそめた。
 フェンディの財布は200元(1元=約14円)、バッグはルイ・ヴィトンが450元、プラダは500元。女性店員は「広東省で製造したモノです」と説明する。
 部屋の中には、十数人の客が品物を物色していた。客層は日本、欧州、中国。記者(野口)と面識のある東南アジアの大使館員も夫婦連れで商品を買いあさっている。
 本物なら数10万円はするダンヒル、エルメスのスーツが1200元。手触りもよく見分けがつかない。「生地はホンモノ。入手ルートは言えません。縫製は中国だけど、丁寧な仕立てで完璧(かんぺき)に近いでしょ」と女性店員は“自慢”した。
 次に訪ねたのは、日本大使館周辺から徒歩で数分のところにあるマンションの一室。スイス製のニセモノの腕時計がきらびやかに並ぶ。
 世界最古の歴史を誇るバセロン・コンスタンチンを手に若い男が説明した。本物なら市場価格は300万元以上する代物。「売値は6000元弱。スイスで製造したからだ。台湾製や広東製とは素材が全く異なる。中の部品もスイス製だ」。本物そっくりの鑑定書まである。
 オメガにローレックスにロンジン…。男によると、ニセモノでも等級があり広東製は200元、台湾製で500元、真偽は不明だが「部品もスイス」という「スイス製」では数千元に跳ね上がる。

≪知財犯罪氾濫≫
 中国政府の知的財産権保護の関係白書などによると、2000年から04年で、知的財産に関する犯罪案件は5305件、22億元。国家工商行政管理総局は昨年、偽造工場約3500カ所を破壊、253万カ所の店舗を検査し、2308万個の偽造品を没収した。
 しかし、中国のニセモノ市場規模の推定値について、政府機関の国務院発展研究センターなどは、1370億元から2000億元(約2兆8000億円)の数字をあげており、摘発は氷山の一角に過ぎない。
 日系企業が受ける侵害分野も幅広く食料品からオートバイ、車までほぼすべての工業製品に及ぶのが実態だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)北京センターには毎月数100件もの苦情、相談が日系企業などから寄せられる。
 「中央政府に取り締まる姿勢はあるものの、中国全体の経済に悪影響があるため、地場産業を優先する地方権力と企業が癒着しているのが根本的問題だ」。ジェトロ北京センター知的財産権室の後谷陽一室長はこう指摘する。
 問題解決には、党が知的財産権保護の重要性について、地道に国民を啓蒙(けいもう)し、違反組織を徹底して摘発する以外にない。中国政府は昨年8月、呉儀副首相をトップに国家知的財産権保護弁公室をたち上げ、保護・摘発に乗り出している。
 日本側は、知的財産権への意識と能力を中国の取り締まる当局者に高めてもらう目的で、国家知識産権局の審査官への技術説明会、偽造対策研修会などを各地で随時開催するなど、人材育成を側面支援している。

≪中国政府が発表した昨年の主な知的財産権侵害事件≫
・広東省でルイ・ヴィトンのバッグ
・江蘇省でクロコダイルのワイシャツ、ネクタイなど
・北京の企業によるコンピューターソフト
・広州市で化粧品エスティローダーの商標盗用
・広東省によるコンピューター関連技術のブランド盗用
・上海でアディダスの運動靴製造
・遼寧省でDVDなど偽造

◎炭鉱事故の死者74人に、中国河北省(2005年12月8日、産経新聞)
 8日の新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日発生したガス爆発事故の死者数が74人となった。行方不明者は32人。
 救助された29人のうち5人は重傷で、病院で手当てを受けている。

◎中国で5人目の感染確認、遼寧省の女性、鳥インフルエンザ(2005年12月8日、産経新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は8日、遼寧省錦州市黒山県で、同県の女性(31)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したことを確認したと発表した。中国で人への感染が確認されたのは5人目。
 女性は10月30日に高熱などの症状を起こし、原因不明の肺炎と診断されたが、その後回復に向かい、11月29日に退院した。中国疾病予防コントロールセンターの検査で鳥インフルエンザ感染が確認された。
 女性は発病前に、死んだ家禽(かきん)に接触していた。香港紙は女性は養鶏に従事、感染した家禽に接触したと伝えている。衛生省は世界保健機関(WHO)などに報告した。
 中国ではこれまで安徽省、湖南省、広西チワン族自治区で計4人が感染。また計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で家禽や渡り鳥の感染が確認されている。
 黒山県は小規模な養鶏農家が村ごとに密集。家禽の感染確認が多数の村に及んだため、11月5日から今月1日まで武装警察が出動して県全体を封鎖していた。

◎中国の“月の土地”業者、当局相手に異例の提訴(2005年12月8日、産経新聞)
≪営業停止処分に猛反発≫
 「地球への眺め良好」などをうたい文句に、月の土地を販売する“不動産業者”がこの秋、中国・北京に現れ、話題を集めたが、中国当局は月の土地の権利という「実体がないものを売って不当な利益を得ている」として開業わずか数日で営業停止処分を下した。これに業者側は「法律に違反していない」と猛反発、処分の取り消しなどを求めて提訴に踏み切った。中国では企業が政府を相手取り訴訟を起こすこと自体が珍しく、その行方に関心が集まっている。
 国営新華社通信などによると、業者は中国の「月の大使館」と名乗り、北京市内の商業ビルの十階に事務所を構えている。宇宙船「神舟6号」の帰還を受け、2010年までの月面探索計画が発表され、中国国内が宇宙開発の話題でもちきりだった10月19日に営業を開始した。
 月の土地1エーカー(約4000平方メートル)とその地下3キロの鉱物の所有権込みで、約300元(約4500円)で分譲。3日間で34人が計49エーカーを購入。購入者は所有地の経度と緯度などが明記された権利書を受け取り、将来、各国の宇宙船などが所有地に着陸したとき、その国に対して使用料を請求できるという。
 「月の大使館」の責任者の男性が地元メディアに行った説明などによると、同社は米国の宇宙不動産業者・ルナエンバシー社の中国代理店。1967年の月に関する国際条約では国家が宇宙空間や惑星を所有することを禁じているが、同社は「個人や企業による所有は禁じられていない」と主張、80年から月の土地の販売を始め、今では日本も含め欧州、アジアなど約10カ国に代理店があり、購入者は200万人以上としている。
 ところが、中国では市民からの通報などを受け、北京市工商局が調査した結果、「不当な取引」と判断し営業許可を取り消した。これに対し業者側は「処分の根拠がない」「不利益をこうむった人はいない」などとして、工商局を相手取り、同市海淀区の裁判所に提訴、徹底抗戦する構え。中国のインターネット掲示板には「政府と法律で争う勇気を支持する」「中国が法治国家になれるかどうかの問題だ」といった意見が多く書き込まれている。
 日本の代理店「ルナエンバシージャパン」(東京・赤坂)は、産経新聞の取材に対し「米国本社経由で北京の騒ぎを聞いている。詳細はわからないが、中国政府の営業停止処分は理解できない」としている。
 ちなみに同社は2002年にノベルティーグッズ(特典商品)販売業者として設立され、これまでに月、火星、金星の土地を10万人以上に販売している。日本では月の土地1エーカーで3000円程度という。(矢板明夫)

◎発電所建設に反対、6千人が警察と衝突、中国・広東省(2005年12月8日、読売新聞)
 香港紙「蘋果日報」が7日報じたところによると、中国広東省汕尾市で6日夜、発電所建設に反対する地元住民約6000人と武装警察が衝突、武装警察が発射した催涙弾が頭に当たるなどして住民少なくとも3人が死亡、8人が負傷した。
 住民らは、2年前に始まった発電所建設に伴う土地収用の補償金を役人が横領しているとして、今年3月から抗議行動を続けていた。(香港支局)

◎中国の私営企業61%、「社会主義」の空洞化進む(2005年12月8日、読売新聞)
 【北京=藤野彰】7日付の中国各紙によると、中国経済躍進の牽引(けんいん)車になっている私営企業がすでに国内企業総数の61%を占めていることが、第1回全国経済調査でわかった。
 かつて社会主義経済の根幹をなしていた国有企業の比率はわずか5.5%にまで後退、急速な市場経済化の下で「社会主義」の空洞化が進んでいることが裏付けられている。
 この調査は、中国国務院(中央政府)が1949年の建国以来初めて実施した全国経済調査で、昨年末現在の業種別企業数、就業者数などが明らかにされている。

◎遺棄兵器12年までに処理、期限延長、中国と協議へ(2005年12月7日、産経新聞)
 政府は7日、旧日本軍が中国で遺棄したとされる化学兵器を回収、処理するための日中共同事業について、2007年4月までの処理期限を5年間延長し、12年4月までとする方針を固めた。政府は近く中国政府との協議に入り、合意を得た上で来春までに化学兵器禁止機関(OPCW)に延長を申請する。
 政府は、遺棄兵器の大半が集中している中国吉林省敦化市ハルバ嶺に大規模処理施設を建設する計画だが、日中両国が新たに設立する「日中連合機構(仮称)」の人員構成などをめぐり協議が難航、施設着工が遅れている。このため処理期限の延長が必要と判断した。
 中国の武大偉外務次官も今月、超党派の国会議員による「日中新世紀会」の訪中団に、12年までに日本が責任をもって全面処理する必要があるとの考えを示していた。
 遺棄兵器をめぐっては、1997年4月、10年以内の化学兵器の全廃を目指す化学兵器禁止条約が発効。日中両政府は99年7月、日本政府が廃棄に必要な資金、技術、施設などを提供するとした「遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」に署名した。政府は2000年9月から小規模の発掘回収事業に着手し、これまでに約3万7000発を回収している。
 また、政府は吉林省ハルバ嶺の遺棄化学兵器について「約67万発」とOPCWに申告していたが、現地調査の結果から「30万〜40万発」と下方修正する考え。(共同)

◎炭鉱事故で54人死亡、中国河北省(2005年12月7日、産経新聞)
 新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日午後3時半(日本時間同4時半)ごろ、ガス爆発事故があり、同日夜までに54人が死亡、ほかに多数が行方不明となっているもよう。
 中国ではエネルギー不足を背景に、無理な操業による炭鉱事故が相次いでいる。先月27日に黒竜江省7台河市の炭鉱で死者171人の爆発事故があったほか、今月2日には河南省の炭鉱で出水事故が発生し、42人が行方不明になった。同日には貴州省でも複数の事故で16人が死亡、3人が不明になっており、事故に歯止めがかからない状況だ。
 中国政府は安全性に問題のある炭鉱に閉鎖を命じるなどしており、繰り返し安全確保を呼び掛けているが、石炭需要が増える冬を迎え、開発優先の地方が従わないケースも多いとみられている。(共同)

◎中国の乗用車、日本シェア3割に迫り首位争い、1〜10月(2005年12月8日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国の乗用車市場(輸入車を除く)で長年首位の座を維持してきたドイツにかわり、日本メーカーが中国勢とともに急浮上している。ブランドごとに分類した国別シェアで日本は1〜10月に26.6%と、首位に立った中国に0.7ポイント差で続き、外資の中では初のトップ。新車投入が遅れたドイツ勢に対し、日本勢は積極投資をテコに投入した新車が人気を集めており、3割強のシェアを有する米国市場に続き、世界3位の中国市場でも勢力を拡大している。
 中国汽車工業協会がまとめたメーカー別の同国内生産車販売台数によると、1〜10月のドイツ車販売台数は前年同期比26.8%減の37万6000台で、シェアは15.4%に低下した。日本車は逆に同28.8%増の65万1000台。シェアは26.6%と初めてドイツ車を抜いた。中国車は66万9000台とシェア27.3%で日本車を上回り昨年3位から躍進した。日中が初の通年での首位獲得に向け競り合っている。

◎中国:河北省の炭鉱で爆発、3人死亡、99人行方不明(2005年12月7日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日午後3時半(日本時間同4時半)ごろ、ガス爆発事故があり、同日夜までに3人が死亡、99人が行方不明になった。
 事故当時、坑内では123人が働いていた。
 中国ではエネルギー不足を背景に、無理な操業による炭鉱事故が相次いでいる。先月27日に黒竜江省七台河市の炭鉱で死者171人の爆発事故があったほか、今月2日には河南省の炭鉱で出水事故が発生し、42人が行方不明になった。同日には貴州省でも複数の事故で16人が死亡、3人が不明になっており、事故に歯止めがかからない状況だ。(北京・共同)

◎普通選挙求め25万人デモ、香港(2005年12月5日、産経新聞)
 香港政府が示した2007年行政長官選挙などの制度改革案に反対し、普通選挙の完全実施などを求める多数の市民が4日、市街地をデモ行進した。主催者によると25万人が参加したもよう。参加者数が確認されれば、警察発表で20万人が参加した昨年7月の民主化要求デモを上回る大型デモとなる。
 香港政府は10月、長官を選ぶ選挙委員会メンバーの拡大などを盛り込んだ改革案を公表したが、基本法(憲法に相当)が目標に掲げる普通選挙の完全実施の時期には触れなかったため、立法会(議会)の民主派らが反対していた。
 デモは、政府案の賛否を問う採決が立法会で21日に行われるのを前に、普通選挙実施の時期を示すよう中国、香港両政府に訴えようと民主派議員らが主催。参加者は当初予想された「数万人」を大幅に上回り、要求の強さを示した。
 ただ、政府案が今後修正される可能性は低いとみられる。中国側は普通選挙の完全実施は「時期尚早」としており、時期の明示も当面避ける見通し。
 政府案の通過には計60議員のうち40人以上の賛成が必要だが、民主派25人は原案のままなら反対票を投じる意向で、通過は微妙な情勢。デモが民主派と中国、香港両政府の今後の駆け引きにどう影響するか注目されそうだ。(共同)

◎中国、今年は9.4%成長・国家発展改革委主任が見通し(2005年12月4日、日本経済新聞)
 【中国総局】中国国家発展改革委員会の馬凱主任は3日、今年の同国の経済成長率が9.4%になるとの見通しを明らかにした。北京市内で開かれた会議で述べたもので、新華社が伝えた。中国経済は3年連続で9%台半ばの高い成長となることになる。
 馬主任は、高成長する一方で消費者物価上昇率は2%以下に抑えられており、固定資産投資の拡大に比べ伸び悩んでいた(個人消費を示す)社会消費品小売総額も順調に推移していることなどを挙げ、経済発展のバランスが改善しているとの見解を示した。

◎中国の刑務所内で「拷問」 国連人権委、改善求める(2005年12月3日、産経新聞)
 中国での人権弾圧や拷問被害を調査するため訪中していた国連人権委員会のマンフレッド・ノワク特別報告者は2日、北京で記者会見し、中国各地の刑務所や収容施設で「拷問」が行われているとの報告を明らかにし、中国政府に改善を求めた。
 報告書によると、拷問は、受刑者らに飲み水や食事を与えなかったり、電流が流れるこん棒で身体を痛めつけるなどさまざまという。中国政府は「拷問や残虐な体罰を禁止している」(外務省報道局)と主張しており、今回の報告書を受けて中国側がどう対応するかが焦点となりそうだ。
 ノワク氏は会見で、中国の司法制度について「容疑を否認し続ける限り、服役後も家族との面会が制限される」などと自白偏重を指摘。労働矯正施設についても「収容された者の意思破壊、人格改造が目的。組織的な非人道的行為だ」として撤廃を要求した。
 報告書によると、中国の国家安全省、公安当局者らがノワク氏ら調査団メンバーを24時間監視したほか、複数の拷問被害者に対し調査団との面会を拒否するよう脅したという。収容施設はいずれも調査団によるカメラなどの持ち込みを禁止し、証拠収集に応じなかったとしている。
 ノワク氏は先月21日から、独立派住民に対する迫害の疑いが取りざたされているチベット自治区ラサ、新疆ウイグル自治区ウルムチなどで調査していた。(共同)

◎炭鉱爆発で134人死亡、中国・黒竜江省(2005年11月29日、産経新聞)
 新華社電によると、中国東北部の黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発事故が発生。28日夜現在で、134人の死亡が確認された。坑内には15人が取り残されているという。
 事故当時坑内で作業していたのは221人。72人は自力で脱出したか救助された。
 現地入りした国家安全生産監督管理総局の李毅中局長は、救助隊メンバーら約380人に救出活動を進めるよう指示した。
 エネルギー需要の高まりから増産への圧力が強まる中国では、各地で炭鉱事故が相次いでいる。(共同)

◎旧日本軍の遺棄化学兵器、共同処理機構設立で日中合意(2005年12月3日、朝日新聞)
 日中両政府は、旧日本軍が戦時中、中国に残した遺棄化学兵器の回収・処理を共同で実施するため、両政府職員らによる「日中連合機構(仮称)」の設置で合意した。
 日本政府筋が2日明らかにした。両政府は2007年の処理期限を12年に延長する。兵器数については、これまでの70万発から「最多40万発」に下方修正することでも一致した。
 両政府は近く覚書を結び、本格的な回収・処理作業に入りたい考えだ。
 今回の合意に向け、両政府は事務レベル協議を重ねてきた。日中連合機構は、両政府が共同で設立する組織となる。中国政府が関与することで、認可や中国の国内法適用などの面で、作業を円滑に進めやすくする狙いがある。両政府は来春にも、同機構を中心に、吉林省ハルバ嶺(れい)で、発掘・回収施設の建設に着手する。日本政府がほぼ全額の約973億円を負担する。
 遺棄化学兵器数について、日本政府は「ハルバ嶺に約67万発、中国全土で約70万発」とオランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)に申告している。しかし、磁気探査機などを使った2002年からの調査で、ハルバ嶺の埋蔵量が30万〜40万発程度と判明した。中国側はかつて200万発と主張していたが、日本側の主張を大筋で受け入れた。日本政府は近くOPCWに修正申告する。
 遺棄化学兵器処理の期限は、化学兵器禁止条約に基づき、07年4月までとなっている。しかし、両政府の調整が難航し、期限内処理が事実上不可能なことから期限を5年間延長する。日中両政府は覚書を結び次第、OPCWに5年間の延長を申請する考えだ。
 遺棄化学兵器の回収・処理は、日中両国などが結んだ化学兵器禁止条約に基づくものだ。日本政府は2000年9月、ハルバ嶺以外での小規模な発掘を開始し、約485億円をかけ、計約3万7000発を発掘・回収した。

◎遺棄化学兵器、中国、処理進めず、「期限延長」内情は不透明(2005年12月3日、産経新聞)
 中国での旧日本軍遺棄化学兵器処理事業の期限が、平成十九(二〇〇七)年から二十四(二〇一二)年に五年間延長される見通しとなった。化学兵器禁止条約の発効(一九九七年)から八年が経過し、日本政府はすでに計約四百八十五億円を投じている。だが、成果は計十カ所での小規模な発掘・回収事業だけで、遺棄化学兵器の九割が埋設される吉林省ハルバ嶺での事業は遅々として進まない。「日中間の信頼熟成の事業」(政府担当者)の前途は多難だ。
 「現状では二〇〇七年までの解決は無理だ。一二年までの解決を強く要請する」
 中国の武大偉外務次官は一日、北京を訪問した超党派議員団「日中新世紀会」(団長・遠藤乙彦衆院議員)にこう語り、日本側に対し、早期に化学兵器禁止機関(OPCW、本部・ハーグ)に廃棄期限の延長申請をするよう求めた。
 化学兵器禁止条約は、条約発効後、十年以内に廃棄を完了しなければならない、と規定している。これに基づき日本政府は、ハルバ嶺で、運搬用道路、保管施設、無害化のための焼却処理施設などの建設を計画。昨年四月には日本側の事業主体となる株式会社「遺棄化学兵器処理機構」を設立し、周辺道路の整備事業に着手した。十月中旬には内閣府の江利川毅事務次官が訪中して武氏と会談、早急に事業を開始することを確認した。本体事業はいつでも開始できる態勢にある。
 ところが、中国側は今も事業認可をしていない。内閣府の担当者は「中国政府内の手続きが手間取っているのではないか」と説明するが、真の理由は明らかではない。
 問題は、五年間の延長ですべての作業が終了するかどうか。条約は、五年以上のさらなる延長はいかなる場合も認めておらず、事態は深刻だ。造成や発掘回収に要する期間にめどが立たないうえ、焼却処理だけでも一年半近くかかるとされる。冬季は土も凍る寒冷地域だけに、作業は難航が予想される。「最終期限内に作業が終了しなければ、日本は国際的に非難される立場になりかねない」(政府高官)と危惧(きぐ)する声もあがる。
 総費用もはっきりしない。内閣府は約二千億円と試算しているが、ハルバ嶺での発掘回収事業費はすでに、当初試算の七百八十億円から九百七十億円に上方修正されている。焼却施設建設費にも一千億円以上かかるとみられるうえ、事業運営費や施設解体費などがかさむことが予想される。試算通り事業が進む可能性は低い。(田中靖人)

◎中国黒竜江省で炭鉱爆発、死者68人、内部になお70人(2005年11月28日、朝日新聞)
 中国の国営新華社通信によると、黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発が起き、少なくとも68人が死亡した。炭鉱事故多発に悩む中国政府は防止策を強めているが、惨事はむしろ増加傾向にある。相次ぐ事故は、急速な経済発展を受けたエネルギー生産の拡大と、安全管理の徹底を同時に進めることの難しさを示すものだ。
 27日の爆発による落盤で、七台河市の炭鉱内には70人以上が閉じこめられているといい、救出作業が続いている。爆発当時、炭鉱内には200人以上の労働者がいたという。中国政府は事態を重視し、松花江(ソン・ホワチアン)の汚染問題で同省ハルビン市に派遣していた国家安全生産監督管理総局の幹部たちを急きょ現場に向かわせた。
 中国では炭鉱事故で年間数千人規模の死者が出ている。同総局によると、死者10人以上の炭鉱事故は今年計51件に上り、昨年同時期に比べて16件増。死者数も同じく2倍増近い計1355人に上った。
 新華社は27日、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が安全管理の徹底を求める「重要指示」を出したと伝え、28日付の各紙がこれを大々的に取り上げていた。事故は、その「重要指示」の直後に起きたことになる。
 政府は生産効率が悪く、安全対策が行き届かない小規模炭鉱の廃止を進める。大規模炭鉱に投資を集中し、増産と安全対策を両立させようとの狙いだ。
 中央政府は、役人や企業の管理責任を厳しく追及する姿勢。河北省●台市(「●」は「刑」のつくりが「オオザト」)では今月、炭鉱事故での死者1人当たり100万元(約1400万円)の「罰金」を企業側に科すことを決めた。

◎中国の炭鉱で爆発、30人死亡、140人以上鉱内に(2005年11月28日、朝日新聞)
 中国の新華社通信によると、黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発が起き、少なくとも30人が死亡した。爆発による落盤で炭鉱内には140人以上が閉じこめられているといい、救出作業が続いている。中国では大規模な事故が相次いでおり、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席らが安全管理の徹底を関係部門に指示したばかりだった。
 爆発当時、炭鉱内には200人以上の労働者がいたという。中国政府は事態を重視し、松花江(ソンホワチアン)の汚染問題で同省ハルビン市に派遣していた国家安全生産監督管理総局の幹部たちを急きょ現場に向かわせた。

◎有毒物質すでに露到達? 極東河川汚染、中国側が謝罪(2005年11月27日、産経新聞)
 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのラジオ放送「エホ・マスクブイ」は26日、専門家の話として、中国吉林省の石油化学工場爆発事故で流出した有毒物質が河川を通じてロシア側の村に到達したことが確認されたと報じた。また、北京発イタル・タス通信は、中国側が極東の河川汚染をもたらしたことを認め、ロシア側に謝罪したと伝えた。
 有毒物質が到達したのは、ロシア極東のレーニンスコエ村。同村で採取された川の水のベンゼン系有毒物質含有量が最大許容濃度の2倍だった。ただ、有毒物質が極東の中心都市ハバロフスクに到達するのは、早くとも12月1日ごろになるとしており、有毒物質含有量も許容範囲内になるとの見方を伝えた。
 ロシア極東管区のイスハコフ大統領全権代表は25日、河川汚染問題に関する特別対策本部を設置、1日に2回、河川の水質をチェックするよう命じた。同管区の軍部隊など約1000人を有毒物質流入の汚染除去対策のため関係施設に展開したという。
 しかし環境汚染に対する懸念は高まっており、世界自然保護基金(WWF)ロシア支部は、今回の河川汚染が事故現場の下流にあるロシア領のアムール川に生息する魚介類、川底の水生植物に多大な被害をもたらすだけでなく、同川の生態系にも多大な影響を及ぼす危険があると警告し、調査を始めた。
 一方、中国の李肇星外相は26日、ラゾフ駐中国ロシア大使に「深い謝罪の意」を伝え、ロシア側専門家を事故現場に招待し、今後の対策などについて説明する意向を示した。
 中国側は、有毒物質が来月8、9日ごろにロシア領内に到達し、同21日ごろ、ハバロフスクに達すると説明しており、ロシア側の見方と食い違っている。

◎重慶でも工場爆発、ベンゼン流出か、中国紙報道(2005年11月26日、産経新聞)
 25日付の中国紙、第一財経日報によると、中国重慶市で24日、化学工場が爆発、1人が死亡、3人が負傷した。近くの学校の生徒を含む約1万人が避難した。ベンゼンが流出したとみられ、地元当局が事故現場近くの河川の監視などを強化している。
 中国では13日に吉林省吉林市の化学工場が爆発、大量のベンゼンが松花江に流れ込み、下流のハルビンが水道供給を停止した。(共同)

◎中国向け輸出額、過去最高に、10月の貿易統計(2005年11月24日、日本経済新聞)
 財務省が24日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、中国向け輸出額は8319億円と前年同月比で12.8%増え、単月での過去最高を更新した。現地工場向けに自動車部品の輸出が好調だった。中国以外も含めて輸出額から輸入額を差し引いた輸出超過額(貿易黒字)は前年同月比28.8%減で7カ月連続の減少。原油価格の高止まりで輸入額の伸びが輸出額の伸びを上回った。
 中国への輸出の伸びが2ケタ増となるのは8月から3カ月連続。自動車部品が39.6%増え、鉄鋼(20%増)、音響・映像機器部品(32.8%増)も好調だった。
 中国からの輸入では携帯電話やカメラを中心に音響・映像機器部品が27.9%増、ノートパソコンなども14.6%増えた。輸入額も過去最高の9月に次ぐ2番目の高水準だったため、対中貿易赤字は前年同月より3割弱増えた。
 一方、10月の貿易黒字は全体で8221億円。輸出額は過去最高の前月に次ぐ高水準。自動車(13.8%増)、鉄鋼(16.9%増)の増加が寄与した。

◎工場爆発の余波、中国ハルビン市で水道停止、住民混乱(2005年11月23日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】中国吉林省吉林市で13日起きた石油化学工場の大規模爆発事故で、隣接する黒竜江省の省都ハルビン市(人口約970万人)が22日から、事故で流出した化学薬品による水源汚染の可能性などを理由に、市全域で水道水の供給を緊急停止し、市民がパニックに陥る騒ぎとなっている。
 新華社電によると、市当局は21日、4日間の水道停止を突然発表。22日時点で汚染は未確認だが、市の水源である松花江の支流に大量の化学物質が流れ込んだ恐れがあるという。
 市は各機関に対し、「可能な限りの水備蓄」を指示。一方、市民は買いだめに走り、ペットボトル飲用水の値段が通常の3倍以上に高騰している。さらに「近く大地震が発生する」とのデマが広く流布され、混乱に拍車をかけている。
 本紙の取材に対し、市内の大学病院当局者は「約1000トンの水備蓄があるが、2日間の突貫工事で井戸を掘る」と語り、ある中学校も「学校で必要な水は井戸水で対応する」と話した。

◎中国、炭鉱1万3千カ所を生産停止(2005年11月21日、産経新聞)
 中国の華僑向け通信社、中国新聞社によると、国家安全生産監督管理総局は21日、安全性に問題があるなどとして、今年に入ってから、全国計1万2990カ所の炭鉱を生産停止にしたと発表した。このうち9067カ所は、違法に採掘をしていた炭鉱だった。
 中国ではエネルギー需要の高まりを背景に、全国の炭鉱で無理な採掘による事故が相次いでおり、政府が安全対策に力を入れている。(共同)

◎中国大陸の遺棄化学兵器、年明けに処理施設着工(2005年11月18日、朝日新聞)
 旧日本軍が中国大陸に放置した毒ガスなどの遺棄化学兵器の処理をめぐり、日本政府は年明けに、中国・吉林省ハルバ嶺(れい)で大規模回収・処理施設の建設を始める方針を固めた。中国政府と最終調整する。ハルバ嶺の遺棄量は日本がこれまで回収した量の約10倍とみられ、政府は本格処理を進めるため、07年4月の処理期限を延長することも検討している。日本側には「負の遺産」の解決で、冷え込んだ日中関係の改善に役立てたい狙いもある。
 両政府は04年4月、大規模施設建設で合意。今年10月に内閣府の江利川毅事務次官が訪中し、武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官との会談で早期着工を確認した。中国側の事業承認を得て、年明けにも建設用地の伐採や造成を始める見通しになった。
 日本はこれまで広東省から黒竜江省に至る約30カ所で、計約3万7000発の遺棄化学兵器を発掘。中国国内で一時保管している。ただ、ハルバ嶺は手つかずの状態。遺棄推計量は、96年の日本の調査による約67万発から、02年の再調査で30万〜40万発まで減ったが、過去の回収量と比べて「けた違い」(内閣府幹部)であることに変わりない。
 施設は、遠隔装置で砲弾を発掘する「発掘棟」、X線などで鑑定する「回収棟」、「保管施設」、焼却処理や有害物質の回収などをする「処理施設」で構成。1日あたり640〜650発の処理能力があるという。
 遠隔地で一時保管している兵器は、トレーラーに搭載した移動式装置で暫定処理し、ハルバ嶺に運んで最終処理する。
 ただ、化学兵器禁止条約により、処理期限は07年4月に迫っている。政府は「間に合うよう最大限努力する」としているが、期限内の処理は困難な情勢だ。政府は条約に従い処理期限の1年前にあたる来年4月までに化学兵器禁止機関(OPCW)に期限延長を申し出ることを検討している。
 政府は来年度から当面4年間で、ハルバ嶺の大規模施設の建設や運営などに計2000億円以上の経費がかかると見積もっている。
 一方、小泉首相の靖国神社参拝で冷え切った日中関係のなか、遺棄化学兵器の処理協力は双方が歩み寄りをみせる数少ない分野。武次官は10月の江利川次官との会談で、「この問題に対する日本の努力、姿勢を積極的に評価する」と述べた。
 現在、日中間の政府高官対話は途切れ、東シナ海のガス田開発問題も解決のめどが立たない。日本側は「この事業は、未来に向けた建設的で大切なものだとの認識を双方が持っている」(内閣府幹部)と期待する。
 中国・黒竜江省のチチハル市で03年8月、旧日本軍が遺棄した毒ガスによって1人が死亡、43人が重軽傷を負うなど、地中に残された遺棄化学兵器が原因となる事故は今でも度々起きている。
 こうした状況下、中国側にも「早期処理を求める世論が強く、処理を急ぎたい」(内閣府幹部)事情があるようだ。

◎鳥インフルエンザ、中国で感染者、周辺国に被害拡大懸念(2005年11月18日、朝日新聞)
 初の鳥インフルエンザ感染者が確認された中国政府は、「情報隠蔽(いんぺい)」と国際社会から非難を浴びた新型肺炎SARSでの失敗を教訓に、情報公開や防止対策に懸命だ。しかし、全土に140億羽以上の家禽(かきん)を抱え、地方から中央への報告も滞りがち。周辺国への一層の感染拡大が懸念されている。
 中国政府は感染の疑いがある家禽1000万羽以上を処分し、ワクチン接種も急ぐ。11月初めには対策費20億元(約280億円)の投入を決めた。農業省は17日、衛生省との連携強化や地方政府からの速やかな報告を求める予防措置を通達した。
 しかし、地方政府の担当者が責任の追及や投資の減少などを恐れ、不都合な報告をしないケースもあるという。香港特別行政区は18日から中国本土との境界にある2カ所の税関で、入境者への体温検査を始める。
 鳥インフルエンザが警戒されるのは、人の間で感染が広がる新型インフルエンザの発生につながる恐れがあるからだ。厚生労働省は日本で流行した場合、4人に1人に当たる約3200万人が感染し、最大その2%、64万人が死亡すると推計している。
 「これまでも鳥の感染が確認されていたので、可能性としては想定していた」。中国で鳥インフルエンザによるとみられる死者が確認されたことについて、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長はいう。
 「まだ、鳥から人への感染にとどまっており、すぐに新型インフルエンザの発生に結びつくわけではない。だが、ウイルスの拡散は新型発生の危険を高める。中国には監視を強化し、患者の発生事例を迅速に報告するなどしてもらいたい」と求める。
 厚労省は14日、新型インフルエンザ対策について、平常時から大流行までを6段階に分けた行動計画を発表した。現在は下から3番目だが、自治体との連携や病院の態勢、治療薬の配布手順など、詳細な検討はこれからだ。岡部さんは「具体化できることを早急に検討し、実現していく必要がある」と話している。

◎香港ディズニー:魔法の効果なし? ブーム起こせず(2005年11月14日、毎日新聞)
 東京ディズニーランドに続くアジアで2カ所目のディズニーテーマパーク「香港ディズニーランド」が、9月12日にオープンして2カ月が過ぎた。世界の人々をとりこにするディズニーの魔法の効果も、香港では今ひとつのようだ。【香港・成沢健一】
 「歩道で子供におしっこをさせた」「列に割り込んでけんか騒ぎになった」。開園直後、香港各紙は中国本土客のマナーの悪さを大々的に報じた。リハーサル公開で約3万人が入場した際も「アトラクションは3時間待ち」「レストランが満席」と混乱ぶりを酷評するなど、香港メディアは開園前から手厳しかった。
 同園の運営会社には香港特別行政区政府が57%、米ウォルト・ディズニー社が43%を出資する。施設建設などに特区政府が224億5000万香港ドル(約3370億円)を投じており、「厳しいチェックは当然」(香港紙記者)というメディア側に対し、主要幹部をディズニー出身者で固める運営会社は、入園者数や面積などの問い合わせには一切応じない。
 世界的には入園者数を公表しないテーマパークは珍しくないが、地域密着型で話題を追求する香港メディアには通用しなかった。面積については、航空写真の分析や園の周囲を走るアトラクション列車の速度と所要時間から計算するなど、あの手この手で独自に調査。東京ディズニーランド(51ヘクタール)の半分にも満たない15〜19ヘクタールと報じる熱の入れようだ。
 約15ヘクタールと報じた経済日報は「施設部分を除くと入園者が動けるのはせいぜい園内の半分程度。上限とされる3万人が入場すれば、1人当たりの空間はダブルベッドより狭い」とする専門家の見解を掲載した。この規模で入園料は土、日などが大人350香港ドル(約5250円)、子供250香港ドル(約3750円)。平日が大人295香港ドル(約4425円)、子供210香港ドル(約3150円)だ。
 香港紙の報道は中国メディアにも転電され続けた。中国の国慶節による大型連休(9月30日〜10月9日)に香港を訪れた中国本土客は前年並みの約44万人で、特区政府や旅行業界が期待した50万〜70万人を下回った。香港旅行業会議の董耀中代表幹事は「(報道による)イメージダウンなどの影響で、ディズニーランドは香港の名所が一つ増えたという程度の集客効果。ブームにはなっていない」と語る。
 「香港に敬意を込めて」。こう名づけられたキャンペーンが8日から始まった。1カ月間限定で、特区政府発行のIDカードを持つ香港住民の入園料を50香港ドル(約750円)引き下げた。不振の打開策との見方も広まったが、運営会社は「当初からの計画。開園から2カ月間の入園者数には満足している」と強調する。一方、旅行業者からは「年間パスを発行してほしい」などの要望も相次いでいる。
 香港中文大学の呂大楽教授は「東京ディズニーランドは国内客のニーズに応えて成功したが、香港は戦略が明確ではない。運営会社は情報の透明性を高めつつ、自らを省みる姿勢が必要だ」と指摘する。

◎中国新疆で新たな鳥インフルエンザ感染か、20万羽処分(2005年11月14日、産経新聞
 14日付中国系香港紙、大公報によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ郊外とカシュガルで家禽(かきん)類が大量に死んだことが確認され、当局が鳥インフルエンザ(H5N1型)感染の疑い例として調べている。当局は周辺の鶏など20万羽を処分したという。
 同自治区では6月、塔城市で家禽のH5N1型感染が確認されている。
 同紙によると、ウルムチ郊外では今月11日の農業当局の検査で、鶏1400羽が死んだことを確認。死んだ鶏は9月と10月の2回、ワクチン接種していたため、当局は効果のない違法ワクチンが流通していなかったかどうかについても調べるという。(共同)

◎日本連合の受注が焦点に、中国高速鉄道、独が先行(2005年11月13日、産経新聞)
 中国が進めている高速鉄道計画でドイツの重電大手シーメンスがこのほど100編成(計800両)のうち60編成分を受注、ドイツと競争する形で応札している日本企業連合がどの程度受注できるかが焦点になっている。
 中国は昨年、在来線の高速化用車両200編成の入札を行い、川崎重工業など日本企業6社と提携する中国の車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)が60編成を受注、フランス、カナダの企業も受注した。
 今回は時速300キロの高速鉄道用と同200キロの準高速用の電車計100編成を発注。10月に日本企業・南車グループと、シーメンスと提携する中国企業の2グループが見積もりを出していた。
 シーメンスが受注したのは300キロの高速用で、2008年開業予定の北京―天津間の路線などに使われる予定。残る40編成は300キロ用と200キロ用が混在しているもようだが、最終的にどのような形で決着するかは予断を許さない。
 シーメンスは昨年の入札では価格面などで条件が合わなかったとされるが、今回は技術移転も約束、胡錦濤国家主席のドイツ訪問に合わせて受注を獲得した。フランスなどは今回の商談に参加していない。(共同)

◎円借款、新規打ち切り、中国、協議応ぜず、靖国・無償協力で対立(2005年11月7日、産経新聞)
 【北京=笠原健】二〇〇八年の北京五輪前までに新規供与を打ち切ることで日中両国政府が合意している中国への政府開発援助(ODA)の円借款に関する日中協議がストップしていることが六日、複数の関係筋の話で明らかになった。小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発する中国側が事務レベル協議に応じていないためだが、円借款の終結方法や無償協力の継続などをめぐって日中間の見解が対立していることが背景にある。 
 日中両政府は、町村信孝外相(当時)と李肇星外相が今年三月に電話で会談し、北京五輪前までに円借款供与を打ち切る方向で協議を進めることで合意した。
 四月に北京で開かれた日中外相会談でも、対中円借款を円満に終了するため事務レベルで協議を行う方針を確認していた。
 日本側は、昭和五十四年度から始まった対中ODAの主要部分である円借款供与の打ち切りにあたって、「双方が経済協力の成果を祝え、『有終の美』を飾れるものにしたい」(外務省幹部)としており、日中双方で「最終プロジェクト」を検討することにしていた。
 しかし、今春に中国国内で反日デモが頻発、小泉首相の靖国参拝問題の影響もあって「事務レベルでの協議はほとんど進んでいない」(同)状況にある。
 日本側は円借款の新規供与打ち切り後も、温暖化対策など環境問題に関する技術協力や文化無償資金協力に限って継続する方針だが、中国側は無償資金協力に経済発展に寄与するインフラ整備も含めるよう水面下で求めているという。
 来年度予算案編成を控えて、日本側は対中円借款に関する協議をすみやかに再開したい考えだが、「中国側が前向きに応じてくる保証はない」(日中関係筋)との見方も出ている。
 日本政府内では、対中円借款の新規供与を終えるにあたって、すでに交換公文を締結した案件で二〇〇八年度以降にまたがる事業を除き、北京五輪前までにすべて打ち切るべきだとの意見と、対中関係を考慮して一部例外を認めるべきだとの両論があり、結論は出ていないが、中国側がこのままの対応を続ければ、「即時打ち切り論」が勢いを増しそうだ。

◎中国の携帯電話利用者、3億7600万人(2005年11月6日、日本経済新聞)
 【北京6日共同】6日の新華社電によると、中国の携帯電話利用者はことし9月末時点で3億7600万人に上り、移動通信関連の産業が2005年の年間国内総生産(GDP)の約10%を占めるとみられることが明らかとなった。
 最近、上海で開かれた移動通信関連の国際会議でデータが発表された。それによると、携帯電話の利用者は08年には5億2000万人、10年には6億人に達すると予測されている。移動通信関連の市場規模はことし5兆元(約72兆円)に達する見通しだ。

◎中国・韓国:キムチで対立、両国製品に寄生虫卵(2005年11月2日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国中央テレビは1日、国家品質監督検査検疫総局が、韓国の大手食品会社5社の製造した韓国産キムチなどから寄生虫の卵が検出されたと発表した、と報じた。韓国では最近、中国産キムチから寄生虫の卵が見つかって問題となっており、今回は中国側が“反撃”に出た格好だ。
 同局によると、寄生虫の卵が検出された食品はキムチのほか、焼き肉のたれなど10製品。同局は食品会社5社の名前と商品名を公表、関連商品の輸入を即日停止した。今後は韓国から輸入された食品類の検査を強化するという。
 一方、韓国では10月中旬、中国産キムチ16製品のうち9製品から回虫など4種類の寄生虫の卵が検出された。9月には中国産キムチから鉛が検出された。
 中国外務省の孔泉報道局長は1日の定例会見で「中韓に発生した貿易問題は協議を通じて解決され、相互尊重の友好を基礎に貿易が発展し続けることを希望する」と述べた。

◎暴行警官に800人抗議、北京、車両を2時間包囲(2005年11月1日、産経新聞)
 北京市内の北京南駅近くで31日夕(日本時間同)、警官の暴行に怒った地方出身の住民約800人が、警官を殴った上、警察車両を約2時間にわたって取り囲んで抗議する騒ぎがあった。目撃者が明らかにした。
 昨年、全国で起きた暴動などの抗議行動は7万4000件発生しているが、首都でこうした抗議行動があるのは珍しい。貧富の格差拡大などへの民衆の不満は高まっており、きっかけさえあれば抗議行動がどこでも発生することを示した。
 目撃者によると、南駅近くで江西省の警察車両に乗ってきた警官隊が、中央政府などに直訴するため上京していた地方住民2人を拘束しようとして、素手で殴るなどした。これを目撃した周辺の直訴住民らが激高し、警官3人を殴りつけ、警察車両1台を取り囲んだ。
 群衆は「警察は庶民をいじめるな」「腐敗警官は出て行け」などと叫びながら、車両のタイヤをパンクさせたり、窓ガラスをたたくなどして抗議を続けた。駆け付けた北京の警官に説得される形で、約2時間後ようやく解散したという。
 裁判所などの陳情窓口がある南駅周辺には官僚の腐敗や農地の強制収用などへの不満を訴える地方出身者が約5000人滞在している。(共同)

◎遺棄化学兵器処理費、中国要求丸のみ巨額化(2005年10月31日、産経新聞)
・法外な森林伐採代償/プール付き宿舎
 中国に旧日本軍が遺棄したとされる化学兵器の廃棄処理問題で、中国側の要求を丸のみした結果、日本が拠出する処理費用が野放図に巨額化している実態が、内閣府の資料などからわかった。例えば施設建設に伴う森林伐採では、国際価格の数十倍という法外な代償を認め、要員宿舎はプール付きの豪華版としている。事業は今冬にも施設建設に入るが、費用の不透明性を残したまま見切り発車すれば、予算の垂れ流し、税金の無駄遣いにつながるのは必至だ。(長谷川周人)
 内閣府の予算関連資料によると、吉林省敦化市郊外のハルバ嶺で建設が予定される処理施設の「インフラ整備諸費」(共通施設分)に今年度、十八億五千万円近い予算が計上されている。
 避難路や要員宿舎の整備費用の一部に充当されるが、関係者によると、用地造成に伴う森林伐採で中国が要求した代償は「シラカバ一本百ドル」。しかし、シラカバは一般に製紙用以外に用途がなく「樹齢にもよるが二、三ドルが国際相場」(製紙業界関係者)とされ、日本は常識はずれの費用負担を強いられている。
 また、要員宿舎は「事業終了後の払い下げを見越し、地元当局から強い要望があった」(関係者)として、2LDKの豪華版で、プールなどのスポーツ施設が併設される予定だ。
 また、「環境関連諸費」(約千五百三十万円)の内訳をみると、「マクロ気象観測費」(約三百三十万円)と「ミクロ観測機器・機材整備費」(千二百万円)だが、気象観測といっても、中国軍の「気象専門員」が百葉箱を使い、気温や風向などを定時放送するというもの。日本側が「無意味に近い」と改善を要求したところ、中国側は「ならば地表温度なども計測しよう」と提案、新たな資材購入費として千二百万円を計上することになったという。
 このほか、中国はハルバ嶺に軍医療班を派遣しているが、絆創膏(ばんそうこう)一枚でも、日本人スタッフには「(解毒剤などが入った)段ボール三箱分の医薬品がセット売り」となる。しかも、なぜか産婦人科医を含む医師団は北京から送り込まれ、これら全経費が日本負担となっている。
 遺棄化学兵器の処理事業で、日本は今年度までに約九百七十億円を投入。処理方法を検討するなど準備を進めてきた。外務省によると、保管作業は昨年七月までに三万七千発分を終えた。
 今後は残る砲弾の回収と並行し、実処理を行う施設の建設に移るが、回収施設だけで九百七十三億円の建設費がかかることが判明している。このほか燃焼処理を行うメーンの前処理施設のほか、燃焼時に発生する汚染ガスの処理に環境対策費なども必要で、総事業費は「一兆円規模」との試算も出ている。
 しかし、遺棄砲弾数は二百万発と主張する中国は、その根拠すら示さず、情報開示を先送りしている。七十万発と主張してきた日本は独自調査に基づき三十万−四十万発と下方修正する方向だが、遺棄兵器の全容は見えていない。
 関係者からは「中国にとって処理事業は“金のなる木”。中国の機嫌ばかりを気遣う官僚の事なかれ主義を是正しなければ、いつまでも無駄な予算を垂れ流すことになる」と批判も出ている。

◎人民元4日連続上昇、7月切り上げ後の最高値更新(2005年10月28日、読売新聞)
 【北京=東一真】28日の上海外国為替市場の人民元相場は、前日終値より0.0022元の元高・ドル安の1ドル=8.0840元で取引を終え、7月の人民元レート切り上げ以降の最高値を更新した。
 このところ、中国人民銀行(中央銀行)関係者の人民元レートの一層の柔軟化を示唆する発言が続き、人民元相場は4日連続で上昇した。
 ただ、人民元切り上げの7月21日から、この日の最高値までの上昇率は0.32%にとどまる。

◎中国湖南省、H5N1型鳥インフルエンザで545羽死ぬ(2005年10月26日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国農業省は25日、中国湖南省で家禽(かきん)687羽が毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザに感染し、545羽が死んだとして国際獣疫事務局(OIE)に報告した。10月に入って中国でH5N1型の感染が確認されたのは内モンゴル自治区と安徽省に続いて3カ所目。
 感染は22日から湖南省湾塘村で広がった。当局はただちに周辺の家禽など約2487羽を処分した。

◎中国で鳥インフルエンザ確認、4万羽以上処分(2005年10月25日、読売新聞)
 【北京=末続哲也】中国政府は25日、安徽省東部の農村部でガチョウなど約2100羽が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、うち550羽が死亡したと確認した。中国当局は感染拡大を防ぐため、周辺の4万羽以上を処分した。
 中国政府は今月20日にも、内モンゴル自治区フフホト市で、H5N1型への感染で飼い鳥約2600羽が死亡し、周辺の約9万1000羽を処分したことを確認していた。

◎中国:「光復節」60周年式典、中台一体化アピール(2005年10月25日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】日本の台湾植民統治が終了した「光復節」60周年を祝う式典が25日、北京の人民大会堂で開かれ、賈慶林・全国政治協商会議主席(共産党政治局委員)らが出席した。中国当局は、光復節関連の展覧会や討論会、関連書物の出版など台湾島内での「抗日の戦い」を強調しながら過去にない大規模な記念キャンペーンを展開。独立志向を持つ台湾の陳水扁政権への攻勢を強めている。
 賈慶林主席は、光復節の意義について「中華民族が屈辱から奮起した闘争の歴史を回顧するため」と指摘。また、台湾独立勢力が新たな憲法制定を通じて台湾の法的独立を実現しようとしていると陳総統を非難しながら「両岸(中台)の中国人が共同で台湾独立を阻止しなければならない」と述べ、台湾を含めた「中華民族の団結」を訴えた。式典には台湾第3野党で統一派「新党」の郁慕明主席も出席した。
 中国当局は今春以降、台湾の最大野党・国民党の連戦主席(当時)をはじめ、第2野党・親民党、新党の各党首を次々に招き、台湾野党との交流を進めてきた。
 胡錦涛国家主席は9月の対日戦争勝利60周年記念式典で、国民党の果たした役割を全面的に評価しており、当局は一連の光復節記念活動でも、「台湾同胞を含む全中国人が日本侵略者と勇敢に戦った偉大な勝利。台湾の史実は台湾が一つの国ではなく、中国の切り離すことの出来ない一部分と証明している」(25日付「人民日報」社論)と強調した。
 中国当局は「中台一体化」を強調することで、台湾問題が「内政問題」と国際社会に訴える狙いもある。日米両国が今年2月、台湾海峡の平和維持を「共通の戦略目標」に含めたことに強く反発した中国は、8月に初の中露軍事演習を実施し、台湾独立と日米安保同盟強化をにらんだ動きを強めている。
 ▽ことば(光復節) 1945年10月25日に台北市内で行われた蒋介石政権の陳儀(ちんぎ)・台湾省行政長官と安藤利吉・台湾総督が降伏文書の署名を行ったことを記念して設けられた日。陳儀長官は署名後、台湾の主権が国民党政権下に置かれると宣言し、この日から台湾は日本統治を離れた。

◎「遺棄兵器30〜40万発」、政府修正答弁、中国主張の5分の1(2005年10月20日、産経新聞)
 旧日本軍が中国に遺棄したとされる化学兵器が、政府が当初説明していた約七十万発ではなく、三十万−四十万発にとどまることが十九日、分かった。内閣府の高松明・遺棄化学兵器処理対策室長が衆院内閣委員会で答えた。約二百万発とする中国の主張が科学的根拠を欠く不当な主張であることが裏付けられただけでなく、処理事業の見直しも迫られそうだ。
 高松氏は泉健太氏(民主)への答弁で、遺棄化学兵器について「三十万発から四十万発と推定している」と述べた。高松氏の前に答弁した細田博之官房長官は「約七十万発あり、そのうち、六十七万発余りが吉林省のハルバ嶺にある」としていたが、泉氏の指摘を受け、「推定だが三十万−四十万発ではないか」と修正した。
 日本政府は平成八年、化学兵器禁止条約に基づき、中国における遺棄化学兵器を約七十万発と申告していたが、十四年十月から十一月にかけ、埋設範囲と数量を正確に把握するため磁気探査を実施。中国外交部と日本政府が委託した民間業者が探査にあたった。
 その結果、実際には申告の約半分である三十万−四十万発と推定されたという。三年前に判明していた数量を明らかにしてこなかったことについて、内閣府は産経新聞の取材に対し、「今春の国際会議では三十万−四十万発と発言している」と意図的に情報を秘匿したわけではないと説明している。
 遺棄化学兵器処理事業で日本政府は、来年度から四年間で九百七十三億円をかけ、ハルバ嶺に処理関連施設を建設することを決定。事業は有償、無償資金協力を合わせた十六年度の対中政府開発援助(ODA)の新規供与額(約九百億円)と同規模の巨大プロジェクトとなっている。
 ただ、外務省OBの一人は「本来、旧日本軍から武装解除で引き渡しを受けた中国、ソ連に管理責任がある。そういう議論をきちんとやらずに国民に大きな財政負担を強いようとしている」と批判。複数の場所に処理施設設置を求める中国側の言い分を受け入れた場合、最終的な拠出額は一兆円を超えるとの日本側試算もあり、遺棄化学兵器の数量が半減したことは処理事業をめぐる今後の日中交渉に影響しそうだ。

・遺棄化学兵器
 先の大戦中に旧日本軍が対ソ連戦に備えて中国に持ち込んだ化学兵器の未処理分。装填(そうてん)された化学剤は、糜爛(びらん)剤(マスタード)など6種。中国は1997年に化学兵器禁止条約を批准し、日本は2007年までに全面廃棄の義務を負った。

◎遺棄化学兵器の回収施設建設費、200億円膨らみ973億円、中国試算(2005年10月17日、産経新聞)
 旧日本軍の遺棄化学兵器を処理するため日本が中国に建設する廃棄処理施設のうち、発掘回収施設の建設費用が、当初予算から約二百億円膨らみ九百七十三億円と試算されていることが十六日、分かった。今後も廃棄処理に関する予算は増大する可能性もある。
 内閣府によると、廃棄処理施設は遺棄砲弾の九割以上が埋設されている吉林省・ハルバ嶺に建設される。
 このうちの発掘回収施設は、遺棄された砲弾を爆発しないように安全に掘り出すための施設。平成十五年度に、日本政府が委託した日本の業者が「基本設計」を行い、総額七百八十億円と試算。二十年度までの国庫債務負担行為として、今年度に一部予算を計上した。
 ところが、その後の日中協議を経て、中国国内の建設基準などに基づく詳細な「初歩設計」を中国企業に委託したところ、総額が増加した。このため内閣府は、今年度予算を返上し、改めて来年度予算から建設費を計上する方針だ。
 廃棄処理施設の建設をめぐっては、関税の免除や建設許可に関する中国側の事務作業が遅れており、内閣府の江利川毅事務次官が十一日から十五日まで中国を訪れて、迅速化を要請している。

◎中国製の模倣品販売、ロゴも酷似、ヤマハが米3社を提訴(2005年10月14日、産経新聞)
 ヤマハ発動機は12日、同社製品を模倣した2輪車などを米国内で販売したとして、米国の2輪車販売会社「ヤモト・モーター」など3社に対し損害賠償を求める訴訟をロサンゼルス地裁に起こした。
 訴えによると、3社はヤマハの2輪車や4輪バギー車を模倣した中国製の製品を販売、会社のロゴもヤマハと類似したものを使用するなどしてヤマハに損害を与えた。ヤマハ側は懲罰的賠償と模倣製品の廃棄命令を求めているが、賠償請求額は未定という。(共同)

◎重慶で数千人デモ、倒産企業不払い巡り、2人死亡(2005年10月10日、読売新聞)
 【香港=吉田健一】香港紙「太陽報」が9日報じたところによると、中国・重慶市で7日、自己破産を宣言した国有企業「重慶特殊鋼鉄」の元従業員や家族ら数千人が警官隊と衝突、民衆側の2人が死亡、22人が負傷した。
 元従業員らは6日午前、市庁舎前で、解雇された際に一時金が支給されなかったことに対する抗議活動を開始。その後、同社前の路上に座り込んで、約3000人の警官隊と対峙(たいじ)した。
 当局は7日午前になって強制排除に乗り出し、衝突が起こった。デモを主導していた9人の身柄が拘束されたという。同社が倒産したのは7月。以後、大規模な抗議デモが断続的に行われていた。
 中国では、貧富の格差拡大などに不満を強める民衆が当局と衝突する事態が相次いでいる。昨年10月には四川省で土地収用に反発した農民数万人と治安当局が衝突して1人が死亡した。

◎中国:100人以上がコレラ感染(2005年10月9日、毎日新聞)
 8日付の香港紙、明報などによると、中国浙江省嘉興市でコレラが流行、先月上旬からの感染者は100人以上に達した。中国では毎年、各地でコレラ感染が確認されているが、今回は特に大規模という。死者が出ているかなどは不明。
 報道によると、河川や井戸水を通じ感染が拡大したとみられ、衛生当局が食品や水などの監視を強めているという。(香港・共同)

◎「冷静に考えて回答を」、離婚急増で質問票導入、北京(2005年10月7日、朝日新聞)
 離婚が激増している北京で「別れる前に冷静になってほしい」と、手続きに質問票の記入を義務づけることになった。子どもの養育や財産分与をめぐって離婚後にもめたり、「本当は別れるつもりがなかった」などと離婚の取り消しを求める裁判が増えたりしたためだ。
 北京各紙によると、市民政局はこのほど、従来は署名した書類を提出するだけだった離婚手続きについて、7項目の質問に答えなければならないとする規定を公布した。「子どもの養育について合意したか」「財産についてだれが所有権を持つか」などに、夫婦がそれぞれ自分で回答しながらもう一度慎重に考える機会をつくるのが狙いだ。
 昨年、北京で結婚の手続きをしたのは12万7391組で、離婚は2万1225組。結婚は前年に比べ約4割増だったが、離婚は倍以上に増えた。

◎重慶市で大規模デモ、広島市長ら参加予定のサミット前に(2005年10月6日、朝日新聞)
 香港紙「明報」は5日、中国重慶市で国営鉄鋼工場の労働者が賃金不払いなどに抗議する大規模なデモを繰り返していると報じた。重慶市では12日から、秋葉忠利・広島市長らが参加を予定しているアジア太平洋都市市長サミットが開幕することになっており、市政府が事態の沈静化に乗り出したという。
 報道によると、抗議しているのは6月に自己破産申請した「特殊鋼鉄公司」の労働者ら。8月に2000人規模のデモが起きて警察と衝突したのに続き、このほどさらに多数の従業員らが抗議行動に出たという。
 市長サミットには約40の国・地域から約100人の首長が集まる予定。

◎公衆トイレ、300メートルごとに、万博にらみ上海市(2005年10月3日、朝日新聞)
 上海市当局は2020年までに、300メートルに1カ所の割合で新たに公衆トイレを設ける、と決めた。市中心部に約800カ所を増設し、どこにいても3分以内でたどり着けるようになる。人口1700万人の上海はこれまで、公衆トイレの少なさが市民や観光客の悩みの種だった。
 市都市計画管理局によると、04年時点で市内の公衆トイレの数は計3781カ所。うち中心部には1601カ所で、平均すると1万人に2.2カ所の割合だ。北京では同5.5カ所で、中国の他の大都市に比べても少ない。とくに観光スポットやオフィスビルなどが集まる市中心部では圧倒的に足りない状態だ。
 同市が新たに設ける公衆トイレは、敷地の確保が難しいこともあり、地下鉄の駅や地下道、既存のビルの一部なども利用。トイレの面積は場所に応じて異なるが、いずれも個室の水洗式とする方針だ。08年の北京五輪や10年の上海万博の開催をにらんだ措置だという。
 同局は「トイレは市民生活にとって必要不可欠だ。国際都市として誇れる街づくりを目指したい」と話している。

◎幻滅!?「夢の国」、香港ディズニーランド(2005年10月2日、産経新聞)
 ≪立ち小便、座席争い殴り合い、マナー悪く≫
 【北京=福島香織】9月12日にオープンしたばかりの香港ディズニーランドが早くも悪評にさらされている。中国人客のマナーの悪さに加え、大気汚染や高い料金とで、夢の国はすっかり色あせた格好。上海にディズニーランドを誘致する計画も取りざたされており、香港政府が投じた224億5000万香港ドル(1香港ドル=約15円)あまりの回収を危ぶむ声は少なくない。
 「これがディズニーランドとは思えない」
 香港現地記者はそう指摘した。所かまわず子供に立ち小便をさせる母親、禁煙区でたばこをふかし、たんを吐き散らす男たち。9月18日には、演劇の座席をめぐり男性2人が殴りあいのケンカをして上演が30分遅れる事態もあった。
 全体の3分の1を占める中国本土からの客にとっては、175−350香港ドルの入場料やミネラルウオーター1本10香港ドルはばか高い。「金額に見合うサービスでなかった」と、入場料と交通費の返還を求める裁判まで起きる始末だ。
 スタートからつまずいていた。12日の開幕式は今年最悪のスモッグに襲われ「呼吸疾患のある人は室内で待機しなければならなかった」(28日付青年参考)。テーマパークのあるランタオ島は自然豊かなリゾート地だったが、大気汚染だけでなく海洋汚染で近海に生息する野生のピンクイルカへの影響などが懸念されている。
 香港政府は、年間入場者を600万から1000万人と見込んで12年以内に投資の回収は可能とそろばんをはじく。しかし、香港科技大学工商管理学院経済発展研究センターの雷鼎鳴主任は中国紙上で「たとえ毎日3万人が入場しても、年間利益はわずか10億香港ドル」と見通しの甘さを指摘する。
 これに追い打ちをかけたのが、香港の4.7倍の規模を持つ上海ディズニーランド構想だ。上海市はすでに土地を用意しているとされる。
 ディズニー側は今後5年以内にアジアで新たなテーマパーク建設はないと言明するが、香港紙・信報(15日付)は「香港だけでも集客が困難なのに、上海ディズニーランドができればその末路は想像に難くない」と、危機感を募らせている。

◎中国:汚職疑惑の村長罷免、当局の圧力で住民撤回(2005年10月2日、毎日新聞)
 【香港・成沢健一】中国広東省の村で、汚職疑惑が浮上した村長を住民運動で罷免することがほぼ確実となったものの、地元当局の圧力によって住民側が罷免要求を撤回させられていたことが分かった。一時は「農村自治のモデル」として注目を集めた村だが、1日付の香港各紙は当局によって民主が砕かれたと報じている。
 この村は工場の建設が相次ぐ広州市番禺区の太石村。今年7月、陳進生村長(村民委員会主任)の土地使用権売却や資金管理をめぐる不正が発覚し、村民が罷免を要求。9月には新村長を決める選挙委員会のメンバー7人が村民の投票で選ばれ、村長の罷免を求める候補者7人が当選した。
 しかし、当選者はその後に相次いで辞任し、7人とも当局が推薦した候補者と交代。さらに村民が提出した罷免要求の名簿584人分のうち、396人が撤回した。罷免要求は有権者(1502人)の5分の1以上の要件を満たさなくなり、7日に予定された選挙委員会による村長選挙が実施されないことになった。
 報道によると、住民運動にかかわった村民の一部を拘束した地元当局が、釈放条件として罷免要求撤回を村民に迫ったという。香港紙「りんご日報」は「罷免が成功すれば各地に飛び火する可能性があり、当局があらゆる手段を講じて運動を封じ込めた」とする人権団体の見方を伝えた。

◎村長リコールあえなく撤回、圧力か、辞退者続出、中国(2005年10月2日、朝日新聞)
 村長解任を求める署名運動が起きていた広州市番禺(パンユイ)区魚窩頭(ユイウオトウ)鎮の太石(タイシー)村で、「(リコールの有効署名者)584人のうち396人が要求を撤回したため法定人数に届かなくなった。法律に基づき罷免要求の撤回を決めた」との公告が村の選挙委員会から出されたことが9月30日明らかになった。解任手続きの開始を認めた鎮政府の決定を覆すもので、このままだと運動は頓挫する公算が大きくなった。
 鎮政府は11日の公告で解任手続きを認めていたが、村の選挙委員会が29日発表した公告は「(リコールに賛成した)村民の一部が撤回を申し出たため調査したら、最終的な罷免要求は188人で、全有権者1502の5分の1に達しない」とした。
 30日付の広州市の共産党機関紙・広州日報は「番禺区政府が調べたところ、村幹部が公共財産を懐に入れるといった問題はなかった。リコールの理由はなくなり、村民が相次いでリコールを撤回した」として、鎮政府より上級の区政府が決定にかかわったことを明らかにした。
 鎮政府の公告で始まった解任手続きは16日、選挙委員会委員を選ぶ選挙で、村民代表の7人が当選したが、その後全員が「健康」や「能力」を理由に辞職、今は当局の意向を受けた人が入っているという。
 香港の星島日報は1日、「当局の圧力の中で解職運動が流産した」と、リコールをめぐる動きを批判的に報道した。

◎中国、炭鉱規制を強化、事故隠蔽・汚職の温床(2005年9月30日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国で炭鉱規制強化の大号令がかかっている。近年の電力不足を背景にした炭鉱景気にあおられ、無理な生産で事故が多発しているためだ。しかし、中央政府の命令に従わず事故を隠蔽(いんぺい)するケースは後を絶たない。背景には根深い汚職構造も指摘されている。
 中国で昨年発生した炭鉱事故による死者数は六千二十七人、今年上半期では二千六百七十二人と発表されている。国家炭鉱安全監察局はこのほど、安全上の問題を理由に全国炭鉱の30−35%にあたる七千六百五十九の炭鉱に生産停止を命じた。しかし、山西省の炭鉱関係者は「死者一、二人の小規模事故は報告されない。実際の死者数はこの数倍にのぼるはず」とみる。
 同関係者によれば、賃金は採掘量に比例して支払われるため、作業員自身がガスが発生しても危険を冒して作業継続を望むケースが多い。炭鉱側もガス発生や出水のたびに作業を中断し生産性を落とすより、報奨金を出して危険な作業を奨励している。
 死亡事故が発生しても「炭鉱で働くのは貧しい農民などが多く、多少の補償金で遺族は沈黙する。また遺族に支払う数十倍の金が地元政府幹部の接待や取材記者の口封じのために使われている」と話す。河南省汝州市で七月に発生した炭鉱事故では、地元当局が記者五百人に合計約二十万元(一元=約十四円)の口封じ料を支払っていたことが地元紙で報じられたが、これは氷山の一角のようだ。
 事故発生時に隠蔽に協力してもらうため、炭鉱株主に地元政府幹部を迎えるやり方も一般的。中国時事週刊誌、生活週刊は、八月に出水事故で百二十三人の死者を出した広東省興寧市の炭鉱は六十五人の株主がいたが、地元政府幹部や安全監察当局幹部が含まれていたようだと報じている。
 中国当局は違法炭鉱の閉鎖を命じるとともに、これまで月給千元前後だった炭鉱作業員の最低賃金を三千元以上、数万元が相場とされていた死亡時の補償金を最低二十万元に引き上げるなど改善を指示。また、国務院は違法操業や事故隠蔽に関する罰則などを盛り込んだ特別規定を発表するとともに、九月二十二日を期限に、公務員に非上場の炭鉱株取得を禁じる通知を出すなど規制強化を打ち出した。
 しかし、「閉鎖を命じられた炭鉱の生産能力は約四千五百万トン。これに規制強化が加わり来年は七千百万トン前後の減産が予想されるが、新設の火力発電所稼働により新たな石炭需要は四千万−六千万トンにのぼる」(証券日報)とされ、違法炭鉱すべてが閉鎖になれば国内は深刻な石炭不足に直面する。
 さらに失業者急増で社会不安も起こりかねず、現に強制閉鎖された広東省興寧市の炭鉱では八月、操業再開を要求するデモを行った作業員千人と警官が衝突する事態が発生している。
 こうしたことから、炭鉱関係者の間では「炭鉱規制強化は一時的なものですぐ緩む。あるいは隠蔽が巧妙になるだけ」との見方も強い。「くびになっても炭鉱投資はやめない」という地方公務員の発言も飛び出している。

◎腐敗幹部3万人を処分、中国(2005年9月29日、産経新聞)
 28日の中国の華僑向け通信社、中国新聞社電によると、中国共産党中央規律検査委員会は、第16回党大会が開催された2002年11月以降、全国で腐敗幹部約3万人を処分したことを明らかにした。
 このうち、局長級以上が約100人、中級幹部が約2000人。
 企業幹部の違法兼任や、違法な金銭授受などを行ったという。(共同)

◎中国、10月に時速300キロ高速鉄道車両入札・日独が応札へ(2005年9月29、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国鉄道省は10月10日、時速300キロメートルで走行する高速鉄道車両の入札を実施する。事業規模は2000億円前後の見通し。昨夏に200キロメートル車両の入札を実施したが300キロメートルは初めて。経済発展のボトルネックとされる鉄道輸送力不足の解消を急ぐ。日独の鉄道関係企業が中国企業と組み応札する予定。巨大市場を巡る外資企業の争いが激しさを増しそうだ。
 入札対象は時速300キロメートル車両だけでなく時速200キロメートル車両も含まれており、合計100編成800車両。対象路線は未定だが、湖北省武漢〜広州のほか、北京〜上海の一部区間になるとみられる北京〜天津、上海〜江蘇省南京などが含まれる可能性があるという。

◎人民元、ドル以外との変動幅3%に拡大(2005年9月23日、日本経済新聞)
 【北京=吉田忠則】中国人民銀行(中央銀行)は23日、円やユーロなどドル以外の通貨と人民元の1日の変動幅を現行の上下1.5%から同3%に広げると発表した。7月21日に元を対ドルで2%切り上げたのに続く為替制度の見直し。7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を控え、改革姿勢を訴える狙いとみられる。
 元相場は現在も通貨当局が市場に介入し、ドルとほぼ連動させている。現行制度の矛盾は、例えばドルが円に対して1日で数%下落した場合、人民元は円との間で1.5%しか変動することができず、市場にゆがみが生じる恐れがあった。
 実際、9月2日には元がユーロに対し1.4%下落するなど1日の変動幅を1.5%に制限するのは難しくなっていた。元の対ドルの変動幅は当面、上下0.3%のままとする方針。7月21日以降の元ドル相場の変動は1日当たり実際は同0.1%以下にとどまっており、人民銀は元をドルに対して急激に変動させる考えはないとみられる。

◎中国漁船に砲撃、1人死亡、インドネシア海軍(2005年9月22日、産経新聞)
 中国外務省の秦剛副報道局長は22日の定例記者会見で、インドネシアの海域で操業していた中国漁船が19日、インドネシア海軍から砲撃を受け、1人が死亡、2人が負傷したと発表した。船員はいずれも中国人で、負傷者を含む約10人が同海軍に拘束されたという。
 副局長は中国外務省などがインドネシア当局に「非人道的行為に対する強烈な不満」を表明し、速やかに真相を解明するよう申し入れたことを明らかにした。その上で「インドネシア政府が武力の乱用防止と類似事件を再発させないよう保証することを希望する」と述べた。
 22日付の中国各紙によると、砲撃を受けた漁船はインドネシア海域で不法操業をしていた。同海軍の停船命令を無視し逃走しようとしたところを砲撃されたという。(共同)

◎中国、独禁法制定へ、民間参入の環境整備(2005年9月22日、産経新聞)
 中国商務省は22日、中国訪問中の日中経済協会代表団(団長・千速晃新日本製鉄会長)との会談で、独占禁止法制定に向け準備を進めていることを明らかにした。早ければ2006年の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で成立する見通し。
 中国はエネルギーや鉄道などを中心に国有企業の独占状態が続いており、価格が高いなどの弊害を指摘する声が強い。インフラ関係にも民間企業が参入しやすい環境を整備する一環として独禁法制定を位置付けている。
 商務省条約法律局の李玲審議官は「独禁法について国務院(政府)で審議しており、その後全人代常務委員会に出すことになっている。日本の専門家からも有益な意見を聞いた」と述べた。
 また会談で商務省の安民次官は、今年1〜8月の日中貿易の総額が前年同期比10.2%増の1174億ドルと、中国の貿易全体の伸び(23.5%増)を大きく下回ったことに不満を示した。小泉純一郎首相の靖国神社参拝や、中国での反日デモなど政治関係の悪化が経済にも影響しているとの見方を示唆したとみられる。(共同)

◎不正抗議の村民追い払う、警察、「証拠」持ち去る、中国(2005年9月13日、産経新聞)
 中国広東省広州市番禺区の農村地帯で12日、役場幹部による公金不正処理があったとして抗議行動を続けていた村民らを警官ら約1000人が放水などで追い払い、村民側が保管していた村の会計資料を持ち去った。13日付の香港紙、明報などが伝えた。
 報道によると、村民側の一部は暴行を受け、約50人が拘束されるなどして消息が不明になった。村民側は幹部の不正の「証拠」が改ざんされる可能性があると指摘している。
 村民側は幹部の罷免などを求めて7月末から抗議を開始。地元当局は今月10日、村民らの罷免要求を認めると発表したが、村民側は関係資料改ざんを警戒し、罷免手続きに必要な会計資料の提出を拒んでいたという。(共同)

◎「大成功」のはず中ロ演習、実は死者8人(2005年9月9日、朝日新聞)
 鳴りもの入りで実施され、「大成功」を収めたはずの合同軍事演習で重大事故続発――ロシア紙コメルサントは8日、中国とロシアの初の本格的な合同軍事演習として先月、中国・山東省などで行われた「平和の使命2005」をめぐり、演習中の事故で8人が死亡していた、と報じた。
 同紙によると、死亡事故が起きたのは8月24日の黄海沖での上陸演習の時。中国軍の水陸両用軽戦車2台が沈没、兵士8人が死亡したという。
 戦車は古い50年代のものを改造し、大きな砲を乗せたため車体が重くなったのが原因らしい。悪天候もあり、ロシア軍の戦車も1台沈んだが、乗っていた兵士8人は何とか脱出したという。
 その翌日にあった空挺(くうてい)部隊の落下傘降下演習でも、中国軍の兵士20人以上が負傷。ロシア兵の1人はパラシュートが開かず、同僚につかまって降下し、惨事を免れたという。また、同紙は、演習のため中国へ向かう途中のロシアの駆逐艦から暗号解読兵1人がいなくなったが、軍事機密にかかわることから、軍内では通信兵の事故として処理された、と報じた。

◎中国から北朝鮮に違法資金か、米当局が調査と香港紙(2005年9月8日、産経新聞)
 8日付香港英字紙エイシャン・ウォールストリート・ジャーナル紙は、中国の商業銀行大手、中国銀行とマカオの銀行2行が、北朝鮮側に違法な資金供与をした疑いで米当局の調査を受けていると報じた。米当局は、中国側の資金が北朝鮮の核開発計画に使われた疑いもあるとみているという。
 報道が事実なら、13日前後にも予定される第4回6カ国協議や、中国銀の海外市場への上場計画に影響を与える可能性がある。中国銀は同紙に対し「調査については知らない」と答え、他の2行はコメントを避けた。
 同紙によると銀行に対する調査は、薬物や偽米ドル札などの製造を通じ、本国に違法資金を提供していた北朝鮮系の貿易会社などへの捜査を端緒に始まった。(共同)

◎炭鉱事故で17人死亡、中国・山西省、命令無視し操業か(2005年9月7日、産経新聞)
 中国国家安全生産監督管理総局は7日、中国山西省中陽県の炭鉱で6日に火災が発生し、現場の作業員17人がやけどなどで死亡したと発表した。
 新華社電によると、事故が起きた炭鉱は、安全対策が不十分として8月25日に政府から操業中止を命じられていた。命令を無視した規定違反の操業とみられ、地元警察は炭鉱経営陣6人を拘束した。(共同)

◎月餅:中国政府が「国家基準」策定、過剰包装を是正へ(2005年9月7日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】旧暦8月15日の中秋節に贈り物にする習慣のある月餅(焼き菓子)の包装が年々過剰になってきたため、中国政府は「国家基準」を策定し、来年から強制的に順守させることを決めた。中国では、エネルギー不足やゴミ問題などが深刻化。循環型社会の建設に向けて「節約」がキーワードになっており、月餅にも節度を求めた形だ。
 今年の中秋は9月18日。中国のデパートなどでは月餅が大々的に売り出されている。経済発展に伴い、人々のし好の多様性に合わせたさまざまな月餅が登場。伝統的な塩漬け卵黄の入った月餅のほか、朝鮮ニンジン月餅やフルーツ月餅、フカヒレ月餅、アイスクリーム月餅などが話題を呼んでいる。
 一方で、過剰包装も社会問題化してきた。紙でチョウをかたどった小箱に月餅を入れるなど外見の華やかさが追求され、値段も年々高くなってきた。中国では知人や親族のほか、取引先や関係の深い行政機関の幹部らに月餅を贈る例も多く、見栄えがする包装が好まれてきたからだ。
 策定された「国家基準」では、▽包装の原価が月餅の出荷価格の25%を超えてはならない▽月餅1個ずつの包装では、包装の中にできる空き部分は35%を超えてはならない▽包装した月餅と外箱とのすき間が2.5センチを超えてはならない−−などが規定されている。

◎中国「成長、年9%以上」・新5カ年計画(2005年9月7日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国が10月の共産党中央委員会第五回全体会議(五中全会)で決める2006年からの第11次5カ年計画草案で、経済成長率を年平均9%以上とする方向で検討していることが明らかになった。雇用確保などを重視して高めの経済成長を維持する。エネルギー浪費体質を抱えたまま高成長を続ければ、世界経済の波乱要因となるだけに、今後は効率や質を重視した発展モデルへの転換を図る考えだ。
 現行の第10次5カ年計画(2001〜2005年)で想定した経済成長率は年平均7%前後だった。実際には03年10〜12月期以降、9%を大きく上回る成長が続き、5年間の平均成長率は9%前後となる見通しだ。

◎中国が戦勝60周年式典、元兵士ら6千人参加(2005年9月3日、朝日新聞)
 中国の戦勝60周年を祝う「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利60周年」記念式典が3日、北京の人民大会堂で開かれた。胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席、温家宝(ウェン・チアパオ)首相ら国家指導者のほか、抗日戦争を戦った元兵士らを含む約6000人が参加した。江沢民(チアン・ツォーミン)前国家主席のほか李鵬(リー・ポン)前全国人民代表大会常務委員長、朱鎔基(チュー・ロンチー)前首相ら前指導部も久しぶりに公式の場に姿を見せた。
 式典には、外国首脳は招かれていないが、日本の阿南惟茂大使ら各国の駐中国大使らが出席した。

◎セクハラ禁止法:女性の権利保護・強化を目指し採択、中国(2005年8月28日、毎日新聞)
 【北京・飯田和郎】中国全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は28日、女性へのセクハラ禁止などを盛り込んだ「女性権利保障法」の改正案を採択した。女性の権利保護・強化を目指すもので、セクハラの禁止が法律に明記されたのは、中国では初めて。12月1日から施行される。
 新華社通信によると、改正法は(1)セクハラを受けた女性に職場や関係機関に被害を訴える権利を認める(2)女性に対する家庭内暴力を禁止し、警察などに家庭内暴力の予防や制止努力を負わせる(3)学校に学生の選抜時の性差別をさせない−−ことなどを規定。同法による「男女平等を基本的な国策とする」(新華社)としている。
 中国では、最近の世論調査で女性の84%が「セクハラ被害を受けた」と答えるなど、性的嫌がらせが問題化している。また、女性に課せられた産児制限などに対し、米国の人権団体などは「女性への人権侵害」と抗議しており、改正法は9月5日からの胡錦涛国家主席の訪米を前に、女性重視の姿勢を示し、米国の批判をかわす狙いもありそうだ。
 温家宝首相は今月開かれた会合で「女性と子供の合法的権利を適切に保障し、中国の女性・児童事業の健全な発展を推進する必要がある」と強調していた。

◎工作機械各社、中国生産を拡大・現地の需要に対応(2005年8月24日、日本経済新聞)
 工作機械大手が中国工場で増産に乗り出す。現地で引き合いの強いNC(数値制御)旋盤やマシニングセンター(MC)など、汎用機の生産台数を従来の1.3〜2倍に増やす。日本国内の受注が好調で、世界最大の工作機械市場である中国への輸出を増やす余力も乏しい。各社は現地の生産能力を増やし顧客開拓に力を入れる。
 最大手のヤマザキマザックは今年末以降、全額出資する「小巨人机床」(寧夏回族自治区銀川市)の生産台数を従来の約1.5倍の月70台とする。15億円を投じ、機械24台の工場設備を35台に増強中。260人の人員も360人に増やす。月産百台体制を見据え、既に用地を確保した。

◎中国、国連人権調査官の訪問受け入れ、11月下旬に(2005年8月24日、産経新聞)
 AP通信によると、ジュネーブの国連人権委員会当局者は23日、中国が、国連人権委の特別調査官が人権弾圧や拷問疑惑の調査のために同国を訪問することを初めて承認したことを明らかにした。
 マンフレッド・ノワク人権委特別調査官が11月21日から12月2日まで訪中し、中国政府当局者と会談、収容所を視察する。ノワク調査官は調査結果をまとめ、来年の国連人権委会議に報告書を提出する。
 中国は1996年に拷問を法律で禁止したが、その後も拷問が広く行われているとの疑惑が持たれている。(共同)

◎ウラン鉱山の核汚染を直訴、公安に拘束、中国(2005年8月19日、産経新聞)
 ニューヨークに本部を置く人権団体「中国人権」は19日までに、中国甘粛省のウラン鉱山をめぐる不正と環境への核汚染の実情を中央政府に直訴するため北京に滞在していた男性が、公安当局に拘束されたまま行方不明になっていると発表した。
 男性は、甘粛省甘南チベット族自治州にある「792ウラン鉱山」の従業員で、4月28日に北京市の北京南駅近くで拘束された。
 男性は、経営者と省の官僚が結託して「資源が枯渇した」として2002年に閉山手続きを取りながら、実際は採掘を続けて巨額の不正利益を上げていることや、廃棄物を河川に流すなどして深刻な核汚染を引き起こしていると訴えていたという。
 中国人権は中国政府に対し「著しい人権侵害」として男性の釈放を求めるとともに、核汚染に対する対策を講じるよう要求した。(共同)

◎中国・蘇州で豚連鎖球菌感染例か、四川省以外では初(2005年8月17日、産経新聞)
 中国江蘇省蘇州市の衛生当局者は17日、同市内で最近、豚連鎖球菌に感染の疑いがある男性2人の死亡例が見つかったことを明らかにした。豚連鎖球菌の感染はこれまで四川省で広がっていたが、蘇州での感染が確認されれば、四川省以外で初めてとなる。
 衛生当局者によると、感染したのはいずれも蘇州市に住む男性で、今月初めに発症、敗血症などで死亡した。当局者は「江蘇省の衛生当局に報告した。感染経路は分からない」と話している。
 蘇州には日本人約5000人が在住。管轄する上海の日本総領事館は「聞いていない。これから確認する」と話している。豚連鎖球菌の感染は6月から四川省で拡大。これまでに200人以上が感染し約40人が死亡、世界保健機関(WHO)も動向を注視している。(共同)

◎人民元:変動幅上下2%への拡大提言、中国発展改革委(2005年8月16日、毎日新聞)
 中国国家発展改革委員会は15日までに、7月に切り上げられ管理フロート制に移行した人民元の変動幅について、現在の基準値の上下0.3%から上下2%に拡大することも検討すべきだとの研究報告をまとめた。
 報告は中国の経済運営の中で、財政規模が大き過ぎて通貨政策との整合性が取れていなかったなどの問題点を分析、政策面での改善を提言した。経済発展の不確実性を取り除く上で、通貨政策主導の調整に移行すべきだとし、元の変動幅拡大や金利引き上げなどを提案した。(北京・共同)

◎中国人民銀行:都市の不動産バブルを警告、初の報告で(2005年8月16日、毎日新聞)
 中国人民銀行は16日までにまとめた初の中国の不動産金融報告で、上海など一部大都市の不動産バブル傾向を指摘、リスクを軽視すべきではないと強く警告した。
 報告によると、04年末の不動産関連の貸出残高は2兆6300億元(約35兆6100億円)と前年比22.8%も増加、長期融資の34%に達した。
 04年に上海中心部の新築住宅の価格が前年比27.5%上昇したほか、高額物件の伸びが全国的に高いことなどを挙げ、バブルが崩壊した場合、銀行経営にも大きな影響が出ると警告した。
 自己資金の少ない不動産会社は、資産全体の7割を銀行融資に依存しているため、大きな潜在的リスクを抱えていると分析。国有商業銀行の不動産関連融資の内容をみても、個人向け住宅ローンの不良債権比率が1.5%と低いのに、不動産会社向けは10%を超えていた。
 人民銀は、不動産会社が引き締めを逃れるため、社員に個人ローンを組ませるなどの「偽住宅ローン」の横行といった問題も指摘。融資の厳格化や税制などの手段で投機を抑制するとともに、低価格住宅の提供を増やすことを提言した。(北京・共同)

◎猛暑続く上海、缶酎ハイが人気(2005年8月16日、朝日新聞)
 猛暑が続く上海で、缶酎ハイが人気だ。キリンビバレッジが6月中旬に発売した「氷結」が7月末までに100万缶以上売れて、同社の予想を上回る勢いという。
 業界初の現地生産。日本よりアルコール度数を抑え、甘みを強調した。ただ、表面に凹凸のある独特の缶は日本からの輸入で、小売価格1缶5.5元(約75円)のうち2元を占めるという。テレビや地下鉄の広告のほか、繁華街で20万缶余りを無料配布。20代後半から30代を中心に、新しいモノ好きの上海人に支持されたようだ。

◎香港、奇病の不安広がる、四川省産豚の販売自粛(2005年7月28日、産経新聞)
 中国四川省で豚の連鎖球菌に人が感染して死亡するケースが6月以降相次ぎ、生鮮食料品の中国依存が強い香港で不安が広がっている。現在のところ、当局は輸入を禁止してはいないが、大手スーパーは急ぎ、同省産冷凍豚肉の販売を自主的に見合わせた。
 地元紙によれば、香港で売られている冷凍豚肉のうち2割程度が四川省産という。(香港 時事)

◎上海ガニ、料理店から減る?特定外来生物に指定へ(2005年7月28日、朝日新聞)
 中華料理の高級食材として知られる上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)が、許可なしに輸入、保管などができない特定外来生物に指定されることになった。国内種保護のためだが、輸入や卸業者だけでなく、生きたまま調理する中華料理店も許可を受けなければならなくなる。手続きを嫌って扱いをやめる店が出る可能性もある。
 環境省が27日、方針を固めた。8月5日の専門家会合で上海ガニを含む42種類の指定候補リストを決定。閣議決定を経て年内にも適用される見通しだ。
 指定されると、輸入、運搬、保管などに、それぞれ国の許可が必要。無許可だと、個人は3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金が科される。
 同省によると、上海ガニは中国・朝鮮半島原産で、欧米では川岸や土手に巣穴をあけて堤防を決壊させたり、魚を食べて漁業被害を引き起こしたりする例が報告されている。水質汚濁など環境悪化に強く、中国では1000〜1500キロの川を遡上(そじょう)するなど移動能力も高い。国内に定着した例はないが、福島、山形、千葉の各県では養殖もしている。
 今年1月に第1次指定候補を決めたときは「食料として輸入されている」として見送られたが、その後の専門家らの意見で、在来のモクズガニへの影響を心配する声が強まった。
 同省によると、国内で消費される上海ガニの大半が中国からの空輸。例年10月から2月にかけて輸入され、取扱量の多い業者で年間20〜40トン程度。輸入業者から卸業者、中華料理店と売り渡されるケースがほとんどで、一般消費者への小売りは極めて少ない。酒に漬ける「酔っぱらいガニ」や姿蒸しなど生きたまま調理されることが多い。
 同省はシーズンごとの輸入、販売量をあらかじめ申告させて一括で許可する考え。シーズン終了後に「精算」する形など「できるだけ簡素化する」としている。
 毎年「上海ガニフェア」を開催している横浜中華街にある料理店主は「手続きも分からないので、影響はその時にならないと何とも言えない」と話している。

・特定外来生物2次指定候補の42種類
 【哺乳(ほにゅう)類】アメリカミンク、ハリネズミ属、シカ亜科、キタリス、タイリクモモンガ、マスクラット
 【両生類】シロアゴガエル、コキーコヤスガエル、ウシガエル、キューバアマガエル
 【魚類】カダヤシ、ケツギョ、コウライケツギョ、ストライプトバス、ホワイトバス、ヨーロピアンパーチ、パイクパーチ、ノーザンパイク、マスキーパイク
 【昆虫類】コカミアリ、アシナガキアリ、ツヤオオズアリ、テナガコガネ属
 【無脊椎(せきつい)動物】カワヒバリガイ属、カワホトトギスガイ、クワッガガイ、ヤマヒタチオビ、ニューギニアヤリガタリクウズムシ、ザリガニ2属2種、チュウゴクモクズガニ
 【植物】アゾラ・クリスタータ、オオフサモ、ボタンウキクサ、オオカワヂシャ、スパルティナ・アングリカ、オオキンケイギク、オオハンゴンソウ、アレチウリ、ナルトサワギク

◎中国の流動人口1億4000万、10年間で2倍に(2005年7月27日、産経新聞)
 27日付の中国共産党機関紙、人民日報は、中国の出稼ぎ労働者ら流動人口が2003年時点で1億4000万人に達したと伝えた。1993年の7000万人から倍増しており、総人口の約1割に当たるとしている。
 流動人口は、中西部の農村地域から経済の発達した沿海部に移動しているのが主な流れ。15歳から35歳までの若年層が8割以上を占めている。賃金未払いなど出稼ぎ労働者の権利侵害も過去1年半の間に約15万件と多発しており、同紙は行政、立法による保護が必要と訴えている。(共同)

◎上海人民元市場、ごく狭い範囲の動き(2005年7月25日、朝日新聞)
 人民元の切り上げから2営業日目にあたる25日午前の中国外国為替市場は、前週末の22日終値1ドル=8.1111と切り上げ直後の1ドル=8.1100の狭い幅の中で売買されている。市場参加者は通貨当局の市場管理の姿勢を見極めようと、慎重な取引が続いている。
 一方、香港の先物市場(NDF)の人民元相場は同日午前、半年後に3%、1年後には5%程度の切り上げを見込んだ水準で取引されているが、売買そのものは活発ではない。投機筋の動きもまだ鈍い。
 市場では「切り上げ幅があまりに小さかったので、米国議会が納得せず、いずれ為替水準の再調整があるとの認識が市場に広がり始めた」(日系証券会社)との見方が出ており、中国人民銀行の次の一手に市場の関心が集まっている。

◎人民元切り上げ初日、中国が介入、変動幅抑え込む(2005年7月22日、読売新聞)
 【北京=東一真】通貨・人民元の切り上げ発表後、初の取引となった22日の上海外国為替市場の人民元相場は、新制度初日から通貨当局の介入とみられる元売り・ドル買い注文が入ったことなどから、ほぼ中国政府が前日に発表した基準レート(1ドル=8.11元)通りの取引となった。
 午後3時30分(日本時間午後4時30分)の終値は1ドル=8.1111元と、基準レートからわずかに元安・ドル高となった。
 中国当局が21日発表した新為替制度では、元の対ドルレートは前日の終値より上下0.3%幅で変動することを認めている。
 しかし、中国当局は午後になって断続的に元売り・ドル買い介入を行った模様で、終値では基準レートからの変動幅をわずか約0.01%に抑え込んだ

◎人民元の切り上げ初日、動きは微妙、関心は高く(2005年7月22日、朝日新聞)
 中国が人民元の切り上げを発表して一夜明けた22日。新制度のもとで初めての取引があった中国外国為替市場では、人民元相場が少しだけ動いた。小数点以下のごくわずかだが、旧制度で動いていた幅に比べると大きい。切り上げ後も元相場をさらに動かす用意があるという中国通貨当局のメッセージなのか。世界の市場関係者がかたずをのんで見守る。中国が通貨制度改革に向けて一歩を踏み出したことは確かだ。
 1ドル=8.1111元。22日、上海の中国外貨取引センターでの終値だ。前日に発表した切り上げ後レート8.11元で午前9時半に取引を開始。朝方に8.1105元に動いたあと、取引は模様眺めが続いたが、午後3時半の取引終了直前に売り買いが交錯。結局、1日で0.0011元だけ元安ドル高に動いた。通貨当局の介入とみられる元売りドル買いがあったという。
 ここ数年、1日の変動幅が0.0001〜0.0002元程度に収まっていたのに比べると、変動幅は小数点以下とはいえ、1けた大きい。「元高は防ぎたいが、変動の実績は示したい当局の意図を感じた」と邦銀上海支店の担当者は言う。
 こんなわずかな変動が関係者の関心を呼んだのは、中国が人民元相場の変動を実際に許すのかどうか分からないためだ。
 旧制度でも、米ドルに対する1日の変動幅は上下0.3%以内とされていたが、実際はほとんど固定されていた。新制度でも変動幅の上限に変わりはないが、実際に毎日0.3%ずつ動き続ければ、変動は2%どころではすまない。
 新制度初日は通貨当局と市場関係者が互いの動向を見極めようとする雰囲気が強かったようだ。
 一方、22日の香港の人民元先物市場では、1年後の指標は5%近い元の値上がりを見込んだ。市場関係者の間では「当局が本当に変動させるつもりなら、上海市場でもっと大きく動かしたはず。今後も微調整にとどまるのではないか」との見方も出た。

◎中国が人民元切り上げ、2%幅、米に配慮(2005年7月21日、朝日新聞)
 中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は21日夕、人民元の為替レートを1ドル=8.28元から1ドル=8.11元に切り上げる、と発表した。切り上げ幅は2%。あわせて、米ドルのみに連動させてきた現行制度を見直し、ユーロや円も含めた複数通貨の動きを参考に調整する制度に切り替える。21日から実施した。中国の為替制度の大幅な見直しは94年以来、約11年半ぶり。
 人民元の切り上げで、中国のドル建ての経済規模は拡大し、消費力も高まることから、世界経済へ及ぼす影響力は一段と高まるのは必至だ。中国経済の成長とともに、3年にわたって切り上げ観測が続くなか、この時期に踏み切ったのは、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席の9月訪米、ブッシュ大統領との会談を控え、対中貿易赤字の増大から人民元の切り上げを強く要請していた米国への外交的配慮もある、とみられる。
 人民元相場はアジア金融危機を機に97年ごろから事実上、1ドル=8.277元に固定。制度上は対ドルで前日比上下0.3%の変動幅を設けているが、経済の安定を優先し、実際には人民銀行の介入によって動かないように運用してきた。今回の見直しでも、ドルに対する変動幅は上下0.3%で同じ。ドル以外の通貨に対しては一切明らかにされていない。このため実際にどの程度動くかが今後、注目される。
 今回の見直しでは、人民元を連動させる対象を米ドルだけでなく、「通貨バスケット制」と呼ばれる複数通貨を加重平均した指標を参考に為替水準を調整する方式に切り替えた。人民銀行は、対象を複数通貨に広げることで、より柔軟な運用方法に改善したい考え。ただ、実際には対外決済通貨の大半を占めるドルの動きに大きく影響を受ける、とみられる。
 外国為替市場では、中国の輸出拡大につれて、人民元の切り上げ観測が流れ、人民元の上昇圧力が強まっていた。中国人民銀行が対ドル相場固定のため「ドル買い人民元売り」の介入を続け、05年6月までの3年間で外貨準備高は約3倍にあたる7110億ドルまで膨らんだ。景気が過熱するなかで、人民元の流通量が増えてインフレ圧力を抱えていた。今回の措置は、中国国内のインフレ圧力を和らげるとともに、米国を筆頭に海外から「人民元が低いために、中国製品の外貨建て価格が不当に安く据え置かれて貿易不均衡を招いている」との批判が強まっているのをかわす意図がある。
 中国は94年に通貨制度を改革。外国人向けの外貨、兌換券(だかんけん)を廃止するとともに、当時の市場レートを統合する形で1ドル=5.8元から8.7元に切り下げ、緩やかな変動を認める「管理された変動相場制」(人民銀行)を採用した。今回の見直しでも通貨バスケット制度に基づく「管理された変動相場制度」を参考にするとしており、毎日の変動がどの程度になるかは不明だ。
 温家宝(ウェン・チアパオ)首相は6月、アジア欧州会議(ASEM)財務相会合で「拙速に動かない。依然として大量の準備が必要だ」として、「自主性」「漸進性」「安定性」の3原則を示した。一方で、3月の人民代表大会後の会見では「いつどんな方法を採用するかは意表をつくことになるだろう」とも述べていた。

◎炭鉱事故死の17遺体隠す、中国、経営者を拘束(2005年7月15日、産経新聞)
 中国山西省寧武県の炭鉱で作業員19人が死亡したとされた爆発事故で、実際は36人が死亡していたことを同省炭鉱安全監察局が14日、明らかにした。
 新華社電によると、炭鉱経営者が死者数を少なく報告するため、17人の遺体を内モンゴル自治区に運び隠していた。警察当局は経営者ら3人を拘束した。
 爆発事故は2日に発生し、経営者は死者数を19人と報告。その後、同省当局者が負傷した作業員らから聞き取り調査を実施。報告に疑わしい点があったため、警察当局が捜査に乗りだし、11日に内モンゴル自治区内の病院など3カ所で17人の遺体を発見した。
 この炭鉱は不法採掘を行っていた。
 中国では昨年、炭鉱事故で6027人が死亡している。(共同)

◎中国貿易:上期の黒字396億ドル、昨年の年間額上回る(2005年7月12日、毎日新聞)
 中国税関総署が11日発表した今年上半期の貿易収支によると、貿易黒字額は396億5000万ドル(約4兆4300億円)で、昨年1年間の黒字額の319億8000万ドルを上回った。引き締め政策の効果で原油輸入の伸びが鈍化する一方、電機などの輸出が大幅に増加しており、米国などからの市場開放圧力が高まるのは必至。国際経済の焦点となっている中国の通貨、人民元の改革問題にも影響を与えそうだ。
 上半期の輸出入を合計した貿易総額は6450億3000万ドルで、前年同期に比べ23.2%増加。うち輸出は32.7%増の3423億4000万ドル、輸入は14%増の3026億9000万ドルだった。
 電機・機械製品の輸出は33%増の約1870億ドルに達し、上半期の輸出全体の55%を占めた。衣料品も19.8%増。欧州連合(EU)との間で貿易摩擦に発展している靴類の輸出も23.5%増加した。鋼材輸出も急増した。
 輸入面では、原油輸入が6342万トンと3.9%増にとどまり、鋼材輸入は1322万トンと26.5%減少。
 6月単月の輸出は前年同月比30.6%増の659億6000万ドルで、6カ月連続で30%以上の伸びだった。輸入は15.1%増の562億8000万ドルだった。(北京・共同)

◎中国の若者、日本人好き、国嫌い鮮明、対日意識調査(2005年7月7日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の英字紙チャイナ・デーリー(6日付)によると、同紙発行の若者向け週刊誌が実施したアンケート調査で、中国人若年層の51%が「日本人と友達になりたい」と答え、「友達になりたくない」(21%)を大きく上回った。
 今年4月から全国の大学生ら1657人を対象に行われた対日感情に関する調査だ。「日本をどう思うか」という質問に対しては、「好き」はわずか2.8%にとどまり、「好き」と「やや好き」をあわせても10%だった。逆に「嫌い」(28%)、「やや嫌い」(24%)と、“嫌日派”が過半数となり、「日本は嫌いだけど日本人とは友達になりたい」という屈折した感情が浮き彫りになった。また、73%が「ビジネスとテクノロジーの領域では日中は十分協力すべきだ」と答えた。
 よく知っている日本人は小泉純一郎首相、東条英機元首相、山本五十六旧連合艦隊司令長官が上位3人にあがった。
 こうしたねじれた日本像が浮き彫りとなった理由だが、同紙は「歴史を反省しない日本の右翼勢力に対しては強く反対せねばならないが、日本人個人は非難されるべきではない」という中国の公式見解にたった専門家のコメント掲載にとどめている。
 しかし、調査は80%が日本人と会ったことがなく、60%が新聞、テレビ、インターネットを通じ対日観が形成されたとしている。個人の経験ではなく、中国共産党の宣伝機関であるメディアが世論にインパクトを与えていることが裏づけられた。

◎農地強制収用に抗議、農民が派出所包囲、中国・広東省(2005年7月4日、毎日新聞)
 【香港=関泰晴】4日付の香港各紙によると、中国広東省仏山市で7月2日、農地の強制収用に抗議する農民2000人以上が、警察当局の派出所を取り囲み、拘束中の仲間の農民を釈放するように要求した。
 農民側の一部が警官隊と衝突したといい、負傷者も出た模様だ。
 農地の強制収用は今年5月末に始まり、地元政府は4000人の警察官を動員したうえ、抗議する農民を殴るなどして排除した。その後、7月1日も別の区画の農地で強制収用が行われ、阻止しようとした農民4人が拘束された。また、大学の研究者を名乗る米国人が抗議行動の模様を撮影して一時拘束されたものの、すでに釈放されているという。
 農民側は「白紙の契約書にサインをさせられ、農地収用の補償金を受けていない」などと主張して、上級機関の広東省政府などに直訴したが、受け付けられなかったとしている。公安当局は現場周辺の取材を禁止しており、拘束されている記者もいる模様だ。

◎北京−天津の高速鉄道着工、08年の五輪前に運転開始(2005年7月5日、産経新聞)
 新華社電によると、北京−天津間を約30分で結ぶ高速鉄道の着工式が4日、天津で開かれた。2007年末に完工、運転開始は08年6月の予定で、北京五輪の開幕に間に合わせる。
 北京−天津間の高速鉄道は、中国が計画している高速鉄道計画3000キロの一部。両都市間約115キロを時速200キロで結び、所要時間は現在の在来線の半分以下。総投資額は約123億4000万元(約1600億円)。
 中国紙は2月、この高速鉄道計画についてコンサルタント契約の国際入札が実施されると伝えていたが、関係筋によると欧州企業が落札したもようだ。(共同)

◎炭鉱でガス爆発、19人死亡、中国・山西省(2005年7月3日、産経新聞)
 新華社電によると、中国山西省寧武県の炭鉱で2日、ガス爆発が起き、作業員19人が死亡した。
 同省の炭鉱安全監察局幹部によると、爆発が起きた際、炭鉱では34人が作業中だったが、15人は自力で脱出するなどして無事だった。この炭鉱は不法採掘を行っていた。
 中国では昨年、炭鉱事故で6027人が死亡。今年1−3月期の死者数は前年同期比20.8%増の1113人に上っている。(共同)

◎中国の米企業買収攻勢、まるで国策、豊富な“軍資金”(2005年6月29日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国企業による米企業の買収提案が相次いで浮上している。中国海洋石油(CNOOC)が米石油大手ユノカルを、中国の家電大手海爾(ハイアール)が米家電メイタグの買収に向け動き出すなど、豊富な“軍資金”を背景に、「中国株式会社」による買収攻勢が本格化しそうだ。
 CNOOCのユノカル買収提案は総額約百八十五億ドル(約二兆円)。実現すればパソコン大手の聯想(レノボ)による米IBMのパソコン事業の買収(約十七億五千万ドル)を大きく上回り、中国企業による過去最大の外国企業買収となる。
 中国紙「南方日報」などによると、ユノカルの石油・天然ガス埋蔵量の70%はアジア地域。CNOOCの狙いは、ユノカルがインドネシアなどで展開するアジア事業にある。買収でCNOOCの石油・天然ガスの埋蔵量は原油換算で四十億バレル、約80%増加する。同社はそれにより、「アジア市場でのリーダーとなる」と強調している。買収の背景にはエネルギー確保のために海外油田の開発・獲得を強化するという国家戦略がある。中国の石油需要はマイカーの増加などで「世界の石油をがぶ飲みする」といわれており、急増する内需をまかなうことが急務となっているからだ。
 一方、中国家電最大手、ハイアールは米家電大手メイタグに買収提案している。買収総額は十二億八千万ドル。ユノカル同様、メイタグも身売り先が決まっていたところに中国企業が攻勢を仕掛けている。
 ハイアールによる買収の背景には、米国の家電市場のシェア拡大に加え、製品のブランド向上が見込める点にある。しかも人民元が切り上げられた場合のダメージにも歯止めをかけることができるわけだ。
 経営破綻(はたん)した英国の自動車大手MGローバー社の買収に、上海汽車集団に続いて吉利汽車が名乗りを上げているのも同様の位置づけだ。上海汽車はさらに、イタリアなどで車設計会社の買収を計画しているとされる。そのほか、通信機器企業が英アルコーニ(電機)の買収案も伝えられている。「中国株式会社」の買収攻勢は“序曲”にすぎないという見方が強い。
 相次ぐ企業買収の裏付けとなっているのが資金調達の問題。CNOOCの買収資金のうち大部分は自己資金でなく借り入れとされる。その「軍資金」は、国内銀行が拠出するとみられている。邦銀関係者は「国家開発銀行など国有金融機関は、自行の影響力を高めるためにも巨額の融資をする傾向にある」と解説する。
 ただ、相次ぐ米企業買収で米国では「国家安全保障上の脅威はすべて調査する」(スノー財務長官)として、対中警戒感も急浮上している。
 経済的摩擦は、米企業を相次いで日本企業が買収していた一九八〇年代をほうふつさせるが、同盟関係にある日本と異なり、中国とは戦略的な競争関係が増している。そこで「中国企業の米企業買収が政治問題化するのは必至だ」(経済紙記者)との見方は、中国国内でも広がりつつある。
 急速に国内の経済活動を拡大してきている中国にとって、次なる一手は「中国企業の国際化」。相次ぐ海外企業買収には、国際競争力を高めたいという期待の表れでもあるが、それ以前に、コピー問題や相手国市場を無視した輸出攻勢など、「中国国内の“国際化”に目を向けるのが先」という意見も多い。

◎中国・安徽省で1万人暴動、スーパー襲うと香港紙報道(2005年6月28日、朝日新聞)
 28日付の香港各紙によると、中国東部の安徽省池州市の中心部で26日午後、住民と警察が衝突、警察車両や派出所が焼かれ、近くのスーパーマーケットが略奪された。暴動は10時間に及び、約1万人が加わったとみられるという。最近、中国各地で警察と民衆の衝突事件が増加している。
 池州市では高校生が乗った自転車と乗用車が接触、運転手が高校生を殴ったことから、目撃した群衆が運転手を取り囲んで騒ぎになった。群衆は車に爆竹を投げ入れ、警察車両をひっくり返すなど騒ぎ出し、夜になって派出所に放火、近所のスーパーの略奪を始めた。
 地元紙池州日報(電子版)によると、警官700人が夜11時ごろに群衆を解散させたが、投石などで警官6人が軽いけがをした。現場で約10人が拘束され、高校生を殴ったとされる運転手も逮捕されたという。
 市政府と党委員会は27日、緊急会議を開き、「社会矛盾を不法分子に利用されないよう、事件の真相を住民に知らせ、社会の安定をはかるように」と指示したという。

◎中国南部で洪水の被害拡大、1884万人被災(2005年6月26日、朝日新聞)
 中国南部が大雨に見舞われ、洪水被害が広がっている。民政省のまとめでは、浙江、福建、江西、湖南、広東、広西チワン族の6省と自治区で計1884万人が被災。124人が死亡し、69人が行方不明になった。直接的な損害は約133億元(約1700億円)といわれる。
 広東省の一部地域では400年に1度といわれる大雨が降り、川の水かさも「100年に1度の高さ」になった。道路や鉄道にも被害が出た。広州市内の一部でも、珠江の水があふれて浸水した。

◎知財侵害、中国では75%が軽い処分、経産省調査(2005年6月23日、産経新聞)
 日本企業が中国で知的財産権の侵害を訴えても、当局による処分内容の75%が「模倣品の没収・廃棄」などで、軽いものが多いとする調査結果を経済産業省が23日まとめた。
 調査によると、2003〜04年の2年間に出た中国の行政当局による知財に絡む処分は4029件で、模倣品の没収などは3043件。「製造設備の廃棄」はわずかに3%で、模倣品の製造を防ぐための厳しい措置はあまりみられなかったという。
 経産省は「中国政府に対して知財保護のための法整備、法の執行や再犯対策の強化を求める必要がある」としている。
 調査によると、日本企業が刑事手続きを利用して告発した139件のうち、刑罰が科されたのは33件で23%にとどまった。企業側からは「相手が有力企業のため摘発を求めても拒否された」「行政処理を要請しても長期間放置された」など、中国当局への不満の声が多く出された。
 調査は今年3〜4月の2カ月間に実施、中国向けに事業を展開する日本企業134社から回答を得た。(共同)

◎中国、鳥インフルエンザで人用の薬を鶏に乱用・米紙(2005年6月18日、日本経済新聞)
 【ワシントン18日共同】中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がある。

◎鶏に乱用、薬が人に無効、鳥インフルエンザで中国(2005年6月18日、産経新聞)
 中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がなる。
 同紙によると、中国は昨年2月に初めて鳥インフルエンザの発生を公表したが、実際は1990年代後半から鶏で流行。発生のたびに農家が地元企業から購入したアマンタジンを飲み水に混ぜるなどして鶏に与えていた。
 現在、アジアで流行中の鳥インフルエンザに感染した人は100人以上に上り、この人たちにアマンタジンが効かないことが分かっていたが、理由は不明だった。アマンタジンが無効なため、高価で製造量にも限りがある別の薬しか使えず、近い時期に人で大流行が起きた場合、治療薬の不足が心配されている。(共同)

◎重慶に初のモノレール開通、市長、円借款には言及せず(2005年6月18日、朝日新聞)
 中国・重慶市で日本の円借款を使った初のモノレールが完成し、18日、現地で開通式が開かれた。在重慶日本総領事館によると、開通式には岩村敬・国土交通次官らも出席。王鴻挙・重慶市長はあいさつで円借款について直接は言及せず、「建設に貢献した国内外の友人に感謝する」と述べるにとどめた。
 今回開通した路線は市中心部から同南西部に延びる全長13.5キロ(計14駅)。総事業費470億円のうち約270億円分に円借款があてられたほか、日立製作所とその技術協力を受けた長春軌道客車が製造した車両が導入された。
 人口約3000万人の重慶市では経済発展に伴って公共交通網の拡充が急務となっている。今回のモノレール建設を巡っては、国際協力機構(JICA)が事業化可能性調査をするなど、基本計画の段階から日本が深くかかわっていた。

◎中国・重慶でモノレール開通式、日本の技術導入、全長13.5キロ(2005年6月18日、産経新聞)
 中国の重慶市に、日本の円借款事業で整備したモノレール路線が完成し、同市は18日午前、開通式を開いた。中国で日本の技術を導入したモノレールは初めて。
 式典には国土交通省の岩村敬(いわむら・さとし)事務次官や次期日中経済協会会長に決まった千速晃(ちはや・あきら)新日本製鉄会長ら、多数の日本関係者が招待された。
 重慶はまた、胡錦濤(こ・きんとう)政権の課題である内陸開発の拠点。日本が対中円借款の終了方針を固めた中で、中国側には日中協力をアピールし、対中投資をつなぎ留めたい思惑もある。
 開通したモノレールは全長13.5キロ。事業費約470億円のうち日本政府は円借款で270億円を供与した。日立製作所が、大阪空港や万博記念公園などを通る大阪モノレールをモデルに、設計技術や運行管理などのノウハウを全面的に供与。車両は日立と同社の技術提供を受けた長春軌道客車(吉林省)が分担して製造した。2000年に着工、昨年から試運転していた。(共同)

・対中円借款
 1979年に日本政府は長期・低利の対中融資を打ち出し、政府開発援助(ODA)の対中円借款が本格化した。融資額の累計は2004年度末で約3兆1330億円(供与限度額ベース)。中国の基盤整備と技術協力に貢献し、日本企業も事業に参画した。中国の経済成長で日本は近年、対象を環境保全や人材育成などに集中。新規の円借款も08年の協議を最後に中止することが固まった。円借款の国別順位で中国向けは1位が続いていたが最近第3位に後退、対中外交戦略として継続すべきだとの意見もある。(共同)

◎洪水被害で責任、異例の「進退伺」、中国・黒竜江省長(2005年6月15日、朝日新聞)
 中国黒竜江省寧安市での洪水被災で、張左己省長は14日までに安全対策での責任を認め、中央政府に対して処分を求める考えを表明した。胡錦涛(フー・チンタオ)政権は大規模災害などで行政責任を厳しく問う姿勢を鮮明にしているが、処分問題が省長級まで取りざたされるのは異例だ。洪水による死者は同日夕までに児童95人を含む計99人、行方不明者は計10人に上っている。
 14日付の英字紙チャイナ・デーリーなどは、張省長が「回避できない責任がある。いかなる処分も受ける」と語ったと伝えた。豪雨による洪水によって小学校の教室は2メートルを超す泥水に沈んだ。
 今年2月には遼寧省の炭鉱で200人以上が死亡したガス爆発事故が起き、同省の副省長が停職処分を受けた。中国の地方指導者にとって安全対策の徹底は自らの進退にかかわる重要課題となってきている。

◎披露宴テーブル数「8卓まで」、中国江蘇省で新規則(2005年05月29日、朝日新聞)
 結婚披露宴のテーブル数は8卓に限ります。中国沿海部の江蘇省宿遷市当局がこのほど、市民による冠婚葬祭の宴会についてテーブル数を限定し、規模を縮小することを求める規則をつくった。経済発展に伴って高まる一方の市民の消費熱を抑えるためだ。地元メディアや専門家からは「政府が個人の金の使い方に介入するのは越権行為」と反発する意見が相次いでおり、議論を呼んでいる。
 中央テレビ(CCTV)などの報道では、宿遷市共産党委員会は5月1日から、冠婚葬祭の宴会についての新しい規則を定めた。共産党員や政府幹部が主催する宴会ではテーブル数は5卓、市民主催の場合は8卓を超えてはならない。違反者は罰金などの処分を受けるとした。宴会を開く前には町内会にあたる居民委員会への申請も必要とされた。
 中国では親類や近隣、職場の付き合いが重視され、結婚披露宴などでは数十卓のテーブルを準備するのが珍しくない。市側は市民に対する消費動向の調査結果から多くが冠婚葬祭の交際に使う多額の費用に悩んでおり、消費を抑えるために実施したという。
 規則の施行以降、市内の宴会場では宴会数が大幅に減り、売り上げも半分になったところもある。付き合いを悪くできないため8卓以下のテーブル数の宴会場を複数借り、新郎新婦が宴会場を車で回る例もある。
 市側は、メディアや専門家の批判が相次いでも規則を撤回しない意向で、「効果をあげるために没頭して励む」としている。

◎中国大陸の化学兵器処理、移動施設の導入検討、政府(2005年05月29日、朝日新聞)
 政府は、第2次世界大戦中に旧日本軍が中国大陸に遺棄した化学兵器の処理を急ぐため、砲弾を解体する移動式処理施設を導入する方向で検討に入った。中国側とも調整を進める。日中両政府が合意した吉林省ハルバ嶺(れい)での大規模処理施設の建設が難航し、化学兵器禁止条約で07年4月までとされる処理期限に間に合わない恐れがあるためだ。また、回収、解体作業が遅れると安全面でも問題があると判断した。
 移動式処理施設は、トレーラーに簡易処理施設を搭載するもの。ハルバ嶺以外の各地で見つかった化学砲弾を解体し、廃棄物はハルバ嶺に運ぶことが検討されている。このほか、砲弾のままハルバ嶺に運ぶ案も検討されている、という。
 移動式処理施設は97年ごろにも導入が検討されたが、当時は解体に適した砲弾が少なかったため見送られた。しかし、大規模処理施設建設の遅れが深刻になってきたことに加え、解体に適した砲弾も多く発見されたことから、改めて導入を検討することになった。
 97年に発効した化学兵器禁止条約は、日本政府に対して遺棄化学兵器の廃棄を07年4月までに終えるよう義務づけている。しかし、04年4月に合意したハルバ嶺の大規模施設建設計画は、日中間で調整が難航。期限内に処理を終えるのは難しいとの見方が出ている。
 これまで日本政府は、黒竜江省北安市や同省チチハル市などで計約3万7000発に上る「びらん剤」などの化学砲弾を回収。南京市やチチハル市など12カ所で一時的に保管している。日本側の推計では中国国内の遺棄化学兵器は数十万発に上り、遺棄されたままの砲弾は変質や腐食が進行。チチハル市では化学物質が漏れ、死傷者が出ている。

◎中国の反日デモ、「警察が了解」と米紙(2005年4月11日、産経新聞)
 10日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、9日に北京で起きた反日デモについて「中国政府がデモを容認するのはまれだが(今回は)例外だったようだ」と指摘、中国政府がデモを容認していたと報じた。
 同紙によると、デモの主催者だという中国人民大の大学院生は、デモの2日前に警察に許可を求めると、警察側からは「その場で状況を見る」とだけ言われ、暗黙の了解と受け取ったという。
 この大学院生は「政府が協力的でうれしい。警察は交通整理で協力してくれた」と話した。(共同)

◎反日デモ北京でも、ネットで呼びかけ5千人参加(2005年4月9日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】日本の国連安保理常任理事国入り反対や歴史教科書検定に抗議する集会が、9日午前9時(日本時間同10時)ごろから、「中国のシリコンバレー」と呼ばれるハイテク産業の拠点、北京市海淀区中関村の「海竜ビル」前で行われた。
 今月2日から3日にかけて、四川省成都市や広東省深セン市で日系スーパー襲撃や街頭デモなど「反日活動」が起きているが、当局の監視が厳しい首都・北京でこうした集会が行われるのは異例。
 この日の活動はインターネット上で呼びかけられたもので、やじ馬を含めると約5000人が参加したものと見られる。参加者は「日本製品をボイコットしろ」「日本の安保理常任理事国入りに反対」などの横断幕を掲げ、「小日本(日本の蔑称=べっしょう=)」「釣魚島(尖閣諸島)から出ていけ」などと口々に叫ぶと、集まった群衆から大きな拍手と歓声がわき起こった。子ども連れで参加した30代の男性は「愛国主義教育の生きた教材。子どもの教育のために参加した。一人の中国人として貢献できれば」と話していた。
 警察当局は集会に参加した群衆を「海竜ビル」前の広場から出さないよう規制していたが、午前10時過ぎから群衆の街頭デモが始まった。これに先立ち紙で作った日本国旗を焼くなどの行動に出る者もいた。
 秦剛・外務省副報道局長は5日の定例記者会見で「理性的に自らの意思を示すよう希望する」と述べ、民衆に過激な行動を控えるよう求めていた。
 当局は署名活動を大学内に制限し、街頭デモなどを許可しない方針を決めていたとされる。しかし、政府は「日本が歴史問題で正しくない態度をとっていることが中国民衆の強い不満を引き起こした」(秦副報道局長)として一定の容認姿勢を示しており、こうしたあいまいな態度が反日活動を助長しているとの見方もある。

◎中国:反日デモに若者ら1万人、北京(2005年4月9日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】北京市北西部の海淀区で9日午前、日本の国連安保理常任理事国入りや教科書問題に反対して、中国人の若者らが抗議デモを行った。デモ参加者は約1万人に上り、さらに増える可能性もある。中国各地で続く最近の反日活動では最大規模となった。また、北京でこれほどの規模の集会が開かれるのは極めて異例。
 デモはインターネットやメールで呼びかけられ、パソコン製品などを販売する大型テナントビル前の広場で始まった。若者たちは「日本製品は買わない」「釣魚島(日本名、尖閣諸島・魚釣島)から出ていけ」と書かれたプラカードや横断幕などを掲げ、「小泉首相の靖国神社参拝反対」などとシュプレヒコールを上げた。北京市在住の男性会社員(24)は「日本は歴史を改悪している」と訴えた。
 周囲には警官らが配置されているが、当局がデモを規制する気配は見られなかった。
 中国では今月2、3日にも、広東省深センや四川省成都で同様の抗議デモが行われ、日系企業が襲撃される騒ぎに発展した。中国国内では日本製品の「不売」運動も展開されている。

◎北京で反日デモ、参加者数千人規模に(2005年4月9日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】日本の国連安全保障理事会常任理事国入り反対や歴史教科書検定への不満を理由に日本製品不買を呼びかけるデモが、9日午前に北京市西部で行われた。参加者はやじ馬的な人々を含め数千人規模に達した。インターネットで参加を呼び掛けた主催者は事前に「1万―2万人が集まる」とみていた。
 デモがあったのは、中国のIT(情報技術)産業の集積地として知られる中関村。パソコンや電子部品の主要な販売拠点で、ソニーやNECなど日本企業のIT製品のショールームも多い。参加者は「日本製品を買うな」「釣魚台(尖閣諸島)を守れ」などのシュプレヒコールを叫んだ。混乱を避けるため、多くの警官隊が配置されている。
 この日の各店頭からは日本メーカーの製品が自主的に撤去され、手持ちぶさたそうに談笑する店員の姿が目立った。
 参加を呼びかける文章は、数日前から「中国民間保釣連合会」など反日運動を展開する団体のサイト内の掲示板などに掲載されていた。

◎中国チェーンストア協会、日本製品撤去呼び掛け(2005年4月5日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国の大手小売業団体「中国連鎖経営(チェーンストア)協会」が中国全国の小売り企業に対し、日本製品のボイコットを呼びかけていることが4日、明らかになった。日本が国連安保理常任理事国入りを目指していることや歴史教科書の検定問題に反発したもの。既に一部の大手スーパーでは日本製品の撤去の動きが始まっている。
 同組織は全国に約500社の企業会員と300人の個人会員を持つ流通業界の最有力団体。中国の大手スーパーや主要量販店のほか、米ウォルマート・ストアーズや仏カルフールなど中国に進出した多くの外資企業が加盟している。日系進出企業は加盟していない。

◎麻薬密輸罪で邦人に事実上の死刑求刑、中国の人民法院(2005年3月24日、読売新聞)
 【大連(中国遼寧省)=伊藤彰浩】運び屋を利用して中国から日本への覚せい剤密輸を組織したとして、中国司法当局から麻薬密輸罪に問われた武田輝夫被告(62)(名古屋市出身)らに対する論告公判が24日、遼寧省大連市甘井子区の同区人民法院(地裁に相当)で開かれ、検察側は「証拠は十分で、法律に基づく処分を求める」と述べた。事実上の死刑求刑と受け止められている。
 検察側によると、同被告は、2003年夏、中国人男性2人を通して覚せい剤約13キロを購入。知り合いの中国人女性と共謀して、日本への「運び屋」役の体に薬物を巻き付けて出国させようとした。同被告はこの主張を大筋で認めた。
 中国の刑事裁判では、検察側は量刑を示した上での求刑を必ずしも行わないが、大量覚せい剤密輸事件では死刑判決が下されるのが最近の流れ。このため「法律に基づく処分」は死刑を求めたのにほぼ等しい。
 この事件では、「運び屋」役のうち、同省瀋陽で逮捕された日本人男性が昨年2月に死刑判決(控訴中)を受けたほか、日本人男性2人と韓国籍女性1人が逮捕、起訴され、公判が続いている。

◎麻薬密輸:武田被告に論告、中国・大連市中級人民法院で(2005年3月24日、毎日新聞)
 【大連(中国遼寧省)共同】日本への覚せい剤密輸を図ったとして麻薬密輸、販売罪に問われた無職、武田輝夫被告(62)=名古屋市出身=の大連市中級人民法院(裁判所)での論告公判で24日、検察側は「事実は明白で証拠は十分。法に基づく判決を下すべきだ」と述べた。中国で同罪は、犯行が悪質な場合に極めて厳しい判決もあり得る。過去には死刑が言い渡された例もある。
 裁判は同日結審、次回公判で判決が言い渡される。
 公判では起訴事実に基づく証拠調べなどが行われ、武田被告は大筋で事実を認め、「どのような刑も甘んじて受ける」と述べた。
 起訴状によると同被告は03年6月、大連市で中国人から覚せい剤5キロを買って小分けにし、7月に運び屋の日本人ら5人に渡した。公判では起訴事実以外に、同被告が別の中国人から15キロの覚せい剤を買った上、約13キロを運び屋などに売っていたとの捜査結果も明らかになった。
 中国では03年以降、覚せい剤密輸事件で日本人計17人が相次いで逮捕、起訴され、武田被告から覚せい剤を受け取った運び屋の森勝男被告(62)=福島県出身=が昨年2月、死刑判決=控訴中=を受けたほか、2人が執行猶予2年付きの死刑判決=確定=を受けている。

◎中国:若年層の離婚急増(2005年2月27日、毎日新聞)
 中国で若年層を中心に離婚が急増している。経済発展による価値観の多様化と婚姻法改正(01年)で離婚手続きが容易になったことが背景にあるが、一人っ子政策下で育った「思いやりの足りない」(専門家)世代が短期間で離婚するケースが目立っている。
 中国紙などによると、中国の離婚率は80年代の4.75%が近年は約13%に増加。北京市西城区で行った調査では、03年10月からの1年間に同区で離婚手続きを取った夫婦が前年同期の約1.8倍、1783組に上ったという。
 若年層による短期間の離婚は、ここ数年の特徴。北京市のある裁判所が昨年受け付けた離婚のうち、約3分の1が夫婦ともに25歳以下で、結婚から数カ月〜1年半の例が多くみられた。中にはわずか15日のケースもあった。
 理由は浮気が70〜80%で断然トップ。専門家は個人所得増に伴う価値観の多様化を理由に挙げ、80年代以降に生まれた「一人っ子」については、伝統や親の束縛を嫌がって自分の思い通りに結婚するが、相手を思いやる能力が足りず、容易に離婚する傾向が強いと分析している。(北京・共同)

◎「トイレは流して」五輪控えマナー向上に全力、北京市(2005年2月19日、読売新聞)
 五輪開催を3年後に控える北京市が、「準備活動の中で最大の難問」(王岐山市長)とする市民のマナー向上作戦に乗り出した。メディアなどを動員した大キャンペーンが連日続いている。(北京 竹腰 雅彦)
 春節休み中、露店がびっしり並び、数万人でごった返す同市の地壇公園。特設ステージで、路線バスの様子を再現した寸劇が演じられた。司会の女性が明るく問いかける。「さて、どこがマナー違反でしょう?」
 1000人近い観衆の手が次々に挙がる。「携帯電話で大声を出した」「家族の定期券を使った」「お年寄りに席を譲らなかった」
 「正解!」。答えた人に記念品のアクセサリーが手渡された。
 主催したのは、同市の東城区政府。司会者は「五輪では、世界の人たちに、『北京市民は文明的なマナーを守っている』という、いい印象を与えましょう」と声を張り上げた。
 北京市民のマナー。それはかつて、先進国の客の目には「恐るべきもの」と映った。所構わぬ大声に悩まされ、タンを踏まないように道を歩く。街路樹わきには、子供に排便させる親。入場券の窓口は、弱肉強食の世界だ。買い物をすれば釣り銭を投げ返される。車も歩行者も交通規則など眼中になく、我が道を行く。
 市場経済化が進み、社会が豊かになるにつれ、こうした状況は、部分的にはかなり改善された。「釣り銭投げ」は、今はほとんど見られない。崩れない行列もできるようになった。だが、及第点には遠い。
 「食事マナーは、まず、『小さな声』から!」――市共産党委員会の機関紙・北京日報など各紙には、新年から、マナーに関する大見出しが躍っている。
 公衆トイレの心得で、「水洗でも約3人に1人が水を流さない」としかる。食事では、「ステーキはかぶりつかず、小分けにして食べる」「食べ放題の食堂で料理を持ち帰らない」とたしなめる。身だしなみについては、「不衛生が原因の体臭や口臭を香水でごまかさない」と注意する。
 北京晨報紙は、伝統的美徳の「孝」を強調、家庭でのテレビのリモコン操作は「親が優先権を握る」のが正しいと紹介した。
 中国人はメンツを重んじる。五輪期間中、北京を訪れる外国人は約300万人に上ると見られており、そこで恥をかきたくない。市の最終目標は、「全世界が、市民の立ち居振る舞いに『礼儀の風貌(ふうぼう)』を感じとる」ようにすることだ。
 キャンペーンのテーマは、順次変わる。現在は「生活マナー」が中心で、夏ごろまでに「競技場でのマナー」に重点を移すという。昨年中国で開かれたサッカー・アジアカップで、厳重警戒にもかかわらず反日騒ぎが起きただけに危機感が強い。
 小中学校では、秋の新年度から「文明礼儀科」の授業導入も検討されている。
 1988年のソウル五輪、2002年のサッカー・ワールドカップで、韓国でのマナー向上運動を見てきた北京在住の韓国人会社員は、「日本を引き合いに、国民の自尊心に働きかけてハッパをかけた韓国とはやり方が違う。正しいはしの使い方まで学ばせようとする中国の意気込みには、すごみを感じる」と苦笑した。
 キャンペーンが、マナーに関する知識の普及に一役買うのは間違いない。だが、市民の反応はまだ概して冷たい。「役人は自分たちが腐敗しているくせに、国民に礼儀やマナーを教育しようなんて。笑い話にもならない」(五十代男性)との憤りの声も、結構ある。

◎炭鉱事故:ガス爆発で24人死亡、中国雲南省(2005年2月17日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】新華社通信は17日、中国雲南省富源県松林村の炭鉱で15日午後2時半ごろ、ガス爆発が発生し、採掘していた村民ら24人が死亡したと報じた。この炭鉱は採掘が許可されておらず、炭鉱経営者が村民に違法採掘をさせている最中にガス爆発が起きたという。
 富源県当局は今月9日の春節(旧正月)前に、違法な炭鉱の取り締まりを実施。この炭鉱は安全対策が施されていなかったため封鎖した。炭鉱経営者に対しても勝手な採掘を禁止したが、炭鉱経営者は春節休みを利用して村民を集め、作業をさせていたという。
 富源県は炭鉱資源が豊富で、個人による違法採掘が横行しているという。

◎中国、輸入、日本なお最大、貿易赤字208億ドルに拡大(2005年2月16日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信は十五日、中国税関統計として、二〇〇四年の日本からの輸入額が前年比27.2%増の九百四十三億ドル(約九兆九千億円)に上り、日本が依然として中国にとって最大の輸入相手国となっていると報じた。これに伴い中国側の対日貿易赤字も〇三年の百四十七億ドルから二百八億ドル(約二兆二千億円)に拡大した。
 中国にとって日本は〇三年まで十一年連続で最大の貿易相手国だったが、昨年は欧州連合(EU)、米国に抜かれ第三位になった。しかし部品や素材など日本からの調達の勢いは根強いことがうかがえる。
 中国税関の統計では中国とEUとの貿易総額は昨年、前年比33.6%増の千七百七十二億ドル、米国とは同34.3%増の千六百九十六億ドルだった。いずれも中国側の出超で、黒字額は対EUが三百七十億ドル、対米が八百二億ドルだった。
 日中間の貿易総額は、前年比25.7%増の千六百七十八億ドルと史上最高に達した。中国の対日輸出は同23.7%増の七百三十五億ドルで、中国の対日赤字額は二百八億ドルに上った。中国の貿易相手国・地域の第四位は東南アジア諸国連合(ASEAN)で日本とほぼ同額の二百億ドルの赤字となった。
 中国の貿易総額は昨年、前年比35.7%増の一兆千五百四十七億ドルとなり、日本を抜き米独に次いで世界第三位の貿易大国となることが確実視されている。
 日中関係については「冷たい政治関係が経済関係発展の障害になる」との声も出ているが、中国の対日貿易が増加している状況は、中国が日本との経済関係を引き続き強化していることを裏付けた形だ。

・日米中が牽引、アジア貿易
 中国にとって日本が最大の輸入相手国となっている理由は、中国が「世界の工場」であり続けるために、付加価値の高い素材を日本からの輸入に依存しているからだ。
 中国は、二〇〇一年十二月の世界貿易機関(WTO)加盟を契機に投資環境の整備を進め、安い労働力を武器に世界の一大生産拠点に成長した。
 だが、高度な工作機械部品や半導体などは、日本製品が現在も圧倒的に優位に立つ。中国が主力製品を繊維製品などから付加価値の高いデジタル家電などにシフトしようとするほど、日本製の部品が必要になる構図だ。
 日本と中国が相互依存を深めるのに対し、米国は中国からの輸入を拡大し続けている。米国にとって中国は五年連続で最大の貿易赤字相手国となり、赤字額は昨年、前年比30.6%増の千六百二十億ドルに達した。
 東アジアを舞台にした日米中の貿易トライアングルは近年、均衡発展を続ける日中間の貿易を、世界最大の消費市場を持つ米国が支える構造に変化してきたようだ。
 そのなかで、米国企業は、IBMがパソコン事業部門を中国の聯想(レノボ)へ売却を決定するなど、より付加価値の高い産業への転換を図っている。日本貿易振興機構の渡辺修理事長は「米国企業には、日本を研究開発の拠点にし、成功した技術で中国などアジアへ乗り出す動きが出ている」と指摘している。(吉村英輝)

◎炭鉱爆発で203人死亡、中国遼寧省(2005年2月15日、産経新聞)
 新華社電によると、中国遼寧省阜新市の炭鉱で14日、ガス爆発事故があり、15日までに203人が死亡、13人が行方不明になり、負傷者は22人に上った。
 事故が起きたのは同市の孫家湾炭鉱。14日午後、坑内で突然爆発があり、238人が閉じ込められた。地元当局は事故対策本部を設置、付近の炭鉱から応援要員が駆けつけ、救出作業に当たっていた。
 中国の国家安全生産監督管理局によると、同国では昨年、3639件の炭鉱事故が発生し、627人が犠牲となっている。エネルギー不足を背景に、無理な採掘が爆発事故につながったケースが目立ち、同管理局は「情勢は深刻」と認めていた。(共同)

◎北京などで抗議行動、尖閣の灯台国有化に反発(2005年2月15日、産経新聞)
 中国国内などで反日運動を展開している団体メンバーらは15日、北京の日本大使館前や香港で日本政府による尖閣諸島・魚釣島(中国名・釣魚島)灯台の国有財産化に対する抗議活動を始めた。中国各地の日本総領事館前などでも同日中に抗議活動が行われる予定で、一斉の抗議行動になる。
 国有財産化について、日本政府が「当然の行動」(小泉純一郎首相)と主張しているのに対し、中国政府は「非合法で無効」と強く反発、外交ルートでも抗議の意思を表明している。抗議活動は、こうした中国政府の意向を色濃く反映したものだ。
 日本大使館前で行われた集会では、同島は中国の領土とする立場から「日本は釣魚島から出て行け」などと抗議した。
 抗議は、広州、重慶、香港などの日本総領事館前、台北市内などでも行われる予定。参加者には台湾、香港や米国、カナダの活動家も含まれているとみられる。
 日本政府は9日、魚釣島に日本の政治団体が建設した灯台を国有財産とすると発表した。(共同)

◎中国で炭鉱事故、200人余が死亡、エネルギー不足背景(2005年2月15日、朝日新聞)
 中国東北部の遼寧省阜新市にある孫家湾炭坑で14日午後、ガス爆発事故があり、15日までに203人の死亡が確認された。28人が救出されたが、13人が行方不明となっている。国営新華社通信が伝えた。中国では経済成長に伴うエネルギー不足を背景に無理な炭坑採掘が続き、昨年1年間だけで3600件以上の炭鉱事故が発生、6000人以上が犠牲となった。今回は近年でも最大級の惨事となった。
 新華社電によると、爆発当時、244人が坑内で作業中だった。胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が救出活動に全力を挙げるよう指示を出し、現場に同省幹部らが駆けつけ、190人の救援隊が不明者の捜索を続けている。
 阜新市の炭鉱は1897年に開かれ、02年から阜新鉱業集団が運営していた。孫家湾炭鉱の従業員数は3100人で、設計生産能力は年間150万トンという。
 中国の国家安全生産監督管理局によると、昨年は全国で3639件の炭鉱事故があり、死亡者は6027人。03年よりそれぞれ504件、407人ずつ減った。昨年10月から11月にかけ、河南省や陜西省で犠牲者が百数十人に上る大事故が起きるなど、炭坑事故の多発は社会問題になっている。
 中国は急激な経済成長で、米国に次ぐ世界第2位のエネルギー消費国になった。その6割以上は石炭に依存している。全土に2万6000余の炭坑があるが、半数は小規模で掘削技術や安全確保策が遅れており、昨年中に基準を満たさない500余の炭坑が閉鎖された。

◎中国による知的財産侵害で米企業が対応要請(2005年2月10日、産経新聞)
 米企業が加盟する国際知的財産同盟は9日、海賊版の横行など中国による知的財産の侵害で被害を受けているとして、世界貿易機関(WTO)の場で中国と直ちに協議に入るよう通商代表部に申し入れた。
 同盟は、中国による知的財産侵害で2004年に25億ドルの損害を受けたと主張している。(共同)

◎中国また揺さぶり、「ビザ発給」めぐり反発、政府・与党は法整備粛々と(2005年2月6日、産経新聞)
 三月下旬に始まる愛知万博の期間中、日本政府が台湾人観光客への査証(ビザ)発給を免除する方針を決めたことに中国側が反発している。日本側は万博に間に合わせるため、九日の参院本会議で台湾を対象に査証を免除する特例法を議員立法で成立させる方針。小泉純一郎首相の靖国神社参拝や東シナ海のガス田開発など、中国側の挑発的な言動で日中関係が冷え込む中、新たな横やりが入った形だが、政府・与党は粛々と法整備を進める構えだ。
 愛知万博は三月二十五日から九月二十五日まで開かれる。政府はこれに合わせ、外国人観光客の来日を促すため、万博期間に限定した査証制度の緩和を検討してきた。
 この結果、韓国と台湾の観光客は査証を免除する方針を決定。中国の団体観光客に対しては、北側一雄国土交通相が今年一月に訪中した際、北京市など三市五省に限定している査証発給の対象地域を万博期間中に限り全土に拡大する考えを中国側に正式に伝えた。
 政府が中国人の査証発給地域を限定しているのは、「観光目的で来日したまま不法滞在する中国人が後を絶たない」(法務省関係者)からだ。
 こうした日本政府の方針に、中国側は外交部などは歓迎の意向を示したが、国家観光局が発給対象の拡大が万博期間に限定されていることを理由に「議員立法で査証を免除する台湾と比べ、査証発給の条件が違いすぎる。納得できない」などと強く抗議した。このため、台湾に対する特例法案の与党側の手続きに遅れが出て、万博開会までの査証発給免除を危惧(きぐ)する声も出ている。
 昨年十二月末の李登輝前総統の来日では日本政府を執拗(しつよう)に批判。「観光目的なのに中国も大人げない」(自民党三役の一人)などと日本側に不快感を広げた。
 両国関係は現在、首相の靖国参拝などを理由に中国側が首脳間の相互訪問を拒否。本来は温家宝首相が来日する番だが実現していない。一方で、東シナ海の日中中間線付近で日本の要請を無視してガス田開発を継続する傍ら、原潜が日本領海を侵犯する事件を起こすなど、挑発的ともいえる動きを活発化している。
 それだけに、今回の査証発給をめぐる中国側の反発について、政府・与党内には「中国の日本に対する揺さぶりの一環ではないか」(外務省筋)との観測も出ている。
 ただ、大勢は「台湾人観光客の場合、不法滞在の割合も少なく、中国人観光客と単純比較するわけにはいかない」との見方で、法案化を進める与党内からは、「中国が日本のやることにクレームをつけるのはおかしい」(自民党観光特別委員会メンバー)と中国への反発が強まっている。

◎中国検察控訴せず、王被告の無期懲役確定へ(2005年2月2日、朝日新聞)
 福岡市東区で衣料品販売業、松本真二郎さん(当時41)の一家4人が殺害された事件で、中国の一審で無期懲役の判決を受けた元日本語学校生の王亮被告(22)について、遼寧省の遼陽市人民検察院は2日、「中国の国内法の規定に従って審査した結果、控訴しないと決定した」と、瀋陽の日本総領事館に連絡してきた。
 同総領事館は、元私立大留学生の楊寧被告(24)=一審判決では死刑=についての情報はまだないとしている。
 両被告に対する判決公判は先月24日、遼陽市中級人民法院(地裁に相当)で行われた。楊被告は判決後、控訴する意思を示し、王被告は控訴しないと表明した。
 しかし、松本さんの遺族が王被告についての判決内容を不服として、中国の検察に控訴するよう外務省を通じて求めていた。
 中国では判決に不服の場合は判決の翌日から10日以内に控訴できる。このため、最終期限の3日を過ぎれば、王被告の刑が確定する。

◎中国圧力?ダライ・ラマ亡命政府事務所に閉鎖通告(2005年2月1日、産経新聞)
 【バンコク=岩田智雄】カトマンズからの報道によると、ネパール政府は31日までに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の亡命政府(インド北部ダラムサラ)の代表事務所とチベット難民福祉事務所に対し、事務所の閉鎖を求めた。
 両事務所はダライ・ラマが1959年に亡命して以来、チベットからネパールやインドへ亡命する難民を支援してきた。ネパールには2万人以上のチベットからの亡命者が居住しているとされるが、ネパール当局は、両事務所に対し、未登録で活動しているとして閉鎖するよう通告した。
 中国はこれまでネパールに、「反中国活動を許容している」などとして両事務所の閉鎖を要求してきた。このため、カトマンズの亡命政府代表事務所は「閉鎖は中国の圧力によるものだ」と反発している。
 ネパール政府は昨年5月にも、チベットからの亡命者18人を初めて中国当局に引き渡しており、米英や欧州連合(EU)が非難した。
 最貧国の1つであるネパールには最近、国境を接する中国からの影響が強まっている。30日には、中国の支援でカトマンズにテレビ局の新庁舎が完成した。

◎魏被告に死刑求刑、福岡市一家4人殺害事件(2005年2月1日、朝日新聞)
 福岡市東区で03年6月に起きた松本真二郎さん(当時41)一家4人殺害事件で、強盗殺人と死体遺棄などの罪に問われた中国人の元専門学校生魏巍被告(25)の論告求刑公判が1日、福岡地裁(川口宰護裁判長)で開かれた。福岡地検は「犯罪史上まれにみる極悪非道な犯行。冷酷性や非人間性を矯正することは不可能」として死刑を求刑した。論告に先立ち、真二郎さんの妻千加さん(当時40)の父親が、被害者の遺族として初めて意見陳述し、裁判所に極刑を求めた。3月16日の弁護側の最終弁論で結審する予定。
 検察側は論告で「魏被告らは、松本さん一家が外国製高級車に乗っていることで『金持ち』と思い、何の落ち度もない一家を皆殺しにして金品を奪った。家の下見を重ね、犯行後は遺体を海中に遺棄するなど完全犯罪をもくろんだ」と指摘した。
 論告によると、魏被告は犯行前の03年6月16日ごろ、元日本語学校生王亮被告(22)=中国で一審無期懲役=から「日本人の家に侵入して、キャッシュカードの暗証番号を聞き出し、家族全員を殺す。金を引き出してみんなで分ける」と犯行を持ちかけられた。
 魏被告は殺害計画に戸惑いを見せたが、元私立大留学生楊寧被告(24)=同死刑=が「死体を隠せば警察が捜査を始めることすら難しい。絶対にお前が捕まることはない」と説明。魏被告は「いい考えだ」と承諾したという。
 その上で検察側は「幼い子供2人を含む4人の生命が一方的に奪い去られ、結果は悲惨かつ重大。社会を震撼(しんかん)させ、遺族の被害感情も峻烈(しゅんれつ)。魏被告は、わずかな期間に強盗や窃盗などを続けるうち、人間性を次第に見失い、殺戮(さつりく)者と化した」と厳しく非難した。
 論告に先立って意見陳述した千加さんの父、梅津亮七さん(78)は「4人を失った悲しみや怒り、苦しみは増すばかり。なぜ金を奪うために殺す必要があったのか。この手で4人の無念を晴らせるなら、晴らしてやりたい」と述べた。
 この日、検察側から楊、王両被告に対する中国での判決文と一家4人の遺影が証拠提出され、いずれも採用された。

◎福岡一家4人殺害、2被告に死刑と無期懲役、中国で判決(2005年1月24日、朝日新聞)
 福岡市東区で03年6月、衣料品販売業、松本真二郎さん(当時41)の一家4人が殺害された事件で、中国で身柄を拘束され、殺人罪などに問われていた元私立大留学生の楊寧(24)、元日本語学校生の王亮(22)両被告に対し、中国・遼陽市の中級人民法院(日本の地裁に相当)は24日午前9時50分(日本時間同10時50分)、「凶悪で残虐な犯行」とする検察側の主張を認定し、楊被告に死刑、王被告に無期懲役の判決を言い渡した。同法院は、王被告については検察、弁護人双方の主張を認め「自首したことで、事件の解決に協力した」として量刑に差をつけた。
 中国の刑事裁判は二審制で、同法院の判決に不服の場合は、判決の翌日から10日以内に高級人民法院(高裁に相当)に控訴することができる。楊被告は控訴する方針で、王被告は控訴しない。
 事件発生から約1年半。日中両国の捜査協力を経て、この事件の3被告のうち2被告に司法判断が出た。共犯とされる元専門学校生の魏巍被告(25)は福岡地裁で公判中で、2月1日に検察側が求刑する予定。
 この日の判決は楊、王両被告に政治的権利剥奪(はくだつ)と財産没収、罰金各2万8000元(約40万円)も命じた。
 両被告とも昨年10月19日の初公判で、4人の殺害について起訴事実を大筋で認めた。検察側は「残虐な犯行で、日本にいる中国人留学生に悪い影響を与えた。また、中日友好の関係を損ねて遺憾だ」などと指摘したうえで、2人に対して「厳罰」を求めていた。王被告については、検察、弁護人とも「自首」を主張し、刑を軽くすべきだと訴えた。
 初公判で楊被告は「強盗計画を持ちかけたのは自分だ。最初から殺人を考えていた」と述べた。王被告は傍聴席にいた遺族に向かってひざまずき謝罪した。ただ、殺害の状況を巡って、互いに責任を押しつけ合うような場面もあった。
 この日の公判は初公判と同様、公開審理で日本のメディアにも傍聴席が5席割り振られた。遺族は傍聴に訪れなかった。
 両被告は事件直後の03年6月24日、福岡空港から帰国。日中間で犯罪人を互いに引き渡す条約が結ばれていないため、捜査の難航が予想されたが、中国の公安当局は同年8月、両被告を拘束し、国外での殺人などの犯行について処罰できると定めた刑法の国外犯規定に基づいて昨年7月に起訴した。
 魏被告は03年8月、別の傷害容疑で福岡県警に逮捕され、昨年1月、強盗殺人容疑で再逮捕された。一連の捜査では、日本の警察官、検察官が訪中し中国の捜査官による両被告の取り調べに立ち会う一方、中国の捜査員も来日し捜査に協力した。
 福岡地裁は昨年11月の魏被告の公判で、中国の捜査当局が作成した楊、王両被告の調書を、「共犯」の調書としては日本で初めて証拠採用した。

〈福岡市一家4人殺害事件〉
 福岡地検の起訴状などによると、楊寧、王亮、魏巍の3被告は共謀のうえ、03年6月20日午前0時すぎ、福岡市東区の松本真二郎さん(当時41)宅に侵入し、妻千加さん(同40)と長男海君(同11)の首を絞めて殺害。長女ひなさん(同8)を人質に取って帰宅した松本さんの首を絞めて仮死状態にし、ひなさんも殺害した。現金約3万7000円と預金通帳などを奪い、車で4人を博多湾の岸壁に運んで海に沈め、松本さんを水死させたとされる。

〈中国の刑事裁判〉
 二審制。検察が起訴後、各地の中級人民法院(日本の地裁に相当)が審理し、被告は弁護人を付けることができる。判決に不服の場合は、判決の翌日から10日以内に高級人民法院(高裁に相当)に控訴できる。殺人犯の量刑は死刑、無期懲役、10年以上の懲役とされる。

◎重慶市の大気汚染、中国で最悪に(2005年1月30日、日本経済新聞)
 【重慶=宮沢徹】中国・重慶市は2004年の大気汚染が中国主要47都市で最悪だったとの調査結果をまとめた。地元紙が伝えた。重慶市環境保護局によると酸性雨の原因になる二酸化硫黄濃度は他の46都市の平均値の2.4倍、二酸化窒素濃度は同1.72倍、ススなど汚染浮遊物質は同1.43倍に達する。
 市内に立地する化学工場や鉄鋼工場などからの排出ガスに加え、年々増加する自動車の排ガス問題も深刻だ。環境保護局は「重慶市も環境対策に力を入れたが、他の都市の進歩のほうが早かった」と説明している。

◎中国富豪がケチ返上?地震被災に寄付の話も(2005年1月20日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】スマトラ島沖地震の被災者に対する国を挙げての募金活動が展開されている中国で、「寄付嫌い」とされてきた中国の富豪が重い腰を上げ始めた。
 中国紙「中国青年報」は「慈善事業は国家の文明レベルにかかわり、中国にも富豪の慈善家が必要だ」とする特集記事を掲載した。これを機にこれまでの「吝嗇(りんしょく)富豪イメージ」の根本的な改善につながるかどうかが注目される。
 同紙によると、中国最大の慈善組織「中華慈善総会」が過去に受け付けた寄付金の7割が、海外や香港・台湾地域からで、大陸の富豪が行った寄付は15%に満たず、このうち名の知れた富豪はいないという。2003年に米誌「フォーブス」が発表した中国人富豪番付100人の7割は「2004年中国慈善ランキング」の中に入っていなかった。
 また、中国の企業1000万社以上の99%は寄付したことがないという。ある有名な牛乳メーカーは、寄付に際して国家指導者との面会など様々な条件をつけ、申し出た100万元(約1300万円)のうち、実際には20万元(約260万円)しか寄付しなかった。
 中国の富豪は、計画経済から市場経済へと転換する社会の変化をうまくとらえて個人経営者から急速に台頭した私営企業家が大半だ。それだけに、欧米のように寄付文化が根付いているわけではない。
 確かに、富豪側にも、これまで寄付から縁遠かった理由がある。不動産開発業者、潘石屹氏は「中国の企業家が財を成したのはこの10年で、欧米とは比べものにならない。実際、運用できる資金はそれほど多くない」と反論する。金持ちイメージが広がることで、身の安全にもかかわるなどの懸念もある。さらに、寄付金の使途が不透明など慈善組織の信頼性が低い点も意欲の低下につながったとの見方もある。
 しかし、変化も出てきた。今月10日には、資産額91億元(約1180億円)で富豪番付トップになったこともあるIT(情報技術)界の大物、丁磊氏(33)が1000万元(約1億3000万円)を寄付する意向を表明した。丁氏は中国電子科学技術大学を卒業後、浙江省寧波の電信局職員を経て、1997年にインターネット企業「網易」を創業。
 丁氏とほぼ同時に、潘石屹氏も約300万元(約3900万円)の寄付を決めた。潘氏は政府職員を振り出しに、87年に海南島などで不動産開発会社を設立。それ以来、時代の先端を行く物件を次々に世に送り出し、今では経済フォーラムなどに引っ張りだこの有名人だ。

◎中国と台湾、春節直行便で合意、中国機が初めて台湾へ(2005年1月15日、朝日新聞)
 中国と台湾の航空当局者は15日、マカオで協議し、2月9日の春節(旧正月)に合わせて双方の航空会社がチャーター便を乗り入れることで合意した。台湾海峡の安定をアピールしたい両者の思惑が一致したもので、中国機が台湾に乗り入れるのは、49年の中台分断以来、実質的に初めてとなる。これを機に途絶えていた中台間の対話が復活するかどうかが、注目される。
 今回の協議は、中台双方の交通当局の航空担当幹部が民間団体職員の身分で出席、異例の当局者同士の直接交渉となった。2時間にわたった協議の後に開かれた共同記者会見で、浦照洲・中国民航協会常務理事は「友情のこもった雰囲気のなか、我々は短時間で合意に至った」と述べた。
 中台間を結ぶ航空便は、03年の春節に台湾機がチャーター便として旅客を乗せずに香港、マカオを経由して上海に乗り入れ、帰省客を乗せて戻ったのが、49年の中台分断以来最初となった。04年は中台関係の緊張から見送られた。
 今回合意されたのは、今月29日から2月20日にかけて、中国の中国国際航空や台湾の中華航空など、中台双方のそれぞれ6社が合計48便を運航するという内容。主に大陸で暮らす台湾人ビジネスマンらの里帰りに利用されるとみられる。発着地点は、中国側が北京、上海と広州、台湾側が台北と高雄。上海−台北だけだった前回より拡大した。「軍用機との識別が困難」とする台湾側に配慮し、着陸はしないが香港の空域を経由する。

◎中国が貿易額で日本抜き世界3位、04年1兆ドル超(2005年1月11日、朝日新聞)
 中国商務省が発表した04年の通関統計速報によると、1〜12月の貿易総額は前年比35.7%増の1兆1547億ドルで、初めて1兆ドルを超えた。日本を抜いて米、独に次ぐ世界3位の規模となった見通し。内訳は、輸出が同35.4%増の5933億ドル、輸入は同36.0%増の5613億ドル、貿易黒字は同25.6%増の319億ドルだった。

◎広東省で暴動、けが人多数、治安要員の横暴に労働者ら怒り(2004年12月26日、産経新聞)
 26日付中国系香港紙、文匯報によると、中国広東省東莞の大朗村で25日、「民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者らが、警察車両を焼くなどの暴動が発生、多数のけが人が出た。同紙は住民の話として、すぐ殴るなど治安要員の日ごろの横暴ぶりに民工側の怒りが爆発したと伝えた。
 同紙によると、約5万人の民工が現場に集まり、周辺の道路は25日夜、約3キロにわたりガラス片や石などが散乱、警官数百人のほか装甲車などが多数配備されたという。
 治安要員は当局の委任を受け警察業務の一部を担当する民間人。
 暴動は23日、学生がバイクの窃盗犯と間違えられて治安要員に殴られ、病院で死亡したのがきっかけ。補償を求める遺族ら数十人と治安要員らが衝突、暴動に発展したらしい。(共同)

◎出稼ぎ労働者5万人が警察と衝突、中国・広東省(2004年12月26日、朝日新聞)
 広東省東莞市で25日、地元自警団にあたる治安員に拘束された男性が亡くなったのをきっかけに、出稼ぎ労働者と警察の衝突が起きた。一時約5万人の労働者が道路を占拠し、警察車両4台を焼いたという。香港の中国系紙文匯報が26日伝えた。
 同紙によると、23日に起きたバイク事故をきっかけに、湖南省出身の男性と地元の運転手が口論となり、村の治安員が男性を連行。男性は連行時に強く殴打され、病院に移送されたが、同日夜に死亡した。25日に家族や同郷の出稼ぎ労働者らが治安員の事務所に抗議に押しかけ、もみ合いとなり、治安員十数人が負傷した。治安員側が警察に助けを求め、警官数百人が出動したが、話を聞いて労働者らが集まり、一時は約5万人が道路を約3キロにわたって占拠、投石を繰り返した。
 台湾の中央通信社によると、深夜に警察側が30台以上の特殊車両や武装警察隊を投入して現場を制圧、群衆は解散したという。

◎人民元:05年早々に切り上げるとの観測強まる(2004年12月26日、毎日新聞)
 中国が通貨・人民元を05年早々に切り上げるとの観測が、外国為替市場で強まっている。中国政府や中国人民銀行(中央銀行)は「人民元レートの安定を維持する」と否定するが、早期切り上げ観測を背景に、海外先物市場での人民元相場は実勢レートより6%ほど高く、「元旦切り上げ説」も浮上している。上海市などでは、国民が外貨預金などで保有する米ドルを人民元に交換する動きが目立っているという。
 中国政府は94年1月1日に、対ドルで割高に設定されていた人民元の「公定レート」(1ドル=5.8元)を、当時の「市場レート」(1ドル=8.7元)に合わせたことがある。この“実績”も「正月に切り上げという観測を強めている」(米系銀行)ようだ。
 中国は人民元相場を米ドルに対して事実上固定する「ドル・ペッグ(連動)制」を採用している。99年以降は、中国人民銀行が外為市場での日々の為替介入を通じ、1ドル=約8.28元に相場水準を維持している。
 切り上げ観測が強まっているのは、対中貿易赤字が急増している米国が、人民元切り上げを通じて貿易不均衡の是正を求めるといった「外圧」に加え、中国自身も景気過熱に伴うインフレを抑えるために、切り上げを必要としていると見られているからだ。
 現在のような大規模なドル買い・人民元売り介入を続けていると、市場に放出された人民元が必要以上に増え、インフレ圧力を高めてしまう。中国人民銀は10月に、景気過熱抑制のため9年ぶりの利上げを行ったが、現在の為替介入は、この政策と矛盾していることにもなる。
 さらに、中国は世界貿易機関(WTO)加盟に伴う義務として、06年12月までに金融市場の対外開放を進めなければならず、為替相場の柔軟化も課題だ。
 そうした背景から、市場では「中国は05、06年に5%ずつ人民元相場を切り上げ、07年以降に為替管理を大幅に緩和するのではないか」(大和総研の亀岡裕次シニア・エコノミスト)という見方も出ている。また、切り上げ観測を反映し、人民元の先物取引を扱っている「NDF(ノンデリバラブル・フォワード)」での人民元先物相場(1年物)は24日時点で、1ドル=約7.78元台と、11カ月ぶりの元高・ドル安水準を記録した。
 人民元が切り上げられれば、円・ドル相場やアジア通貨相場全体への影響も避けられないだけに、日本の通貨当局も注視している。【竹川正記】

◎中国の携帯電話の密輸1000万台に・中国紙報道(2004年12月23日、日本経済新聞)
 【北京23日共同】携帯電話の利用者数が世界一の中国で携帯端末の密輸が激増し、年間1000万台近くに達するとの見方が出ていると、中国紙「21世紀経済報道」が23日、報じた。正規輸入品に比べ、密輸品は3割以上も値段が安く、国内に密輸品の流通市場が形成されていることなどが横行の背景。外国メーカーの中には流通品の9割が密輸品というケースもあり、当局も取り締まりに躍起だ。
 ある韓国メーカーの場合、2001年時点で中国国内で流通している自社の携帯電話端末600万台のうち、正規輸入品はたったの40万台だった。香港から広東省への密輸ルートなどがあり、同省深セン市の税関で11月に実施した取り締まりでは、約一週間で密輸端末約3800台、584万元(約7400万円)相当が摘発、押収された。
 中国情報産業省の統計では、中国の携帯電話の利用者は先月末で3億2900万人。新華社電によると、携帯利用者は昨年末と比べ、ことし11月時点で約6000万人増加した。1月から11月までに携帯電話で送信されたメールは、約1959億通に達するなど「携帯大国」の地位を不動にしている。

◎違法くじ席巻、市民失踪・産業にも影響、中国・浙江省(2004年12月23日、朝日新聞)
 中国沿海部の浙江省の地方都市を、「六合彩」と呼ばれる違法な宝くじが席巻し、多くの市民の生活を一変させている。当局は取り締まりを強めるが、一度甘い汁を吸った市民の欲望を抑えるのは難しそうだ。
 広州紙「21世紀経済報道」などの報道では、同省台州市仙居県では02年ごろから倍率の高い違法な宝くじが出回り始めた。1枚最低5元(1元は約13円)からで、当選したら40倍の賞金がつくとされ、のめり込む者が続出。今年6月には銀行から優良顧客として表彰された男性が妻と小学生の子供を残して失踪(しっそう)した。高利貸などから借金した40万元余りを宝くじにつぎ込み、借金取りから逃げたとみられる。
 県の基幹産業である工芸品を製造するある工場では、週3回の当選番号の発表日に多数の工員が出勤せず、操業に大きな影響が出ている。別の工場のオーナーは宝くじに運転資金をつぎ込み、工場を手放した。
 中国人民銀行(中央銀行)仙居支行の調べでは、10月の県内の金融機関の預金残高は総額で前月比1億元以上も減少。同月末までに、同県の昨年の財政収入に匹敵する2億元以上が宝くじに流れたとみられる。
 地元当局は12月中旬までに賭博罪で計270件を立件し、800人余りを処罰した。預金残高の大幅な減少にも歯止めがかかった。ただ宝くじが消えたわけではなく、一層地下に潜り、発覚が難しくなったようだ。

◎中国:原油輸入量、1億トン突破、自動車急増背景に(2004年12月22日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国税関総署は21日、04年1月から11月の中国の原油輸入量を前年同期比35.2%増の1億1062万トンと発表した。中国が96年に原油の純輸入国になってから1億トンを突破したのは初めて。輸入量で日本の約半分になる。石油消費量では米国に次ぐ2位の消費大国になるのも確実になった。中国政府は国内での省エネ対策とともに海外での資源確保を一段と迫られることになる。
 中国の原油生産量は近年、ほぼ横ばいで推移していることから、通年の輸入依存度は40%に達する見通しだ。国際エネルギー機関(IEA)統計によると、中国は02年の輸入量で米国、日本、韓国、ドイツなどに次ぐ世界8位だったが、今年は米国、日本に次ぐ3位に浮上する可能性がある。
 一方、03年の石油消費量は大手石油会社のBP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)統計で米国が9億1430万トン。中国は2億7520万トンで日本の2億4870万トンを抜いた。中国の輸入、消費量は中国政府の予測を大幅に上回るペースで伸びており、国際価格にも影響を与えそうだ。
 需要を押し上げた原因は自動車の急増だ。中国紙報道によると、中国国内で製造された自動車の1〜11月の販売台数は前年同期16.8%増の458万台。米国、日本に次ぐ世界3位の市場規模になった。経済成長を反映して石油化学製品の需要も増えた。
 中国政府はエネルギー需給のひっ迫を受けて、11月下旬に「省エネルギー中長期特定項目計画」を発表した。中国国有石油各社は中東・アフリカなどで政府援助をテコにした油田の自主開発や企業買収による資源確保に力を入れている。
 中国の一人当たりのエネルギー消費量は日本の1割程度で、経済成長に伴って需要が大幅に増加するのは避けられそうにない。IEAは10月に発表した「世界のエネルギー展望2004」で、中国の原油輸入が2030年ごろ、現在の米国並み(約5億トン)になると予測している。

◇急成長、省エネ実現の壁に
 アジアを中心にしたエネルギー需要の急速な伸びは、現在の原油価格上昇の構造的要因になっている。特にアジア地域の石油の輸入依存度は高まっており、2030年には8割を超えると予測されている。中でも中国はダントツの勢いだ。
 中国政府は深刻なエネルギー不足を緩和するため、「省エネルギー中長期特定項目計画」を徹底させる方針だ。計画は「交差点の信号を白熱灯から発光ダイオード(LED)に替えると消費電力を約90%節約できる」「自動車の代替燃料開発で石油3800万トンを節約する」などと効果を強調する。
 しかし、モータリゼーションなど産業・社会の変化が始まったばかりの中国社会で過度な省エネを同時に推進することは「成長の活力」をそぐという消極論も国内に根強く、省エネ社会をスムーズに実現するのは容易ではない。
 中国は需要増の大半を海外での資源獲得に頼っている。「中国版メジャー」と呼ばれる3大国有石油会社は90年代初めから、サウジアラビア、ブラジル、スーダン、アンゴラなど世界50カ所以上で油田権益を獲得。米国や日本などと摩擦を生むようになっている。
 中国の石油消費が今後も拡大を続ければ、供給面での不安と相まって原油高が続くのは必至で、日本もエネルギー安定供給のためアジア全体でエネルギー政策に取り組む必要があるとの認識を強めている。
 このため、経済産業省は今年10月、「アジア・エネルギー・パートナーシップ・タスクフォース」を設置。石油備蓄制度の強化や省エネ・環境対策にアジア全体で取り組む体制を整えていく構えだ。【須佐美玲子、浦松丈二】

◇中国の国別原油輸入量(04年1〜10月)
  国 名 輸入量(万トン) 比率
 サウジアラビア 1336 13.42%
 オマーン 1309 13.15%
 アンゴラ 1219 12.24%
 イラン 1114 11.19%
 ロシア 925 9.29%
 ベトナム 472 4.74%
 スーダン 470 4.72%
 その他 3111 31.25%
     合計 9956 100%
 (新華社CHINA OGPから)

◎取り締まりに恨み?30人が交通局襲撃、中国ハルビン市(2004年12月21日、産経新聞)
 中国黒竜江省ハルビン市で18日午後、刀や鉄棒などを手にした男ら約30人が、同市交通局の違反取り締まり中隊の事務所を襲撃、隊員10人に切り付けたりして8人にけがを負わせ、車で逃げ去った。20日付の中国紙、揚子晩報が伝えた。
 襲撃された中隊は、無許可のバスや貨物トラックを取り締まる部門。その担当地域内で長距離バスを運行する民間業者が男らのリーダーとみられることから、取り締まりをめぐる恨みが襲撃の動機の可能性もある。
 黒竜江省では今年、付暁光・副省長ら幹部5人が解任されるなど、多数の幹部が関与した腐敗事件が表面化した。中国では官僚腐敗や横暴な地方行政への不満を募らせた住民が地元当局と衝突する事件が各地で相次いでいる。(共同)

◎マカオ:「1国2制度」成功アピール、5周年記念式典(2004年12月20日、毎日新聞)
 【マカオ成沢健一】ポルトガルから中国に返還されて5周年を迎えたマカオで20日午前、胡錦濤国家主席らが出席して記念式典が行われた。返還前からの課題だった治安が安定し、観光客数やカジノ収入も順調に伸びていることから、胡氏らは「1国2制度」の成功をアピールした。式典は、8月に圧倒的な支持を得て再選された何厚カ行政長官の就任式を兼ねており、2期目(任期5年)がこの日からスタートした。
 式典では、何長官が胡氏の前で就任の宣誓をした後にあいさつし、「この5年間、マカオはアジア通貨危機の後遺症や失業率の悪化、新型肺炎(SARS)禍を克服してきた。今後は発展の加速や社会の多元化で種々の矛盾も複雑化するだろうが、高度な自治の下で偉大な事業を継承させていきたい」と語った。
 続いて演説した胡氏は、「マカオの発展は、トウ小平氏が提唱した『1国2制度』の正確さを証明した。社会は安定し、経済は順調に伸びている」と語り、資本主義と社会主義の併存を認めた「1国2制度」の成功を強調。その上で(1)統治能力の向上(2)経済の発展(3)人材の育成(4)安定の維持−−を求めた。特に、安定の維持については、「愛国愛澳(国を愛し、マカオを愛する)」の下での団結を促し、急激な民主化進展には否定的な見解を示した。

◎覚せい剤密輸の邦人、猶予付き死刑判決、上海人民法院(2004年12月15日、読売新聞)
 【上海=伊藤彰浩】在上海の日中関係筋が14日、明らかにしたところによると、上海市第1中級人民法院(地裁に相当)は今月3日、同市内の空港から日本へ覚せい剤約1.56キロを持ち出そうとして中国司法当局に拘束され、麻薬密輸罪に問われた20代の邦人男性に対し、死刑(執行猶予2年)の判決を言い渡した。男性は控訴した。
 中国国内で、薬物密輸に関与した邦人に対し死刑判決が下されたのは、60歳代の男性に対する今年2月の瀋陽市(遼寧省)中級人民法院の判決(執行猶予なし。控訴中)に次いで2件目。中国国内法では、死刑にも執行猶予が認められており、該当期間中、故意の犯罪を犯さなければ無期懲役に減刑される。

◎邦人に猶予付き死刑判決、上海、覚せい剤密輸事件で(2004年12月15日、産経新聞)
 覚せい剤約1.56キロを中国上海市の空港から日本へ持ち出そうとしたとして麻薬密輸罪に問われた日本人男性に、同市の第一中級人民法院(裁判所)が今月3日、執行猶予2年付きの死刑判決を言い渡した。上海の日本総領事館が15日、明らかにした。男性は控訴した。
 総領事館によると、同人民法院は判決の際「猶予期間中は拘束し、この間に故意の犯罪を行わなければ、無期懲役に減刑する」と告げたという。男性は昨年11月に拘束された。
 中国では昨年以降、覚せい剤密輸容疑で日本人が逮捕される事件が各地で相次ぎ、17人が拘束された。このうちの1人、福島県出身の男性(61)にも今年2月、遼寧省瀋陽市の中級人民法院で執行猶予なしの死刑判決が言い渡され、現在、控訴中。
 中国では、死刑にも執行猶予が認められており、2001年7月には瀋陽市の中級人民法院で、殺人罪に問われた日本人が、執行猶予付きの死刑判決を受けた例がある。この日本人は無期懲役に減刑された。
 中国の弁護士によると、外国人の場合は、減刑後、さらに数年、服役し、国外退去になるケースが多いという。(共同)

◎覚せい剤密輸の邦人に執行猶予付き死刑判決、上海(2004年12月15日、朝日新聞)
 中国・上海市の第1中級人民法院(地裁)が今月3日、覚せい剤約1.5キロを上海から日本に運び出そうとして麻薬密輸罪で起訴された日本人男性に対し、執行猶予2年がついた死刑判決を言い渡していたことが分かった。上海の日本総領事館などが14日明らかにした。男性は同市高級人民法院(高裁)に控訴した。
 中国では近年、覚せい剤密輸などに絡んで日本人が起訴され、無期懲役や死刑などの重刑を受けるケースが急増している。死刑判決が言い渡されたのは今回で3人目。
 同領事館によると、男性は昨年11月7日、上海市内の浦東空港で、飛行機で日本国内に覚せい剤を運ぼうとしたところを地元当局に拘束された。麻薬密輸罪で逮捕・起訴され、今年3月に初公判があった。中国の刑法では、執行猶予期間中に犯罪を起こさなかった場合、死刑判決を受けていても無期懲役に減刑されることが多いという。

◎覚せい剤密輸:日本人男性初公判、起訴事実認める、中国(2004年11月30日、毎日新聞)
 【大連(中国遼寧省)成沢健一】中国で覚せい剤を密売していたとして、麻薬密輸罪で起訴された名古屋市出身の武田輝夫被告(61)らの初公判が30日、遼寧省の大連市中級人民法院(地裁)で開かれた。武田被告は日中混成強盗団のリーダーとして愛知など5県警に国際手配されているほか、昨年から中国で日本人が覚せい剤所持などで相次いで逮捕された事件の中心人物だった可能性があり、極刑が言い渡される可能性が指摘されている。
 覚せい剤を武田被告から購入して別の日本人に密輸させたとして、今年7月に北京で拘束された大阪市出身の西富裕被告(38)の初公判も同時に行われた。次回公判で判決が言い渡される。公判は日本人記者らに公開された。
 起訴状によると、武田被告は昨年6月以降、西被告を含む5人の日本人らに覚せい剤計5キロを売っていた。この中には、遼寧省瀋陽市で覚せい剤1.25キロを運び出そうとして逮捕され、今年2月に死刑判決を受けた福島県出身の森勝男被告(61)も入っている。
 武田被告は公判で、起訴事実を認めたうえ「重大なことをしてしまい、死刑になっても構わない」と発言した。また被告人質問の中で、覚せい剤の密売は日本の密売組織からの要求などで行ったことを明らかにした。西被告は起訴事実を否認した。
 武田被告は02年7月以降、約30人の強盗団を率い、愛知や大分など9都県で17件の強盗傷害事件などに関与したとされ、被害総額は6億円に上るとみられている。02年11月に名古屋空港から中国に出国。今年6月、中国広東省深セン市のホテルで中国人2人と覚せい剤3.1キロを所持しているところを拘束され、大連に身柄を移された。
 中国や香港では昨年3月以降、日本人17人が覚せい剤所持などで身柄を拘束された。中国の刑法は、覚せい剤50グラム以上の所持に懲役15年か無期懲役、死刑を規定。以前は10キロ以上の所持に対して死刑判決が出ていたが、中国当局が取り締まりの強化に乗り出すなか、「運び屋」とされる森被告にも死刑が言い渡された。
 森被告の控訴審や大連で起訴された他の日本人の公判は進展しておらず、武田被告の公判の行方を見極めている模様だ。一方、日本での強盗傷害事件に関する日中間の捜査協力については、「福岡市の一家4人殺害事件のような特殊なケースと異なり、今回は中国側も応じるのは難しい」(外交筋)との見方が強い。

◎日本人「黒幕」極刑も、日中強盗団、覚醒剤密輸(2004年11月30日、産経新聞)
・ホームレス狙い運び屋に
 【大連(中国・遼寧省)=野口東秀】中国国内で五キロの覚醒(かくせい)剤を仲間に運ばせたなどとして、麻薬密輸・販売罪で起訴された日中混成強盗団のリーダー、武田輝夫被告(61)=名古屋市出身=ら日本人二人に対する初公判が三十日、遼寧省大連市中級人民法院(地裁)で始まった。
 中国(香港含む)では昨年から今年にかけ十七人の日本人が覚醒剤を日本に密輸しようとして逮捕され、上海の裁判所で今月二十四日に「運び屋役」として覚醒剤約一キロを所持していた六十歳代と五十歳代の男性に無期懲役と懲役十二年の判決が出されている。
 こうした多くの事案で武田被告が「黒幕」とされており、死刑判決など極めて重い量刑が予想される。
 武田被告は今年六月、広東省のホテルで覚醒剤三.一キロを所持していたとして中国公安当局に逮捕された。
 起訴状などによると中国人の仲介人から約五キロの覚醒剤を購入。日本人ら数人を「運び屋」として使っていた。罪状認否では「死刑になってもかまわない」などと起訴事実を認め、覚醒剤の密輸に手を出した理由として「自分の仕事がうまくいかなかった。また日本から『アイス』(覚醒剤の意味)を欲しがっているという情報があった」などとした。
 武田被告は日本人と中国人約三十人のメンバーを率い日本全国で強盗事件などを起こした日中混成強盗団のリーダー。九都県の資産家宅を狙い全国各地で三十件の強盗傷害事件を起こしたが「日本の警察には捕まりませんよ」と豪語、中国に逃亡していた。
 中国から日本への覚醒剤密輸事件では、昨年七月に大連空港で六十歳代の男性(覚醒剤約一.二四キロ、その後死亡)が逮捕されたほか、四十歳代の男性(同約一.五二キロ)が逮捕され公判中。
 二月には遼寧省瀋陽市で六十歳代の男性=福島県=に日本人として初めて執行猶予のつかない死刑判決(一審)が出ており控訴審で公判中。
 昨年から今年にかけ香港を含め十七人(うち死亡一人、刑期満了で帰国一人)の日本人が覚醒剤を密輸しようとして逮捕され拘束されている。多くは失業者やホームレスなどが金に困って誘われるケースが多い。
 中国では覚醒剤などの製造、密輸、販売では麻薬の種類によっても異なるが五十グラムから死刑になる可能性もある。

・日中混成強盗団
 2000年ごろから全国各地で目立ち始めた。主に日本人が運転手役、資産家宅の情報提供をし、中国人が実行役。宅配業者などを装うなどして押し入り粘着テープで縛り上げ、ナイフやスタンガンで現金や株券、日本刀などを脅し取る手口。武田被告は強盗団のリーダーとして愛知県警など5県警から国際刑事警察機構(ICPO)を通じ国際手配されていた。

【覚醒剤関連で中国で拘束された邦人一覧】
 (1)2004年2月に遼寧省瀋陽市で死刑判決(1審)控訴中、60歳代男性。瀋陽空港で覚醒剤約1.2キロ。日本人として初めて執行猶予の付かない死刑判決
 (2)2004年6月、2審で懲役15年確定、50歳代男性、大連空港で覚醒剤約1キロ
 (3)2004年7月(香港)1審で懲役25年、控訴中。40歳代女性、香港の空港で覚醒剤約5キロ
 (4)2004年7月(香港)1審で懲役14年8月、控訴保留中。30歳代男性、香港の空港で覚醒剤約2.5キロ
 (5)2004年1月(香港)1審で懲役20年、20歳代男性、香港の空港で覚醒剤約7キロ
 (6)2003年7月に広州で3人逮捕、いずれも40歳代男性、計5キロの覚醒剤所持
 (7)2003年7月に大連で40歳代男性、大連の空港で覚醒剤約1.5キロ。公判中
 (8)2004年11月24日、1審で60歳代男性に無期懲役、50歳代男性に懲役12年、上海の空港で2人合わせ覚醒剤約1キロ
 (9)2003年11月、20歳代男性、上海の空港で覚醒剤約1.5キロ、公判中
 (10)6カ月服役し帰国
 (11)2004年6月に密輸事件とのかかわり容疑で福州の空港で逮捕。保釈金支払い保釈中
 (12)2004年6月に逮捕、武田被告と30歳代男性、30日に初公判

◎覚せい剤密輸認める、「黒幕」邦人、中国で初公判(2004年11月30日、産経新聞)
 中国大連市の中級人民法院(裁判所)で30日、覚せい剤を日本人の運び屋に渡し、日本に密輸させたなどとして起訴された無職、武田輝夫被告(61)=名古屋市出身=ら日本人2人の初公判が開かれ、武田被告は「自分がやったことは重大であり、死刑になっても構わない」と起訴事実を認めた。
 中国では昨年から、覚せい剤密輸容疑で日本人が逮捕される事件が各地で相次ぎ、17人が拘束された。同被告は密輸組織の中心人物とみられている。今年2月には福島県出身の男性が死刑判決を受けており、武田被告も今後の公判で極刑を言い渡される可能性が高い。
 武田被告は、資産家宅を狙った強盗容疑などで愛知など5県警から国際指名手配されている「日中強盗団」のリーダー。強盗団による事件は2002年から東京、福井、兵庫、福岡など9都県で17件発生した。
 公判は、同被告から入手した覚せい剤を日本人に密輸させたとして起訴された無職の男(38)=大阪市=の審理も併合された。
 関係者や中国紙の報道によると、武田被告は02年末に中国に入国。大連などで「アイス」と呼ばれる覚せい剤を集め日本に密輸。今年6月、広東省深●(●=土へんに川)市で覚せい剤約3キロを所持していて拘束された。運び屋の日本人らは、日本の暴力団関係者に高額の報酬で密輸を持ち掛けられたという。(共同)

◎覚せい剤所持で起訴の日本人2人、中国で初公判(2004年11月30日、朝日新聞)
 覚せい剤3.1キロを所持し、他人を使って日本に密輸しようとしたなどとして中国で逮捕され、起訴された名古屋市出身の武田輝夫被告(61)ら2邦人に対する初公判が30日午前、遼寧省の大連市中級人民法院(地裁に相当)で始まった。罪状認否で武田被告は起訴事実をほぼ認めた。
 武田被告は愛知県や福岡県などで起きた連続強盗事件で、強盗致傷や窃盗の容疑で5県警から指名手配されていたが、今年6月に中国・深センのホテルで中国人2人と共に逮捕された。
 法廷で朗読された起訴状によると、武田被告は中国人から5キロの覚せい剤を購入し、日本人ら4人に運ばせたとされる。もう一人の被告は大阪市出身の西富裕被告(38)で、武田被告に覚せい剤1キロを電話で要求したとされる。西被告は起訴事実を否認している。
 武田被告は犯行の動機について「中国での仕事がうまくいかなかったことに加え、日本の密売組織からの要求があった」と述べた。さらに「自分のやったことは重大で、死刑になってもかまわない」と述べた。
 この日の公判では、検察側の起訴状朗読に続いて、被告人尋問が行われた。その後、検察側が主張を述べ、事実上の求刑を行う。公判は日本人記者団にも公開された。
 今年2月には遼寧省の瀋陽市中級人民法院で麻薬密輸罪に問われた福島県出身の森勝男被告に死刑判決が言い渡された。同被告は控訴中だが、日本の捜査当局は森被告が武田被告のグループから覚せい剤を受け取った疑いがあると見ている。森被告は覚せい剤1.25キロを日本に運び出そうとしていた。
 中国の刑法では麻薬犯罪に対する規定が厳しく、今後、武田被告に対しても厳しい判決が下される可能性が強い。
 日本の捜査当局によると、武田被告は02年11月に名古屋空港から中国へ出国したことが確認されている。中国では覚せい剤の組織的な密輸に関与し、覚せい剤の「中国ルート」の中心人物と見られている。

◎中国内陸部の炭鉱でガス爆発、170人不明(2004年11月28日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】中国内陸部の陝西省銅川市の国有炭鉱で28日午前7時(日本時間同8時)ごろ、ガス爆発が発生した。新華社電によると坑内にいた293人の作業員のうち123人が午後1時までに脱出し、170人が閉じ込められている。
 中国はエネルギー需要の7割を石炭で賄っており、高度成長にともない増産圧力は高まる一方。それにともない悲惨な事故が相次いでおり、10月に河南省の炭鉱で発生したガス爆発では120人以上が死亡した。国家安全生産監督管理局によると今年1〜9月の炭鉱事故による死者は前年同期比630人(13.17%)減った。生産量は前年同期比20%程度伸びているだけに、同局は「全国の炭鉱の安全状況は相対的に安定しており、好転するすう勢にある」としている。炭鉱事故による死者は1999年までは毎年1万人を超えていたが、2000年以降は7000人以下という。炭鉱以外にも、今月20日に河北省の鉄鉱石採掘場で起きた火災事故では65人が死亡した。

◎炭鉱爆発、166人不明、中国陝西省(2004年11月28日、産経新聞)
 新華社電によると、中国陝西省銅川の陳家山炭鉱で28日朝、ガス爆発があり、166人が坑内に閉じ込められた。現場では当時、293人が働いており、127人は脱出したが、うち41人が重軽傷を負った。
 中央テレビによると、胡錦涛国家主席らが救助に全力を挙げるよう関係当局に指示した。
 中国ではエネルギー需要の高まりを受けて石炭増産が進められているが、炭鉱事故も多発。10月20日には河南省新密市で坑内に148人が閉じ込められ、これまでに120人以上の死亡が確認される事故が起きた。(共同)

◎中国、抗日戦争記念館を全面改装、愛国教育強化か(2004年11月21日、産経新聞)
 21日付の中国各紙によると、北京市郊外の盧溝橋にある中国人民抗日戦争記念館が、全面改装のため12月中旬から一時閉館する。来年7月に再開する。来年は中国にとって「抗日戦争勝利60周年」に当たり、展示の増強で愛国教育を強化するのが目的とみられる。
 記念館は、1937年7月の盧溝橋事件で始まった日中戦争に関する総合的な博物館で、87年に開館。これまでに小中学生を中心に1200万人が訪れたとされる。
 各紙によると、97年に改装して以来無休で開館しており、展示内容が古くなったことなどから全面改装に踏み切った。改装費用は5000万元(約6億3000万円)前後に上るという。(共同)


◎中国で旅客機墜落、乗員53人全員死亡、地上の1人も(2004年11月21日、読売新聞)
 【北京=伊藤彰浩】新華社電などによると、21日午前8時20分(日本時間同9時20分)ごろ、中国・内モンゴル自治区包頭市で、上海行きの中国東方航空5210便小型ジェット旅客機(CRJ200型)が離陸直後に、空港近くの公園に墜落した。
 乗客乗員53人全員の死亡が確認されたほか、公園の職員1人が巻き込まれて死亡した。搭乗者名簿に日本人とみられる名前はないという。
 目撃者は、飛行機は離陸直後に「ビルの6階にも満たない高さで揺れ始め墜落、爆発した」と話しており、政府調査委が原因を調べている。
 中国国内では、2002年5月に遼寧省大連沖で中国北方航空機が墜落し、日本人を含む112人が死亡した事故が起きている。CRJ200型ジェット機は、ボンバルディア社(カナダ)の設計で、中国国内のローカル路線に多数、投入されている。

◎旅客機墜落、乗員53人全員死亡、地上の1人も、中国・内モンゴル(2004年11月21日、産経新聞)

 中国北部の内モンゴル自治区包頭市で21日午前8時20分(日本時間同9時20分)ごろ、乗客乗員計53人が乗った中国東方航空の小型旅客機が空港を離陸直後に市内の公園の湖に墜落、炎上した。新華社電によると、同日夕までに乗客乗員全員の遺体を収容、地上にいた公園職員1人も巻き添えになり、計54人が死亡した。同機は上海に向かっていた。
 北京の日本大使館によると、日本人は乗っていなかった。乗客にはインドネシア人とみられる外国人1人が含まれ、上海の上場企業経営者が乗っていたとの情報もある。
 事故原因は調査中で、フライトレコーダー(飛行記録装置)の回収に全力を挙げている。事故機はカナダ・ボンバルディア社製の50人乗り小型ジェット旅客機CRJ200。
 当日の現場の気温は零度以下。中国中央テレビのニュースは、凍結した湖面に焼け焦げた機体の一部が浮いている現場の様子を放映した。
 中国では2002年5月、中国北方航空機が大連沖に墜落し、日本人を含む112人が死亡した。(共同)

◎中国で53人乗り旅客機が墜落、全員死亡か(2004年11月21日、読売新聞)
 【中国総局】新華社電(電子版)などによると、21日午前8時20分(日本時間同9時20分)ごろ、中国内モンゴル自治区包頭市で、乗客47人、乗員6人の計53人を乗せた包頭発上海行き中国東方航空5210便小型旅客機(CRJ200型)が離陸直後、空港近くに墜落した。
 搭乗していた全員が死亡した模様だ。
 現地からの報道によると、同機は、空港から数キロの距離にある南海公園の湖付近に墜落し、炎上した。公園そばの建物も、墜落した機体に直撃され、倒壊しているという。
 現地の消防当局幹部によると、墜落現場に消防車30数台と消防隊員100人以上を急派し、救助作業に当たっているが、生存者は見つかっていないという。

◎約50人乗り旅客機墜落、中国・内モンゴル(2004年11月21日、産経新聞)
 新華社電によると、中国北部の内モンゴル自治区包頭市で21日午前8時20分(日本時間同9時20分)ごろ、小型旅客機が包頭空港を離陸直後に市内の湖に墜落、炎上した。乗客乗員50人余りが乗っていたもよう。安否は不明だが、新華社電は生存の可能性は低いとしている。
 旅客機は上海行きで、中国東方航空機とみられる。
 北京の日本大使館によると、日本人が乗っていたとの情報はない。
 中国では、2002年5月、中国北方航空機が大連沖に墜落し、日本人を含む112人が死亡した。(共同)

◎人民元レートを改革、米中首脳会談で胡主席表明(2004年11月21日、読売新聞)
 【サンティアゴ=菱沼隆雄】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためチリを訪問中のブッシュ米大統領は20日午前(日本時間同日夜)、中国の胡錦濤国家主席とサンティアゴ市内のホテルで約1時間会談し、北朝鮮の核問題について、対話を通じ、平和解決を目指す方針で一致した。
 また、人民元の相場切り上げ問題についても協議した。
 両首脳の顔合わせは、ブッシュ大統領の再選以来初めて。
 ブッシュ大統領は会談後、「(2期目となる今後4年間も)朝鮮半島と太平洋地域の平和のため緊密に協力していきたい」と発言。胡主席も、「米中ともに、(北朝鮮の核問題を)対話を通し、平和的解決を目指すことへの期待感を表明した」と述べた。
 中国筋によると、6か国協議について、ブッシュ大統領は「協議のプロセスを継続する用意がある」と表明したのに対し、胡主席は「(協議には)忍耐と柔軟性が必要だ」と応じた。人民元の切り上げ問題については、胡主席が「人民元レート改革を進める」と述べ、ブッシュ大統領は賛意を示した。

◎鉄鉱採掘場で大火災、作業員60人が不明、中国河北省(2004年11月21日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、中国河北省沙河市の鉄鉱採掘場で、20日午前、大規模な火災が発生し、作業員70人以上が閉じこめられた。
 同日夜までに、15人が救出されたが、少なくとも60人が依然として行方不明になっている。

◎ドルの人民元交換、中国で加速化、切り上げ懸念で(2004年11月18日、産経新聞)
 18日付の香港英字紙エイシャン・ウォールストリート・ジャーナルは、中国人民元が切り上げられると、米ドルで保有している資産に損失が出る恐れがあるとして、中国国内で市民が大挙して米ドルを人民元に交換している、と報じた。
 同紙によると、中国では、少し前までは米ドルで資産を保有していた人々がドル離れを起こし、多くの人が人民元を、より安全な通貨と評価。上海市内の銀行では昼休みにドルを人民元に交換するための長い列ができる。列に並んだ人々は「ドルはもう(持つ)意味がない」「ドル預金ではなく、ユーロや円にしておけばよかった」などと話している。(共同)

◎中国、一次で敗退、クウェートに1及ばず(2004年11月18日、産経新聞)
・7−0大勝も総得点差で涙
 【北京=伊藤正】2006年W杯アジア一次予選で17日、前回の日韓大会に初出場した4組の中国は7−0で香港に大勝したが、マレーシアを6−1で圧倒したクウェートに次ぐ2位となり、最終予選進出を逃した。中国とクウェートは当該対戦成績が同じで、勝ち点、得失点差でも並んだが、総得点でクウェートが中国を上回った。
 一方、7組の韓国は2−0でモルディブを下し一次予選を突破した。これで最終予選進出は日本と韓国、クウェートのほか北朝鮮、ウズベキスタン、バーレーン、サウジアラビアの7カ国となった。既に一次予選突破を決めていた2組のウズベキスタンは6−1で台湾に快勝した。

≪ファンから批判殺到≫
 アジアの強豪中国のW杯連続出場の夢は、一次予選でついえた。広州で行われた香港戦。7−0で圧勝しながら、マレーシアに6−1で勝ったクウェートに総得点で1点及ばなかった。圧勝しながらの敗退。結果は際どかったが、ファンの声は厳しくネット上にはサッカー協会批判が殺到した。
 最終戦までクウェートに勝ち点で並び、得失点で2差をつけられていた中国は、大差の勝利が絶対条件だった。開始早々から全員攻撃に近い猛攻を仕掛け、前半は3−0とリード。同時進行のクウェート−マレーシアは前半1−1で、得失点差で中国が逆転、約2万人の観衆を熱狂させた。
 さらに後半開始早々、中国は連続ゴール。「6−0で勝利」を予言していたオランダ人のアリ・ハーン監督の笑顔が再三アップでテレビに映し出された。過去数年、香港に3点差以上で勝ったことはなく、「奇跡」が起こるかに見えた。
 ところが後半3分に5点目を挙げた後、約40分間はPK失敗などが続きゴールできなかった。終了間際に2点を加え7点としたものの結局、この拙攻が響いた。プロリーグの放棄試合や暴力事件など不祥事続きで、加速するファン離れを食い止めるべく、サッカー界は一次予選突破に起死回生を図ったが、及ばなかった。
 広州からの報道では、観衆は香港戦の大勝がぬか喜びに終わったと知ると、虚脱状態に陥り、混乱に備えて待機した5000人の警備陣も出番がなかったという。(伊藤正)

◎予選逆転突破へ「同胞に圧力」?AFCが中国、香港に警告(2004年10月16日、産経新聞)
 サッカーW杯アジア一次予選の4組最終戦で11月17日に対戦する中国と香港に対しアジア・サッカー連盟(AFC)のベラパン事務局長は15日、「FIFAとAFCは不正がないよう、しっかり検証する」と警告した。
 4組は中国が13日のクウェート戦に0−1で敗れ、クウェートに得失点差2をつけられ2位に後退。最終予選進出を懸ける11月17日の香港戦は、クウェート(対マレーシア)との得失点差の争いだが、状況は不利。
 このためAFP=時事によると、中国では香港に試合を捨てるよう圧力をかけるべきだとの論調も登場、地元スポーツ紙は「サッカー協会会長がやるべきことは香港の同胞に『血は水よりも濃い』と催眠術をかけること」などと論評していた。

◎中国でまた騒乱、1人死亡、住民ら有料道路料金所に放火(2004年11月15日、産経新聞)
 15日付香港紙、太陽報などによると、中国広東省東部の掲陽市で10日、有料道路の料金所職員と地元住民の口論をきっかけに住民らが料金所に放火するなどの騒乱が起きた。武装警官ら数百人が出動して鎮圧したが、住民1人が死亡、多数のけが人が出た。
 同紙によると、バイクの通行料2元(約25円)を徴収すべきではないとする住民と料金所職員が口論となり、住民側の一部が料金所に放火。
 住民側は消防車の進入を阻止したが、その際、消防車にひかれて老人1人が死亡した。現場には2、3万人が集まったという。
 地元当局は11日、放火犯に16日までに出頭するよう呼び掛け、かくまった者は厳罰に処すると住民側に通告した。(共同)

◎「1つの中国」認めた場合のみ対話と中国側、台湾総統に圧力(2004年11月15日、産経新聞)
 15日付の中国各紙によると、中国の対台湾交流窓口機関の海峡両岸関係協会当局者は、台湾の陳水扁総統が「独立」活動を放棄し、「一つの中国」原則を認めた場合にのみ対話に応じるとの考えを表明した。
 中国は1992年10月の香港での中台会談で「『一つの中国』原則の堅持で両者が合意した」としている。台湾の立法委員(国会議員)選挙を12月11日に控え、陳総統の民主進歩党を中心とする台湾与党連合に圧力をかける狙いがあるとみられる。
 香港会談について台湾側は「『一つの中国』の解釈は(中台)各自に委ねるとの共通認識を得ただけ」と反論してきたが、陳総統は今月13日、「(中台会談の)共通認識を認めることは中国に対する投降を意味する」と会談の合意自体を否定、中国を刺激する発言をした。
 海峡両岸関係協会当局者は「香港での中台会談で、双方が『一つの中国』の堅持を共通認識としたことは歴史的事実だ」と強調。陳総統がこれを認めないのは「対話を望む中台同胞と国際社会の期待に背くことだ」と非難した。
 ロイター通信によると、国務院(政府)台湾事務弁公室の王在希副主任は「台湾当局が挑発を続けており、武力衝突の圧力が高まっている」と警告した。(共同)

◎中国の原油輸入昨年超える、海外資源の確保が急務(2004年11月14日、産経新聞)
 13日付の中国各紙によると、中国の1〜10月の原油輸入が9959万トンと、すでに昨年の年間輸入量(9112万トン)を上回っていることが中国の税関統計で明らかになった。
 各紙によると、国際エネルギー機関(IEA)は年間の原油輸入は1億2000万トンに達すると予測。中国の石油業界関係者からは、ことしの原油輸入依存度が昨年の36%から一段と上昇、45%に達するとの予測も出ており、中国は海外での資源確保を一段と迫られることになりそうだ。
 原油以外の石油製品の輸入も上半期だけで1985万トンに達し、年間では4000万トンに達する見通し。各紙は、2年連続で米国に次ぎ世界2位の石油消費国になるのは確実としている。
 1〜10月の中国の貿易収支は109億7000万ドルの黒字だったが、エネルギーを中心にした高水準の輸入が続くと、年間では昨年の貿易黒字(225億ドル)を下回る可能性もある。(共同)

◎中国、各メディア独自の報道を禁止、各地の衝突、ストで(2004年11月14日、産経新聞)
 14日付香港紙、明報によると、中国共産党中央宣伝部は、同国各地で相次いでいる地元当局と住民の衝突や抗議活動、ストライキなどが拡大することを警戒し、各メディアが独自に報じることを禁止する通知を出した。
 同紙によると、通知は各地のメディア管理部門に向けて出され、四川省や河南省、重慶などで起きた最近の事件を「悪性衝突事件」と位置付け、勝手に報道することを禁止。事件を伝える場合は国営通信社、新華社の原稿を用いることとし、違反した場合は厳しく処分するという。(共同)

◎官房長官「領海侵犯の潜水艦は中国籍、速やかに抗議」(2004年11月12日、日本経済新聞)
 細田博之官房長官は12日午後の記者会見で、10日朝に沖縄県先島群島周辺の日本領海を侵犯した潜水艦について「我が国周辺海域から離れて航行していった方向や、原子力潜水艦と考えられることをはじめ、諸情報を総合的に勘案した結果、中国海軍に属するものと判断している」と発表した。「今後、速やかに外交ルートを通じ、中国に対して抗議する予定。町村信孝外相からできれば17時に在京の中国大使館に抗議を行う」と述べた。
 10日午前8時45分に大野功統防衛庁長官が発令した海上警備行動に関しては「本日午後1時ごろまでに防空識別圏を越え、東シナ海の公海上まで追尾した結果、潜水艦が我が国周辺海域から離れていった方向がおおむね北北西であると把握できたこと、当該潜水艦が当面、再度我が国領海に戻ってくる恐れはないと判断したことから3時50分に終結命令を発した」ことも明らかにした。

◎侵犯の潜水艦、中国の原潜と特定、海上警備行動は解除(2004年11月12日、朝日新聞)
 中国の原潜とみられる潜水艦が沖縄県・先島諸島周辺の日本領海を侵犯した事件で、細田官房長官は12日午後4時の記者会見で、潜水艦が中国方向の北北西に向かったこと、原子力潜水艦と見られることなどから、「中国海軍に属するものと判断した」と発表した。町村外相が中国大使館公使を呼び、抗議した。
 また大野防衛庁長官は午後3時50分、潜水艦が日本の領空外に設けた防空線である「防空識別圏」の外に出たこと、再度戻ってくることはないと見られること、などから海上警備行動の終結命令を出した。

◎北京五輪控え、中国でスポーツ用品商戦が熱気(2004年11月7日、読売新聞)
 2008年に開催される北京五輪に向け、日本のスポーツ用品メーカーが中国市場へ取り組みを本格化させている。
 最大手のミズノが大型直営店の展開に乗り出したほか、アシックスや、スポーツウエア大手のデサントなども積極的な店舗戦略を進めている。米ナイキ、独アディダスなど中国市場で先行する欧米有名ブランドも店舗網を拡大中だ。背景には、北京五輪をひかえた建設ブームなど中国の景気過熱があり、スポーツ用品の商戦も熱気を帯びている。(遼寧省瀋陽で、東一真)

◆激突
 ミズノは8月末に、遼寧省瀋陽市の繁華街に、直営スポーツ用品店では中国最大級となる総面積2000平方メートルの大規模店をオープンした。ミズノ直営店の真正面には、アディダスなどの製品を売る地元スポーツ用品店があり、すぐ隣は中国最大のスポーツ用品メーカー「李寧(りねい)」の専門店だ。東に50メートル歩けば、ナイキの専門店も店を構え、中国屈指のスポーツ都市の瀋陽では、世界的なスポーツ用品メーカーの激突が始まっている。
 中国のスポーツ用ウエアとシューズ市場は、中国に700店を展開するナイキが3割近いシェア(市場占有率)で、李寧とアディダスを加えた3社が他を圧倒している。これに対し、ミズノは今後、瀋陽と同規模の大型直営店を北京、上海に開店する。百貨店などに入居する小規模店も400程度から、北京五輪の2008年までに計1400に拡大し、中国で売上高160億円、シェア10%を目指す。

◆市場開拓
 デサントは9月に上海で、日本のプロ・ゴルファーを講師としたゴルフ学校をオープンした。「マンシング」ブランドのゴルフウエアなどを作る同社は、ゴルフをもっと普及させて、ウエアの需要を高めたい考えだ。
 広い中国全土に、ゴルフ場はまだ200か所弱、ゴルフ人口は推定で約40万人にすぎない。うち30万人は中国に駐在する外国人と見られ、ゴルフを楽しむ中国人は10万人程度とごくわずかだ。ゴルフ学校の開設は、ゴルフ人口を増やし、市場を自ら掘り起こす試みだ。
 デサントは一方で、「マンシング」ブランドの販売店を年内に50店舗と昨年の2倍に拡大する。ブランド別の多店舗展開を進め、売上高の目標は2004年度に10億円、2005年度20億円、2006年度30億円と急成長を見込む。

◆活況いつまで
 アシックスも運動シューズを中心に、現在の100店舗から2008年には300店舗に拡大する計画だ。2008年の売り上げは現在の5倍の50億円を目指す。
 中国紙の報道によると、李寧も現在の約300店舗を、今後2年以内に1000店舗に増やす計画だ。
 中国でスポーツ関連メーカーが店舗展開を加速させているのは、北京五輪を控えてスポーツに対する関心が高まると見られているためだ。五輪に向けた建設ブームなどで、消費者の購買力も強まり、大きな商機が来ると見込んでいる。業界では「中国のスポーツ関連市場は、北京五輪後に一時的な後退があっても、長期的には右肩上がり」(北野周三・ミズノ取締役)との強気の見方が支配的だ。
 とはいえ、中国のスポーツ商戦について、「バブル現象」との見方もある。
 中国は10月29日に9年ぶりに法定貸出金利を引き上げ、金融引き締めによる「バブル抑制」に動いた。過熱景気の中で進むスポーツ市場の活況が続くかどうかは、中国の経済運営と景気の行方に大きく左右されそうだ。

◎中国河南省、回族と漢族が衝突、148人死亡説も(2004年11月1日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】香港のテレビ報道によると、中国河南省鄭州市郊外の中牟県で1日までに、イスラム教を信仰する少数民族・回族と漢族の住民同士が衝突、多数が死亡したとの情報が出ている。
 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、この衝突で148人が死亡したと伝えた。両民族の衝突は10月29日、回族のタクシー運転手が漢族の6歳少女をはね死亡させたことをきっかけに起きたという。
 公安当局などが、付近の回族の加勢を食い止めようとしているが、すでに河南省各地の回族が車で現場に駆け付け、約1万人に達している模様だ。応援の武装警察部隊も県内に入れない状況が続いているという。
 一方、香港紙によると、中国四川省漢源県で、10月末、水力発電所建設工事のために地元当局が収用した土地の補償をめぐり、農民ら数万人規模の抗議行動が発生、重慶市でも同月中旬、市民数万人が地元政府庁舎を包囲する騒乱が起きるなど、不穏な動きが相次いでいる。

◎農民数万人デモ、1人死亡、中国、土地補償に不満(2004年11月1日、産経新聞)
 一日付香港紙、東方日報などによると、中国四川省漢源県で10月27日、地元政府が収用した土地の補償に不満を持った農民ら数万人が抗議行動を起こし、鎮圧に当たった多数の警官と衝突して農民の男性1人が死亡した。
 反発した農民側は男性の遺体を掲げて翌28日「汚職役人打倒」「(地元政府は)温家宝首相の言う通りにしろ」などと叫んでデモ行進。一時は政府や学校、商店が閉鎖されたという。
 同紙によると、現地は31日にも各所に武装警官が配置され、当局は「首謀者」を徹底捜査するとの通知を出した。
 中国では先月、重慶市で市民数万人が地元政府庁舎を取り囲む騒乱が発生。安徽省でも年金に不満を持つ数千人が道路を封鎖するなど、行政に対する抗議活動が続出している。(共同)

◎中国南部で大規模干害、過去50年で最悪(2004年10月29日、日本経済新聞)
 【北京29日共同】中国の国家水害・干害対策本部によると、華南地区など中国南部で9月以降の降水量が例年を大幅に下回り、湖南、広東の両省と広西チワン族自治区ではこの約50年で最悪の干害に見舞われている。国営通信、新華社が29日までに伝えた。
 工業や農業への影響にとどまらず、一部地域では飲用水さえ欠乏するほど深刻化している。両省と同自治区では9月から今月24日までの降雨量がわずか約77ミリ。10月以降に限ると、さらに広い地域で10ミリ以下の少雨となっている。広西チワン族自治区では約140万人が飲用水の確保が困難になっている。国家気象センターによると、干害に見舞われている地区一帯は今後1週間も晴天が続く見通しで、被害がさらに拡大する可能性がある。

◎中国が9年ぶり利上げ、景気沈静化狙う(2004年10月29日、読売新聞)
 【北京=東一真】中国政府・中国人民銀行(中央銀行)は28日、主要政策金利の一つで、金融機関から企業などに貸し出す際の「法定貸出金利」を29日から、期間1年もので0.27%引き上げて、年5.58%にすると発表した。
 これに伴って、銀行に預け入れる際の「法定預金金利」も0.27%引き上げ、1年もので2.25%とする。インフレ懸念を払拭(ふっしょく)し、過熱気味の景気をソフトランディング(軟着陸)させるには利上げに踏み切らざるを得ないと判断した。
 中国は、1996年5月以降、97年のアジア通貨危機に伴う景気後退への対応も含め連続8回、法定貸出金利を引き下げており、利上げは1995年7月以来、9年ぶりとなる。法定貸出金利の1.7倍までに制限してきた商業銀行の貸出金利の上限も撤廃する。
 人民銀行は昨年9月に金融機関の預金準備率を引き上げて以降、銀行の窓口指導を強化して鉄鋼、セメント、アルミなど設備投資が活発な業種への融資を控えさせたほか、各地の開発区(工業団地)の整理に乗り出すなど強権的ともいえる行政手段で景気過熱の沈静化を図ってきた。
 今年4月以降、投資の伸びが鈍化して、中国政府は「コントロールの効果が表れた」としていた。ただ、7月に再び固定資産投資が上昇に転じ、消費者物価指数の上昇率も年初以来、上がり続け、9月には5.2%になった。このため、抜本的な金融引き締め措置が必要と判断して、利上げに踏み切ったとみられる。

◎北京市郊外に世界最大のモールが開業、総投資額500億円(2004年10月24日、産経新聞)
 北京市西部海淀区の住宅地に24日、敷地面積が東京ドームの約15個分の68万平方メートルという世界最大のショッピングモール「金源時代購物中心(ゴールデン・リソース・ショッピングモール)」が開店した。
 北京市でショッピングセンターを経営する企業と広東省深セン(セン=土へんに川)市の百貨店が共同で設立した会社が運営。総投資額は38億元(約500億円)という。中核になる超大型ショッピングセンターには高級ブランドなどのテナントが多数入り、日本のファッションを集めたコーナーもある。
 敷地内にはこのほか、100以上のレストラン、映画館やスポーツジム、主要メーカーのディーラーがそろった自動車販売センターなどがあり、1日10万人以上の来客を見込んでいる。(共同)

◎中国製靴下に輸入制限、米商務省(2004年10月24日、産経新聞)
 米商務省は22日、中国製靴下の輸入が急増し国内市場が打撃を受けているとして、緊急輸入制限(セーフガード)の発動を決めた。最近の輸入量に対して伸び率を6〜7.5%増に抑える。
 米政府は事態の改善策について直ちに中国政府と協議に入る方針。90日以内に両国間で合意できない場合は、制限措置をさらに1年間延長する予定だ。今回の輸入制限発動は、大統領選を目前に国内繊維業界の支持固めを狙ったものと受け止められている。
 商務省によると中国からの靴下輸入は2003年に9000万ドル超に上り、前年の3倍以上になった。(共同)

◎東シナ海ガス田開発、中国、日本側で計画、政府抗議へ、外交問題化も(2004年10月18日、産経新聞)
 日本政府の抗議を無視する形で進めている、中国政府の東シナ海のガス田開発で、日本政府が主張している日本側水域で中国が新たな鉱区開発を計画していることが十七日、日本政府が入手した情報で明らかになった。中国は日本側水域近くでガス田開発を進めているが、日本側水域でのガス田開発の動きが判明したのは初めて。今回の情報が事実なら、中国が日本側水域内で主権を行使することになりかねず、重大な外交問題に発展するのは必至だ。
 東シナ海では、資源開発などの権利が認められる排他的経済水域(EEZ)をめぐり、日本は日中両国の海岸線から等距離地点を結んだ「中間線」を境界線としているが、中国は大陸棚が続く「沖縄トラフ」までをEEZとしている。
 中国は、日本がEEZと主張する日中中間線から約四キロ中国側に春暁鉱区を設定。来年中ごろの操業を目指してパイプライン敷設工事などを進めているが、日本政府は春暁鉱区のガス鉱脈が海底地下で日本側水域までつながっており、日本側の資源も吸い上げられると抗議している。
 今回、政府が入手した中国側の海洋資源開発計画によると、日中中間線を越え、日本側の海域に複数の鉱区を新たに設定していることが判明した。
 すでに開発権利を中国企業に与えているとの情報もあり、日本の権益が大きく侵害される懸念が高まっている。
 これまで中国側は日本政府の抗議に日中の共同開発計画を逆提案するなどして応じてきているが、日本側は「内容があいまいで、さらに日本側の海洋資源を侵食される恐れがある」(政府関係者)として応じない姿勢を保ってきた。
 しかし、十七日のフジテレビ「報道2001」に出演した中川昭一経済産業相は、「EEZ無視は友好的ではない」と強い不快感を示す一方、「事実関係を確認するため、実務者協議はむしろ早くやるべきだ」と強調。中国政府が東シナ海のガス田開発問題で打診してきた日中実務者レベル協議について、月内にも開催する方向で日中間で調整し、この場で、中国側が応じていない現場海域の地下資源データ提出を改めて求めたうえで、中国に開発地点について事実関係をただし、事実なら強く抗議する考えだ。
 排他的経済水域の境界画定は、日中間で棚上げ状態となっているが、今回の鉱区開発をきっかけに、再燃する可能性もある。

≪東シナ海海底資源開発≫
 日本が、資源開発などの権利が認められる排他的経済水域(EEZ)と主張する東シナ海の日中中間線付近の海底に石油や天然ガスの埋蔵があるとされ、中国は2003年8月、国際石油資本(メジャー)と共同で中間線付近の中国側水域で「春暁鉱区」など5カ所で開発に着手した。
 日本政府は、EEZの境界線が画定していないなど国連海洋法を根拠に付近海底の資源開発を許可してこなかったが、中国側の動きを受けて7月、中間線より日本側で海底資源探査に乗り出した。こうした日中対立のなか、メジャーは9月、東シナ海の事業から撤退を表明している。

◎上海ガニ、指輪でニセモノ対策、業者名と電話番号明記(2004年10月17日、朝日新聞)


 秋の名物としてシーズンを迎えた上海ガニに指輪をつけたものが登場した。最高級品の産地として知られる中国・江蘇省の陽澄湖産。偽物が大量に出回っているため、業者が本物を証明するために考案した。
 上海市内のあるレストランでは9月下旬から、直径約1センチ大のプラスチック製の白い丸い指輪をはめたカニを陽澄湖産として提供している。
 指輪の外側には業者名と電話番号、内側にはID番号が打ち込まれている。電話番号をダイヤルして証明番号を伝えれば本物か偽物かを確認できる。同店での値段は1杯約80元(約1000円)と例年並みだ。
 考案した蘇州市陽澄湖上海ガニ業協会によると、数年前から大量の偽物に悩まされ、これまでは甲羅にレーザー処理したシールを張った方法などを採用したが、効果はいまひとつだった。
 指輪の材質は、カニと一緒に調理しても問題ないものだという。特許も出願しており、同協会は「指輪は一度外すと付け直せない仕掛けになっており、指輪の偽物を作るのも相当難しいはずだ」と自信を見せる。
 指輪つきは同協会会員約40社に限られ、シーズン中の出荷は計600万〜700万杯にのぼるとみられる。日本へも輸出されているという。

◎海運業界「冬の時代」脱出、中国成長で荷動き活発に(2004年10月17日、読売新聞)
 空前の好況に沸く海運各社が、過去最大規模の船舶の調達に乗り出している。中国経済の高成長で、素材や資源、工業製品などの荷動きが世界規模で活発になり、今後も増加が見込まれるためだ。
 運賃の上昇と、それに支えられた好業績も背景にある。現時点の計画では日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社で約630隻、総額は約3兆円近い規模になる。
 1980年代半ば以降の急激な円高で大規模リストラを迫られ、「冬の時代」が長かった海運業界だが、強気の投資で「わが世の春」を謳歌(おうか)している形だ。

・投資
 各社の投資計画では、日本郵船が2003〜2007年度に1兆円を予定する。現在の船舶は616隻だが、2007年度までに210隻程度を新たに確保する。業界で最大の630隻を持つ商船三井も、2004〜2009年度に1兆1600億円を投じ、243隻を調達する。川崎汽船も2004〜2008年度に7300億円かけ、181隻を調達する。
 海運会社とは別の船主が保有し、海運会社が借りて使う「用船」も含まれているが、調達規模はいずれも過去最高水準という。コンテナ船、自動車輸送船、石油タンカーなど幅広い種類の船を建造する予定で、各社は「投資をさらに上積みする可能性もある」(商船三井)としている。

・背景
 中国経済の成長が最大の要因だ。中国向けでは鉄鉱石、原油などが伸び、中国発では建材や家電製品、日用品、電子部品などの輸送が増えている。日本郵船の調べによると、2003年の全世界の海上の荷動き量は、原油が18億2400万トンと前年比4%増え、鉄鉱石や穀物などバラ積み荷の総量も21億7100万トンと7%増になった。
 その結果、運賃も急騰し、石油タンカーの運賃指標は今年10月に2000年4月の2倍以上となった。こうした好況が、2004年3月期連結決算で大手3社がそろって過去最高の経常利益を出すなどの好業績につながり、新たな投資を生む好循環になっている。
 また、過去のリストラの徹底も海運の好調を支えている。海運会社は「代金決済の8割がドル建て」(商船三井)で、85年のプラザ合意後の急激な円高が業績に深刻な影響を与え、日本人船員を外国人に切り替えるなど、長期間、リストラに取り組んできた。このため「リストラを先取りし、バブル期にも続けてきた成果が今、出ている」(日本郵船)という面もある。

・展望
 中国を中心とした荷動きは、今後も増加が見込まれる。ロシアや南米など新興国の輸出入も増えると予想されている。日本郵船は、世界全体の2007年の海上輸送量について、原油で2003年と比べ14%、バラ積み荷でも18%増えると推計している。「中国で製品を作って消費地に運ぶなど国の間の水平分業の動きが広がっており、海上輸送の需要は当面、伸びる」(一柳創・大和総研アナリスト)との見方が強い。
 ただ、現在の運賃相場については「過去に経験のない水準で、このまま続くとは考えにくい」(民間アナリスト)とも見られている。各社が競って船舶調達を行えば、供給過剰に陥って、運賃が下落する懸念もある。中国経済が急失速すれば、需給のバランスが崩れる可能性も指摘される。
 さらに、「1ドル=1円の円高で16億円の利益が減る」(商船三井)という為替変動リスクも不安要因で、「春」が永遠に続く保証はないのが現実だ。

◎中国の外貨準備、5000億ドル、ドル買い介入で増加か(2004年10月17日、産経新聞)
 中国中央テレビによると、中国人民銀行(中央銀行)は15日、9月末の中国の外貨準備高が5145億ドルとなり、初めて5000億ドルを突破したと発表した。
 中国は通貨、元を米ドルに連動させるため元売りドル買い介入を続けており、外貨準備高が急増している。昨年末時点では4032億ドルだった。日本の外貨準備は9月末で8309億ドル(財務省調べ)。
 また、9月末の金融機関の貸出残高は前年同月比13.6%増だったが、伸び率は前年同月より大幅に縮小。通貨供給量も13.9%増と「年初に計画した合理的水準に戻った」という。
 中国人民銀行は最近の金融情勢について「国のマクロコントロールの方向に従って発展している」としている。(共同)

◎中国サッカー「存亡の危機」? 判定めぐり迷走 W杯出場ピンチ(2004年10月17日、産経新聞)
・協会解体論まで
 【北京=伊藤正】中国サッカー界が揺れている。国内プロ一部の「プレミアリーグ」で判定をめぐって試合放棄事件が発生、サッカー協会がその対応にもたつく間に、二〇〇六年ワールドカップ(W杯)一次予選での敗退がほぼ決定的になったためだ。ファンの怒りが爆発、中国サッカーは「存亡の危機」と有力メディアも伝えだした。
 試合放棄があったのは今月二日、北京現代と瀋陽金徳戦。1−1で迎えた後半29分、北京現代ゴール前でのクロスプレーを主審がPKと判定、不服の北京現代イレブンはピッチを離れ、十一年前のプロリーグ発足以来初の放棄試合を宣告された。
 「誤審」と確信する北京現代の抗議に対し、翌三日の審判委員会はビデオチェックの結果として誤審を否定した。サッカーに誤審は付き物だが、主審の判定は覆らないのは常識であり審判委の判断は当然だった。
 中国サッカー協会は当初、主審への処分を拒否、北京現代に厳罰を科す方針だったが、すぐ迷走を始める。プロリーグ創設以来の有力チームの北京現代がリーグ離脱も辞さない構えに出たからだ。北京現代の強硬姿勢の背景には、サッカー界の現状への強い不信がある。
 北京現代指導部は、過去繰り返されてきた八百長試合、審判の買収事件から闇賭博の放置などを中国サッカー弱体化とファンのサッカー離れの要因とし、今回の「誤審」事件もその延長線上にあると主張した。最大民間ネット「新浪網」のアンケートで75%が北京現代を支持したこともサッカー協会を動揺させた。
 規定では試合放棄に対する処分は三日以内に下すことになっているが、サッカー協会が決定を出したのは後半戦開始二日前の十四日。北京現代に瀋陽戦の0−3での敗北と三十万元(約四百万円)の罰金を科すと同時に、主審の後半戦出場停止という実質的に「誤審」を認める処分だった。
 北京現代は処分は不当としながら十六日の後半戦第一戦には出場した。各クラブが大赤字を出す一方で、放映権料などで利益を独占する中国サッカー協会が北京現代の離脱を恐れ、審判の権威を損なう妥協に応じたことを北京現代側が「評価」した結果だった。
 そうした中、北京時間十四日未明のW杯アジア一次予選第四組で中国はクウェートとのアウエー戦に敗退、勝ち点で並ばれ、得失点で2点差をつけられた。最終戦の相手(中国は3位の香港、クウェートは香港よりはるかに実力が劣る最下位のマレーシア)から中国のW杯出場はほぼ絶望的になった。
 メディアは、ホームでは勝ったクウェート戦の敗北の原因をオランダ人のアリ・ハーン監督の戦術ミスに帰した。新浪網のアンケートでも九割以上が監督の戦術ミスと答え、実績のないハーン氏を採用したサッカー協会の責任を追及する大合唱が起こった。
 共産党機関紙「人民日報」さえハーン監督批判に加わり、中国サッカーは「またも危急の時を迎えた」と評した。ファンの間でもサッカー協会解体論も強まっている。
 八月のアジア杯日中決戦後、反日騒動に発展したように、ファンのフラストレーションは極限に達しつつある。三年前の審判買収事件では、責任をほおかぶりしたサッカー協会幹部も今回は逃れられそうもない。

◎文化財密輸:日本人男性が無期懲役、01年に、上海紙報道(2004年10月16日、毎日新聞)
 国外持ち出し禁止の骨董(こっとう)品を中国遼寧省の大連空港から日本に持ち出そうとしたとして、日本人男性が文化財密輸罪で起訴され、01年に無期懲役の判決を受けていたことが、15日付の上海紙、東方早報の報道で分かった。
 瀋陽総領事館大連出張駐在官事務所によると、この男性(62)は今も服役中で「持ち出し禁止とは思わなかった」と話している。中国で骨董品を買い、税関申告せずに持ち帰る日本の旅行者は多いとされるが、摘発され、実刑判決を受けるのは異例だ。
 同事務所によると、男性は骨董品市場で陶器片などを10〜30元(約130〜390円)で約190点買ったが、持ち出し禁止品が含まれていた。量が多いため、日本で転売するため密輸しようとしたと認定され、01年12月に地元裁判所で無期懲役、02年2月の2審でも控訴棄却となった。(上海・共同)

◎集団買春:日本人20人摘発、駐在員ら2人起訴、上海(2004年10月15日、毎日新聞)
 中国上海の日本総領事館が15日明らかにしたところによると、5月末に上海を訪れた団体観光客ら日本人約20人が集団買春で摘発される事件があり、現在も拘束されている2人が今週起訴された。
 関係者によると、2人は日系企業の上海駐在員らで、集団買春を仲介した罪を問われた。団体は上海市内のナイトクラブで気に入ったホステスを宿泊先のホテルに呼び買春。起訴された2人はクラブを紹介するなど仲介をした。
 外国人の買春事件で拘束が長期に及び、起訴されるのは異例。罰金を払えば釈放されることが多いが、2人は集団買春を仲介したため、罪状が重いと判断されたようだ。
 昨年9月、広東省珠海市で起きた日本人観光客約380人の集団買春では、中国各紙が批判し、反日感情が高まって外交問題に発展したが、今回は中国紙は一切報じていない。
 関係者によると、添乗員が紹介したクラブを団体が拒否し、別のクラブに行ったため、怒った添乗員が警察に宿泊先などを通報したらしい。(上海共同)

◎松下、中国に世界最大級の家電生産基地建設へ(2004年10月15日、日本経済新聞)
 【上海=湯浅健司】松下電器産業は中国の浙江省に世界最大規模の家電生産基地を建設する。洗濯機や掃除機、エアコン関連など生活に身近な白物家電の工場を集約・拡充し、中国国内向けを中心とした一大供給拠点とする。既存工場も生かすため、投資額は300億円前後の見通し。中国家電最大手に匹敵する生産規模と価格競争力を確保し、2006年度には日本企業初となる中国売上高1兆円の目標達成を確実なものとする。日本の電機大手の中国戦略は現地最大手を目指した新たな段階に入る。
 松下は浙江省の省都、杭州市の経済開発区にある炊飯器や掃除機などの既存工場に隣接して、約30万平方メートルの敷地を確保。「松下杭州工業園」と呼ぶ巨大な工場群を建設する。

◎松下電器、中国の秀才囲い込み、大連理工大に専用コース(2004年10月13日、朝日新聞)
 松下電器産業は、中国での生産拡大に対応するため、優秀な中国人学生を囲い込み、ソフトウエア技術者に育成する戦略をとる。まず大連市の大連理工大学の協力を得て「松下グループ専用コース」を開設。松下グループが同大の学生を選抜し、日本語修得を含めた1年間の実務教育を実施。講師も同グループから送り込む。学生に松下への就職義務はないものの、コース履修者の半数程度は採用できると予想している。中国では企業の人材獲得競争が激化しているが、教育まで手がける「超青田買い」は異例の手法だ。
 コースは18日に開講する。7月の説明会に参加した学生約800人から、筆記試験と面接で第1期生40人を選んだ。対象は3年生で年間400時間の特別講義を実施、日本語に加え、ソフト開発に必要な技術などを松下グループの技術者数十人が分担して教える。学生の負担はゼロで、コース運営の資金は松下が全額提供する。
 中国の大学は9月から学期が始まるため、1期生がコースを終えると4年生で、ちょうど就職活動を始めるころになる。大連理工大は難関校の一つとされ、一線の技術者の供給源となることに期待を寄せる。
 関係者によると、中国の大学では外資系企業がスポンサーになる寄付講座などの例はあるが、全面的に企業が運営する例は極めて珍しい。松下は来年以降、ほかの大学にもコースを設置することも検討している。
 松下は現在、中国にグループ企業が60社あり、約6万人が働いている。03年度に約5800億円だった中国での生産規模を05年度には1兆円に引き上げる方針だ。ただ、事業拡大のカギを握る経営幹部や技術者といった現地の人材は、企業間で奪い合いの状況という。
 これまでも松下は北京と大連に「リクルートセンター」を設置し、グループ各社が一括採用を実施してきた。大連には今年1月、ソフトウエア開発拠点としてパナソニックソフトウェア開発(大連)有限公司を設立したばかりで、まず大連で学生の囲い込み戦略を手がけることにした。

◎中国の実質成長率、9.4%成長に、04年予測(2004年10月11日、日本経済新聞)
 【北京11日共同】11日付の中国各紙によると、中国社会科学院の経済分析チームは、ことしの中国の国内総生産(GDP)実質成長率が9.4%程度で2003年の9.1%をやや上回るとの予測を発表した。上半期の成長率は9.7%だったが、政府の引き締め政策の効果で通年ではさらに減速するとみている。
 05年については、大きな災害などがなければ8%以上の成長は可能としている。
 ことしの固定資産投資の伸びは24%と依然高い見通し。引き締め効果で05年には15%程度まで減速すると予測したが、GDPに占める固定資産投資の比率は50%を超える見通しで、比率を抑える対策が必要だと指摘した。
 ことしの輸出入の伸びは30%程度の勢いを維持するが、05年には20%程度に減速、貿易黒字も縮小に向かうとしている。

◎中国人民銀総裁、「元」の変動幅拡大を示唆(2004年10月3日、読売新聞)
 【北京=東一真】先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席した中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は2日、ワシントンで、米ドルに事実上固定している人民元の為替相場について「アジア通貨危機の特殊な状況下で形成されたもので、永久的なものではない」と述べ、今後、人民元相場の変動幅拡大など、為替を柔軟化する方針を示唆した。
 中国国営新華社通信のインタビューに答えた。
 ただ、周総裁は、今後の為替改革について、「中国のマクロ経済状況、周辺国・地域の金融情勢などを考慮しなければならない」とも述べ、人民元相場の柔軟化にはなお時間がかかるとの見方を示した。

◎中国であふれる家電ゴミ、テレビ年間1千万台にも(2004年9月30日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】世界最大の家電消費大国・中国で、電子ゴミの山が膨れあがっている。昨年中国で廃棄されたテレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、パソコン(主要5製品)は計約2800万台で、増加ペースは「一般ゴミの3倍」(中国紙)。中国政府は9月中旬、「生産者責任」などをうたった家電ゴミの「回収処理管理条例案」を初公表し、先進国にならった関連法制整備を始めた。
 中国国家発展改革委員会によると、5製品の昨年の生産量は計1億8200万台で、全国の普及台数は現在約9億台。多くが購入から10―15年の買い替え期を迎え、今後の廃棄量は、毎年テレビ1000万台、洗濯機600万台、冷蔵庫400万台などと見込まれる。500万台のパソコン、3000万機の携帯電話も更新期だ。
 急速な経済成長が続く中国では、都市部の大量消費に対応する基盤整備が間に合わない状態。経済発展に必用な資源や資材の枯渇も顕著で、再利用可能資源を有効活用する「循環型経済」の確立が国家の重要課題になっている。資源ゴミの処理施設、リサイクル網の整備は緊急課題だ。
 一方、欧米や日本など海外から中国に持ち込まれる電子ゴミも後を絶たない。「中国経済時報」紙によると、世界の電子ゴミ年間5億トンのうち、約7割が中国に運び込まれているという。政府は電子ゴミ輸入を禁止しているが、各地の「密輸基地」では、手作業で貴重金属を抽出するなどの違法処理が横行、環境汚染や人体被害が続出している。
 北京の環境専門家は「廃棄家電から、金になる枯渇資材を入手しようとする業者が幾重にも介在し、必要な部分だけを『取り捨て』しているのが現状。リサイクルルートを構築しても、機能するには時間がかかる」と困難を予想している。

◎中国が炭の全面輸出禁止、焼き鳥店への影響は深刻?(2004年9月28日、読売新聞)
 林野庁は28日、中国が森林保護を理由に、10月から木炭の輸出を全面禁止すると発表した。輸出禁止の期間は不明で、再開の可能性は低いとしている。
 中国産の木炭は、日本国内の消費量の約3分の1を占め、特にうなぎ店や焼き鳥店などで使われる白炭のシェア(市場占有率)は約8割を占める。
 林野庁は、おがくずを原料にした代替品の利用や、国内産の増産を関係業界に呼びかけている。
 林野庁によると、中国は8月26日付で木炭の輸出禁止を公告した。2003年の日本国内の木炭消費量は約18万トンで、うち中国からの輸入品は約6万3000トンをだった。
 備長炭などで代表される白炭は、均一で安定した火力を得られるため、料理店での需要が高い。
 業界では、約3〜6か月程度の在庫があり、その後は代替品の「オガ炭」や他国からの輸入品への切り替える動きが広がりそうだ。しかし、中国産の白炭は、国内産(1キロ約600円程度)の約半額のため人気で、切り替えが順調に進むかは不透明だ。

◎焼き鳥、蒲焼きに影響か?中国が木炭輸出を全面禁止へ(2004年9月28日、朝日新聞)
 中国政府が10月から、木炭の輸出を全面的に停止する方針であることが28日、明らかになった。森林の保護など環境対策が理由という。日本でウナギのかば焼きや焼き鳥などに使う木炭の多くを中国産に依存しており、飲食業界などへの影響は大きそうだ。
 中国では、国土に占める森林の割合(被覆率)は16.55%(02年)と日本の約4分の1。国家林業局は森林開発を制限し、被覆率を2050年に26%まで引き上げる国家目標を打ち出している。
 木炭は木材を大量に使用するため、商務部は昨年8月、断面直径4センチ、長さ10センチ以上の木炭の輸出を禁止していた。今回は、その措置をさらに拡大することになる。
 林野庁によれば、03年の中国産木炭の輸入量は6万2000トンで、輸入量全体の半数以上を占める。特にウバメガシが主な原料で安定した火力が長時間にわたって得られる白炭は、高級品が「備長炭」として飲食店に珍重されるが、4万4000トンの国内消費量のうち中国産が3万6000トンだ。
 中国からの輸入が止まった場合、「減った供給量を早急に補うことは難しい」(林野庁特用林産対策室)という。
 ただ、4カ月分の消費量程度の中国産木炭の在庫があるため、林野庁は「在庫を使い切る前に、国産の生産量を増やしたり、マレーシアなどからの輸入量を増やすなどの対策を実施する」という。
 また業者によっては、のこぎりくずを加工して生産し、白炭に似た性質を持たせた「オガ炭」への切り替えで代替を図るところも出てきそうだ。

◎遺棄化学兵器を回収、中国・黒竜江省(2004年9月23日、朝日新聞)
 中国・黒竜江省寧安市の製鉄所で発見された旧日本軍の遺棄化学兵器の発掘・回収が今月上旬から始まり、22日、作業が報道陣に公開された。化学兵器禁止条約に基づき、日本の責任で行う発掘・回収作業は00年9月から始まり、今回が6度目となる。
 製鉄所にはくしゃみ剤やマスタードガスなどが入った約700発の砲弾などが埋められていると推定されている。日本側からは約40人、中国側からは約160人が参加。作業は6日から28日までで、期間中、周辺の住民は避難を余儀なくされている。
 自衛隊員が土中の砲弾などを手やスコップで掘り起こす。それを自衛隊OBらが、化学兵器かどうかの鑑定を行う。緊張を強いられる上に防護服での作業のため、大量の汗をかく厳しい作業だ。中国の若い軍人は「暑い」とつぶやいていた。
 21日までに111個の砲弾類が発掘された。26個が化学弾と判定され、保管のために仮梱包(こんぽう)された。化学弾かどうか不明の弾はエックス線鑑定に回され、通常弾は中国側が処分する。

◎中国、対日割りばし輸出に批判、環境破壊ないと業界反論(2004年9月22日、毎日新聞)
 中国紙、国際商報はこのほど、中国から日本に輸出される大量の割りばしをめぐり、中国国内で「森林資源を破壊している」との批判が高まっており、業界側は「環境破壊には当たらない」と懸命に反論していると報じた。
 同紙によると、中国は2003年に世界30カ国以上に割りばしを輸出し、1億2000万ドル(約132億円)以上を稼いだ。輸出の65%は日本向けだという。
 森林資源減少を防ぐため、中国政府は01年に全国的な伐採量の上限を設定。だが、同紙によると、業界団体幹部は、割りばしに使われる木材は年150万トン程度で、03年の木材商品生産量の約3%に過ぎないと説明。また、原料はカバなど繁殖力が強く用途の少ない樹木が中心だとして、環境への影響は小さいと強調した。
 中国の生産業界は、日本で中国製割りばしから漂白剤が検出されたことなどで輸入検査が強化されたことにも危機感を強めているようだ。業界団体幹部は、日本の輸入業者団体と交流を強化し、粗悪品防止に向け、製品規格制定や安全性向上を進めていると強調した。(共同)

◎江沢民氏、軍事委主席を辞任・胡錦濤氏が3権掌握(2004年9月19日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国共産党が16日から開いていた第16期中央委員会第4回全体会議(4中全会)は19日に閉幕し、党中央軍事委員会の江沢民主席(78)が辞任、後任に胡錦濤国家主席(党総書記、61)を選出した。これで2002年に総書記に就任した胡氏が党、政府、軍の3権を掌握。名実ともに胡錦濤体制へ移行する。
 党軍事委主席の交代は、トウ小平氏から江氏へポストを譲った1989年以来、15年ぶり。江氏は来春の全国人民代表大会(全人代)で国家中央軍事委主席からも退く見通しで、完全引退となる。
 江氏は上海市長などを歴任、1989年の天安門事件直後に党総書記に抜てきされ、その後、党軍事委主席、国家主席も兼務した。2002年に総書記、2003年に国家主席の座を胡氏に譲って以降も党軍事委主席にとどまり胡氏に強い影響力を及ぼしてきた。台湾問題などが緊迫する中、軍に依然として強い基盤を持つ江氏が引退後も一定の発言力を維持するとの指摘もある

◎江沢民氏が完全引退、胡錦涛氏、3権掌握(2004年9月19日、産経新聞)
 北京で16日から開かれていた中国共産党の第16期中央委員会第4回総会(4中総会)は19日、江沢民党中央軍事委主席(78)の退任と胡錦涛総書記(61)の同主席就任を承認して閉幕した。
 江氏が来春の全国人民代表大会(全人代)で国家中央軍事委主席から退くのは確実で、完全引退となる。これで2002年の第16回党大会で総書記に就任した胡氏が党、政府、軍の3権を掌握。権力の引き継ぎが完了し、温家宝首相との「胡・温体制」が独り立ちする。
 しかし、江氏は軍に絶大な影響力を保持しており、引退後も故ケ小平氏に倣って一定の影響力を発揮しそうだ。(共同)

◎中国・長江上流で「2百年に一度の洪水」、172人死亡(2004年9月9日、朝日新聞)
 中国西部を流れる長江(揚子江)上流域の重慶市と四川省で、大雨による洪水の被害が広がっており、華僑向け通信社の中国新聞社などによると、8日午後2時までに計172人が死亡し、緊急避難などの被災者が計800万人を超えた。重慶では4日から集中豪雨が続き、地元メディアは「200年に1度の大洪水」と報道。中央政府も救援物資を送るなど対応に追われている。
 洪水地域は重慶市北東部の開県から、隣接する四川省東部の達州市にかけての山間部。倒壊家屋は約11万棟、けが人が9000人近くにのぼるという。家や橋が流され、開県では水や電力の供給が止まり、交通や電話も遮断されるなど一時「陸の孤島」となった。
 重慶での農作物などへの被害は推定約20億元(約260億円)。今月中、さらに広範囲に大雨が降るとみられている。中国気象局によると、6月から8月にかけて全国で気象災害による死者数は計745人。全人口の約8%の1.1億人が被災した。全国30余りの省や市で900回に及ぶ雷雨や強風、竜巻などの災害が発生。8月中旬は沿海部の浙江省に台風が上陸し、168人が死亡した。

◎被告の量刑、コンピューター任せ、山東省で「電脳量刑」(2004年9月8日、朝日新聞)
 中国沿海部の山東省の地方裁判所が、コンピューターで被告の量刑を確定する「電脳量刑」を全国で初めて導入し、議論を呼んでいる。裁判所側は「公平性が保証された」と胸を張るが、「個別の事情を軽視し、逆に公平さを失う」と、コンピューター任せにすることに反発する声もある。
 電脳量刑を採用した裁判所は、山東省シ博市シ川区の同区人民法院(裁判所)。地元メディアの報道では、同裁判所は01〜03年に結審した1300件余りの刑事事件を盗みや汚職、強盗など犯罪別に11種類に分類。法律上の量刑や実際の判決などを統計的に処理し、量刑のモデルになるソフトを開発した。裁判官がコンピューター上で被告の犯罪状況や情状酌量などのデータを加えると、適切な量刑が決められるという。
 今年3月に導入され、量刑を決めるための所要時間は、簡単な傷害事件の場合、わずか3分という。同裁判所で今年上半期に電脳量刑を使った判決は190件余り。裁判官の裁量に任される量刑は中国では公正さに疑いが出るケースもあるが、電脳量刑については量刑を不服とした控訴はゼロだという。
 電脳量刑の是非を巡っては、中国中央テレビ(CCTV)も特集番組を放送するなど議論が白熱。地元紙は「犯罪は千差万別で、電脳量刑は見た目は派手だが、限界がある」など厳しい声を伝えている。

◎中国、アニメ・ゲーム産業振興へ計画作り(2004年9月4日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】中国政府はアニメ・ゲーム産業の振興計画作りに着手した。国産アニメ・ゲームを3〜5年以内に国内市場の主流に育て、10年以内に国際市場でのシェア確保を目指す。中国では外国産のアニメ・ゲームが市場を席巻しており、教育的な観点からも国産の振興を求める声が強まっている。
 3日の中国共産党機関紙「人民日報」によると、文化省は最近、専門的な研究グループを設置した。同グループが中心になって、振興計画や関連政策・法律などの制定を加速する。
 振興計画の草案にはアニメ・ゲーム産業の拠点となる重点地区の建設や、有力企業の育成、人材の訓練・育成などを盛り込んでいる。文化省はすでに7月、上海を「国家アニメ・ゲーム産業振興基地」と位置づけており、上海が中核的な拠点の一つとなる。

◎中国の石油輸入、マラッカ有事に備えミャンマー経由も2004年9月3日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】高度経済成長を続ける中国が石油確保に躍起だ。特に頭が痛いのは、中東地域などからの石油輸送ルートとなっているマラッカ海峡がテロや大事故などで航行不能になる事態。「マラッカ・リスク」回避のため、ミャンマーと中国雲南省を結ぶ中国のパイプライン建設が現実味を帯び始めている。
 「エネルギー安全保障戦略の一つは、インド洋からミャンマー経由で雲南省に入る南西ルートの開拓だ」
 中国紙「北京晨報」によると、7月30日、エネルギー戦略の会議で、共産党中央政策研究室の李連仲・経済局長は、こんな構想を明らかにした。
 中国のエネルギー情勢は厳しい。2003年は石油輸入が9000万トンを突破し、今年は1億2000万トンを超える見通しだ。李局長によると、2020年の中国の石油消費量は少なくとも5億トンに達し、輸入依存度は60%に上る。政府は中東依存度を低下させるため、中央アジアのカザフスタンからのパイプライン敷設に今月着工するほか、アフリカや中南米など石油輸入源の多角化を模索しているが、輸入石油の5分の4はマラッカ海峡を通過する。
 李局長は「マラッカ海峡を支配する者はいつでも中国の石油の安全を脅かすことができる」と危機感をあらわにした。同海峡介入に熱心な米国を念頭に置いた発言で、石油調達の動脈が米国の影響下に置かれたくないとの本音をのぞかせた。
 雲南省昆明とミャンマー西部の港湾都市シットウェを結ぶパイプラインは、全長1700キロで、建設費用は総額20億米ドル程度と見られる。7月中旬、訪中したミャンマーのキン・ニュン首相と中国指導部との会談では、「パイプライン建設は議論していない」(北京のミャンマー大使館)という。ただ、「双方はパイプライン問題に触れた」(中国紙・二十一世紀経済報道)との報道もあり、検討段階に入ったとの見方が強い。
 マラッカ海峡回避策としては、タイが掲げるマレー半島横断パイプライン構想もあるが、半島の両側で石油を積み下ろしする手間とコストがかかるだけに、ミャンマー・ルートの方が実現可能性が高いという。
 ただ、昆明から、石油需要が逼迫(ひっぱく)している東部沿海地方まで輸送する新たなパイプラインが必要になるのは難点。ミャンマー・ルートの決定はタイなど周辺国家の理解を求める必要もあり、実現までにはまだ曲折がありそうだ。

◆マラッカ海峡
 南シナ海とアンダマン海を結ぶマレー半島とスマトラ島との間の水路(全長約800キロ)。年間5万隻の船舶が行き交い、世界貿易量の4分の1強、石油輸送量の約半分が通過する。テロ攻撃や事故発生などによる危険にさらされている。

◎中国のエチレン生産、2010年に日本抜き世界2位に(2004年年9月1日、日本経済新聞)
 【上海=川瀬憲司】米欧の石油化学品大手が相次ぎ中国で化学製品の基礎原料であるエチレンの生産を始める。化学品世界最大手の米ダウ・ケミカルが中国最大規模の工場新設を決め、独BASFなどの設備も来年半ばに稼働する。2010年の中国のエチレン生産能力は日本を抜き米国に次ぐ世界第2位となる。自動車、家電、素材分野で中国生産を加速させている日本企業にとって原材料の安定確保につながる半面、汎用樹脂では世界的な価格競争激化も予想される。
 ダウのジェームズ・マッキルベニー・大中華地区社長は「10年までにエチレン生産を始める」ことを明らかにした。生産能力は年100万トンで中国では最大規模。周辺のインフラ整備などを含めた総投資額は約30億ドル(約3300億円)に達する見通し。進出候補を上海周辺や広東周辺、華北など中国沿岸部の約5カ所に絞っった。中国で外資がエチレン生産する場合、出資上限は50%。合弁先の選定など「04年中に詳細を決めたい」という。

◎日本6社連合など3社に分割発注、中国・在来線高速化(2004年8月29日、朝日新聞)
 中国鉄道省は29日までに、国内在来線を現在の2倍の時速200キロに高速化するプロジェクトの入札の結果、川崎重工業など日本6社連合と連携した中国企業を含め、応札したフランス系、カナダ系の3社すべての落札を決めた。国営新華社通信が報じた。
 今回のプロジェクトは、同じく入札が予定され、日本が新幹線採用を売り込む北京〜上海間の高速鉄道計画に先立つ事業。日本連合はJR東日本の東北新幹線「はやて」の改良車両で応札しており、新幹線が中国を走行すれば、その技術をアピールできることになる。3社がどこを分担するかは明らかではない。ただ、高速化プロジェクトの対象となる北京〜瀋陽(遼寧省)など5路線(約2000キロ)を走る計200編成を3社が分割して受注する可能性が高い。
 新華社電によると、今回の入札は「先進技術を導入し、共同で設計・生産を行い、中国ブランドを構築する原則」に基づいて実施。応札額や車両製造技術のほか、中国側への技術協力なども考慮して最終決定したもようだ。
 ただ、実績面などから、日本連合と仏重電大手アルストムが有力とみられていた。日本単独落札の場合には「反日感情」が高まることも予想され、「3社落札」に落ち着いた可能性もある。(時事)

◎日系など3社とも落札、中国の在来線高速化事業(2004年8月29日、産経新聞)
 29日の新華社電によると、中国鉄道省が来年予定している国内在来線の高速化プロジェクトに向け、7月下旬に実施した新型車両の競争入札で、川崎重工業を含む日本企業6社と提携した中国の鉄道メーカーをはじめ、応札した3社がいずれも同日までに落札した。
 3社は、日本企業と提携している車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)、フランスの鉄道車両・重電大手アルストムと組んだ「長春軌道客車」(吉林省)、カナダの航空機・鉄道車両総合メーカー、ボンバルディア系の「青島四方ボンバルディアパワー鉄路運輸設備」(山東省)。
 同プロジェクトは時速200キロでの車両運行を計画しており、入札は合計200編成(1600両)が対象。日本はJR東日本の東北新幹線「はやて」を改良した車両で対応する予定で、中国国内を日本の新幹線型車両が走ることになる。(共同)

◎中国、東シナ海ガス田でパイプライン着工(2004年8月27日、読売新聞) 【北京=佐伯聡士】中国南京市の夕刊紙「揚子晩報」(電子版)は26日、日中間の懸案になっている、東シナ海の日中中間線近くで中国が進める天然ガス田「春暁」の開発が実質段階に入り、ガス田と陸地を結ぶ470キロの海底パイプラインの敷設工事が始まったと伝えた。
 同紙によると、春暁は4つのガス田からなり、総面積は2万2000平方キロ。来年5月に第1期工事が完成し、稼働できる見通しで、浙江省と上海に、年間25億立方メートルの天然ガスを供給する計画だ。

◎中国の電話利用者6億人突破(2004年8月24日、産経新聞)
 新華社電によると、中国の固定電話と携帯電話の利用者数が合計で初めて6億人を突破したことが23日、情報産業省の統計で判明した。
 急増する携帯電話の利用者数が7月末時点で3億1000万人に達し、固定電話も2億9900万人にまで増えた。携帯電話で送受信するショートメールの送信数は1月〜7月までで1178億件に達し、前年同期比68.7%増となった。(共同)

◎中国初の「ヌーディストビーチ」、猛抗議で白紙に(2004年8月24日、朝日新聞)
 中国初とみられる「ヌーディストビーチ」が浙江省臨安に誕生しかけたが、案の定、反対の声があがり、見送られた。
 地元紙によると、論議の舞台は狼牙灘という海岸。その地域の環境や景観を維持する管理事務所の職員が、全裸で泳ぐ女子学生を目撃、「注意するにも近づけず、困惑した」。その話を聞いた同事務所では、禁止するのではなく、大胆に発想を転換して、厳格に管理するヌーディストビーチを作ることにした。男女を分け、お互いに見えない専用区域を設け、看板も用意した。
 だが、地元から「風紀が乱れる」「裸を利用した商売だ」と激しい反対が出て、開設は見送られた。知識人から「裸で泳ぐことは別に異常ではない」と擁護する意見も出て、議論が続いている。

◎人材育成で無償資金協力、中国に9億6800万円(2004年8月24日、産経新聞)
 政府は24日、中国に対し、遼寧省大連市に人材育成センターを建設するための建設費や機材調達費の一部として、9億6800万円を限度とする無償資金協力を行うと発表した。
 資金を供与するのは、大連市当局と中国政府が建設を計画している「日中友好大連人材育成センター」。実用的な日本語能力と、情報技術(IT)や工学、経営などの専門知識を兼ね備えた人材育成を目的としている。
 大連市には約2150社の日系企業が進出。これらの企業にとって、経営への参加が可能性な優秀な人材の確保につながると期待されている。

◎対中貿易収支、初の黒字、電子、自動車部品の輸出で(2004年8月24日、産経新聞)
 日本貿易振興機構(ジェトロ)は24日、2004年上半期(1〜6月)の日中貿易調査をまとめ、香港経由の取引を含めた対中貿易収支(輸入ベース)は11億3541万ドルの黒字になったと発表した。半期ベースながら、統計のある1993年以来、黒字となったのは初めて。
 輸出は中国への日系企業の進出で半導体、液晶などの電子部品や自動車部品が好調だった。中国の経済成長に支えられ、鉄鋼、プラスチックといった原料や建設機械も増加した。前年同期は8億9614万ドルの赤字だった。
 日本にとって中国は衣料や食品の輸入先という従来の関係が変わり、製品や部品を輸出する巨大市場になりつつある実態があらためて浮き彫りになった。
 輸入は衣料品や食品に加え、現地に進出した日系企業で生産した事務機器や携帯電話が増えたが、輸出の伸びには及ばなかった。「通年でも黒字を維持する」(ジェトロ)とみている。
 上半期の貿易総額(輸入ベース)は前年同期比29.3%増の885億6122万ドルで、93年以来、上半期としては最高となった。

◎NEC、中国向け携帯拡大・06年度500万台目指す(2004年8月22日、日本経済新聞)
 携帯電話機国内最大手のNECは2006年度、中国向けの携帯電話出荷台数を今年度計画比2.5倍の500万台超に拡大する。インターネット接続機種など高性能機の拡大が見込める中国を携帯電話の海外主力市場とし、フィンランドのノキアなど首位グループを追撃する。拡販に向け、中国内のEMS(電子機器の受託製造サービス)会社に年間1000万台弱の委託生産枠を確保する。
 NECは04年度の中国向け携帯出荷を前年度の倍の200万台、05年度には300万台に増やす計画。携帯電話需要が急増する中国では来年以降に第三世代サービスも始まり、カメラ付きやネット接続など国内市場で培った技術が生きると判断した。投入機種も前年度の10機種から20〜30機種に広げる。

◎東論西談:反日ブーイング騒ぎ(2004年8月15日、毎日新聞)
 終戦記念日の8月15日は、中国では抗日戦争勝利記念日と呼ばれる。8年に及んだ日中戦争の勝利を祝う日ということになっている。しかしこの国で、戦争の英雄をたたえる姿を見ることはまれだ。目に付くのは、戦争で亡くなった家族をしのび、記念碑に花輪をささげる人たちの姿ばかりである。
 実際のところ、中国が日本軍を戦闘で追い払ったわけではない。日本軍の方が対米戦争で大敗し、自分から崩壊していったのである。だから中国の人が戦争で想起するのは南京虐殺であり、戦勝記念日には「抗日戦争の歴史を思い出し、国家が味わった恥辱を忘れず、中華を振興させよう」と誓い合う。
 ところが、大方の日本人が戦争の相手として記憶しているのは米国である。米軍機による空襲や広島と長崎への原爆投下もあって、自分たちも「被害者」だという意識が強い。
 しかしそうした考えに立った振る舞いは、中国人には不快感を与えるようだ。日本人が加害者意識を欠いた行動をとると、中国の人は過去の日中戦争という悲劇を軽視されたり、ひょっとすると無視されているのではないかと反発する。
 中国が日本に対し、過去の侵略を謝罪せよと繰り返し迫るのも、そうした事情があるのだろう。日本人が加害者であるという意識を持ち続けてくれなければ、戦争で死んでいった人たちが浮かばれないと考えるのである。
 こうした構図は変わらなく続き、59年という時が過ぎた。そして、サッカーのアジア・カップのあの反日ブーイング騒ぎが起きた。
 中国の若者は、重慶、済南、そして北京で、日本の国歌吹奏をブーイングで妨害したり、日本人にゴミや石を投げつけた。中国人は歴史上の被害者で日本人に抗議する権利があるから、少々のことは許されると考えたのかもしれない。
 ところが、日本を含めた世界のメディアは、そうやって暴れる中国の若者を批判的に報じた。反日感情をどうこう言う以前に、あまりのマナーのひどさ、品の悪さにあきれかえった。そして中国の人たちはこの瞬間、日本人に対する「加害者」に転じてしまった。
 実は中国のメディアは、この騒ぎの具体的な内容も、世界の反応も伝えていない。それでいて「中国で反日感情が生じたのは、小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したからだ」と主張し、責任は日本にあると指摘している。
 ただ一方で「(中国側にも)反省に値する点がたくさんある」「過激な反日感情は民族の利益に合致しない」といった、新しい論調も出るようになってきた。こういった指摘が、これからどういう議論に発展していくのかはわからない。しかし、過去の歴史の文脈を超えるような発想を生み出す可能性も秘めているように思われる。
 日本では、先の戦争の歴史と今回のブーイング騒動をからめて考えるような動きは出ているのだろうか。【北京・上村幸治】

◎中国で重刑受ける日本人急増、初の死刑執行の可能性も(2004年8月15日、朝日新聞)
 日本人が中国や香港から覚せい剤を日本に持ち出そうとして逮捕され、無期懲役や死刑などの重刑を受けるケースが急増している。海外では前例がない日本人への死刑執行も懸念されている。失業者らお金に困った人が暴力団などに少額の報酬で「運び屋」を引き受けさせられ、摘発された例が目立ち、外務省はホームページなどで注意を呼びかけている。
 外務省によると、摘発が急増した03年から今夏までの間に、広州、大連、瀋陽、上海など中国各地や香港で計16人が逮捕され、裁判にかけられている。今年2月には瀋陽で逮捕された60代の男性に地裁で死刑判決が下った。7月にも香港で昨年7月に逮捕された男女それぞれに、懲役もしくは禁固14年8カ月と25年の判決が出た。
 中国の刑事裁判は二審制。控訴をした場合でも、判決は高裁で確定する。
 海外で極刑の判決を受けた日本人としては、フィリピンで大麻所持で死刑判決を受け、03年に禁固40年に減刑された男性がいる。だが、中国では死刑確定後の即時執行が一般的で、減刑嘆願も効果はさほどない。中国の刑法では、50グラム以上の薬物所持や販売の最高刑は死刑。外国人が死刑になる例もしばしばある。
 中国での日本人の薬物がらみの摘発は毎年1〜2人程度だったが、03年から急増した。薬物汚染が深刻化し、中国政府が取り締まりを強化していることが背景にあると見られる。北朝鮮の工作船による海上ルートでの日本国内への持ち込みに対して、日本当局の監視が強まり、中国経由で日本に持ち込むルートが開拓されつつある、との見方もある。
 摘発されたケースの大半は、現地で渡された覚せい剤を持ち出そうとして空港で発覚している。外務省によると、日本国内で暴力団が失業者、ホームレスらに数十万円程度の報酬で中国に受け取りに行かせており、「中身も知らず、中国では薬物関係の刑罰が非常に重いことにも無知な人が多い」(同省海外邦人安全課)という。
 外務省はホームページで中身の分からない物品の運搬の依頼は断るよう呼びかけている。ただ、司法は主権にかかわるため、日本政府が中国政府に減刑を求めることは基本的にはしない。家族による減刑嘆願書を現地の司法当局に渡す手伝いをするぐらいだという。

◎上海の猛暑対策、人工降雨が郊外の一部で成功(2004年8月11日、日本経済新聞)
 【上海11日共同】猛暑で電力不足が深刻になっている中国上海市で、気温を下げるための「人工降雨」作戦が10、11日の2日連続試みられ、11日、市郊外の一部地域で成功した。
 上海テレビなどによると、浦東新区や南匯区、閔行区で降雨量が最大14.2ミリに達し、気温が31度から4.2度下がった。市当局は空軍から軍用輸送機を借用し、ヨウ化銀を入れた「降雨誘発弾」を雲に向け発射。10日は、一部地域で小雨が降っただけで失敗していた。ヨウ化銀は、雲の中の細かい水滴が凝集し雨になるのを促す。報道によると、一回当たり約470万元(6300万円)の経費が掛かる。隣の江蘇省で7月下旬に実施した際は、気温が3〜10度下がった。

◎電力不足の上海、猛暑対策の人工降雨失敗(2004年8月11日、日本経済新聞)
 【上海11日共同】猛暑で電力不足が深刻となっている中国上海市で10日、気温を下げるため「人工降雨」作戦が試みられたが、降雨量はごくわずかで失敗に終わった。
 11日付の上海各紙によると、市当局が空軍から軍用輸送機を借用。10日正午すぎから約一時間半、郊外の上空を飛行し、ヨウ化銀を入れた「降雨誘発弾」200発を雲に向けて発射した。2時間後に一部地域で小雨が降ったが、降雨量は0.1ミリにも達しなかった。ヨウ化銀は雲の中の細かい水滴を凝集、雨になって落ちるのを促す。報道によると、一回当たり約470万元(6300万円)の経費が掛かる。隣の江蘇省で7月下旬に実施した際は人工降雨に成功し、気温が3〜10度下がった。上海市気象局は「設備のテストとしては成果があった」としており、8月末までに再び実施する計画だ。

◎ネットで政府転覆を扇動、反体制活動家の控訴棄却、中国(2004年8月11日、産経新聞)
 新華社電によると、中国湖北省の高級人民法院(高裁)は11日、インターネット上で「政権転覆」などを扇動した罪に問われ、一審で懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた同省武漢市出身の反体制活動家、杜導斌被告(40)の控訴を棄却した。
 一審判決などによると、杜被告は同省孝感市内で医療保険事務などを担当していたが、2002年から03年にかけネット上で国家政権や社会主義体制の転覆をあおる主張を発表したとして昨年11月に逮捕。今年6月に孝感市の地裁で有罪判決を受けた。
 中国政府は国内でのインターネットの発達とともに、ネット上の政治的な言論に対する取り締まりも強めており、外国の人権団体などから批判が相次いでいる。(共同)

◎猛暑対策の人工降雨失敗、電力不足の上海で(2004年8月11日、産経新聞)
 猛暑で電力不足が深刻となっている中国上海市で10日、気温を下げるため「人工降雨」作戦が試みられたが、降雨量はごくわずかで失敗に終わった。
 11日付の上海各紙によると、市当局が空軍から軍用輸送機を借用。10日正午すぎから約1時間半、郊外の上空を飛行し、ヨウ化銀を入れた「降雨誘発弾」200発を雲に向けて発射した。2時間後に一部地域で小雨が降ったが、降雨量は0.1ミリにも達しなかった。
 ヨウ化銀は雲の中の細かい水滴を凝集、雨になって落ちるのを促す。報道によると、1回当たり約470万元(6300万円)の経費が掛かる。隣の江蘇省で7月下旬に実施した際は人工降雨に成功し、気温が3〜10度下がった。
 上海市気象局は「設備のテストとしては成果があった」としており、8月末までに再び実施する計画だ。(共同)

◎JFE、中国に高炉建設計画、日系企業に製品供給(2004年8月11日、朝日新聞)
 鉄鋼大手のJFEスチールが、中国・広東省に製鉄の中核設備である高炉の建設を計画していることが11日、明らかになった。中国企業との合弁事業になる見通し。鉄鉱石などの原材料から高品質の鋼板を製造するまでの一貫生産体制を築き、現地に進出している日系自動車メーカーなどに製品を供給する。日本の鉄鋼メーカーが海外に高炉を建設するのは戦後初めて。
 合弁相手となるのは中国の国有中堅鉄鋼メーカー、広州鋼鉄企業集団(広州市)。総事業費は1000億円超にのぼる。稼働は08年ごろとみられる。
 広州鋼鉄は生産効率を上げるため、粗鋼から高級鋼板までを一貫して生産する計画を進めている。JFEはこれに協力する形で、技術、資金の両面で高炉建設を主導する方向だ。両社は昨年12月、日本などから輸入した冷延鋼板に、めっき処理を施す合弁会社を設立するなどすでに提携関係にある。
 表面処理した薄型の高級鋼板は日本の鉄鋼メーカーが得意とする分野で、海外に進出している自動車メーカーからの引き合いが強い。広州市には、ホンダと日産自動車の現地企業や乗用車の合弁工場がある。06年からはトヨタ自動車も同市で乗用車の合弁生産を始める予定で、日系企業の需要だけでもかなりの増加が見込まれる。このため今後、中国で同様の大型投資が広がる可能性がある。

◎中国雲南省でM5.6の地震、3人死亡、200人以上けが(2004年8月11日、産経新聞)
 中国国家地震局によると、10日午後6時26分(日本時間同7時26分)ごろ、中国雲南省北東部の昭通市魯甸県でマグニチュード(M)5.6の地震があった。同局のこれまでのまとめで3人が死亡、200人以上がけがをした。
 北京の日本大使館には日本人の被害に関する情報は入っていない。
 震源の深さは不明。現場は省都の昆明市から北東に約255キロ離れた山間部の農村地帯。
 国家地震局によると、同県で2人、隣接する昭通市昭陽県で1人の住民がそれぞれ死亡。現場からの通信が途絶えているため詳しい被害状況は把握できず、死傷者は増える可能性がある。新華社電によると、多くの家屋が崩壊するような状況ではないという。
 魯甸県では昨年11月にも2回、M5.1と5.0の地震が起き、計4人が死亡、120人余りがけがをしている。今回の震源も昨年の2回とほぼ同じ地点で、現場では余震が続いている。(共同)

◎荏原、中国を環境装置の輸出拠点に(2004年8月10日、日本経済新聞)
 荏原は中国で環境装置事業を強化する。北京に新設した統括会社に既存の現地法人3社を統合。水処理やごみ処理、大気汚染防止装置などを総合的に展開する。設計要員なども増やし、中国での売り上げを2003年度の35億円から10年度は約3倍の100億円に増やす。設計や調達の工夫でコスト競争力を磨き、東南アジアや欧米への輸出拠点に育てる。
 中国では受注業務などを担当する北京、水処理装置を手がける上海、ごみ処理装置を扱う青島の子会社3社が役割を分担しながら環境装置を展開してきた。これを統括会社が統合。全拠点で水処理、ごみ処理、大気汚染防止など環境装置全般を手がけられる体制にする。ボイラーや発電所で使う排ガスの脱硫装置も新たに取り扱う。設計や営業など現地での人員は現状の約75人から2010年までに125人に増やす。現地での設計体制を強化するとともに、日本からも指導員などを派遣する。中国拠点を「ローコストエンジニアリングセンター」と位置づけ、コスト競争力を武器に、東南アジアや欧米で受注した環境装置の設計や部品輸出などを手がける。

◎中国サッカーファンの反日行動、NYタイムズ紙も詳報(2004年8月10日、日本経済新聞)
 【ワシントン=吉田透】9日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、中国で開かれたサッカーのアジアカップで中国人の観客が示した反日的行動を詳しく報じた。7日の決勝で中国代表が日本代表に敗れた後、中国の若者らが日の丸を焼いている写真なども掲載した。
 北京発の記事は第三面のトップで大きく扱われた。「日本への憤怒の強まり、サッカー敗戦で垣間見える」との見出しの記事では、決勝戦だけでなくアジアカップのすべての日本戦で、中国人観客が日本代表に激しいブーイングを浴びせたり、試合前の君が代斉唱時に起立しなかったりしたことなども伝えた。
 中国の若い世代の反日意識の強まりは日本との政治・経済面でのつながりを強化したいと考える中国政府の思惑を妨げかねないとするコロラド大のグリーズ教授の見解も載せた。決勝戦で、日本の勝ち越し点となった二点目については中田浩二選手のハンドだった可能性があると指摘。スタジアムの巨大画面に得点場面がリプレーされなかったのは、当局者が観客の反応を恐れたためではないかと推測している。

◎中国の「民族感情」批判、アジア杯サッカーで台湾紙(2004年8月9日、産経新聞)
 8日付の台湾紙、中国時報は、サッカーのアジア・カップ決勝で中国が日本に敗れたことに腹を立てた中国のサポーターが「日の丸」を焼くなどして騒いだことについて「(反日の)民族感情を好き放題発散させていると、(2008年の)北京五輪のイメージを損なうことになる」と批判した。
 同紙は「試合に勝ち負けはつきもので『民族の恨み』のように見なすなら、北京五輪の際、(中国と戦争をしたことがある)日本やベトナムなどの選手は気をもむことになる」と「民族主義の高揚」に警鐘を鳴らした。(共同)

◎「反日」制御できぬ中国当局、アジア杯・群衆の騒乱(2004年8月9日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】サッカー・アジアカップ決勝が終わった7日夜、中国人群衆が北京の会場周辺で繰り広げた反日騒ぎについて、中国当局は、ほとんど沈黙している。今回の騒動は、共産党政権が、民衆の反日感情を制御できなくなりつつある事実をはっきり示した。2008年北京五輪の成否、さらに、民衆感情のコントロールという独裁の根幹にかかわる問題だ。
 試合後、群衆が「小日本(日本に対するべっ称)をたたきのめせ!」と叫びながら、日の丸を焼き、駐北京日本公使が乗った車のガラスを割り、日本代表の宿舎を取り囲んだ。
 8日以降、中国主要メディアはそろって、「大会の円満な閉幕」を伝えた。混乱については、北京の1紙が「一部が過剰な行動を取り、約10人が警察に拘束された」と報じただけだ。君が代演奏への大ブーイングなどの非礼な行為にも一切触れていない。
 公使の車が襲われたことについて、日本大使館は中国外務省に抗議。外務省からの反応はないものの、8日、市公安当局から「警備上の不備があった」として電話で謝罪があった。
 しかし、実態としては、警備上の問題ではない。当局は多数の警官を会場、天安門広場、繁華街などに配置、北京市民に「これだけ厳重な警備は、1989年の天安門事件当時以来だ」と言わせるほどの厳戒態勢を取っていたのだ。
 2001年に南シナ海上空で米中両軍機が接触、中国人パイロットが死亡した際には、当局は米国大使館周辺などで厳戒態勢をとって反米デモを防いだ。
 ものものしい警備は、事実上の警告だった。それは、簡単に無視された。
 サッカーのサポーターが多い世代は、90年代の江沢民政権時代からの徹底的な愛国教育を受けている。多くは「反日は正義、親日は売国」という屈折した民族主義的感情を持つ。
 言論統制下にあって、こうした感情は、当局の監視が届きにくいインターネットを通じて、広く共有されている。市場経済と言う名の経済的自由が国民に浸透する中で、共産主義の権威も地に落ちている。すでに8700万人にも達したネットユーザーたちは、「反日」の声をあげながら、政府の「軟弱さ」をののしる。
 「『民族の正義』の前では、共産党も売国奴扱いされる」(中国筋)時代に入ったのだ。実際に力で「反日」を封じ込めようとすれば、政権と民衆が衝突しかねない状況にある。
 共産党自身が国民の反日感情をあおってきたため、「一番自由にものが言えるのが、反日」(中国マスコミ関係者)という事情もある。共産党政権にとって、反日は最も対処の難しい問題になっている。

◎試合後「反日」行動、未熟さ露呈(2004年8月8日、産経新聞)
 【北京=伊藤正】七日のサッカー・アジア杯「日中決戦」は、六万の中国人ファンの大声援と日本チームへのブーイングを跳ね返し、日本が制した。威信をかけた中国当局の万全の警備とメディアを通じた呼びかけが効いた形で、試合中には大きな混乱はなかったが、試合後、会場の工人体育場周辺では、中国人サポーター数千人が「反日」を叫んで警備陣と衝突、八日未明まで騒ぎが続いた。今大会で露骨に表れた反日感情が、今後さらに拡大、尾を引くことが懸念される。
 中国政府は、一次リーグから準決勝までの五試合で、日本の選手やサポーターに向けられた威圧的な行動や「君が代」吹奏へのブーイングなどが決勝戦で再現することを強く警戒していた。そのいずれも、国際試合のホスト国としてあってはならないことだからだ。
 とりわけ中国当局が懸念していたのは、2008年北京五輪を控えていることと無縁ではない。アジア杯開会式で、中国人サポーターが中国サッカー協会幹部に浴びせたブーイングをアジアサッカー連盟事務総長が誤解、五輪開催に疑問を提起したことも、当局を神経質にしていた。
 当局にすれば「日中決戦」は最悪のシナリオだったかもしれない。当局の命令のままに国民は動かず、国民の声に当局が耳を傾けるよう指導部から指示されている時代なのだ。
 中国外務省は従来、一部の反日グループの「日の丸」焼却などの行動にも、日本側にも原因があるなどと甘い態度を取ってきたが、今回のサポーターの行為についても、遺憾とする一方で、一部日本のメディアの報道を批判した。
 スポーツ交流に大警備陣を配備する異常事態の中で、試合自体は大きな混乱なく終わったものの、中国の敗戦に収まらないサポーターらは、不満の矛先を日本に向けた。その背景には、何事にも政治を絡め、日本批判をする中国当局の姿勢もあるのではないか。アジア杯に表れた問題は、日中関係だけでなく、中国人の資質にも疑問を投げかけた。

◎高句麗めぐり中韓“外交紛争”、過熱化に懸念も(2004年8月7日、産経新聞)
 朝鮮半島北部から中国にかけて存在した古代国家、高句麗をめぐる中韓両国の“外交紛争”が過熱している。中国が古代中国の地方政権だったと位置付けようとしているとみる韓国側は、中国政府に抗議、韓国メディアの批判も高まる一方だ。
 直接のきっかけは韓国史を紹介した中国外務省のホームページ。高句麗、新羅、百済が対峙(たいじ)した三国時代の説明から高句麗の記述が今年4月、突然削除されたことだった。
 中国では最近、高句麗を古代中国の地方民族政権だったとする動きがあり、韓国では南北統一後などの領土紛争に備えた「歴史歪曲(わいきょく)」との不満がくすぶっていた。このため韓国紙だけでなく、韓国政府も修正を求め、5日には外交通商省高官が抗議のため訪中する騒ぎに発展した。
 これに対し、中国は5日、ホームページから高句麗史だけではなく大韓民国樹立以前の歴史記述を全面削除。抗議への配慮を見せたとみられるが、韓国では逆に「攻撃的対応」(韓国紙)と取られ、火に油を注ぐ形となった。
 与党ウリ党の千正培院内代表は6日「国会に対策機構をつくる」と言明、北朝鮮との共同対応を求める声が出るなど騒ぎは収まる気配がない。
 ただ北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議での中国の重要性や急拡大する対中貿易などを考慮すれば、これ以上の摩擦を避けたいのが韓国政府の本音だ。(共同)

◎さよなら、悪名高き北京の公衆トイレ(2004年8月6日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】2008年の五輪を控え、都市再開発が進む北京で、不衛生さで悪名の高い公衆便所の撤去が進んでいる。個室や仕切りが無い「ニーハオ・トイレ」は、北京の伝統的な町並みと共に姿を消すことになりそうだ。
 北京の公衆便所は、1990年代末から施設の改善が行われてきたが、汚いため、急用でも使用をためらう外国人旅行客は少なくない。壁や仕切りがないため隣の人と顔を合わせてあいさつしてしまうことから、「ニーハオ・トイレ」と俗称され、衝撃的な「トイレ体験」は、今でも中国旅行者の土産話の筆頭格だ。
 市内の公衆便所は現在約7700あり、このうち3分の1が家にトイレのない北京の伝統的な平屋街にある。市は地域の再開発に合わせ、五輪開催の2008年までに2800の公衆便所を取り壊す予定だ。
 一方、町中のトイレ不足は深刻で、市は「徒歩で8分以内にたどりつける」ことを目標に施設充実に力を入れる。年内に計400の公衆便所を新設・改修する予定で、市民が集まる繁華街や公園などには、絵画や生け花を飾ったり、虫の姿をかたどるなど趣向を凝らしたトイレも誕生している。

◎中国組織がサイバー攻撃、日台の官庁など標的・香港紙(2004年8月6日、日本経済新聞)
 【香港6日共同】6日付中国系香港紙、文匯報は、中国のハッカー集団がこのほど国内外の人員約1900人を組織、靖国神社や官庁など日本と台湾の約200のウェブサイトに対し大規模なサイバー攻撃を始めたと報じた。
 同紙によると、攻撃は「中国ハッカー81反撃戦」として1日から一週間続ける計画。メンバーは中国大陸のほか香港や台湾などにもおり、攻撃の「戦績」を分析するなど、グループごとに役割を分担している。日本の首相官邸や外務省、防衛庁など八政府機関のサーバーコンピューターには1日以降、大量のデータが送られ、一時的にホームページへのアクセスが困難になった。細田博之官房長官は5日の記者会見で、攻撃元は不明だが、「特別な影響は出ていない」と説明していた。尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する民間団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」のサイトが7月末、「釣魚島は日本のものだ」などと書き込まれる被害を受けたことへの「反撃」に出た可能性がある。

◎サイバー攻撃:中国ハッカー集団、日本と台湾を標的(2004年8月6日、毎日新聞)
 6日付中国系香港紙、文匯報は、中国のハッカー集団がこのほど約1900人を組織、靖国神社や官庁など日本と台湾の約200のウェブサイトに対し大規模なサイバー攻撃を始めたと報じた。
 同紙によると、攻撃は「中国ハッカー八一反撃戦」として1日から1週間続ける計画。メンバーは中国大陸のほか香港や台湾などにもおり、攻撃の「戦績」を分析するなど、グループごとに役割を分担している。
 日本の首相官邸や外務省、防衛庁など8政府機関のサーバーコンピューターには1日以降、大量のデータが送られ、一時的にホームページへのアクセスが困難になった。細田博之官房長官は5日の記者会見で、攻撃元は不明だが、「特別な影響は出ていない」と説明していた。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する民間団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」のサイトが7月末、「釣魚島は日本のものだ」などと書き込まれる被害を受けたことへの「反撃」に出た可能性がある。
 メンバーの1人は同紙に「台湾のサイトは基本的にまひさせることができるが、日本のサイトは比較的強く、官邸サイトなどは攻撃後、数秒で回復してしまう」と述べたという。(香港・共同)

◎中国ハッカー集団、日台のサイト攻撃か、香港紙報道(2004年8月6日、産経新聞)
 6日付中国系香港紙、文匯報は、中国のハッカー集団がこのほど約1900人を組織、靖国神社や官庁など日本と台湾の約200のウェブサイトに対し大規模なサイバー攻撃を始めたと報じた。
 同紙によると、攻撃は「中国ハッカー八一反撃戦」として1日から1週間続ける計画。メンバーは中国大陸のほか香港や台湾などにもおり、攻撃の「戦績」を分析するなど、グループごとに役割を分担している。
 日本の首相官邸や外務省、防衛庁など8政府機関のサーバーコンピューターには1日以降、大量のデータが送られ、一時的にホームページへのアクセスが困難になった。細田博之官房長官は5日の記者会見で、攻撃元は不明だが、「特別な影響は出ていない」と説明していた。
 尖閣諸島の中国領有権を主張する民間団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」のサイトが7月末、「尖閣諸島は日本のものだ」などと書き込まれたことへの「反撃」に出た可能性がある。
 メンバーの1人は同紙に「台湾のサイトは基本的にまひさせることができるが、日本のサイトは比較的強く、官邸サイトなどは攻撃後、数秒で回復してしまう」と述べたという。(共同)

◎ホスト国のもてなしどこへ行った、サッカー・アジア杯(2004年8月5日、産経新聞)
 スタジアムで国歌が聞こえない−。日本代表の海外遠征には何度も同行したが、厳粛な時間をここまでかき乱された経験は初めてだ。熱狂的サポーターを抱える韓国、イングランドでさえ国歌演奏の間は静寂が支配する。世界共通のマナーが中国には存在しなかった。(北京 榊輝朗)
 オマーン、タイ、イラン、ヨルダン。重慶での4試合に、ホスト国の心は感じられなかった。日本の対戦国が好機を迎えると大歓声を上げる。関心はサッカーではなく、日本の敗戦としか思えない。尖閣諸島の領有権を主張する横断幕が掲げられ、公安職員が撤去する一幕も何度かあった。
 ホスト国としての資格を疑わせる前兆は、7月17日の開会式からあった。スタジアムでの運営面の落ち度などを批判するブーイングが絶えず、一向に静まらない客席に閉口したアジアサッカー連盟(AFC)のピーター・ベラパン事務局長が「マナーがひどい。五輪が開催できるのか」と批判すると、ファンだけでなく北京市や大会関係者からも発言撤回を求める声が沸き起こりベラパン氏は謝罪している。こんなホスト国は前代未聞だろう。当局まで一緒になったことでファンの中のタガが外れたようだ。
 北京五輪を控え、政府もこれではまずいと思ったようだ。中国共産党の青年向け機関紙が行き過ぎた行動を批判、引き締めにかかり、済南では多少は鎮まった。だが、中国との決戦を控え、地元ファンはホスト国として振る舞うだろうか。
 4日付の中国共産党機関紙、人民日報は、日本代表について「日本もいいチーム」といった国民の声を紹介、中国各紙も日本の実力を「『二軍』で勝って決勝へ」(京華時報)などと評価する記事を掲載するなど、日本への配慮を見せた。だが同じメディアが2日、ジーコ監督にサッカーとは無関係の「領土問題」を質問し、場違いな取材で不興を買っている。
 サッカーは見る者を興奮させる。試合中のブーイングや大歓声は世界共通だが、2年前のW杯の日本でも今年開催された欧州選手権の開催地ポルトガルでも、他の国のサポーターへの温かいもてなしがあり、いずれも各国メディアに評価された。応援するサポーターに物を投げつけるファンのいる国が、同じ評価を得られるとは思えない。
 中国のスポーツ紙記者は、「大きな大会の開催に慣れていないことも要因だ」と弁明した。だが、ホスト国の心構えは、難しいことではない。
 「歴史的な問題はスポーツとは関係ない」「国歌が聞こえなくて歌えないのは不満だ」−。日本代表のジーコ監督や選手たちの要望に耳を傾け、配慮すれば、いい。
 決勝戦で、それができるか。五輪開催国のホスピタリティーを測るリトマス試験紙になる。

◎中国・上海電気集団、池貝を買収へ・技術開発力を取得(2004年8月4日、日本経済新聞)
 中国を代表する大手機械メーカーの上海電気集団総公司は工作機械の池貝(茨城県玉造町)を買収する方針を決めた。75%の株式を取得し、傘下に収める。中国企業にとって日本の製造業の優れた技術力や開発力は大きな魅力。豊富な資金力を生かした日本企業の買収が加速しそうだ。
 上海電気集団の関係者によると、池貝がまず今秋にも総額3000万円の第三者割当増資を実施し、資本金を4000万円とする。上海電気はその全額を引き受け筆頭株主になる。上海電気は池貝の事業拡大のため、段階的に数億円規模まで出資金を増やしていくという。

◎中国の毒ガス事故、旧日本軍兵器と判明、政府が遺憾の意(2004年8月3日、朝日新聞)
 中国の吉林省敦化市で7月下旬に発生した毒ガス事故について、外務省は3日、現地に派遣した調査団による調査の結果、旧日本軍が遺棄した化学兵器による事故だったことを明らかにした。高島肇久外務報道官名で、「極めて遺憾であり、被害者の方々に心からお見舞いを申し上げる」との談話を発表した。政府は今後、処理のための作業チームを現地に派遣する予定だ。
 外務省によると、事故は7月23日に発生。砲弾を発見した子供2人が、砲弾から流れ出た液体に触れて手足がただれたという。

◎旧日本軍の毒ガス問題で全国9カ所の地下水を追加調査(2004年8月3日、朝日新聞)
 旧日本軍がつくった毒ガスが各地に埋まっているとされる問題で、環境省は3日、今秋から全国9カ所で地下水調査をすると発表した。茨城県神栖町、神奈川県平塚市などに続く追加調査となる。
 同省が全国調査の結果を公表した昨年11月では、毒ガスの埋まっている場所が特定できなかったり、過去に毒ガスが発見されたが今も存在するかどうかが分からなかったりする地点が37カ所あった。このうち9カ所で、その後の情報などから場所が特定されたため、井戸などから水を採取して成分を分析することにした。同省では「毒ガスによる被害が出る可能性が高まったわけではない」としている。
 調査する場所は次の通り。
 北海道留萌市、水戸市、群馬県榛東村、千葉市、東京都新宿区、神奈川県横須賀市、新潟県五泉市、静岡県浜名湖周辺(細江町、三ケ日町、浜松市)、広島県大久野島(竹原市)

◎警官600人が村を封鎖、発砲で負傷か、中国(2004年8月3日、産経新聞)
 2日付香港紙、蘋果日報などは、中国河南省鄭州郊外の師家河村で先月末、地元農民による村幹部への抗議デモを防ぐため警官600人が村を封鎖、反発して人垣をつくった住民数千人にゴム弾や催涙弾を発砲したと報じた。頭に弾が当たるなどした4人が危険な状態という。
 同紙によると、農民から接収した土地代の不払いなど、村幹部の不正に住民の不満が日ごろから高まっており、デモ激化を恐れた村当局が7月31日未明に警官を派遣。住民数人を身柄拘束しようとしたところ、反発した住民数千人と対峙(たいじ)する形となり発砲したという。(共同)

◎広州新空港:5日に開業、香港などと競争激化へ(2004年8月2日、毎日新聞)
 北京、上海と並ぶ中国の3大空港として広東省広州に約4年がかりで建設していた新白雲国際空港が完成し、2日、省幹部らが出席して開港式典が行われた。5日に正式運用が始まる。
 輸送能力増強や乗り継ぎ簡便化を図り、拠点(ハブ)空港として設計された中国初の空港。これまでの建設費約200億元(約2800億円)は中国では過去最大で、旅客ロビーなども国内最大規模という。
 米国との間で民間航空の定期便増便を盛り込んだ新航空協定に7月に調印するなど中国の規制緩和が本格化する中、新空港はアジアのハブ空港としても存在感を増しそうで、香港など隣接空港との競争激化は必至だ。
 新空港の敷地面積は約15平方キロで現空港の約4倍。2010年までに旅客取り扱い能力を現空港の約3割増の年2500万人に、貨物取り扱い能力を約7割増の年100万トンに引き上げる計画。
 高成長が続く広州など華南地区の需要増を見越し、滑走路を開業時の2本から最大5本に増やすなどの設備拡張計画もある。新空港開業に伴い、現空港は廃止する。
 一方、貨物取扱量世界一の香港国際空港は、輸出貨物の大半が華南地区向けのため将来の地位低下への懸念を強めており、9月からの着陸費値引きを発表するなど影響回避に懸命となっている。(広州・共同)

◎17年ぶりに1元新紙幣を発行、偽造防止技術こらす(2004年7月31日、FujiSankei Business i.)
 中国の1元(約13円)紙幣が、1987年から17年ぶりに生まれ変わり、新札の発行が30日に開始された。
 表のデザインは、旧紙幣では少数民族の女性だったが、新紙幣では毛沢東主席の肖像に変わった。また、裏には浙江(せつこう)省・杭州(こうしゆう)にある名勝、西湖(せいこ)の風景が描かれている。
 中国各地で偽造紙幣が横行しているが、新1元札は紙の質を高めたほか、蘭の花の透かしや、精密な肖像画、2色刷りの通し番号など偽造防止技術の粋をこらした。印刷技術の向上で、毛主席の肖像は凹凸がはっきりし、手触りもよいという。サイズは横130ミリ、横63ミリで、旧紙幣に比べて横が10ミリ短くなった。
 100元、50元、20元、10元、5元の紙幣は1999年10月に切り替わり、表の肖像はすべて毛主席が採用されている。新1元紙幣の登場で中国のお札は毛主席の顔で統一された。



◎香港:2階建て路面電車、開業100周年(2004年7月30日、毎日新聞)
 【香港・成沢健一】香港市民の足として親しまれている2階建て路面電車(トラム)が30日、開業100周年を迎えた。雑然とした下町から高層ビルが並ぶオフィス街と変化に富む香港島北部の約30キロを東西に走り、レトロな雰囲気を漂わせながら1日平均24万人を運んでいる。
 トラムは、1904年7月30日に英国製の1階建て車両26両で開業した。輸送力を増強するため、12年に2階建て車両を導入した。
 トラムを運行させる民間会社「香港電車公司」は現在、163両を保有しており、最も古い車両は49年に製造された。00年から新型車両も導入したが、この車両も含めてエアコンは設置されていない。
 80年代に並行する路線で地下鉄が開業し、利用者は一時減少した。しかし、地下鉄の半額以下の一律2香港ドル(約28円)という安さと約200メートルごとに駅がある便利さで、共存を図ることに成功している。

◎中国の貧困層は8500万人、貧富の格差が一段と拡大(2004年7月30日、産経新聞)
 中国国務院(政府)の専門家グループなどの29日までの調べで、年収637元(約8500円)以下の「極貧層」が昨年、80万人増加し2900万人となり、極貧層に転落する危険が高い「貧困層」も5600万人いることが分かった。
 計8500万人が1年を1万円前後で生活していることになり、急速な経済発展を続ける中国で貧富の格差が一段と拡大している実態が明らかになった。
 同グループによると、政府が「温飽」(何とか食べていける暮らし)とする極貧層が増加に転じたのは1978年に始まった「改革開放」後、初めてという。80〜90年代は年間600万人が極貧から脱していたが、2001、02年は200万人未満に低下。昨年は逆に河南、安徽、陝西、黒竜江の4省で計約200万人が貧困に転落した。
 一方、米証券会社の調べでは、中国で100万ドル(約1億1000万円)以上の資産を有する富裕層は23万6000人。1000億円の資産家もいるとされる。
 貧困層に対する国、民間、国際機構からの援助金は毎年計300億元に上っており「平等分配すれば年収1000元を超す」(中国紙)として官僚の資金流用などを批判する声が上がる一方、農村問題の専門家は「貧困地区の発展には時間と金がかかる」としている。(共同)

◎中国の高速鉄道入札、独社脱落で日仏の一騎打ちへ(2004年7月29日、読売新聞)
 【北京=東一真】川崎重工業、三菱商事、日立製作所など日本の6社連合が新幹線車両の受注を目指している中国の在来線高速化事業について、中国政府は28日、200編成(1編成=8両)の高速車両の入札を実施した。
 1000億円規模の巨大入札で、日本連合のほか、フランスの高速車両TGVを製造するアルストム社など計3グループが応札した。入札参加が確実視されていた独シーメンス社は提携する中国企業を探すことができずに脱落し、事実上、日仏の一騎打ちとなる。
 落札結果は早ければ今月中に明らかになる見通しだ。
 今回の入札は、海外企業と中国企業が共同で応札するルールとなっている。
 日本連合6社は、中国の大手鉄道車両メーカー「南車四方機車車両」(本社・山東省青島市)と組んで、JR東日本の新幹線車両「はやて」をベースにした車両で応札した。

◎中国の鉄道時速200キロ化事業、新幹線車両に可能性(2004年7月29日、朝日新聞)
 中国鉄道省は28日、国内在来線の旅客列車高速化で使う車両の入札を実施した。川崎重工業、日立製作所など日本企業6社は、提携先の「南車四方機車車両」(山東省青島)を通じて応札しており、今後鉄道省による決定を待つ。日本側は、東北新幹線の「はやて」をもとにした最新型を南車四方に技術供与して現地生産させる意向で、日本の新幹線車両の大陸進出が現実味を帯びている。
 今回の鉄道高速化は、北京―瀋陽(遼寧省)など五つの主要幹線の計2000キロで、来年から最高時速200キロによる走行を目指している。足りない技術を外国企業から導入して国内企業に生産させるのが中国政府の方針だ。独シーメンスと提携した「長春軌道客車」(吉林省長春)も応札した模様で、事実上日独の争いだが、規模が大きいため双方に配分する可能性がある。
 「はやて」型は技術上は時速350キロ走行も可能。日本企業側は、今回の高速化事業と別に計画されている北京―上海間高速鉄道での受注も視野に入れている。

◎覚せい剤:日本人の女に禁固25年判決、香港高裁・麻薬持ち出しで(2004年7月28日、毎日新聞)
 【香港・成沢健一】香港の高等法院(高裁)は27日、覚せい剤4.8キロを香港から持ち出そうとしたとして、日本人の女(44)に麻薬密売罪で禁固25年の実刑判決を言い渡した。中国本土や香港では昨年3月から、覚せい剤を大量に持ち出そうとした日本人が逮捕されるケースが相次いでおり、このうち1人が遼寧省瀋陽の裁判所で死刑判決を受けている。
 判決などによると、この女は昨年7月、香港国際空港から日本に向かおうとしていたところ、二つの買い物袋にそれぞれ2.4キロの覚せい剤を所持しているのを捜査当局に発見された。一緒にいた日本人の男(35)も起訴されており、今月30日に判決が出る。

◎覚せい剤密輸図った邦人女性、香港で25年の実刑判決(2004年7月28日、読売新聞)
 【香港=関泰晴】香港の高等法院は27日、覚せい剤を日本に運ぼうとして薬物密売などの罪で逮捕・起訴されていた日本人女性(44)に対して、25年の実刑判決を言い渡した。懲役刑か禁固刑かは、刑確定後、言い渡される。
 判決などによると、女性は香港国際空港で昨年7月に手荷物の中に「アイス」と呼ばれる中国製の覚せい剤約5キロを所持していたところを見つかり、一緒にいた日本人男性(35)とともに警察当局に逮捕されていた。
 押収された覚せい剤は、香港の市場に出回れば170万香港ドル(約2400万円)で取引されるとみられ、日本での末端価格は2億3000万円に達する。香港の警察当局は、中国―香港を経由して、日本に向かう覚せい剤の密輸ルートの捜査を進めていたという。

◎日本人の女に25年の実刑判決、覚せい剤密輸で香港(2004年7月28日、産経新聞)
 香港の高等裁判所は27日、覚せい剤密輸の罪に問われた日本人の女(44)に25年の実刑判決を言い渡した。懲役刑か禁固刑かは刑の確定後に裁判所が決める。
 判決によると、女は日本人の男(35)とともに昨年7月、香港国際空港から「アイス」と呼ばれる覚せい剤約5キロを日本へ密輸しようとした。
 2人は観光名目で3泊4日の日程で香港を訪れていた。男も起訴されており、30日に判決が言い渡される。2人の氏名や職業は明らかになっていない。
 当局が押収した覚せい剤の取引価格は170万香港ドル(約2400万円)で、日本では約9倍の価格になるという。(共同)

◎覚醒剤所持の日本人女性に25年の有罪判決、香港(2004年7月28日、朝日新聞)
 28日付の香港各紙によると、香港の高等法院(裁判所)は27日、日本人の元旅行会社員、甲斐豊洋子(かい・とよこ)被告(44)に覚せい剤所持・運搬の罪で懲役25年の実刑判決を言い渡した。
 甲斐被告は昨年7月5日、香港から日本へ帰る際、香港国際空港で、「アイス」と呼ばれる覚せい剤4・8キロを菓子の袋に入れて持ち出そうとしたところをもう1人の日本人男性とともに警察に逮捕された。
 公判で甲斐被告は「荷物の中に覚せい剤が入っていたことを知らなかった」などと釈明したが、裁判官は「観光やショッピングにも行った形跡がなく、往復に別々の航空会社を使うなど、計画性は明らか」と退けるとともに、「この事件を通じて、香港政府が薬物犯罪にきわめて厳格であることを香港と日本の社会に知ってもらいたい」と述べた。

◎また大規模な赤ちゃん売買、中国・内モンゴル(2004年7月28日、産経新聞)
 新華社電(電子版)によると、中国の内モンゴル自治区フフホト市で27日までに、赤ちゃん76人を売買した犯罪組織が摘発され、医師ら病院関係者を含む計102人が警察に拘束された。
 報道によると、赤ちゃんは生後2時間から5日。主犯グループが病院当局者を通じて男児を7000〜8000元(約9万3000〜約10万6000円)、女児を1000〜2000元で買い、河南省などで男児を1万〜1万3000元、女児を4000元で売っていた。農村からの出稼ぎ者が困って売ることを希望するケースが増えているという。
 広西チワン族自治区では23日に赤ちゃん118人を売買したとして主犯格6人に死刑判決が言い渡されている。(共同)

◎わいせつHP700件閉鎖、中国(2004年7月28日、産経新聞)
 27日の新華社電によると、中国公安省が今月16日から実施したインターネットのわいせつホームページ(HP)取り締まりで、25日までの10日間に全国で700件近いHPを閉鎖、関係者計224人を拘束した。
 中国は6月末時点のネット利用者が前年より28%増え8700万人に上り、利用者数で米国に次ぐ「ネット大国」となったが、わいせつHPも急増。同省担当者は「有害情報がはんらんする勢いを食い止めることができた」と取り締まりの成果を誇っている。(共同)

◎炭鉱内でガス、16人死亡、中国・湖南省(2004年7月27日、産経新聞)
 新華社電によると、中国湖南省漣源市の炭鉱で26日、ガス噴出事故が発生、同日夜までに坑内にいた作業員16人の死亡が確認された。炭鉱は無許可操業で監督当局から操業停止を命じられていた。
 中国では炭鉱事故が相次いでおり、今年上半期は2644人が死亡している。(共同)

◎旧日本軍の毒ガス使用に関する史料公開、日本防衛庁(2004年7月27日、人民日報ニュース)
 日本メディアの報道によると、日本の防衛庁が26日、第2次大戦中の旧日本軍の活動を記した歴史資料を公開した。旧日本軍が中国の山西省で殺傷力の高い毒ガス、イペリットガス(マスタードガス)を使用した詳細な内容が記載されている。
 今回公開された歴史資料は「冬季山西粛正作戦戦闘詳報」。記載内容によると、1942年2月6日、中国山西省で「三光政策(殺し尽くす、奪い尽くす、焼き尽くす、の意)」を展開していた第1軍の弘前・歩兵第36師師団長が、重要施設を発見した場所でイペリットガスを使用するよう命令した。命令を受けた歩兵第224連隊長は直ちに毒ガス戦特殊兵を含む3隊を派遣し、同月20日と21日、当時の中国共産党八路軍の本拠地10カ所で「黄剤(きいざい)」と呼ばれるイペリットガスを使用した。作戦の実行地点と毒ガスの使用量についても詳細に記載されていた。
 旧日本軍が中国侵略戦争で化学兵器を使用したことを記す資料は、1983年に米国国立公文書館で発見されている。資料の中では「黄剤」の使用は「撒毒」と表記され、冬季山西粛正作戦に関する記載もみられるが、部隊番号や指揮官など詳細が書かれた戦争史料が公開されるのは今回が初めて。

◎中国で赤ん坊売買組織摘発、6人死刑・5人無期(2004年7月26日、読売新聞)
 【北京=藤野彰】中国広西チワン族自治区で他省にまたがる大掛かりな赤ん坊売買ネットワークが摘発され、23日、犯罪にかかわった被告51人に死刑、無期懲役を含む有罪判決が下された。
 被告の中には産婦人科の医師、看護師11人も含まれており、赤ん坊が産院から直接、買い取り人に売り渡され、さらに仲買人を通じて全国各地に転売されていく実態が明らかになった。
 25日付の中国紙「北京晨報」が掲載した新華社のルポによると、主犯格の被告のうち6人が死刑、5人が無期懲役の判決を受けた。このネットワークを通じて売買された赤ん坊は計118人。犯罪に関与した医師、看護師は、女の赤ん坊を産んだ女性が「育てたくない」と言った場合、赤ん坊1人につき100〜200元(1元=約13円)で買い取り人に売り渡していた。赤ん坊は仲買人を経て最終的に2000〜3000元で売られたという。
 赤ん坊は睡眠薬を飲まされた上、布で手足を縛られ、袋に入れられて安徽省などに搬送。輸送に使われた長距離バスから1度に28人の赤ん坊が見つかったことがあったが、全員が女児で、1人はすでに死亡しており、生まれてまだ数日の赤ん坊もいたという。
 中国の農村部では男尊女卑の伝統的観念がまだ根強く残っており、女児を中心に人身売買する犯罪の土壌となっている。

◎赤ちゃん118人を売買、中国、主犯格6人に死刑(2004年7月26日、産経新聞)
 中国広西チワン族自治区玉林市の中級人民法院(裁判所)は25日までに、赤ちゃん118人を売買した犯罪グループの主犯格6人に死刑(うち4人は執行猶予2年)、45人に無期懲役から懲役1年6月の判決をそれぞれ言い渡した。
 判決によると、犯罪グループは2001年から同市一帯で赤ちゃんを誘拐したり、医療関係者から買ったりして、河南省や安徽省などで売買していた。移動の際に泣きださないように睡眠薬を飲ませ死亡させたケースもあった。
 関与した医療関係者は赤ちゃん1人につき100〜200元(約1300〜2600円)を受け取っていたという。中国紙によると、売買された118人の赤ちゃんの多くが女の子だった。
 昨年3月に同自治区で赤ちゃん28人の売買事件が発覚したことをきっかけに警察当局が捜査を開始した。
 中国は1980年代から産児制限策「一人っ子政策」を実施。農村で働き手として男の子が重宝される傾向があり、政府は人身売買の増加に懸念を強めている。
 中国では、近年、男児数が女児を大幅に上回るようになっている。(共同)

◎赤ちゃん118人売買で死刑、中国で6人、5人は無期(2004年7月26日、朝日新聞)
 25日付の北京紙「晨報」によると、中国南部・広西チワン族自治区玉林市の裁判所で23日、赤ん坊計118人を売買していた医療関係者ら52人に対する判決公判があり、6人に死刑(4人は執行猶予2年)、5人に無期懲役が言い渡された。
 ほかの被告にも1人を除いて、1年6カ月以上の有罪が言い渡された。昨年3月、大型バスの中から旅行用バッグに詰め込まれた女の赤ん坊28人(1人死亡)が見つかったことから密売組織が明るみに出た。赤ん坊は玉林市の病院などから現地の住民らに売られ、さらに安徽省などに運ばれていた。
 被告52人のうち11人が医師や看護師。ある病院は、母親が育てたくないという女の赤ん坊を100元(1元は約13円)から200元で売り渡していた。安徽省などで買い手は2千〜3千元を払っていたという。
 中国の農村部には、働き手として男児を好む伝統が残っており、こうした売買に影響していると見られる。
 一方、ラヂオプレスが24日の中国中央テレビの報道として伝えたところによると、内モンゴル自治区の公安局はこのほど、赤ん坊売買の容疑で102人を逮捕した。生まれて間もない76人を北京などで売っていたという。

◎中国、台湾海峡の制空権確保想定した演習実施へ(2004年7月23日、産経新聞)
 23日付中国系香港紙、文匯報は、中国福建省南東部の東山島に展開していた中国人民解放軍が近く、台湾海峡の制空権確保を想定した陸、海、空軍合同の軍事演習を始めると報じた。中央軍事委員会の幹部も福建入りするという。
 演習については上海紙、外灘画報が、今月中旬に始まったと伝えているが、正確な情報は確認されていない。
 文匯報によると、1996年に始まった福建省での恒例の演習で、台湾海峡の制空権確保を想定するのは初めて。合同演習に先立ち地元の福建軍区が現場周辺で22日、地元予備役らと補給訓練などを実施、1万人以上が参加したという。(共同)

◎新型肺炎隠しの告発者を拘束、洗脳も?香港紙報道(2004年7月23日、読売新聞)
 【香港=関泰晴】22日付の香港英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、消息筋の話として、昨年、中国当局による新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)患者隠しを告発した元軍医・蒋彦永氏が、先月初旬から今月中旬まで当局に拘束され、思想改造を行う「洗脳工作」を受けたと報じた。
 蒋氏は、患者隠し告発のほか、今年3月には、1989年の天安門事件の再評価を求める意見書を公開。事件15周年の6月4日を前に行方不明となり、その後、当局に拘束されていたことが判明した。同紙によると、蒋氏は今月中旬に解放されるまで、毎日9時間にわたって、「思想改造」を受けた。

◎日本のEES内で中国船の調査急増、抗議の効果なし(2004年7月22日、読売新聞)
 日本の排他的経済水域(EEZ)内での中国の海洋調査活動が今月に入って急増している。海上自衛隊は21日、今月10回目の違反行為を確認した。現在、東シナ海と沖ノ鳥島周辺で3隻の中国船が並行して海洋調査を繰り広げている。
 いずれも、日本政府への事前通報はなく、政府は両国政府が合意した事前通報制度や国連海洋法条約に違反しているとして、中国への抗議を繰り返しているが、効果は上がっていない。
 海上自衛隊第1航空群(鹿屋基地)所属のP3C哨戒機は21日午後2時15分ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島の西方約37キロの日本のEEZ内で、中国海軍のヤンライ級測量艦「東測226」が海洋調査と見られる活動を行っているのを発見した。
 日中両政府が合意している「事前通報」のない調査で、外務省は同日、外交ルートを通じて中国政府に抗議した。細田官房長官も記者会見で「大変遺憾なこと。国際的に当然、常識的な線がある。強い抗議をしていかなければならないと思っている」と述べた。
 日中両国は、東シナ海の相手国EEZ内で海洋調査を行う場合、2か月前までに調査主体や内容を事前に相手国に通報することを合意している。東シナ海以外のEEZは日中双方が加盟している国連海洋法条約の適用対象で、6か月前までに調査国(中国)が沿岸国(日本)に申請し、同意を得ることになっている。
 今年初めからこれまでに海自は計26回の調査活動を確認している。しかし、中国はそのいずれも事前通報制度や同条約に定める通報をしなかった。違反調査の件数は昨年1年間の8件と比べてはるかに多く、近年で最も多い1999年(33件)を上回るペースとなっている。
 日本政府は抗議を繰り返しているものの、「中国からはほとんど無視されているに近い状態だ」(政府関係者)という。
 中国船の活動が活発なのは、東シナ海での日中のEEZの境界を定めた中間線に近い南西諸島の尖閣諸島付近と、沖ノ鳥島の西方から南方へ至る広い海域だ。東シナ海では「東測226」が先月25日ごろから調査に入った。沖ノ鳥島方面では国家海洋局所属の「向陽紅9号」が今月12日から、海軍測量艦「南調411」が今月6日から、それぞれ活動しているのが確認されている。
 中国側の狙いについて防衛庁は「資源獲得と軍事の2つの目的がある」(幹部)としている。また、専門家からは、「尖閣諸島の領有を主張する中国が東シナ海を自国のEEZと見なし、資源確保の主導権を握ろうとしている」との見方が出ている。

◎中国、海洋資源開発を加速、周辺国との摩擦不可避(2004年7月18日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】「海洋強国」建設を国家戦略の一つに掲げる中国が、海洋資源獲得に向けた動きを加速している。石油・天然ガスなどの資源増産が、最優先の国家目標である経済成長を続けていく上で欠かせないためだ。
 東シナ海の日中中間線近くで中国が進める天然ガス田開発は、日中間の新たな懸案になった。中国の動きが、今後も周辺国との摩擦を生むことは、避けられない見通しだ。
 東シナ海での日中間摩擦がすでに表面化していた6月下旬、温家宝首相は関係機関に対し、海洋資源などの探査・開発をいっそう強化するよう指示した。
 共産党機関紙・人民日報が発行する国際問題専門紙「環球時報」によると、昨年時点で、計25の海上油田・ガス田で開発が進んでおり、石油年産量は2000万トン以上に達しているという。温首相の指示は、この動きをさらに加速させる国家意思の表明といえる。
 そのための準備も、かなり整った模様だ。
 中国はこれまで、尖閣諸島周辺の東シナ海や、ベトナム沖の南シナ海など、近隣国を刺激する海域も含む近海で、資源の本格的開発の前提となる綿密な海洋調査活動を進めてきた。
 科学技術省系の月刊誌「中国科技財富」によると、中国が「管轄海域」で行った全面的な海洋地質調査により、今年初めまでに351億トン〜404億トンに上る石油・天然ガスがある可能性が判明したという。
 中国のエネルギー事情は、高度成長が続くにつれ、厳しさを増している。2003年は石油輸入が9000万トンを突破し、今年は1億2000万トンを超える見通しだ。中国地質科学院の予測では、石油輸入量は2020年に約5億トンに達し、輸入依存度は約70%となる。エネルギー安全保障上の理由で、自給率低下をなるべく抑えたい中国にとって、陸上の石油開発が頭打ちの現状では、海洋での石油・天然ガス増産が急務だ。
 エネルギー安全保障は、資源輸送でも極めて重視されている。「環球時報」は14日、現在90%に上る外国タンカーへの依存度を、5年以内に70%程度にする見通しだと伝えた。
 海洋資源開発の事実上の“後ろ盾”となる海軍は、遠洋作戦能力の向上を目指している。熊光楷・副総参謀長は今年、「当面、空母をもつ計画はない」と語ったとされる。外交筋の間では、「将来的には、空母戦闘群の創設が中国の視野に入っていることは間違いない」との観測も出ている。

◎中国GDP:第2四半期の成長率は9.6%、高水準を維持(2004年7月16日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国国家統計局は16日、04年第2四半期(4〜6月)の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比9.6%になったと発表した。投資の減速により、第1四半期(1〜3月)の9.8%を下回ったが、昨年7〜9月期から4四半期連続で9%台の高い伸び率が続いている。上半期の実質成長率は9.7%。
 過剰投資による景気の過熱感は強く、中国政府は昨年来、一連の引き締め策を継続している。統計局は「経済運営の中で不安定、不健全な要素は、第1段階において抑制された。全体的に見て経済運営は良好で、国民経済の穏やかで比較的ペースの速い成長を引き続き保持できる条件は整った」と、今後の経済運営に自信を示した。しかし、中国政府の成長率目標である年平均7%を大幅に上回っており、“ソフトランディング(軟着陸)“に向けて慎重な経済運営が求められそうだ。
 国内需要は、政府と企業を合わせた上半期の固定資産投資が28.6%増と、第1四半期の43.0%に比べ第2四半期になって減速していることを示した。上半期の消費財小売総額は12.8%増で、個人消費は好調を持続している。工業生産は11.9%増だった。
 上半期の貿易は、輸出が35.7%増の2581億ドル、輸入は42.6%増の2649億ドル、貿易収支は68億ドルの赤字だった。ただ、1〜4月の4カ月連続赤字から、5、6月は2カ月連続で単月では黒字に転じた。過剰投資業種だった鉄鋼などへの投資抑制策が影響したとみられる。
 消費者物価は3.6%上昇し、インフレへの懸念は依然として高まっている。

◎台湾にらんで中国軍が演習へ、部隊集結、緊迫増す(2004年7月16日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国軍が台湾の陳水扁政権をにらんで陸海空3軍の合同軍事演習を実施する福建省の東山島では、部隊の移動が地元住民に目撃されるなど準備が最終段階に入っている模様だ。
 中国紙「チャイナ・デーリー」も軍事筋の話として、「演習実施は今月後半で、最終的な日程は天候次第」と報じており、緊迫感が強まっている。
 東山島にある元豊ホテルの女性従業員(21)は本紙の電話取材に対し、「12日午前、東部の第2職業中学校で軍隊が駐屯しているのを目撃した」と興奮した様子で語った。また、秀東ホテルの20歳代の女性従業員は「通行証がない一般庶民は演習を直接見ることができない。ここ数日は、部隊が移動するのを見た」という。
 電力関係の会社に勤める男性(23)も「海岸沿いに大規模な部隊が展開している」と証言した。地元住民の話を総合すると、演習は東山島の市街地から約8キロ離れた東部湾岸一帯で行われるものと見られる。
 15日付の中国紙「中国青年報」は、今回の演習期間は1週間で、参加人数は1万8000人以上に上ると伝えた。同紙によると、1996年以来続けてきた同演習の主要目的は、〈1〉部隊の合同作戦能力向上と訓練成果の検証〈2〉中国軍に台湾問題を武力解決する能力と自信があることを「台湾独立」勢力に示す〈3〉台湾問題の解決が中国の内政で、外国勢力が決して介入してはいけないことを世界に知らせる、の3点にあるという。
 今回は、台湾海峡の制空権獲得が最大目的で、空軍が主要な役割を果たすほか、陸軍ミサイル旅団や第2砲兵(戦略ミサイル部隊)なども参加するという。
 具体的な演習内容は、上陸作戦や封鎖、対地攻撃、パラシュート降下、空母や巡航ミサイルに対する反撃など幅広い項目にわたっている。

◎日本人ボス中国で逮捕、「日本警察には捕まらぬ」豪語の日中強盗団(2004年7月16日、産経新聞)
・国際手配、中麻薬密輸容疑など
 【北京=野口東秀】中国・大連市の日本総領事館は十五日、広東省深セン市で、覚醒(かくせい)剤三・一キロを所持していた日本人男性(六一)が麻薬密輸容疑などで逮捕されたことを明らかにした。男性は三十人の日本人、中国人を配下に、平成十四年に日本の一都六県の資産家宅を狙い約十億円の緊縛強盗を起こした「日中混成強盗団」のリーダーとして国際指名手配中の武田輝夫容疑者とみられる。
 中国紙「南方都市報」などによると、男は六月十八日、深セン市内のホテルの部屋で配下とみられる中国人三人とともに逮捕された。昨年七月に遼寧省大連市などで連続麻薬密輸事件が発生。大連空港などから覚醒剤を日本に密輸しようとして逮捕された日本人運び屋に対する捜査過程で男の関与が浮上し、十カ月間にわたる内偵捜査の末に逮捕した。
 男の中国での逃亡生活は「中国人連続強盗団」(講談社)で描かれており、「日本の警察には捕まりませんよ」「日本で強盗は約三十件約十億円」と話していたという。
 外交筋によると、男は日本での犯行後、犯罪人引き渡し条約が結ばれていない中国へ逃亡、すでに昨年三月時点で覚醒剤の密輸に関与していた。
 男は旅券を所持しておらず、中国側は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて最終的な身元確認を急いでいる。
 武田容疑者が率いた日中混成強盗団による事件は平成十四年から東京、愛知、滋賀、和歌山、福岡、大分、福井などで計十数件発生。全国で計十人以上が逮捕されている。日中混成強盗団は、日本の暴力団関係者が、資産家の情報を中国人側に流していたことが特徴の一つ。中国人が実行犯役として事件ごとに離合集散し、粘着テープで被害者を縛る手口が多い。

◎中国の麻薬常用者105万人、対日密輸など顕著に(2004年7月15日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】中国公安省の楊鳳瑞・薬物対策局長は14日、記者会見し、昨年、中国の麻薬常用者が約105万人に達したほか、国内での覚せい剤製造・販売の増加で「日本など海外への密輸も顕著になっている」と指摘した。
 同省によると、中国で昨年摘発された違法薬物事件は約9万4000件。約6万3700人を拘束し、ヘロイン約9.5トン、覚せい剤約5.8トン、合成麻薬のMDMA(通称エクスタシー)約41万錠を押収した。
 中国では近年、ディスコなどを中心に若者の合成麻薬使用が広がっており、麻薬常用者約105万人のうち35歳以下が約72%に上る。都市部の失業者層、農村部の貧困層などでも使用が拡大しており、麻薬汚染の実態は統計を大きく上回るものとみられる。また、中国のHIVウイルス感染者約84万人のうち半数の55.3%が麻薬注射による感染とされ、社会安定の一大脅威となっている。
 一方、遼寧省瀋陽市で今年2月、60歳代の日本人男性が麻薬密輸罪で執行猶予の付かない死刑判決を受けるなど、対日密輸が次々明らかになっている。
 楊局長は、密輸の総量は不明としながらも、「日本は巨大な市場だ」と指摘。「容疑者が国籍によって優遇されることはあり得ない」と強調し、麻薬に関与すれば外国人でも国内法に基づき厳罰に処す姿勢を示した。

◎中国の空爆想定し軍事演習、台湾で25年ぶり発着訓練へ(2004年7月14日、産経新聞)
 中国が今月、台湾の制空権確保を想定した大規模演習を計画しているのを受け、台湾国防部(国防省)は14日までに、中国の空爆を想定した演習を21日に行うことを決めた。
 演習では、中国の攻撃で空軍基地が破壊された場合を想定して高速道路を滑走路代わりに戦闘機を発着させる訓練が1978年10月以来、25年ぶりに行われるなど、軍事圧力を強めている中国人民解放軍に対抗する姿勢をみせている。
 国防部は2006年以降、中国が限定的な軍事行動を起こす可能性があると分析しており、台湾海峡を挟んで双方が今後、軍事色を前面に出した対抗姿勢を強める恐れがある。
 中国は台湾の制空権確保を念頭に今月、人民解放軍の陸海空三軍合同の大規模軍事演習を計画。具体的な日程は不明だが、福建省南東部の東山島での演習を予定している。同島は台湾・澎湖諸島に近く、地形的にも台湾西岸と似て上陸作戦訓練に適しているとされる。
 米国防総省は5月末、中国の台湾向けミサイルが昨年より50基増え、500基になったとの報告書を発表、中国の軍事的脅威を強調した。
 一方、台湾は今後15年間で米国製最新鋭地対空誘導弾パトリオット(PAC3)発射装置6台、ディーゼル潜水艦8隻、P3C対潜哨戒機12機を購入する予定で、計6108億台湾元(約2兆円)の特別予算を組む方針を決めた。
 蔡明憲・国防副部長(副大臣)は、陳水扁総統の「独立志向」を警戒する中国が06年以降、軍事威嚇行動に踏み切る恐れがあるとする一方、米国が台湾に巡航ミサイルなど攻撃用武器を供与する可能性もあると指摘した。(共同)

・中国3軍合同演習
 中国人民解放軍の陸、海、空軍合同の大規模軍事演習で、毎年実施される。今回は7月中に福建省南東部の東山島での演習を予定。同島は台湾・澎湖諸島に近く、台湾西岸と似た地形で上陸作戦に適しているといわれ、中国軍は1996年から8回の大規模演習を行った。今回は台湾の制空権確保という「積極的な攻撃」を想定した内容とされる。(共同)

◎10年後に20%が嫁不足、中国の男女人口差深刻(2004年7月12日、産経新聞)
 新華社電によると、中国国家人口計画出産委員会の張維慶主任は12日までに、中国の9歳未満の男児人口は女児より1277万人も多いとの最近の統計を明らかにし、このままでは10年後に適齢期男性の20%が嫁を見つけられない事態になると警告した。
 中国全体の男女比率は、2000年の人口調査で女性100に対して男性119.92。近年は子供の男女比のアンバランスが目立っているという。
 原因について張主任は(1)農村の主要労働力は男(2)伝統的に男が両親の面倒を見ると考えられている(3)男女の社会的地位の不平等−の3点を挙げ、さらに男女の産み分け技術の向上も影響を与えていると分析した。
 張主任は、この傾向が続けば深刻な結婚問題だけでなく、人身売買などの犯罪を引き起こす恐れもあるとして早急な対策の必要性を強調。同委員会が女児を育てる家庭の支援策を検討中であることを明らかにした。
 現在は広東省や雲南省の一部地区で試験的に、女児のいる家庭に補助金を支給する制度を始めたという。(共同)

◎中国、鄭和にあやかり「海洋大国」の威信をアピール(2004年7月12日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】中国が明時代の武将・鄭和(1371〜1434年ごろ)の大航海開始600年を記念した博覧会開催を予定するなど一大キャンペーンに乗り出している。
 「海洋大国」としての威信をアピールし、中国の将来を左右する海洋権益に対する国民の関心を引きつける狙いがありそうだ。
 鄭和は1405年7月、永楽帝の命で初の航海に出発し、1433年まで7回の航海で東南アジアからインド、アフリカ東海岸に到達。南海貿易の活発化をもたらした。英国の学者が「コロンブスより早く米大陸に到達した」との学説を唱えるなど、中国の海洋進出の象徴と言える存在だ。
 来年は大航海開始から600年に当たり、中国は外務省など15の国家機関が記念活動準備委を結成。来年、北京で鄭和の記念大会や展覧会、上海で国際海洋博覧会を開く。記念貨幣や記念切手発行も計画しており、歴史上の人物としては、突出した“てこ入れ”ぶりだ。
 中国は近年、最優先の国家目標である「持続的な発展」を維持するため、新たな海洋開発を戦略に掲げている。特にエネルギー確保の観点から、海洋資源開発は焦眉の課題だ。尖閣諸島や沖ノ鳥島周辺での中国船の違法な調査活動や、東シナ海における天然ガス田開発もこうした流れの中にある。
 中国政府は記念事業のスローガンとして「熱愛祖国」を第一に掲げており、「海洋=国益」とのイメージを国民に醸成する意図も込められていそうだ。

◎中国製品に偽JISマーク、取り締まり要請も効果なし(2004年7月9日、読売新聞)
 【北京=東一真】日本工業規格(JIS)マークや、資源有効利用促進法に基づく分別回収のための「プラ・マーク」などを勝手に付けた商品が中国で出回り、日本政府が対応に頭を痛めている。
 中国内で販売される商品に表示している限りは、法には触れず、取り締まりが難しいためだ。特に品質保証の印であるJISマークなどは「不当表示が広がったら権威が落ちる」(経済産業省筋)懸念があり、政府は中国に対応を要請した。
 ニセのJISマークが最初に見つかったのは今年3月。日本製品の模倣品であるブレーキ・オイルのパッケージに表示があった。JISマークは日本の工業標準化法に基づく品質保証の表示で、品質管理などで一定の基準を満たす工場を日本政府が認定し、製品にJISマークの表示を許可している。海外工場についても認定しているが、発見されたブレーキ・オイルの製造工場は認定を受けていなかった。
 日本国内では、不当にJISマークを付けた事業者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処すことができる。また、不当表示の製品が日本に輸入された場合には、税関で差し押さえることができる。
 ところが、中国国内で不当表示しても、日本の法律を適用できない。JISマークは、企業のロゴ・マークと異なり「商標」ではないため、知的財産権の侵害にもあたらない。盲点を突かれた形の経産省は、5月に中国商務省に取り締まりを要請したが、現在まで、具体的な対応策は示されていない。
 一方、中国で製造販売されている菓子の容器に、日本政府が資源有効利用促進法に基づいて定めた「プラ・マーク」や、「紙マーク」を付けた商品も出回っている。これらのマークは、日本で分別回収する際、包装・容器の素材を示すために表示を義務づけているが、中国国内ではまったく意味がないマークだ。
 中国では、人気の高い日本製品に見せかけるために、「サクサクした繊維を豊富に含有」などの日本語をパッケージに表示する商品が増えており、プラ・マークなどの表示も、日本製品に見せかけたり、かっこよく見せたりするための手法と見られる。
 こちらはJISマークと違って品質保証を意味しないため、経産省は特に中国政府に対応を要望していない。ただ、中国国内でまったく意味をなさないマークを放置すれば、中国の消費者を混乱させる恐れがあるほか、模倣品や海賊版を大量に生み出す「ニセモノ文化」の風土を助長することにもなりかねない。中国政府自らの対応が問われそうだ。

◎バイアグラ特許、中国で取り消し・米ファイザー反発(2004年7月8日、日本経済新聞)
 【ニューヨーク=篠原洋一】米ファイザーは7日、中国政府が同社の主力製品であるぼっ起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の特許を取り消したことを明らかにした。特許が期限切れ前に取り消されるのは極めて異例。中国政府は取り消しの理由などを近く正式に公表する見通し。同社は納得できないとして決定見直しを訴えていく方針だ。
 同社はバイアグラの中国での特許を2001年に取得した。すでに多数の偽造品が出回っているとされ、特許取り消しで正規の後発医薬品が相次ぎ発売されるのは確実。今回の取り消し決定は米医薬大手の中国戦略にも影響を与えそうだ。

◎中国政府がバイアグラの特許取り消し、米欧は報復も(2004年7月8日、産経新聞)
 8日付の英フィナンシャル・タイムズ紙(アジア版)によると、中国政府は7日、米医薬品大手ファイザーに与えていた性的不能治療薬「バイアグラ」の成分特許を取り消す決定を下した。
 同社は抗議する構えで、北京在住の外交官は同紙に対し、米国と欧州連合(EU)が中国への報復措置を検討する可能性もあると述べた。
 中国では外国医薬品の偽造品が出回っており、バイアグラのケースは、医薬品の知的所有権保護についての中国政府の姿勢を見極める試金石とみられていた。
 中国政府は2001年、ファイザーに対し、バイアグラの有効成分「クエン酸シルデナフィル」の特許を認可したが、中国の医薬品会社連合は特許の無効化を申し立てていた。
 中国のバイアグラ市場は年商約10億元(約130億円)に達するとみられ急拡大中。特許取り消しにより、中国製の“正規後発医薬品”が出回ることになりそうだ。(共同)

◎盧溝橋事件記念日、中国、抗議デモ禁止(2004年7月8日、産経新聞)
 【北京=福島香織】今年で67回目を迎える盧溝橋事件記念日の7日、中国の民間組織「愛国者同盟」などが北京市郊外の盧溝橋で予定していた反日集会が公安当局の指示により土壇場でキャンセルになった。一部メンバーは独自で抗議デモなどを行ったが規模は小さく、メディアの報道も控えめ。東シナ海の天然ガス開発をめぐり日中の対立が先鋭化する中、中国当局は国民の反日感情を刺激しないよう配慮しているようだ。
 盧溝橋事件は1937年7月7日に発生、日中戦争の発端となった。集会は3月に沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸した活動家らが所属していたことでも知られる愛国者同盟のサイトで呼びかけられ、7日午前9時に盧溝橋で行われる予定だったが6日、同盟のサイト上で突然、集会の取り消しが通知された。
 同盟側は、(集会に参加する)車列が交通渋滞で時間通り北京に到着しない▽参加人数が多く集会許可の申請が必要だが、人数などが不確定なので集会許可が申請できない▽7日当日、国家が活動を行うため、集会の場所がない−などと説明したが、関係筋によると実際には公安当局から「待った」をかけられたようだ。
 メンバーのうち数十人が集会取り消しに納得せずデモなどを決行したが、同盟のスポークスマンは「同盟としては関知していない」と責任を回避した。盧溝橋では前日から公安車両が集会を取り締まるべく待機。7日午後も厳重な警備が続いており、デモはすぐ解散したもよう。
 中国では東シナ海の天然ガス開発をめぐる日本側の調査の影響で、国民の反日感情の高まりが懸念されており、当局は盧溝橋事件記念日をきっかけに反日運動が拡大することを恐れたようだ。
 外交筋によるとメディアにも反日キャンペーンを控えるよう通知が出ている。

◎中国で1000万人感染の恐れ・国連が世界エイズ報告(2004年7月6日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ6日共同】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は6日、2年に一度の世界エイズ報告を発表、エイズの感染拡大には歯止めがかかっておらず、特に人口の多い中国とインドで今後エイズウイルス(HIV)感染者が急増する恐れがあり、適切な措置をとらなければ中国のHIV感染者数は2010年には1000万人に達する可能性があると警告した。
 報告はバンコクで11日から16日まで国際エイズ会議が開催されるのに先立って発表された。
 報告によると、03年末時点での世界のHIV感染者数(推計)は約3780万人。昨年はこれまでで最も新規感染者が多く、世界中で480万人が新たに感染したと推計している。また、昨年1年間にエイズで290万人が死亡したと推計、初めてエイズ患者が死亡した1981年からの死者の累計は2000万人を超えたとしている。
 地域別では、約2500万人のHIV感染者がいる南部アフリカの状況が依然として最も深刻だが、潜在的な脅威として中国とインドを挙げた。

◎中国で1000万人感染の恐れ、国連が世界エイズ報告(2004年7月6日、産経新聞)
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は6日、2年に一度の世界エイズ報告を発表、エイズの感染拡大には歯止めがかかっておらず、特に人口の多い中国とインドで今後エイズウイルス(HIV)感染者が急増する恐れがあり、適切な措置をとらなければ中国のHIV感染者数は2010年には1000万人に達する可能性があると警告した。
 報告はバンコクで11日から16日まで国際エイズ会議が開催されるのに先立って発表された。
 報告によると、03年末時点での世界のHIV感染者数(推計)は約3780万人。昨年はこれまでで最も新規感染者が多く、世界中で480万人が新たに感染したと推計している。また、昨年1年間にエイズで290万人が死亡したと推計、初めてエイズ患者が死亡した1981年からの死者の累計は2000万人を超えたとしている。
 地域別では、約2500万人のHIV感染者がいる南部アフリカの状況が依然として最も深刻だが、潜在的な脅威として中国とインドを挙げた。(共同)

◎中国、台湾対岸で大演習へ、制空権狙い、3年ぶりの規模(2004年7月5日、朝日新聞)
 中国人民解放軍が7月、台湾海峡の制空権獲得を想定した大規模な軍事演習を行うことがわかった。北京の軍事筋が確認した。最近、中国は台湾の陳水扁(チェン・ショイピエン)政権の自立化路線に一層、神経をとがらせており、外交・経済面に加えて、軍事的な圧力も強める方針のようだ。演習は陸海空各軍を動員する3年ぶりの規模とされ、陳政権への牽制(けんせい)姿勢を日米など周辺国にも明示する狙いがある。
 演習の予定については3日付の中国青年報も、中国外務省が認めたと報じた。場所は、台湾海峡に面した福建省南部の東山島。海岸の地形が台湾の西海岸に似ているとされ、96年以来、台湾上陸を想定した演習が計8回行われた、という。中でも01年の演習が最大で、4カ月にわたり約10万人を動員した。今回の演習規模について同紙は「01年の演習以来」としている。
 同紙によると、過去の演習では台湾が独立を宣言したと仮定。澎湖諸島に上陸し、米海軍の介入に対して戦う、とのシナリオだった。だが、今回の主眼は「独立の予防」から、「台湾海峡の制空権を奪い取る積極性と攻撃性を備えたもの」に変わる、とする軍事専門家の指摘を紹介した。
 演習には最新兵器が投入される見通し。200以上の目標を同時にとらえられるフェーズド・アレイ・レーダーを搭載した中国版「イージス艦」もすでに1隻が就航したとみられ、演習に加わる可能性がある。軍事筋によると、目標を捕捉し自動的に応戦できる日米のイージス艦と違い、使用武器は乗員が判断するなどハイテク面の遅れはあるが、計4隻を保有する計画という。
 実際の戦力では、F16戦闘機など米国製最新兵器を備える台湾軍から中国軍が制空権を奪うのは簡単ではないとみられているが、積極攻撃を狙う大規模演習は十分に圧力になると読んでいる。
 こうした動きは、中国政府が陳政権へのいら立ちを募らせていることの表れだ。中国は3月の台湾総統選前後は演習を控えたが、それは軍事的刺激が逆に台湾世論を自立化に追いやり、陳氏の再選戦略を利することを懸念したためだった。
 しかし、陳氏は結局、再選。5月の就任演説では、現行の中華民国憲法を本格的に見直し、08年に新憲法を出す方針を明示した。中国の国威発揚の歴史的イベントになる同年の北京五輪にぶつけるかのような動きに中国の憤りは深い。
 軍事面だけでなく、外交面でも中国は締め付け強化を図っている。米国に対しては、高性能レーダーや潜水艦などの台湾向け武器売却に強く反発してきた。次期駐日大使に知日派の王毅(ワン・イー)外務次官が内定したのも、日本とのパイプの太い王氏に、台湾問題で日本を引き付けておく役割が期待されている面もある。
 また、大陸に投資する台湾企業のうち陳政権を支持する企業は「容認しない」(国務院台湾事務弁公室)と警告を発するなど、大陸への依存が強まる経済界と陳政権との分断も狙っている。
 経済成長を最優先する中国政府にとって、台湾海峡の波乱は望ましくはない。演習の予定を事前にメディアで報じさせたのも、「周辺国に必要以上の懸念を抱かせないため」と軍事筋は言う。それでも、この演習には、陳政権の自立化路線がエスカレートすれば、決して見過ごさない姿勢を内外に示す意図が込められているのは間違いない。

◎中国の携帯電話加入数、3億を突破(2004年7月2日、朝日新聞)
 中国情報産業省の統計によると、中国の携帯電話加入総数は今年5月末時点で3億55万9000件と、3億の大台に乗った。2億件は02年11月に達しており、それからわずか1年半で1億件増えた。
 今年1年で6000万件程度の増加が見込まれ、来年のうちに都市部のほぼ全体に普及するとみられている。今後、所得の低い内陸の農村部へと、市場が順調に拡大するかどうかは、楽観できないとする見方もある。

◎麻薬犯罪で16人死刑、中国(2004年6月27日、産経新聞)
 中国政府は26日の「国際麻薬乱用撲滅デー」を前に全国で取り締まりキャンペーンを強化、24、25の両日、麻薬密輸や売買などの罪で少なくとも16人の死刑を執行した。
 中国では経済発展の一方で、麻薬が社会問題化。政府は新聞やテレビで「麻薬阻止」を訴える特集を組むなど危機感を強めており「1罰100戒」を狙ったとみられる。
 新華社電によると、広東、海南、雲南など5つの省で開かれた市民参加の「集会」で死刑が言い渡され、直後に執行された。
 近年の麻薬犯罪は大規模化、国際化しており、ヘロイン2トンと大麻3トンを国外から中国に運び込んだケースや、日本に覚せい剤1.1トンを密輸しようとした事件もあった。
 公安省によると、昨年末で麻薬常習者は約74万人。昨年は日本人が麻薬密輸容疑で拘束される事件も続発、現在拘束中の日本人は、死刑判決を受けた者を含め10人以上に上っている。(共同)

◎中国・チチハルの毒ガス砲弾処理、16日から日中共同で(2004年6月15日、朝日新聞)
 中国・黒竜江省チチハル市の郊外で5月下旬、旧日本軍が遺棄した毒ガス砲弾など52発が見つかった問題で、内閣府遺棄化学兵器処理担当室は14日、16日から約10日間の予定で日中共同で発掘・回収作業を行うと発表した。
 同室担当者の説明では、現場はチチハル市南部の昂昂渓区頭站村の民家の敷地内。約100メートル離れた場所に小学校がある。5月末に日本外務省の調査団が訪れて10発を鑑定し、旧日本軍のびらん剤(マスタードガス)などと確認した。作業には、内閣府に出向している自衛官や同OBなど日本側が二十数人、中国側は130人前後が参加する。
 一方、同時期にチチハル市の別の建設現場で掘り出されたドラム缶の周囲にいた8人が体に異常を訴えた問題で、ドラム缶は旧日本軍のびらん剤の容器だとわかった。だが、古い穴が開いて中身はなく、中国側は「8人の体の異常との因果関係ははっきりしない」と日本側に説明したという。8人はいったん病院に運ばれたが退院している。

◎夏の猛暑、人工降雨で冷やせ、電力不足緩和で上海市計画(2004年6月13日、朝日新聞)
 夏は連日猛暑が続く中国・上海市は、エアコン使用などによる電力不足を緩和するため、人工的に雨を降らせて気温を下げる計画を立てている。商業や工業施設が集中する同市では、電力不足が社会問題化している。水不足対策などの人工降雨は例があるが、電力不足解消を目的にしたのは初めてという。今月中にも試験的に実施する予定だ。
 市当局によると、飛行機から冷却剤などを雲の中に散布することで温度を大きく下げ、水滴や氷の量を増やして人工的に雨を降らせる方法などが検討されている。天候条件に左右されるうえコストも高いが、電力を買うコストに比べれば採算が合うという。
 同市は夏場の電力消費量の約半分をエアコン使用が占める。ある地区では昨夏、突然大雨が降った時の電力需要が150万キロワット減少したといい、雨による気温低下でエアコン使用を抑える効果があるとみている。
 上海市経済委員会によると、今夏の最大電力需要は1670万キロワットにのぼり、これに対し供給は240万キロワット程度不足するとみられていた。

◎中国の携帯電話、3億突破確実に、1年で6千万増見込む(2004年6月7日、朝日新聞)
 中国情報産業省の統計によると、今年4月末時点で中国の携帯電話加入総数は2億9575万件に達した。3億件突破は確実だ。昨年末以来、新規加入が2705万件あり、今年1年間では6000万件増えると見込まれている。
 携帯電話は経済が発展している沿海地域のほか、内陸でも普及しつつあり、四川省で1300万件、河南省でも1200万件を超えている。ただ、いずれも都市部が中心で、農村部での普及は進んでいない。
 一方、固定電話の加入数もすでに携帯電話に追い抜かれたものの、この4カ月で2214万件増え2億8544万件に達した。

◎靴工場で労働者1000人以上が暴動、中国広東省(2004年6月7日、産経新聞)
 6日付の台湾夕刊紙、聯合晩報によると、中国広東省東莞にある台湾資本の靴工場で5月、残業時間を削減され収入が減ったことに反発する労働者1000人以上が暴動を起こし、主犯格の女性労働者4人が逮捕され、いずれも懲役15年の実刑判決を受けた。
 労働者は車に火を付けたり、コンピューターを破壊したほか、台湾人幹部に負傷させた。500人以上の武装警察官が鎮圧に当たった。
 中国当局は最近、労働環境改善に向け、週当たり労働時間が48時間を超えてはいけないとの管理規定を施行。この工場は規定を守った結果、労働者の暴動を招いたという。工場側が給与をカットしたためとの見方もある。
 広東省深●(●=土へんに川)でも先月、残業減らしに不満を持った別の工場の労働者6000人以上が街頭抗議デモを行ったという。(共同)

◎ホンダ、類似商標で中国企業再提訴(2004年6月5日、産経新聞)
 4日付中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、ホンダが中国の大手オートバイメーカー、重慶力帆実業集団(重慶市)を相手に商標権侵害で1700万元(約2億2000万円)を超す損害賠償などを求めた訴訟の審理が3日、上海市第二中級人民法院(地裁)で開かれた。
 同紙が伝えた訴え内容によると、重慶力帆はホンダのオートバイ「SCR」にデザインがそっくりな「SOR」マークを自社の製品に付けて販売。ホンダは2001年に気付き、翌年から重慶力帆側に警告の文書を送っていたという。
 重慶力帆は商標権侵害を否定し、ホンダ側と争う構え。ホンダは以前にも、重慶力帆が商標「HONDA」によく似た「HONGDA」のマークを付けて自社製品を販売しているとして提訴した。(共同)

◎新日石、中国に新工場、携帯向け液晶フィルム生産倍増へ(2004年6月6日、朝日新聞)
 新日本石油は、携帯電話などの液晶画面に使われる光学フィルムの生産能力を2倍に増強する。中国・蘇州に建設中の新工場で8月から試験生産を始め、来年2月に本格生産に移行する計画。同社の製品はカラー液晶向けのシェアが高い。今後は海外でもカラー画面の携帯電話が標準になると見込み、有力な収益源に育てたい考えだ。
 フィルムは樹脂製で、液晶画面のガラス偏光板の間に数枚、層状に張られている。光の振動を整え、画面の映りをくっきりさせ、斜めからでも見やすくする効果がある。新日石は、分子構造の複雑な石油化学製品の製造技術をもとに、95年に商品化した。
 メーカーは世界で15社ほどあるが、同社の製品は、携帯電話用カラー液晶の5割強に採用されているという。03年度の売上高は前年の2倍近い約35億円。画面のカラー化と大型化が追い風だ。
 年産120万平方メートルの能力を持つ辰野工場(長野県辰野町)はフル稼働で、「需要の伸びに生産が追いつかない状態」(担当幹部)。増産のため、蘇州に約50億円かけて辰野と同じ規模の新工場を建設している。蘇州周辺にはセイコーエプソンやフィリップスなど液晶メーカーの拠点が集中しており、注文に迅速に対応できる利点がある。
 IT調査会社の予測では、携帯向け光学フィルムの需要は08年に現在の1.3倍になると見込まれる。新日石は06年までに採用率を7割まで引き上げる目標を掲げる。

◎中国でも就職は大変、大学生が急増、競争激化(2004年6月1日、産経新聞)
 速いスピードで経済発展を続ける中国で、7月の卒業を前に大学生が就職難に見舞われている。進学率の上昇により大学生数が急激に増えたことに加え、市場経済の発展に見合った雇用の仕組みが立ち遅れていることが背景にある。高い希望を持つ学生と、厳しく選別する採用側の認識の違いも、競争激化に拍車を掛けているようだ。
 就職シーズン終盤を迎えた5月、北京市で開かれた有料の就職説明会場は学生ら数千人で埋まった。
 卒業間近の杜愛紅さん(24)は「説明会はもう4回目。英語を生かせる仕事をしたいが、なかなか条件が合わない」とため息をついた。北京大学院生の侯鐸さん(24)は7カ月の就職活動を経て、ようやく国有企業に就職を決めた。「『仕事の経験』を問われるなど、企業の要求が厳しかった」と振り返る。
 今年の大卒者は約280万人。昨年卒業しながら未就職の約50万人を加えた約330万人が就職戦線に参加した。
 教育省は今年9月の就職率の目標を70%と設定。鄭斯林・労働社会保障相は「目標達成は可能」との見通しを示しているものの、残りの30%の大半は“就職浪人”だ。
 中国では従来、国が大学生の就職をあっせんする「分配」が主流だったが、市場経済化の進展に伴い1990年前半に自由に仕事を選べる制度に変更された。当初は高成長期の開始と重なったこともあり、大卒者は高収入を約束された「特権階級」だったという。
 しかし、教育市場の開発と人材育成を狙って99年に大学生数を拡大する制度が導入されたことで状況は一変。今年の大卒者数は99年と比べて75%増に膨れ上がり、就職活動も激烈になった。
 各大学や自治体は合同説明会を開いたり、ホームページで企業を紹介したり、側面支援に力を入れる。
 だが、学生の希望と雇用する側の思惑には食い違いがある。学生側が(1)北京、上海、広州など大都市部の職場(2)高給料、好待遇−を求めるのに対し、雇用側からは「即戦力として期待できない」「一人っ子で甘やかされ自信過剰」などの辛口評価も聞かれる。
 中国紙によると、就職問題の専門家は「分配に安住していた影響がまだ尾を引いている。学生側と雇用側が接触する機会をもっと増やすなど、経済発展に見合った人材市場のシステム化が急務だ」と指摘した。(共同)

◎中国、ロシアから電力輸入・工場向けに安定調達(2004年5月27日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国がロシアから電力の輸入を始めた。2013年までの契約で極東地域の発電所から年10億〜20億キロワット時の電力を買い取る。中国は電力不足が深刻で、国内の発電所整備だけでは需要拡大に追いつかないと判断した。ロシアからは原油、天然ガスの輸入も拡大する計画。中国はエネルギー消費の約1割を輸入に頼っているが、今後はロシア依存が急速に強まる見通しだ。
 ロシア極東のアムール州にある二つの水力発電所から国境をまたいで、黒竜江省の黒河市まで送電。黒竜江省に立地するシリコン加工や素材など電力多消費型の工場で活用する。今回の輸入量は中国全体の消費量の0.1%にすぎないが、電力不足により工場が停止に追い込まれる事態を回避できる。受け入れ窓口になる黒河市経済合作区管理委員会企業局の李樹平局長は「ロシアの電力料金は中国より安く、地域産業の競争力強化にもつながる」と説明しており、今後、輸入量を拡大したり黒竜江省以外の地域の工場で活用したりすることも検討する。

◎チチハルで再び遺棄化学兵器見つかる、新華社報道(2004年5月26日、朝日新聞)
 中国黒竜江省チチハル市で、旧日本軍の化学兵器の入ったドラム缶1個が見つかったと新華社が25日伝えた。
 報道によると、ドラム缶は24日、住宅建設現場で発見された。液体はなくなっていたが周辺に刺激臭が流れた。缶に触れた8人に大きな異常は見られないが、検査を続けている。軍の専門家は旧日本軍が遺棄したもので毒ガスが入っていたと鑑定した。
 北京の日本大使館は中国側から正式な通知を受けていないという。チチハル市では昨年8月、旧日本軍の遺棄化学兵器の毒ガスが漏れ、1人が死亡、43人が負傷した。

◎サカタINX、7月から中国でインク製造販売(2004年5月23日、日本経済新聞)
 サカタインクスは7月から、中国で段ボールや包装フィルム向けインクの生産を始める。上海に工場を建設、フル稼働時には年間3600トンを生産する。日本の製造業の進出や現地メーカーの成長で、増加する印刷需要を取り込む。本格稼働する3年後には年間8億円の売り上げを見込む。
 新工場には、顔料と樹脂などを混ぜ合わせてインキを作る設備と、金属やプラスチック缶などの容器に詰める装置を設置した。総投資額は8億円。原料は中国国内のほか日本からも調達する。日系企業だけでなく中国国内や中国へ進出している外資の印刷会社に販売する。

◎炭鉱事故で21人死亡、中国・山西省(2004年5月20日、産経新聞)
 新華社電によると、中国山西省呂梁地区の炭鉱で18日起きたガス爆発事故で、救助隊は19日までに21人の遺体を確認した。1人が救出され、12人が行方不明となっている。
 同省当局者によると、坑内は一酸化炭素の濃度が高いため、救助活動は慎重に進められているという。
 中国では炭鉱事故が多発、昨年は計約6700人が死亡している。(共同)

◎入管法違反事件:中国人が最多、不法就労目立つ(2004年5月18日、毎日新聞)
 法務省入国管理局は17日、03年の入管法違反事件の概要をまとめた。不法入国や不法残留で退去強制手続きをとった外国人は4万5910人(前年比3975人増加)。国籍別では、中国が1万2382人で最も多く、韓国を抜き初めてトップになった。
 退去強制手続きをとった外国人のうち、3万4325人が不法就労で、全体の約75%を占めた。就労期間が「3年を超える」者が全体の48%で、就労期間の長期化が目立つ。就労場所は、東京都を中心に関東の1都6県に全体の約72%が集中していた。

◎中国で偽ミルク、栄養不良で乳児12人死亡(2004年5月17日、産経新聞)
 中国安徽省阜陽市などで、栄養成分が国の基準を大幅に下回る「偽粉ミルク」が発売され、16日までにミルクを飲んだ乳児229人が栄養不良となり、うち12人が死亡した。同日の新華社電(電子版)によると、中国国務院(政府)は、製造にかかわった業者ら31人を逮捕したことを明らかにした。
 国務院の調べでは、偽ミルクはデンプンや砂糖などにミルクの香りを加えるなどして製造されていた。タンパク質や脂肪、ビタミンが極端に少なく、飲んだ乳児らは発育不良や免疫低下の症状を示したという。
 阜陽市では55種類の不合格ミルクが発見され、社名や製造場所を偽った業者が多数かかわっていたという。
 偽ミルクによる被害は昨年3月ごろ、阜陽市の農村部などで頭部が肥大し発育が遅れた乳児が報告されて発覚。その後、黒竜江省や福建省、湖北省などで同様の症状を示す乳児が見つかっている。(共同)

◎中国、日本からの廃プラ輸入緊急停止(2004年5月14日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】中国で品質管理などを主管する国家品質監督検査検疫総局は13日までに、日本からの廃棄プラスチックの輸入手続きを緊急停止した。日本からの廃プラ輸入で違法行為があったためとしている。期間は不明。
 同総局が8日付で出した「公告」によると、日本側が廃プラをばら積み船に積み込む際に、危険性のある大量の貨物を隠して違法に輸出。一部を転売して深刻な環境汚染を引きおこしたという。日本側の荷主などの名前は明らかにしていない。公告はこれを「欺まん的な手段による重大事件」などと位置づけ、日本からの廃プラ輸入に必要な検査手続きなどを一時停止する、と表明した。
 経済の高度成長にともなって中国は鉄スクラップや古紙など再生資源の輸入が急拡大しているが、一方で再生資源の名目で廃棄物の輸入も増えているとされる。中国政府は危険な廃棄物の輸入を禁止するなど環境保護の規制を強化しているが、日本を含む先進国などで処理されなかった廃棄物の違法な流入があとを絶たない。

◎中国・青海省でM5.9の地震(2004年5月11日、産経新聞)
 新華社電によると、中国内陸部の青海省デリンハ市で11日午前7時27分(日本時間同8時27分)、マグニチュード(M)5.9の地震があった。震源地は同市中心部から西方60キロの地点で、負傷者など被害の程度は不明。
 同市周辺では2月と3月、さらに今月4日にもM5以上の地震が起きている。(共同)

◎中国、違法製鉄所で処分・鉄鋼余剰解消へ強硬姿勢(2004年5月9日、日本経済新聞)
 中国政府は違法な大型製鉄所の建設を認めた地方政府の幹部や融資した銀行の支店長らを一斉に処分した。政府は供給過剰が懸念される鉄鋼の工場新設を制限しているが、地方が独断で着工を認める例が後を絶たない。厳しい措置により景気過熱を回避するための強い姿勢を示した形だ。
 処罰されたのは江蘇省常州市の共産党委員会書記や同省発展改革委員会副主任、中国銀行常州支店長ら8人。解雇や党による厳重注意処分となった。
 問題となったのは民営企業、江蘇鉄本鋼鉄が常州市で計画した製鉄所プロジェクト。銀行融資などで集めた約100億元(約1300億円)を投じて年産840万トンという巨大工場をつくる構想で、昨年3月から工事が始まった。
 同プロジェクトは環境影響調査が十分でなかったうえ、土地使用などの手続きが完了しないまま、地元政府が工事の開始を認めた。(上海=湯浅健司)

◎中国:覚せい剤密輸の日本人に無期懲役の判決(2004年5月8日、毎日新聞)
 【北京・上村幸治】中国・遼寧省の大連市中級人民法院(地裁)が、覚せい剤約1キロを日本に持ち出そうとして逮捕された日本人会社経営者(50)に対し、4月28日に無期懲役の判決を言い渡していたことが分かった。北京の司法関係筋が7日に明らかにした。会社経営者は控訴するかどうかを検討しているという。
 会社経営者は昨年10月、依頼を受けて大連から日本に覚せい剤を運ぶ途中、大連空港で捜査当局に逮捕された。
 昨年、中国の瀋陽、上海、広州など6カ所の空港で日本人13人が覚せい剤を持ち出そうとして、それぞれ逮捕されている。このうち、瀋陽空港で逮捕された60歳の無職男性は、覚せい剤約1.25キロを持ち出そうとして、今年2月に瀋陽市中級人民法院で執行猶予のつかない死刑判決を言い渡され、控訴している。
 今回の会社経営者は、同じような量の覚せい剤を運ぼうとしながら、無期懲役という判決を受ける形になった。死刑判決を受けた60歳男性は、誰から覚せい剤を受け取ったかすら知らなかったが、会社経営者はそういった点を公判で説明できた模様で、司法関係筋は「情状酌量の余地があると判断されたのではないか」と指摘している。
 一連の事件では、60歳代と40歳代の無職男性が昨年7月に大連空港で同容疑で逮捕されながら、まだ判決が出ていない。

◎覚せい剤密輸の日本人男性に無期懲役の判決、中国・大連(2004年5月8日、朝日新聞)
 日本人男性が覚せい剤約1キロを中国・大連から日本へ運び出そうとしたとして麻薬密輸罪に問われ、中国遼寧省の大連市中級人民法院(裁判所)から無期懲役の判決を受けていたことが7日、わかった。
 瀋陽の日本総領事館などによると、男性は東京都内に住む50代の会社経営者。昨年10月1日、大連空港で覚せい剤997.8グラムを所持しているのが見つかった。男性は商用で大連を訪れた際、中国人男性からかばんを日本に運んでほしいと頼まれ、その中に覚せい剤が入っていた、と話しているという。4月28日に判決が出され、現在、控訴を検討中。
 中国では2月、遼寧省瀋陽市中級人民法院で、覚せい剤1.25キロを運び出そうとしたとして、別の邦人男性が死刑判決を受けている。

◎中国進出企業に大手4行が“争奪戦”、支店増設や機能強化、支援ビジネスに注力(2004年5月7日、産経新聞)
 中国市場へ進出する日本企業をサポートしようと大手四銀行の競争が激化している。各行とも国際金融センターに成長しつつある上海に機能を集中。資金決済や債権回収、金融派生商品(デリバティブ)業務などを拡充している。バブル崩壊後、大手銀行は海外撤退が相次いだが、中国は別格。「日本と地続きのつもり」(首脳)という力の入れようだ。(渡辺浩生)
 四大銀行の中国での営業網は現在、七都市に合計十八支店。駐在員事務所を合わせると三十一拠点に上る。だが、各行とも国内大手メーカーの工場移転の動きに合わせ、それぞれ支店の増設を申請中だ。メーカーの進出とともに部品などの下請け企業も追随し、銀行にとっては取引先拡大の好機となるからだ。
 例えば、トヨタ自動車が工場建設に乗り出すなど自動車産業集積地で「中国のデトロイト」と呼ばれる広州市では、現在支店を持つのは三井住友銀だけだが、東京三菱銀が支店出店を申請中。同様にみずほコーポレート銀は無錫に、UFJ銀は蘇州へ出店を申請している。
 また進出企業の半数以上を飲み込む最大の成長地域である上海には、「ニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融センターになる」(斎藤宏みずほコーポレート銀頭取)と、調査や市場部門の人材、機能の集約を進めている。
 中国の世界貿易機関(WTO)加盟後、外資系の銀行業務は、個人向けを含む人民元業務が全面解禁される二〇〇六年に向け段階的な開放が続く。「顧客は進出先の店舗の有無やサービスの中身でメーンバンクを乗り換える」(中国担当者)だけに、各行とも支援ビジネスに知恵を絞る。
 顧客から確実な資金決済を求められていることから、三井住友銀は中国人民銀行(中央銀行)が構築する国内電子決済システムに参加し、決済情報をリアルタイムで提供できるよう注力。みずほは日本企業にとって悩みの種の地元取引先からの資金回収を円滑にするため、二月に、中国企業と人民元取引が可能な免許を取得、日本企業が現地企業に対して持つ売掛金を買い取り、転売する債権回収業務に乗り出した。
 商習慣や法律、規制の違いから生じるさまざまなトラブル解決や相談も重要な仕事だ。UFJ銀は、上海に進出した会計、法律事務所や人材派遣、物流などの現地法人と提携、顧客企業から本業以外の現地業務の外部委託を一括して引き受ける総合相談サービスに近く乗り出す。
 今年三月には四大銀行が上海支店でのデリバティブ業務の免許を一斉に申請。認可されれば、人民元・外貨建ての為替先物など高度な金融サービスの提供も可能になるという。

◎炭鉱でガス爆発、35人死亡、中国(2004年5月1日、産経新聞)
 1日の新華社電などによると、中国山西省臨汾市の炭鉱で30日、ガス爆発事故が発生、35人が死亡、1人が行方不明となった。
 炭鉱当局者によると、事故発生時、現場では49人が作業中で、13人は自力で脱出した。
 臨汾市が行方不明者の救出に全力を挙げるとともに、詳しい事故原因を調べている。(共同)

◎中国の短距離弾道ミサイル500基以上、米高官が証言(2004年4月23日、朝日新聞)
 ローレス米国防次官補代理(東アジア・太平洋担当)は22日、米議会上院外交委員会の小委員会で証言し、中国が沿岸部に配備している短距離弾道ミサイルが現段階で500〜550基に達し、いずれも台湾に向けられているとの見方を明らかにした。中国軍はアフガニスタンやイラクにおける米軍の作戦から、無人偵察機の利用や地上の特殊部隊と連携した空爆などの効果を「学習しているようだ」とも述べ、警戒感を示した。
 ローレス次官補代理は、中国の国防費は公表されている数字の2〜3倍の「500億〜700億ドル」との見方を改めて示し、中国軍は短距離弾道ミサイルを質、量ともに増強していると指摘。空軍も従来の防衛型から、攻撃型の能力を強化しているとの見解を示した。
 また、91年の湾岸戦争以来、コソボでの軍事作戦やアフガン、イラクでの対テロ戦における米軍の作戦を観察し、近代戦にはスピードが欠かせないとの認識も深めつつあると指摘した。

◎中国、知的財産権の保護で行動計画、米中高官協議(2004年4月22日、読売新聞)
 【ワシントン=広瀬英治】アメリカと中国の経済閣僚などによる初のハイレベル通商協議が21日、ワシントンで開かれた。中国側は、米国が強く対応を求めていた知的財産権の保護問題について、国内の取り締まり強化などを盛り込んだ行動計画を提示した。
 中国が6月に予定していたパソコンなどに関する独自の無線暗号化規格について、採用の義務付けを延期すると表明し、米側に歩み寄った。
 サービス分野でも、外資系企業に対する輸出入などの貿易権を、予定より半年早めて7月から付与することを明らかにした。また、両国は、米国が中国を「市場経済国」と認定するかどうかを検討する作業部会を設置することで合意した。
 米国の対中貿易赤字の拡大を背景に、米中間の通商摩擦の激化が懸念されていたが、中国が対米通商関係の改善に努める姿勢が目立った。
 知的財産権に関する行動計画は、2004年末までに、模造品の製造など知的財産権の侵害に対する罰則を強化するとして、国内の監視体制や税関の強化などに取り組むことを強調した。
 この日の協議は、2003年12月の米中首脳会談での合意に基づき、従来の両国間の商業・貿易委員会(JCCT)を格上げする形で行われた。米国はドン・エバンズ商務長官、ロバート・ゼーリック米通商代表部(USTR)代表、アン・ベネマン農務長官ら、中国は呉儀副首相、薄煕来商務相らが出席した。

◎日本人経営者に罰金、「女体盛り」で中国衛生当局(2004年4月21日、産経新聞)
 20日付香港紙、星島日報によると、中国雲南省昆明市で裸の女性にすしなどを乗せて食べる「女体盛り」を提供した日本懐石料理店に対し、地元衛生当局はこのほど2000人民元(約2万6000円)の罰金を科した。地元メディアの報道として伝えた。
 当局は店のサービスが「婦女権益保障法」などに違反すると判断。社会道徳にもとり女性差別につながるなどとして、今後同種のサービスを提供しないよう命じたという。
 同店の経営者は日本人で、今月2日「美女人体盛宴」として女子大生2人の体にすしなどを乗せて客に提供したが、直後に市民の反発を受け、当局に中止を命じられた。(共同)

◎化学工場爆発:死者行方不明者9人に、中国・重慶(2004年4月17日、朝日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国・重慶市内の化学工場で16日に起きた爆発・塩素ガス漏れ事故で、中国国営新華社通信によると、同日夜までに、工場の社長や従業員計9人が死亡したか、行方不明であることが分かった。避難していた工場周辺に住む約15万人のうち、工場付近の住民約3万人がテントで夜を明かし、約12万人が帰宅した。
 関係者の話によると、15日午後7時ごろに工場の配管に穴が見つかったため緊急処置をしていたところ、16日午前2時ごろ1回目の爆発が起きた。同日昼ごろから周辺住民の避難が始まったが、同日午後6時ごろに2度目の爆発が起きたという。

◎中国・重慶の化学工場で塩素ガス漏れ、死亡・不明9人(2004年4月17日、朝日新聞)
 中国国営新華社通信は17日、中国西南部の重慶市江北区にある重慶天原化学工業工場で15日夜、塩素ガスの流出事故が起き、これまでに死者・行方不明者が9人にのぼったと伝えた。有毒ガスの流出で被害が拡大する恐れもあり、同市当局は、現場から半径1キロ以内の住民計約15万人に対して避難を呼びかけた。
 同通信によると、15日午後7時(日本時間同8時)ごろ、工場からガスが漏れ始め、さらに翌16日未明と夕方に2回にわたって爆発が起きた。同工場内にある7カ所の塩素タンクからガスが漏れており、周囲約300メートル内の地域では、鼻をつくような強いにおいが漂っているという。

◎中国の電力供給制限、3省除き全土に、工業活況で需要増(2004年4月11日、朝日新聞)
 中国の電力部門などによると、今年1〜3月に電力供給制限を実施した地域は、新疆ウイグル自治区、海南省、東北地区3省を除く全国に及んだ。今年の電力不足は3千万キロワットに達するとみられていて、日本の関西電力の発電能力にほぼ相当する。電力不足は今年がピークで、来年以降は新たな発電所の増強でいくぶん緩和される見通し。
 1〜3月の電力消費量は約4800億キロワット時で、前年同期に比べ16.4%も増えた。工業生産の伸びが主な原因で、中でも鉄鋼、アルミなど電力多消費型産業の活況が影響している。上海周辺など沿海地域では需要急増による電力不足が発生しているほか、内陸部では水不足により発電量が前年より6〜8割も落ち込む水力発電所が続出した。各地域とも工場の休日を振り替え、電力消費のピークを抑える措置をとるなどの対応策をとっている。

◎東芝がパソコン生産を中国に集約、年300万台体制に(2004年4月9日、日本経済新聞)
 東芝は来春をめどに日本、中国、フィリピンに分散しているノート型パソコンの生産を中国に集約する。中国・杭州工場の生産能力を年300万台に倍増し、大幅なコストダウンを進める。米デルなどパソコン大手は一斉にコストの安い中国生産を強化、東芝も思い切った集約で競争力向上と収益改善を狙う。中国はパソコンをはじめ主要な情報機器で最大生産国になっており、中国を軸に生産体制を組み直す動きが広がりそうだ。
 東芝の2003年度のパソコン出荷台数は約450万台、売上高は6900億円を見込む。この全量がノート型で、世界3位のシェア(12.4%)を握る。ただコスト改善の遅れで、パソコン事業は前期265億円の営業赤字になる見通し。生産集約で抜本的なコスト削減を進め、黒字体質を確立、主力事業として維持する。

◎中国の日本料理店で「女体盛り」、衛生庁が停止命令(2004年4月7日、読売新聞)
 【北京=藤野彰】中国紙「北京青年報」の6日までの報道によると、中国雲南省昆明市で、懐石料理を看板に掲げる日本料理店が、女子大生を雇い、素肌にすしや刺し身を直接盛りつける「女体盛り」サービスを始めたところ、地元衛生当局が「女体は容器ではなく、食品衛生上問題がある」としてサービスの停止を命じる事件があった。
 この料理店はさる2日、「身長1メートル70以上で、色が白く、スタイルのいい」女子大生2人を雇い、初の「美女人体盛宴(女体盛り)」を披露。開始前、2人には30分以上シャワーを浴びさせ、さらに氷室で体温を下げるなどの準備をさせたという。店の責任者は「実際の状況を考慮して全裸にはしなかった」としている。
 しかし、女性が人前で裸体をさらすことがタブー視されている中国では「女体盛り」は前代未聞の珍事とあって、メディアの取材に地元市民らは「女性をべっ視している」などと反発。問題を聞きつけた雲南省衛生庁が立ち入り調査に乗り出し、5日、同店に「女体盛り」の停止を命じた。衛生庁では今後、罰金などを含めた処罰を検討するという。

◎昨年の死刑執行、中国がトップ、アムネスティ報告書(2004年4月7日、産経新聞)
 世界の28カ国で昨年、分かっているだけで1146人が死刑を執行され、国別では中国がトップ、イラン、米国がこれに続くことが6日、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルがまとめた報告書で分かった。
 報告書によると、中国では昨年、726人に死刑が執行された。イランは108人、米国は65人で、ベトナムの64人、サウジアラビアの50人と続いた。
 日本については、少なくとも1人に対して死刑が執行されたとしている。
 アムネスティは、中国が薬物注入による死刑を執行する「移動処刑車」を18台導入し、即決裁判で処刑を強行していると非難した。
 また「テロとの戦い」に名を借りた少数派や反政府勢力に対する弾圧が中国やモロッコで顕著になり、モロッコでは反テロ法に基づく死刑言い渡しが16件あったと指摘している。(共同)

◎中国、貿易額で世界第4位・03年世界貿易統計(2004年4月6日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ=清水真人】2003年の中国の貿易額が日本にほぼ匹敵する規模になった。世界貿易機関(WTO)が5日発表した貿易統計によると、モノの輸出入額は世界第4位、輸入額だけを見ると米独に次ぐ同3位に浮上した。安価な労働力による工業生産の急増や内需拡大をテコに「貿易大国」入りを果たした格好だが、同国は市場開放など通商交渉の焦点にもなっている。一方、世界全体の貿易はモノの輸出額が前年比で16%増え、1995年以来の高い伸びを記録した。
 中国のモノの輸入額は前年比40%増の4128億ドルで、フランス、英国、日本などを抜き初めて上位3位入りした。同輸出額(ドル換算)は同35%増の4384億ドル。貿易総額は3位の日本に肉薄する8512億ドルとなった。中国の貿易が拡大した最大の要因は世界の有力メーカーの工場進出だ。直接投資額は2002年に世界一の米国向けとほぼ並び、エアコンやカラーテレビ、DVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤーなどの生産量で世界一になった。日本や東南アジアからの電子部品の対中輸出が急増し、完成品は日本や米国市場に輸出されている。

◎ゲームで徹夜、線路で熟睡、2中学生死亡、中国・重慶(2004年4月2日、産経新聞)
 1日の新華社電によると、中国内陸部の重慶市で3月31日、インターネットゲームで遊び疲れて鉄道のレール上で寝ていた中学1年生の男子2人が列車にひかれ死亡した。一緒にレール上で休んでいた別の男子1人は列車に気付き助かった。
 3人はインターネットカフェで2、3日間徹夜してコンピューターゲームをした後にレール上で休息。そのまま寝込んでしまったらしい。
 3人の通う中学がある農村には、1年ほど前にネットカフェが開業。登校せずに入り浸る生徒が相次ぐなど問題になっていたという。(共同)

◎対中貿易、単月で10年ぶり黒字、中国の内需の強さ反映(2004年3月25日、朝日新聞)
 2月の対中国貿易収支が、約10年ぶりに黒字に転じた。財務省が25日発表した貿易統計(速報)によると、日本から中国への輸出は5902億円、中国からの輸入は5765億円で、差し引き137億円の貿易黒字となった。最後に黒字だった94年3月は、大型船舶の輸出があって一時的に黒字化したが、赤字基調は87年半ばから続いており、実質的には約17年ぶりの黒字転換だ。
 日本向けの安価な製品輸出が急増して、一時は脅威論が強まった中国だが、最近は「世界の工場」として部品や素材を中心に日本からの輸入が膨らんでいる。
 高成長が続く中国の内需は強く、日本からの輸出は02年1月から連続で前年同月比プラスとなり、ほぼ2けた増の高い伸び。08年の北京オリンピック開催に向けた道路や橋などのインフラ投資で、日本からは鉄鋼や建設用機械の輸出の増加が目立つ。半導体部品や液晶なども好調だ。
 一方、輸入も02年4月から増加が続くが、伸び率は輸出より低い水準にとどまっている。
 対中貿易で赤字傾向が定着する前の87年2月の貿易黒字は172億円と今年2月とほぼ同じ水準。しかし、輸出額は904億円と6分の1ほどで、急増してきた輸出が今後さらに伸び続けた場合、貿易黒字は一段と増加する可能性がある。
 国際金融情報センターの石井久哉アジア第1部長は、「世界貿易機関(WTO)加盟による市場開放の浸透などで中国は今年、輸入が急増し経常赤字となる可能性もある。日本の対中貿易も黒字傾向が続きそうだ」という。

◎中国フィルム大手の楽凱、2003年度純利益36%減(2004年3月16日、日本経済新聞)
 【上海=川瀬憲司】中国の大手写真フィルムメーカー、楽凱膠片(ラッキー、河北省保定市)が16日発表した2003年度決算によると、純利益は前の年度に比べ36%減の8000万元だった。密輸の横行で販売価格が下落したうえ、デジタルカメラに押されて、カラーフィルムの需要が落ち込んだためという。
 楽凱の売上高は同5%減の5億6400万元、営業利益は同34%減の9500万元だった。
 同社は同日、米イーストマン・コダックの出資手続きが完了したと発表した。コダックは発行済み株式の13%を保有する第2位株主となった。両社は昨年10月、コダックが株式取得の見返りに、現金約1億ドルと生産設備・技術を供与することで合意している。

◎中国人1100人の不法入国仲介、架空証明書使い手数料稼ぐ(2004年3月14日、産経新聞)
 東京都内で日本語学校を実質経営する会社社長、吉田勝則被告(56)=偽造有印公文書行使罪などで公判中=が、架空の「就学」や「技能」の証明書を発行して数年間で少なくとも中国人約1100人の不法入国を仲介したことが14日、埼玉県警などの調べで分かった。
 県警は、中国国内にあっせん組織があるとみて、実態解明のため、警察庁を通じて中国当局に捜査協力を要請。吉田被告が手数料数億円を稼いでいたとみている。
 調べでは、吉田被告は昨年11月、知人の中国人男性の在留資格延長手続きで、東京入国管理局に偽造書類を提出したとして逮捕された。
 県警はその際、法人を含め中国人関係者計約8000件の名簿や偽造書類作成用の印鑑約800本を押収。就労目的なのに日本語学校への入学許可証を発行したり、調理技術の証明書を偽造して料理店のコックとして雇わせたりして、吉田被告が中国人を継続的に受け入れていたことが判明した。
 これまでに不法入国させたのは「就学」資格で約800人、「技能」資格で約300人に上り、在留資格の更新手続きも代行していたという。

◎中国人1100人の不法入国仲介・日本語学校経営者(2004年3月14日、日本経済新聞)
 東京都内で日本語学校を実質経営する会社社長吉田勝則被告(56)=偽造有印公文書行使罪などで公判中=が、架空の「就学」や「技能」の証明書を発行して数年間で少なくとも中国人約1100人の不法入国を仲介したことが14日、埼玉県警などの調べで分かった。
 県警は、中国国内にあっせん組織があるとみて、実態解明のため、警察庁を通じて中国当局に捜査協力を要請。吉田被告が手数料数億円を稼いでいたとみている。
 調べでは、吉田被告は昨年11月、知人の中国人男性の在留資格延長手続きで、東京入国管理局に偽造書類を提出したとして逮捕された。
 県警はその際、法人を含め中国人関係者計約8000件の名簿や偽造書類作成用の印鑑約800本を押収。就労目的なのに日本語学校への入学許可証を発行したり、調理技術の証明書を偽造して料理店のコックとして雇わせたりして、吉田被告が中国人を継続的に受け入れていたことが判明した。〔共同〕

◎中国、台湾近くへ軍配備か・香港紙報じる(2004年3月14日、日本経済新聞)
 【香港14日共同】14日付の香港紙、星島日報は北京の消息筋などの話として、中国人民解放軍が20日投開票の台湾総統選をにらみ、台湾に近い福建省に兵士や武器の大量配備を始めたと報じた。
 同紙によると、江沢民中央軍事委員会主席が11日の会議で関係部署に対し、総統選に絡む有事に備えて出動態勢を整えるよう命令。福建省には重装備を運ぶトラックなどが続々と入り、兵士は休暇を取り消し部隊内で待機するよう命じられたという。

◎中国、物権法や破産法を年内に制定(2004年3月10日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】中国の全人代の呉邦国常務委員長は10日、「物権法」「企業破産法」「緊急事態法」などを年内に制定する方針を示した。物権法の制定は、憲法改正で私有財産の保護規定が強化されるのを踏まえた措置。企業破産法は既に存在するが、1980年代に施行した試験的な法律で不備が目立ってきたため、より本格的な法律を制定する。
 対外貿易法や公司(会社)法、証券法などの経済関係の法律も一部改正し、世界貿易機関(WTO)加盟と市場経済化の進展に対応した法体系の整備を進める。緊急事態法の制定は、憲法改正で「戒厳令布告」が「緊急事態突入宣言」に改められるのを踏まえる。社会的、政治的な騒乱だけでなく、昨年の新型肺炎(SARS)のような感染症の大流行や大規模な自然災害、経済危機などへの対処も想定する見通し。

◎中国:死刑など182件、初の統計発表(2004年3月10日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国の肖揚・最高人民法院院長(最高裁長官)は10日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)に活動報告を行い、2003年に前年比16.3%増の300件の死刑許可・刑事再審案件を審査し、182件の原判決を維持したことを明らかにした。大部分に死刑が執行されたとみられる。中国が死刑執行に関する統計を発表するのは初めて。死刑執行の透明性を求める国際世論に配慮した模様だ。
 一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)は、02年に少なくとも31カ国で1526人に死刑が執行され、うち中国では3分の2の1060人が執行されたと指摘している。今回の中国側統計は、この数字を大きく下回るが、それでも全体の1割程度になる。
 中国(香港を含む)では昨年1年間に9件13人の日本人が麻薬を中国から日本に密輸しようとした容疑で拘束された。瀋陽市中級人民法院(地裁)は今年2月3日、うち1人に初めて執行猶予がつかない死刑判決を言い渡し、現在、被告が控訴している。
 報告によると、最高人民法院は昨年1年間で、高級人民法院(高裁)から送られた300件のうち、94件の判決を変え、24件を下級裁判所に差し戻した。中国の刑事訴訟法は「死刑は最高人民法院の許可を受ける」と定めており、被告が控訴しない場合も許可が必要になる仕組みだ。
 肖院長は死刑判決の罪状について「麻薬、密輸、金融詐欺、汚職、賄賂など」と指摘。さらに「罪状が極めて重く、社会に極めて大きな危害を与えた犯罪分子には、断固として法律に基づき死刑許可を出した」と説明している。

◎リコーが中国市場に本格参入、カラー複写機など売り込み(2004年3月10日、朝日新聞)
 事務用機器大手のリコーは9日、主力製品の複写機などの分野で中国市場に本格参入し、5年後の08年度までに中国での年間売上高を03年度見込みの5倍となる1000億円を目指す、と発表した。これにより、08年度の連結売上高の目標値を03年度見込み比46%増の2兆6000億円に設定。中国市場の開拓を足がかりに成長戦略を描く方針だ。
 リコーは昨年、中国の拠点を整理・統合し、事業全般を統括するための新会社を上海に設置。今後、販売会社を約50社まで倍増させて販売網を整備する計画だ。企業の情報化が進んでいることから、カラー複写機などの需要が高まると見て、積極的に売り込む。03年度の中国での売り上げ見込みは約200億円にとどまるが、桜井正光社長は「新興市場での地位を確立したい」という。
 業界では、大手各社が中国進出を急いでいる。キヤノンはアジア地区のマーケティング機能を香港から北京に移し、着実に市場拡大を図る。富士ゼロックスは複写機の生産拠点を05年内に全面的に上海に移転する。コニカミノルタは、中国の現地企業と軽印刷事業で提携し、高速複写機の販売を強化する。

◎SARS暴露の中国軍医師、天安門事件の再評価求め書簡(2004年3月9日、朝日新聞)
 信報など8日付の香港紙は、89年の天安門事件当時に北京の軍病院で外科主任だった蒋彦永医師が、同事件を「反革命動乱」とみなす中国当局の評価を改めて「学生愛国運動と呼ぶべきだ」と主張する書簡を、温家宝(ウェン・チアパオ)首相と呉邦国(ウー・パンクオ)全国人民代表大会常務委員長らにあてて提出した、と報じた。蒋医師は今も軍に所属し、新型肺炎SARSが流行した昨春、米週刊誌に北京市当局が多数の感染者を隠していると暴露した。
 書簡で蒋医師は、天安門事件当時の学生たちは政治腐敗に抗議する正義の要求を掲げており、市民の支持も得ていた、との見方を示した。武力鎮圧は「少数の腐敗した指導者層が戦車や機関銃で弾圧を加え、数百人の青年が死亡、数千人が負傷した」と指摘している。
 そのうえで「党の誤りは自ら解決すべきで、解決は早く、徹底的であるほどよい。事件の再評価は民心にかなっており、社会を乱すことはない」と記した。
 このほか蒋医師は、98年に事件当時の軍の実力者楊尚昆元国家主席と会った際、楊氏が「事件はわが共産党が犯した歴史上最悪の誤りだ。将来(事件への評価を)正さなくてはならないだろう」と述べたことを明らかにした。

◎中国船の違法調査急増、潜水艦航路開拓?(2004年3月9日、読売新聞)
 中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)内の太平洋上で違法な調査活動を行うケースが今年に入って急増し、8日現在、すでに11件にのぼることが防衛庁の調べでわかった。
 中国船による日本EEZ内での違法な海洋調査活動は、昨年1年間で8件だった。最近で最も多かった1999年も1年間で33件で、今年はこれを上回るペースとなっている。しかも、調査が海底資源探査と無関係の海域で続いているため、防衛庁では、中国が潜水艦の航路を開拓している可能性もあると見て警戒を強めている。
 海上自衛隊第4航空群(神奈川・厚木基地)所属の哨戒機P3Cが、小笠原諸島・西之島の西約270キロの海域で中国国家教育部所属の海洋調査船「東方紅2号」(排水量3235トン)を今年初めて発見したのは2月17日で、同船は海中に音波を発信していた。2月29日、3月2、3、4日にも、沖ノ鳥島北方の日本EEZ内で同様の調査を行っていた。
 外務省が今月2〜4日にかけて3度、在京中国大使館や北京の外交ルートを通じて中国政府に調査活動の中止を求め、「東方紅2号」は西方へ移動した。しかし、7日に再び南大東島の東約310キロの海域で海中に音波を発信しているところを海自機が確認した。
 また、1月2日から19日にかけては、中国国家海洋局所属の調査船「向陽紅14号」と「向陽紅9号」が、石垣島南東海域や沖ノ鳥島北方海域で計5度、違法な調査活動を行っていた。
 EEZ内では、沿岸国が資源開発や海洋調査について主権的権利を持ち、他国が海洋調査を行うには、6か月前までに沿岸国に申請し、承認を得ることが国連海洋法条約に定められている。中国は今回の調査について日本側に申請をしておらず、調査活動そのものが条約違反となる。
 同海域は水深5000メートル前後で、一帯を航行する他船舶の動きをとらえやすい戦術的要衝と見られている。このため、「台湾有事に備える中国にとっては、潜水艦を展開し、米軍や海自の艦船の動きをとらえるのに適した海域」(防衛庁関係者)で、収集したデータは軍事的な利用価値も高いと見られている。
 竹内行夫外務次官は8日の記者会見で、中国の海洋調査船による違法な調査活動について、「より厳格に取り組む必要がある」と述べた。

◆排他的経済水域(EEZ)
 1994年に発効した国連海洋法条約は、領海に接続する海域で、領海の幅を定める直線基線から200カイリ(約370キロ・メートル)以内の水域を沿岸国のEEZと定めた。96年に日本が制定した「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」にも同じ規定がある。中国も同年、条約を批准した。
 EEZ内では、〈1〉海中、海底、その下にある天然資源の探査、開発、管理〈2〉人工島や構築物の設置〈3〉海洋の科学的調査〈4〉環境保護――などについて沿岸国が主権的権利を有する。一方、沿岸国でなくても、船舶による航行、海底電線・パイプラインの敷設などの自由は、すべての締約国に認められている。

◎東工大、中国の清華大と大学院教育で提携(2004年3月8日、日本経済新聞)
 東京工業大学は8日、中国の清華大学と大学院教育で提携、両大学の修士号を同時に取得できるよう制度をつくったと発表した。日本の大学が海外の大学とこうした取り決めをするのは初めて。日本企業の中国進出が拡大するなか、両国の大学で学んだ人材が一段と求められると判断した。
 東工大は提携に合わせ、ナノテクノロジー(超微細技術)とバイオテクノロジーの二コースを、清華大の要望を受けて新設。両コースは定員各10人程度。「どちらの大学の修士号も正規に取得した場合と同じ扱いになる」(東工大の下河辺明副学長)という。清華大は中国でトップ級の大学で、政府の要人を多く輩出している名門大学。
 受講するには東工大の大学院とコースの両方の試験に合格することが必要。最初の1年間は清華大で受講、次の1年間は東工大で受講し研究論文を提出。その後、再び清華大で半年受講して論文が認められると、両大学の修士号を取得できる。

◎中国憲法改正案:「私有財産の不可侵」を明記、14日に採択(2004年3月8日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国の第10期全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は8日の会議に「私有財産の不可侵」を明記するなど14項目の憲法改正案を提案した。中国の憲法改正(82年施行)は99年以来5年ぶり4回目。最終日の14日に採択される。中国は冷戦後、社会主義制度下で市場経済化を加速させてきたが、私有財産保護の憲法明記で経済面では西側資本主義諸国に準じた法制度を整えることになる。
 改正案は、現行憲法が規定する「国家は公民の合法的財産の所有権を保護する」を「公民の合法的な私有財産は侵されない」に改める。趣旨説明に立った王兆国・全人代副委員長は「わが国の改革・開放以来、個人財産が増加し、法律による保護要求が切迫している」と述べた。
 中国憲法は前回改正で、改革・開放政策で活性化した民間経済を「公有制経済の補完」から「社会主義市場経済の重要な要素」に格上げした。この際も全人代代表(議員)らから私有財産権保護を求める声が上がったが条件が整わず、改正を見送っていた。
 今回改正は中国の経済発展をけん引する民営企業家らの要請に応えたものであり「神聖不可侵」と定めている公有財産に近い地位を、私有財産にも与える内容になる。土地や私有財産の徴集・収用に対する国家補償も合わせて定められており、補償関連法の策定など私有財産の具体的な保護規定につながる見込みだ。
 また改正案は序文(前文)に、江沢民前国家主席が提唱した「『三つの代表』重要思想」を明記し、毛沢東思想、トウ小平理論と並ぶ国家指導指針と位置付けた。さらに「人権の尊重と保障」「社会保障制度の構築」も条文に入れ、弱者への配慮を示した。こうした人権規定が中国の政治改革につながるかどうか注目される。
 今回の憲法改正案は一昨年秋の第16回中国共産党大会で決まった方針に基づき、昨年3月から呉邦国・全人代常務委員長をトップとする憲法改正指導グループが草案を検討。昨年12月に党提案として全人代常務委員会に草案が示された。改正案は3分の2以上の代表の賛成で可決される。
 中国憲法の改正案骨子は次の通り。(中国総局)
・国家指導指針として江沢民前国家主席の「三つの代表」重要思想を追加(序文)
・土地の徴集・収用に対する補償を追加(10条)
・「(国家は)非公有制経済の発展を励まし、支持する」と追加(11条)
・合法的な私有財産の不可侵と徴集・収用への補償を明記(13条)
・「経済発展レベルにふさわしい社会保障制度の確立」を追加(14条)
・「国家は人権を尊重し、保障する」を追加(33条)
・国家主席の職権である「戒厳令の発布」を「緊急事態突入の宣言」に改変(80条)
・国家主席の職権に「国事行為」を追加(81条)

◎中国国防費、13%の伸び、初めて2千億元突破の見通し(2004年3月6日、朝日新聞)
 中国の04年国防費の伸び率が、兵器のハイテク化などを反映し、2年ぶりに前年比10%台に上ることが明らかになった。総額も2100.2億元(1元=13円)と、初めて2000億元台を突破する見通しだ。
 全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で金人慶財政相が6日に提出する04年予算案は、通常発表する国防費の総額を示していないが、前年支出(実績)に比べ218.3億元、11.6%増えたと記述。これをもとに総額を計算し、前年の当初予算と比べると、伸び率は13.3%となる。
 中国の国防費は89年から02年まで続けて10%以上の伸びを維持し、03年は9.6%だった。国防費の総額は、02年を除いて、予算案の中で明記していた。軍事支出の総額すら明示しない不透明な態度は他国の警戒感を呼びそうだ。
 国防費増加の理由として、予算案では「ハイテク条件下での防衛作戦能力の向上」と「軍関係者の給料の調整と退職金支出によるもの」と言及。人民解放軍は05年までに現在の約230万人から20万人削減する計画で、退職者の増加も影響しているとみられる。
 ただ、装備費への配分も強まっていることは確かだ。江沢民中央軍事委主席は軍の人員削減について「限られた戦略資源を集中させ、軍の情報化の加速に役立つ」と述べ、軍事情報の伝達手段の電子化を進めるための措置だと説明。解放軍高官も、削減対象は主に陸軍(約160万人)だと明らかにしている。
 この方針のもと、海軍は最新レーダー搭載の駆逐艦整備、空軍はロシアから最新鋭戦闘機の購入などを進める。日米のミサイル防衛(MD)構想に対しては「戦略バランスが崩れ、新たな軍備競争を起こす懸念もある」(曹剛川国防相)との見解を示すと同時に、対抗策としてミサイルの多弾頭化の研究・開発にも力を入れている。

◎違法薬物事件、中国で昨年6万3千人摘発(2004年3月1日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】中国公安省の羅鋒次官は1日、記者会見し、中国で昨年、麻薬などの違法薬物事件が9万4000件に達し、6万3700人を摘発、ヘロイン約9.5トン、覚せい剤約5.8トン、合成麻薬のMDMA(通称・エクスタシー)約41万錠を押収したと明らかにした。
 羅次官によると、昨年の全国統計による麻薬使用者は105万人で、このうち35歳以下は約72%。中国メディアによると、近年、若者の合成麻薬使用や、都市部の失業者層と農村部での使用者増が顕著になっており、実際数は統計の数倍に上るとみられる。

◎佐川急便、中国で輸出入権を獲得(2004年2月28日、日本経済新聞)
 佐川急便は中国で、輸出入に伴う決済を代行できる「輸出入権」を取得した。同権を持つ中国企業に決済を委託する必要がなくなるため、顧客企業のコスト削減や輸送期間の短縮につながる。佐川は日中間の一貫輸送事業や国内の物流事業を強化する計画で、今後は決済代行を加えた総合サービスを顧客に提供できる。
 輸出入権を取得したのは佐川が中国保利集団(北京市)と折半出資で設立した保利佐川物流(広東省深セン市)で、3月から決済代行を始める。保利佐川が支店開設を計画している北京、天津、上海、広州(広東省)、大連(遼寧省)、青島(山東省)の六都市でも、7月をめどに決済を含む一括受託サービスを始める計画。
 中国政府は輸出入権を持つ貿易公司などに貿易に伴う決済を限定している。一部の大手メーカーを除きほとんどの進出企業は輸出入権を持っておらず、地方ごとにある貿易公司に輸出入額の3%程度の手数料を支払って決済を委託せざるを得なかった。

◎麻薬密輸事件:死刑判決被告の減刑嘆願書、中国に提出されず(2004年2月21日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】麻薬密輸事件で中国遼寧省の瀋陽市中級人民法院(地裁)から死刑判決を受けた福島県相馬市の無職、森勝男被告(61)=控訴中=の減刑嘆願書が中国側に提出されていないことが20日、分かった。森被告は今月10日、面会に訪れた瀋陽の日本総領事館担当者に嘆願書を書く意思を示したが、その後、担当者が同被告に面会していないため放置された形になっており、邦人保護業務のあり方が問われそうだ。
 同総領事館によると、担当の副領事が10日に森被告に面会した際、減刑嘆願書について説明した。森被告は、その場で嘆願書を書く意思を示したが、面会が約1時間と限られていたため書く時間がなかったという。副領事は毎日新聞の電話取材に、次回面会についても中国側に申請していないことを認め「次は3月上旬に面会に行くつもりだ」と語っている。
 中国の司法関係者によると、日本政府が水面下で減刑を働きかける際、本人の嘆願書が中国当局に届いていることが重要になる。中国は2審制で、森被告は遼寧省高級人民法院(高裁)の控訴審で死刑が確定、執行される可能性がある。中国の控訴審は、地裁判決から1カ月前後の短い期間に書面審理だけで刑が確定することもあり、早急な減刑嘆願が必要とされる。家族の嘆願書も有効だが、中国側に届いていない。
 10日の面会は、今月3日に森被告が死刑判決の言い渡しを受けて以降、初めてだった。同総領事館によると、副領事は面会で、森被告と控訴するかどうかを中心に話し合ったというが、14日の控訴手続き締め切りの直前だった。
 総領事館によると、被告が昨年7月30日に刑事拘束(逮捕に相当)された後、8月13日、9月5日、同29日、12月2日の4回面会していた。死刑言い渡しが予想される判決公判前、約2カ月にわたって面会に行っていなかったことも、問題になりそうだ。

◆外務省邦人保護課の話
 控訴プロセスについて現地の裁判所や弁護士から情報を収集しつつ、嘆願書提出のタイミングを計っている。われわれの業務怠慢ということではない。

◎中国、北朝鮮向け核処理液押収、昨夏、米の情報受け摘発(2004年2月21日、朝日新聞)
 中国政府が昨年夏、米政府からの情報をもとに、北朝鮮による核関連物質の輸入を阻止していたことがわかった。中国政府は、米政府が提唱した大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)への参加を見合わせているが、朝鮮半島の非核化に向けて水面下で連携している形だ。北朝鮮の最大の同盟国である中国が米国と組んで核の封じ込めに動いたことは、北朝鮮が核開発を進める上で大きな重圧になっているとみられる。
 この物質は、使用済み核燃料棒から兵器級プルトニウムを抽出する際に溶媒として使われるリン酸トリブチル(TBP)という液体。北朝鮮による核関連物質の調達の事実の一端が表面化したのも異例のことだ。
 米中関係にかかわる複数の米政府当局者によると、米中央情報局(CIA)は昨年夏、北朝鮮が大量のTBPを輸入しようとしているとの情報を入手。TBPを積んだコンテナを運ぶとみられる平壌行きの列車を調べ、外交ルートを通じて中国政府に通報、輸送を阻止するよう働きかけた。
 中国の捜査当局は、遼寧省の中朝国境の都市・丹東の駅でこの列車を止め、捜索した。米当局が指定したその列車からはTBPが見つからなかったが、同駅での捜査を続けたところ、後日、別の平壌行き列車のコンテナ内からTBPを発見、押収したという。
 この約半年前の02年12月、CIAは同様に、約20トンのTBPが中国から北朝鮮に輸入されるとの情報を事前に入手したが、米政府内で検討した結果、「中国の協力が得られる可能性は低いとの結論に達した」(米当局者)ため、通報は見送られていた。
 その後、北朝鮮は寧辺の核施設から国際原子力機関(IAEA)の査察官を追放し、使用済み核燃料棒を運び出すなど行動がエスカレート。危機感を募らせた米政府は再びTBP輸入の動きをつかんだ昨年夏、中国政府に知らせて行動を促す決定に転じた。
 中国政府はTBPの同国内での製造や輸出入を規制しているが、このコンテナは義務づけられている届け出がされていなかったという。コンテナを手配した業者や、TBPがどこから運ばれていたのかなどは明らかにされていない。
 核の拡散阻止をめぐる米中間の協力について、ボルトン米国務次官は16日、訪問先の北京で「PSIは組織ではなく、行動だ」と表明。中国の正式参加は必ずしも求めずに「情報交換などで連携を強化」「中国はPSIの参加国と同じ目的を共有している」などと評価する発言をしていた。
 中国政府は昨年2月にも、東北部から北朝鮮に燃料を供給するパイプラインを一時停止した。中国側は「技術的な理由」と説明したが、米政府などは、核問題で北朝鮮に自制を促す中国の圧力だったとみている。そのうえ核関連物質の輸入も妨げられたことで、北朝鮮は中国側の警告をくみ取り、その後の第1回6者協議の開催に応じた可能性もある。

・リン酸トリブチル
 無色無臭の液体。ウランやプルトニウムをよく溶かす性質を持つ。使用済み核燃料の再処理法のうち、欧米や日本で採用されているピューレックス法では、ウランとプルトニウムを他の核分裂生成物から分離する工程と、最後にウラン、プルトニウムをそれぞれ精製する工程で溶媒として使われる。使い切りではなく、何度も再利用される。
 原子力関係者によると、再処理に必要なリン酸トリブチルの量は工場の性能や工程によって異なるが、1日に数キロのプルトニウムを抽出できる規模の工場の場合、10トン前後は必要。プルトニウムは一般に、約8キロで原爆1個がつくれる。

・拡散防止構想(PSI)
 核兵器やミサイルなどの大量破壊兵器が他国やテロ組織に売買されるのを阻止するため、米と各国の間で取り決めを交わし、国際法上は難しい飛行機や船舶などの臨検も可能にする構想。昨年5月末にブッシュ米大統領がポーランドで演説し、世界に提案した。主に北朝鮮やイランの核・ミサイル輸出を念頭に置いている。現在、日・豪や欧州を中心に16カ国が参加し、不審船の臨検を想定した洋上演習などを行っている。

◎たばこの不始末が原因、中国・吉林省のビル火災(2004年2月19日、産経新聞)
 18日の新華社電によると、死者53人を出した中国吉林省吉林市の商業ビル火災は、ビル内の倉庫所有者の男性(35)のたばこの不始末が原因と分かった。地元警察はこの男性を拘束し、さらに詳しい事情を調べている。
 中国政府が現地に派遣した専門家は調査の結果、ビル2階の商店街の一角にある倉庫で、この男性が投げ捨てたたばこの火が可燃物に引火し、燃え広がったと断定した。
 ビルの1、2階は商店街で、100を超すテナントが入っていた。
 火災は15日、4階建て商業ビル「中百商厦」で発生、死者53人のほか負傷者68人を出す惨事となった。(共同)

◎中国の核技術、パキスタン経由でリビアに(2004年2月18日、産経新聞)
 米政府当局者は17日、パキスタンからリビアへの核拡散に関連し、中国の1970年代の核開発技術が、パキスタンを通じてリビアに流出していたことを明らかにした。
 リビアで見つかった核兵器の設計図など関係資料が中国から提供されていたと報じた米紙の報道を確認した。米国は核開発の完全放棄を表明したリビアから遠心分離機の機材や関連資料を大量に搬出、米国内で分析を進めている。
 当局者はまた、大量破壊兵器の拡散問題で今週訪中したボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)に対し、中国側が「拡散防止構想(PSI)の目的と原則を共有する」と表明したと言及。中国はPSIに未加盟国ながら、北朝鮮などへの拡散防止策として進める同構想に協力していく姿勢を確認したことを指摘した。(共同)

◎中国へ約100億円不正送金、警視庁、中国人を逮捕(2004年2月18日、産経新聞)
 中国へ不正送金する「地下銀行」を営んだとして、警視庁捜査3課は17日、銀行法違反(無免許営業)の疑いで、東京都豊島区、中国籍の日本語学校生、翁志飛容疑者(31)を逮捕した。調べに対し、「これまで約100億円を不正送金した」と供述しているという。
 調べでは、翁容疑者は昨年2月中旬−12月下旬、日本にいる中国人7人の依頼を受け、中国の家族らの銀行口座へ計1280万円を振り込み、手数料として約3万6500円を受け取った疑い。同課は平成11年10月から、計約37億円を不正送金していたことを確認している。
 平成14年12月に東京港から密入国し銀座の路上で逮捕された中国人52人の中に窃盗グループのメンバーがおり、見張り役だった女が翁容疑者の口座あてを含む大量の振込用紙を所持していたことから捜査していた。
 依頼人は飲食店従業員らで、大半は不法滞在者。捜査3課では依頼人宅への家宅捜索で盗難パソコン計4台を押収していることから、不正送金の中に盗品売買による収益が含まれている可能性が高いとみている。

◎無免許銀行業務で中国に100億円送金、中国人を逮捕(2004年2月18日、朝日新聞)
 無免許の銀行業務で中国に送金したとして、警視庁は17日、中国人の元専門学校生翁志飛容疑者(31)=東京都豊島区駒込6丁目=を銀行法違反(無免許営業)の疑いで逮捕した。「95年ごろからこれまでに約100億円送金した」と話しているという。
 捜査3課と万世橋署の調べでは、翁容疑者の直接の逮捕容疑は、銀行法上の免許を持っていないのに03年2月〜12月、日本に住む中国人7人に頼まれ、指定された中国の受取人に12回計1280万円を送金し、手数料として3万6500円を受け取った疑い。
 あらかじめ中国の銀行口座に資金を置いておき、日本在住の客から依頼があるとその口座から中国の受取人に金を送り、後に送金金額と手数料を日本の自分の口座に振り込ませていた。振込先などとして国内に107口座、中国に14口座を開設していた。手数料は送金額の1%で、親しい人からは受け取っていなかったという。
 正規の手続きでは銀行に身分証明書を提示し、送金目的を明らかにする必要があるため、不法滞在者らが翁容疑者に依頼していた。押収した手帳などから、昨年6月〜今年1月に2558件計約12億8527万円を送ったことが確認された。

◎中国、核ミサイル開発でサウジ・パキスタン支援か(2004年2月16日、日本経済新聞)
 【ワシントン15日共同】ロイター通信は15日、複数の米政府当局者の話として、中国が大量破壊兵器拡散防止を確約したにもかかわらず、依然、サウジアラビアの弾道ミサイルとパキスタンの核・弾道ミサイルの開発支援を続けている恐れがあると報じた。
 ロイター通信によると、同当局者は今週、北京を訪問するボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)と中国側との協議では、大量破壊兵器の「拡散防止構想」(PSI)への参加を要請するだけでなく、中国のサウジ、パキスタン支援も焦点になると語った。
 同当局者は、短期的にはイランと北朝鮮の大量破壊兵器拡散が大きな脅威だが、サウジがミサイル分野で中国の協力を得ていることへの懸念を示した。
 専門家らは、仮にサウジでイスラム過激派政権が誕生したり、サウジがイランの核兵器への脅威を感じたような場合、弾道ミサイル所有が厄介な問題となる恐れがあると指摘している。

◎日本人男性に中国で死刑判決、覚せい剤密輸容疑(2004年2月14日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国遼寧省の瀋陽市中級人民法院(地裁)は今月上旬、覚せい剤1.25キロを中国から日本に持ち出そうとして麻薬密輸罪で起訴された60歳代の日本人男性に対し執行猶予の付かない死刑判決を言い渡した。
 日中関係筋が14日、明らかにした。男性は同省高級人民法院(高裁)に控訴した。
 外務省邦人保護課によると、日本人が中国で執行猶予の付かない死刑判決を受けたのは初めて。刑が確定して執行されれば、海外で日本人が刑法犯として死刑に処される初のケースとなる。
 同筋によると、この男性は昨年7月、同省の大連空港から覚せい剤を所持して出国しようとしたところを拘束され、逮捕、起訴された。男性は公判で起訴事実を認めている。瀋陽の日本総領事館は中国側の通報を受けて、昨年7月以来、計5回にわたって領事館員を面会させ、事情を聴くとともに対応を話し合ってきた。弁護は中国人の国選弁護士に依頼している。男性の健康状態は良好だという。同筋は「刑の確定までに4〜5か月はかかる」との見通しを示している。
 中国の刑法では、死刑判決にも執行猶予が付くことがあり、2年間の執行猶予中に故意に犯罪を犯さなかった場合は、無期懲役に減刑される。麻薬の製造、運搬、販売、密輸にかかわった罪は麻薬の種類によっても異なるが、ヘロインなどは最低50グラムから死刑になる可能性があるという。

◆暴力団や密売組織との接点薄い
 外務省邦人保護課によると、中国から覚せい剤を持ち出そうとして逮捕された日本人は、1999〜2002年の4年間に2人しかいなかったが、昨年は上海、瀋陽、大連、広州など6空港で計14人に上った。そのほとんどが、暴力団や覚せい剤の密売組織との接点がなく、見知らぬ人物に数十万円程度の報酬で中国行きを頼まれたホームレスなどだった。
 このうち、昨年11月7日、上海空港の手荷物検査場で、約1.5キロの覚せい剤を隠し持っていたとして逮捕された20歳代の男性も、東京・新宿で暮らすホームレスで、公園で見知らぬ男に20万円で頼まれ、偽造パスポートや渡航費を渡されていた。

◎麻薬密輸で邦人に死刑判決、中国、ほかに11人拘束(2004年2月14日、産経新聞)
 中国遼寧省瀋陽市の同市中級人民法院(地裁)が2月3日に日本人男性の被告(61)に対し、覚せい剤1・25キロを日本に運ぼうとしたとして麻薬密輸罪で死刑判決を言い渡していたことが14日、分かった。関係者が明らかにした。
  日本人が中国で、執行猶予の付かない死刑判決を受けるのは初めて。男性は控訴しており、2カ月以内に二審が開かれる見通し。中国は二審制で、二審判決が出れば比較的早く執行される。死刑が実際に執行されると、日本人が海外で刑法犯として極刑に処される初のケースとなる。
 男性は昨年7月、遼寧省内の空港で覚せい剤を持ち出そうとして拘束された。
 中国では昨年、日本人が麻薬密輸容疑で拘束される事件が急増。現在、拘束中の日本人はこの男性を含め、大連、上海、広州、香港などで計12人に上る。背後に日本人を運び屋として利用する麻薬密輸ネットワークがあるとみられている。
 中国刑法では、麻薬の製造、販売、密輸は重罪で、量が1キロ以上の場合、無期懲役か死刑が一般的。他の日本人11人も1キロ以上の麻薬密輸容疑で拘束されており、同様に死刑判決が言い渡される可能性がある。
 北京の日本大使館幹部は「個別の事案についてはプライバシーの問題があり、答えられないが、家族からの(減刑などの)嘆願は法院に伝え、適宜、領事面会を行っている」と話している。
 中国では2001年9月、800グラムの麻薬を製造、所持して死刑判決を受けた韓国人男性に死刑が執行された。
 関係者によると、タイやフィリピンなどで過去に麻薬不法所持で日本人に死刑判決が出た例はあるが、実際に執行されたケースはないという。(共同)

◎覚せい剤密輸の罪で邦人男性に死刑、中国・瀋陽で判決(2004年2月14日、朝日新聞)
 中国・遼寧省瀋陽市の瀋陽市中級人民法院(地裁)が今月3日、覚せい剤1.25キロを中国から日本に運び出そうとして麻薬密輸罪で起訴された60歳代の日本人男性に対し、死刑判決を言い渡していたことがわかった。男性は同省高級人民法院(高裁)に控訴した。日本人が中国で、執行猶予のつかない死刑判決を受けるのは初めて。
 中国では麻薬密輸に絡んで日本人が逮捕されるケースが昨年以来急増しており、今後も厳しい判決が続く可能性もある。死刑が実際に執行されれば、日本人が海外で刑法犯として極刑に処される初のケースとなる。
 関係者によると、男性は昨年7月、遼寧省の大連空港から覚せい剤を身につけ飛行機に乗ろうとしたところを拘束され、逮捕・起訴された。地裁の公判で男性は、中身は麻薬だと知ったうえで持ち出そうとした事実を認めたという。
 瀋陽の日本総領事館は昨年7月以来、計5回にわたって男性と面会。男性は中国人の国選弁護人に弁護を依頼した。
 中国の刑法では、麻薬の製造、運搬、販売にかかわった場合、覚せい剤なら50グラムから死刑になる可能性があるなど、麻薬に関する規定が厳しい。一昨年、覚せい剤800グラムを中国から密輸しようとした韓国人男性は高裁で死刑判決が確定し、執行されたという。
 今回、男性に死刑判決が言い渡されたのは、日本人が旅行者を装って運搬する例が急増していることが背景にあるとみられる。関係者によると、昨年は中国(香港を含む)で13人が拘束された。それ以前には99年と01年の2人だけだった。
 うち01年に拘束された日本人男性は、覚せい剤1.8キロを韓国に持ち出そうとしたとして拘束・起訴され、02年に北京の地裁で無期懲役の判決を受けた。
 日本人が海外で死刑判決を受けた場合、外交ルートでは司法の独立の観点から減刑などの申し入れは行わないが、家族の減刑嘆願書などは相手国に伝える場合もある。

◎空から鳥1万羽が落ちて死ぬ、中国で、中毒死の可能性(2004年2月6日、朝日新聞)
 中国・江蘇省泰州市内で3日、飛んでいた大量の渡り鳥が空から落ちてきて死ぬ事態が起きた。5日付の上海紙の東方早報が伝えた。原因や鳥の種類は不明だが、地元当局は落下現場付近を立ち入り禁止とするとともに、死骸(しがい)の標本を調査機関に送って死因を調べている。
 報道によると、ある目撃者は3日午後1時ごろ、同市内を車で走っていたところ、空から突然何かが落ちてきたことに気づき、路上を見ると鳥が死んでいた。その後も鳥は次々に雨のように落ち、路上や農地は死骸で埋まった。数は1万羽以上にのぼるという。
 別の目撃者によると、鳥の形や大きさはスズメに似ているが、首と翼は黄色で、尾がスズメより少し長い。一群の渡り鳥は1日ごろから現場付近の上空を旋回していたという。現地の衛生当局者らが駆けつけ、死んだ鳥を集めて土中に埋めるなどの処理をした。死因は判明していないが、住民たちの多くは鳥インフルエンザによる感染死ではなく、中毒死の可能性が高いとみている。農業省によると、5日夜現在、江蘇省内では鳥インフルエンザの感染の確認も疑い例も報告されていない。
 江蘇省農林庁の専門家は「渡り鳥は集団生活しており、食べ物や水などに毒が混じったり、汚染されたりしていた場合、大量の鳥が死ぬケースは起こる」と話している。

◎中国、日本産などの化学品に反ダンピング課税を決定(2004年2月1日、日本経済新聞)
 【北京1日共同】中国商務省は1日、日本と韓国、米国、台湾から輸入される化学原料フェノールがダンピング(不当廉売)で国内業界に損害を与えているとの認定を正式決定し、同日から4カ国・地域製品の輸入時に144〜3%の反ダンピング税を課すと発表した。課税期間は5年。
 フェノールは電子機器や接着剤などの原材料に使われ、日本の対中輸出量は2002年で4万4900トン。中国での電子機器などの生産拡大に伴い、今後も需要の増加が見込まれている。同省は02年8月から調査を始め、昨年6月にダンピングを認定する仮決定を出していた。

◎高級車の事故契機に・中国、特権階級への不満爆発(2004年1月16日、産経新聞)
 中国黒竜江省ハルビン市の女性(44)が、ドイツの高級車BMWを運転して農民ら13人を死傷させた人身事故が、貧富の格差と政治腐敗でくすぶる国民の不満に火を付け、新年早々、中国メディアを巻き込んだ騒動に発展している。
 単純な交通事故として執行猶予付きの軽い判決を受けたことで騒ぎは拡大。「女性は省政府幹部の親族」「殺人事件だ」などと、特権階級への激しい攻撃がインターネット上を飛び交い、中国政府も事故の再調査に乗り出さざるを得なくなった。
 事故は昨年10月、ハルビン市内で発生。農業用トラクターが急ハンドルを切って、停車中のBMWに接触したのが発端だった。
 怒った女性は、車から飛び出して農民を罵倒(ばとう)し、カバンで殴り付けた。興奮収まらぬまま車に戻り急発進、農民の妻をひいて死亡させ、群衆12人も巻き添えとなり負傷した。
 女性が車に乗る直前「ひき殺してやる」と言ったという目撃証言があり、被害者の農民も刑事事件としての捜査を要請。しかし地元の警察当局は詳しく調べもせずに人身事故として処理し、女性には昨年12月20日に懲役2年、執行猶予3年の判決が言い渡された。
 これ以降、インターネットの複数の掲示板に「女性は省政府幹部の息子の嫁」などと事件処理を批判する書き込みが続いた。さらに「新京報」「南方周末」など比較的自由な言論で知られる中国紙が追撃、不透明さを連日のように指摘した。
 夫もベンツで事故直後に現場に駆け付けたが、2人とも即死状態の被害者には目もくれなかったという。女性が乗り回していたBMWは80万元(約1030万円)もするというが、夫婦の身分は今も隠されたまま。被害者には9万9000元(約130万円)の和解金を渡したという。
 政府権力とつながる大金持ちと発展から取り残される農民。中国社会の縮図を分かりやすく映し出したストーリーに国民は強く反応した。インターネットを使った攻撃を政府は統制できず、その世論を背景とした自由な報道も、もはや規制できる状況にない。
 地元政府は再調査を約束すると同時に中国共産党中央規律検査委員会に事件の概要を報告したが、党中央はまだ具体的な対策を提示していない。(共同)

◎中国・チチハルで工場からガス流出、130人搬送(2004年1月16日、朝日新聞)
 中国国営通信・新華社によると、黒竜江省チチハル市郊外で15日夜、塩素ガスが流出する事故があり、130人余が病院に運ばれた。うち6人は呼吸に苦しむなど症状が重いが、生命の危険はないという。同市では昨年8月、旧日本軍の遺棄化学兵器によって住民1人が死亡、40人以上が負傷する事故があったが、チチハル市政府当局者は16日、朝日新聞に対し、今回の事故は遺棄化学兵器とは無関係だと語った。
 また、中国外務省の遺棄化学兵器担当室も同日、北京の日本大使館に、事故は製薬工場で発生したものだと伝えた。

◎トップは清華大学、中国大学ランキング[社労](2004年1月15日、NNA)
 中国紙「21世紀経済報道」最新号(1月15日発売)は、中国管理科学研究院科学学研究所がまとめた中国国内の大学ランキングを掲載した。トップは清華大学(北京)。北京、浙江、復旦の各大学が続いた。日本以上に学歴社会が進んでいるといわれる中国で、今回発表された大学の序列はその正否を巡って論議を呼びそうだ。


 調査は同研究所の武書連、呂嘉、郭石林の3氏がまとめた。同紙によると、武氏は中国の大学ランキング研究の権威で、同分野での論文発表、引用とも国内トップクラスの学者だとしている。
 ランキングでは、全国の大学を「人材育成」と「科学研究」の2つの指標で分類。人材育成では、大学院生、大学生の育成状況を、科学研究では社会科学、自然科学の研究分野を、数値化して総合ランキングを決定している。
 総合評価では、いわゆる有名大学が名を連ねているが、同研究所は各学科別のランキングも発表。医学部では、中国協和医科大学(北京)がトップとなっているほか、管理学部でも西安交通大学も北京大学や清華大学を抜いて首位にランクされており、大学の特徴を示すものとして注目されている。
 また、2000年から2002年までに英国の科学誌「ネイチャー」と米国の科学誌「サイエンス」に掲載された論文を出身大学別でみると、北京大学の9本が最多。清華大学も6本と健闘したが、米国のハーバード大学(431本)、英国のケンブリッジ大学(179本)、東京大学(132本)には遠く及ばず、国際レベルでの認識度は、中国の大学のレベルはまだまだ低いようだ。
 今回の掲載について、21世紀経済報道は「読者の需要を満足させ、大学ランキング(研究)の発展を促すため」と明記。「ランキング自体は本紙の観点を代表しておらず、読者の討論を歓迎する」として、ランキング発表を契機として、国民的論議が行われることを希望するとの立場を説明している。

◎233人死亡のガス噴出事故、原因は作業員のミス、中国(2004年1月3日、朝日新聞)
 中国重慶市北東部の開県で昨年12月23日に起きた住民ら200人余りが死亡した天然ガス噴出事故で、中央政府の調査チームは、事故原因はガス田の作業員らの過失によるものと断定し、管理者の業務上過失責任を追及する。国営新華社通信が2日報じた。
 調べでは、作業員らはガス噴出量の見積もりが甘かったほか、大量の硫黄を含むガス田の探鉱技術についても未熟だった。さらにガス噴出の兆候も発見できなかった。噴出後も、規定にあったガス放出管に点火して毒性を薄める作業を怠ったため、有毒ガスが拡散し、死傷者を増やしたとしている。
 事故では睡眠中や避難中の住民ら233人がガス中毒で死亡した。

◎中毒症状1万人超える、ガス噴出事故、中国(2003年12月28日、産経新聞)
 中国重慶市開県の有毒ガス噴出事故で、中毒症状などのため同県内の医療機関で治療を受けた住民は27日までに累計で1万175人に上り、うち77人が重体となっている。新華社が28日伝えた。これまでの死者数は198人。
 有毒ガスが噴出した天然ガス田での密封作業が27日成功したのを受け、避難していた6万4000人に上る被災者は28日朝から、安全が確認された地区で徐々に自宅に戻り始めた。噴出現場に近い地区では家屋の消毒が続いているという。(共同)

◎中国ガス田事故:中毒者1万人超える(2003年12月28日、毎日新聞)
 中国重慶市開県の有毒ガス噴出事故で、中毒症状などのため同県内の医療機関で治療を受けた住民は27日までに累計で1万175人に上り、うち77人が重体となっている。新華社が28日伝えた。これまでの死者数は198人。
 有毒ガスが噴出した天然ガス田での密封作業が27日成功したのを受け、避難していた6万4000人に上る被災者は28日朝から、安全が確認された地区で徐々に自宅に戻り始めた。噴出現場に近い地区では家屋の消毒が続いているという。(北京・共同)

◎重慶ガス事故の死者が234人に(2003年12月27日、朝日新聞)
 中国の人民日報(電子版)などによると、重慶市開県の天然ガス噴出事故による死者数は29日までに234人になった。治療を受けた住民は27日までに計1万175人に上った。
 死者の多くは、現場近くから逃げる途中に息絶えた人たちとみられる。

◎中国の天然ガス噴出、84時間ぶり封鎖、死者198人に(2003年12月27日、朝日新聞)
 中国重慶市北東部の開県で起きた天然ガス田のガス噴出事故で、国営新華社通信は27日、ガスの噴出を完全に止める作業が同日午前9時(日本時間同10時)に始まり、封鎖に成功したと伝えた。23日夜以来、84時間ぶりに噴出が止まった。地元警察当局や民兵組織などによる救助隊約1500人が27日未明まで現場の半径5キロ以内で進めていた、被害者の捜索といった大規模な救助活動は、ほぼ収束した。事故による死者は同日昼までに198人になった。
 ガス田の主要パイプは事故発生翌日の24日に封鎖され、なおもガスが噴出している部分については、有毒ガスの拡散を防ぐために火が付けられていた。噴出を完全に止める作業は、当初26日に予定されたが、現場の状況などから延期されていた。中国メディアはこの作業が今回の事故処理の一つの区切りとなると位置づけて伝えている。
 26日までに緊急避難した住民は4万人以上に上り、学校などの施設で夜を過ごしている。一方、中毒症状を訴えて病院で手当てを受けた住民は9185人に上っている。

◎死者の多くは子どもや高齢者、中国・重慶ガス噴出(2003年12月26日、朝日新聞)
 中国・重慶市郊外で190人以上が死亡した天然ガス田ガス噴出事故で、国営新華社通信(電子版)は26日、入院治療を受けた住民らが660人に達し、うち17人が危篤を含む重症と伝えた。治療を受けた人は9185人に上った。また、死者の多くは近くの村に住む子どもや高齢者だった。
 新華社などによると、硫化水素など有毒ガスを吸って死亡した191人のうち、身元が確認されたのは182人。このうちガス田の作業員は2人だけで、ほとんどは地元住民だった。犠牲者は子どもと高齢者の割合が高く、10歳以下が39人、60歳以上が46人だった。
 ガス田の半径5キロ以内は一般人の立ち入りが禁止された。防毒マスクで防御した武装警察官約800人や軍部隊70人も投入され、救助活動が続いている。

◎中国ガス田事故:死亡者の大多数は、逃げ遅れた付近住民(2003年12月26日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】26日の新華社電によると、中国重慶市開県で23日夜に発生した天然ガス田事故で、噴出した有毒ガスによる死者の大多数が逃げ送れた周辺住民だった。また、現場の県当局が事故連絡を受けたのは発生から約2時間以上後だった。中国政府は、事故発生直後の初動態勢など被害拡大の原因究明を迫られそうだ。
 この事故による死者数は25日夜までに、子供39人を含む191人に達した。うち身元が確認された182人は、2人の作業員を除き、全員が周辺住民だった。26日までに、中毒症状で手当てを受けた人は9185人、計660人が入院し、17人が重体。また、緊急避難した周辺住民は4万2247人に達した。今後も増加する可能性がある。
 事故発生は23日午後9時15分だったが、県当局は同日午後11時半にガス田側から市を経由して連絡を受けた。
 関係者からは、事故発生時に予想される危険度合いを周辺住民に速報する効果的な警報システムがなかったことや、掘削などに関する周辺住民への事前説明制度が整っていないことも住民被害が拡大した要因になったと指摘されている。
 この事故では、胡錦涛国家主席と温家宝首相ら指導部が、発生2日後の25日に「全力で捜索、救出せよ」と地方当局に指示。26日から1500人規模の捜索チームが動員された。現指導部は弱者救済など「親民路線」を打ち出しており、多数の住民被害をもたらした事故を深刻に受け止めている模様だ。
 中国国家安全生産監督管理局によると、中国では今年1〜10月、炭鉱などで採掘中に7197人(前年同期比1.9%増)が事故死した。先進国では30年以上前の高い事故率だといわれ、安全よりも生産を優先させる企業体質が国内でも問題になっていた。
 中国政府が今月発表した「中国の鉱物資源政策」は、採掘を実施する企業に対して「情報ネットワークを確立し、災害防止・減少案を作成し、突発災害の発生を避けるための最大限の努力をする」と定めていた。
 中国では過去2回、類似のガス噴出事故が起きている。98年3月には四川省の天然ガス田から有毒ガスが漏れ出し、近くの炭鉱内に流入。炭鉱作業員11人が死亡した。92年9月には河北省で油田掘削中に硫化水素を含むガスが噴出、付近住民6人が死亡した。

◎ガス噴出事故:中国重慶で死者191人、さらに増える可能性(2003年12月26日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】25日の新華社電によると、中国重慶市開県の天然ガス田で23日午後10時(日本時間同11時)ごろ、ガス噴出による事故が発生し、この事故による死者は25日までに191人に上った。大半は有毒ガスによる中毒死とみられる。死者数はさらに増える可能性があり、中国国内の炭鉱などでの事故としては過去最大規模に発展しそうだ。胡錦濤国家主席と温家宝首相らは救助を指示、中国政府の対策チームが25日夜、現場に入った。
 事故当時、硫化水素の混じった天然ガスが地上から約30メートルの高さまで噴出し、約10キロ離れた地点でもガス臭がしたという。24日午後3時(同4時)ごろ、ガス噴出口に点火してガス漏れを止めた。4万人規模の付近住民が緊急避難している。
 事故が起きたのは国有企業「中国天然ガス集団」が所有する大型天然ガス田で、四川石油管理局が掘削を請け負っていた。ガス井の深さは約4000メートル。1日100万立方メートルの天然ガスを産出していた。24日時点で65人が病院に運ばれており、死者の多くは作業員や付近住民とみられる。
 開県は重慶市の北東約340キロに位置し、人口は約150万人。天然ガスの確認埋蔵量が1100億立方メートル、ほかにも石炭などの鉱物資源が豊富な地域として知られている。
 中国では小規模炭鉱を中心にガス漏れ事故などでここ数年は年間5000人前後が死亡している。天然ガス田の大規模事故は珍しい。

◎ガス噴出事故:現場は依然有毒の危険、中国政府、生存者を捜索(2003年12月26日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】26日の新華社電やロイター通信によると、中国重慶市開県で23日夜に発生した天然ガス田事故の被害はすでに確認された死者191人のほか、291人が入院、うち4人が重体。3000人以上が目などに痛みを訴えている。現場付近には依然として硫化水素などを含む有毒ガスの危険があり、中国政府対策チームは軍や警察など約1500人を動員し、生存者を捜索している。
 現場は重慶市中心部から北東へ約337キロ。対策本部は事故が起きたガス田から約1キロ離れた高橋鎮政府会議室に設けられた。ガス噴出口には有毒ガスを無毒化するため火がつけられ、激しく炎が上がっている。一方、付近には燃え残った有毒ガスが残留しる可能性があり、引火しないように電源が切られ、鎮内は停電している。固定電話も使用できない。
 事故は地表から深さ208メートル付近をドリルで掘削中に発生し、有毒ガスが地上30メートルまで噴出、現場の高橋鎮など周辺4鎮28村に広がったという。危険を知った半径5キロ以内の住民約4万1000人がトラックの荷台などに乗って緊急避難したが、一部が逃げ遅れた。対策チームの捜索隊は警察犬やガス濃度の計測機を持ち、民家を一軒一軒回って生存者を捜索しているが。現場周辺は家畜の死骸が散らばるゴーストタウンと化しているという。
 患者が運ばれた開県の「人民病院」は4階建て建物の病室が患者であふれ、一部は廊下に横たわって治療を待っている。内科医師によると、138人を収容したが、残りは周辺の診療所などに運ばれた。また、避難した住民は特設の避難所15カ所で食料や衣類が配給されている。

◎住民ら3000人が中毒、中国・重慶のガス噴出事故(2003年12月26日、産経新聞)
 中国重慶市開県の天然ガス田で起きたガス噴出事故は、付近の住民ら約3000人が目やのどの痛みなどの中毒症状を訴える深刻な事態となっている。新華社が26日伝えた。
 死者数は25日夜時点の191人から増えていないが、このほかに290人がガス田から噴き出した硫化水素を吸って入院、うち4人が重体とされ、さらに死者が増える恐れがある。
 救助隊が身元を確認した死者182人は、2人の作業員を除いて全員が付近の住民だったことが判明。噴出したガスが猛烈な勢いで広がり逃げ遅れたとみられ、10歳以下の子供が39人、60歳以上の人が46人に上った。
 現地では救助隊が捜索活動を続け、捜索範囲も拡大。開県では既に4万1000人の住民を安全な場所に移すなど、犠牲者の捜索と住民の避難を進めている。
 25日に現場を取材した新華社記者によると、ガス田周辺は今も場所によって硫化水素が残留、危険な状態だという。
 救助隊の話によると、23日夜の事故発生直後に8人の犠牲者を確認。その後、ガス田の周囲数キロを調べたところ、さらに183人の死者を発見したという。(共同)

・硫化水素
 腐った卵のようなにおいがする無色の有毒ガス。硫黄と水素の化合物で目や皮膚を刺激する。天然では火山ガスや鉱泉中に含まれ、高濃度を吸引した場合、数呼吸で失神、こん倒などを起こし低酸素状態や肺水腫(はいすいしゅ)で死亡することもある。吸引量が少なくても頭痛、吐き気などの症状を起こす。(共同)

◎中国・重慶で天然ガス噴出事故、191人死亡(2003年12月25日、朝日新聞)
 国営新華社通信は25日、中国西南部の重慶市郊外の天然ガス田で23日夜、ガス噴出事故が起こり、作業員や付近の住民191人が死亡したと伝えた。事故発生当初は、毒性の強い硫化水素などが含まれたガスが高さ約30メートルまで噴き上がり、周囲の住民ら多数に中毒症状がみられるという。市当局は救援部隊や専門家を派遣しているが、25日夜現在も噴出は続いており、現場の周囲5キロの数万人規模の住民を緊急避難させている。
 中央政府も事態を重くみて、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席らは華建敏・国務委員を現場に派遣し、救援活動を指揮するように命じた。
 現場は、重慶市中心部から北東に約330キロ離れた開県高橋鎮にある中国石油西南油気田分公司川東北ガス鉱田で、埋蔵量が500億〜600億トンにのぼる大型の天然ガス田。多数の住民や作業員らが病院に運ばれているが、ほとんどが中毒症状を見せており、今後も死者数が増える可能性があるという。市当局などは事故発生の翌日、ガスの噴出をくい止める応急処置をとり、26日午前から本格的な処置を実施する予定だ。
 同県は50余りの県の下の行政単位にあたる郷鎮からなり、人口は約150万人。中国中央テレビの報道によると、ガスは現場付近の複数の集落に拡散。ある集落ではトラックの荷台に多数の住民が乗り込み、避難している姿が見られたという。当局は大気中のガスを燃焼させるため、故意に点火する処置をとっており、集落内は停電させているため真っ暗だという。
 同鉱田の副鉱長の説明によると、事故が起きたガス田は深さ4000メートル、幅700メートルで、1日の生産量は100万立方メートル。事故直前の作業には問題がなかったという。掘削ドリルが深さ208メートルに達したときにガスが噴出。ただ、ガスは掘削した部分からではなく、その周囲のすき間から噴き出たという。
 中国紙によると、ここ数年、全国で炭鉱事故が相次ぎ、年間約7000人が死亡しており、国家安全生産監督管理局が鉱山などの安全管理を呼びかけていた。

◎天然ガス田で事故、191人死亡、中国・重慶郊外(2003年12月25日、産経新聞)
 新華社電によると、中国重慶市開県の天然ガス田でガス噴出事故が23日夜に発生、現場の作業員ら191人が死亡したことが25日夜までに確認された。噴出した天然ガスに有毒の硫化水素が混じっていたためで、さらに犠牲者が増える可能性もある。
 中国の鉱山・ガス田に絡む事故の中でも過去最大級の規模とみられ、事態を重視した中国政府は胡錦涛国家主席らの指示で華建敏国務委員を現場に派遣、救助活動の陣頭指揮に当たらせている。
 噴出したガスは猛烈な勢いで高さ30メートルに上り、24日午後まで噴出が続いた。中国紙の報道によると、付近の住民約10万人が緊急避難。現場から約30キロ離れた開県の市街地も上空が真っ黒になり、噴出口に点火しガスを燃焼させてようやくガス漏れを止めた。
 事故発生直後の24日は73人が中毒となり、うち8人が死亡、65人が治療中と伝えられていた。噴出が収まり現場の調査が可能となって多数の死者が確認されたとみられる。
 事故が起きたガス田は、埋蔵量500億−600億トンに上る大型天然ガス田内にあり、中国石油天然ガス集団の四川石油管理局が掘削してきた。ガス田は深さ4000メートルで、1日100万立方メートルの天然ガスを生産し、これまでは正常に稼働してきたという。
 事故原因は調査中だが、現場の責任者によると、ガスを掘るドリルパイプの側面からガスが噴出し、大きな事故につながった。中国では炭鉱事故が相次ぎ、年間6000−7000人が死亡しており、国家安全生産監督管理局が安全管理の強化を呼び掛けていた。
 天然ガスはメタンを主成分とする可燃性のガスで、通常は燃焼しても有害物質の発生が少ないため、他の化石燃料に代わるクリーンなエネルギーとして中国も生産に力を入れていた。(共同)

・硫化水素
 腐った卵のようなにおいがする無色の有毒ガス。硫黄と水素の化合物で目や皮膚を刺激する。天然では火山ガスや鉱泉中に含まれ、高濃度を吸引した場合、数呼吸で失神、こん倒などを起こし低酸素状態や肺水腫(はいすいしゅ)で死亡することもある。吸引量が少なくても頭痛、吐き気などの症状を起こす。(共同)

◎今冬も全国で電力不足、日系企業にも影響(2003年12月2日、NNA)
 1日付北京青年報によると、中国で冬期期間中も電力不足が続くことが確実となることが分かった。改革・開放後、過去最悪ともいわれた今年夏に続いて電力制限が行われることになり、日本企業など外資企業にも今後、影響が出るのは必至。新たなチャイナリスクとして、電力不足問題が定着したともいえそうだ。
 電力不足問題が深刻なのは山西、広東、四川、浙江、湖南、広西などの各省・自治区や上海市。湖南省長沙市内では、11月30日から重点企業49社以外の企業・住宅で「4社(世帯)に1社を停電とする」原則で、電力の供給を制限。市の電力部門は毎週、停電の公告を通達するようになった。
山西、広東の両省でも1日から節電措置を導入。必要以上の電力を消費した場合、料金が加算されたり、地区別での電力量の割当を実施し、電力消費の抑制を行っている状態だ。
記録的な猛暑で過去最悪の電力不足となった上海市でも今冬は200万キロワットの電力不足になることが確実視されており、連日、貨車2,600両の石炭が火力発電所に運び込まれているという。

・干ばつ、石炭不足も原因
 今夏の電力不足では、企業の需要に発電所建設が追いつかなかったことを指摘するものが多かったが、今冬は近年の干ばつ・少雨被害も加わり、問題はより深刻となっているようだ。
湖南省では十数年ぶりの干ばつ被害に見舞われ、省内の発電量の半分を担う水力発電に影響が出ている。広西チワン族自治区沿海部でも、降雨量が例年の10〜80%減となり、やはり水力発電に深刻な影響を与えている。さらに、政府の方針で、効率性の悪い炭坑が閉山されたことにより、石炭の供給量が減り、広東、貴州、四川の各省では発電量が低下しているという。
電力当局によると、今年の電力需要の伸びは過去25年間で最高の14〜15%に達する見込み。需要増に対し干ばつ、石炭不足が電力不足問題を深刻させていることは間違いない。

・上海では電力料金値上げも
 上海の日本総領事館によると、今冬の電力不足に対し、上海市当局は今夏同様、市内の企業に工場の操業を休日に振り替えるよう要請する予定だという。ただ、電力需要がピーク時とオフピーク時との料金格差をつけることはせず、契約容量に対して基本料金を値上げすることを検討しており、同市に進出している日系企業にとってコスト高になるのは必至。同館では「中国は国を上げて積極的に企業誘致を行っている一方で、(電力不足対策などの)政策が著しく不透明。進出企業が困っている状態が続くのは大きな問題だ」として、今後も関係当局に善処するよう働きかけを強めていく方針だ。
高い経済成長を維持し、「世界の工場」といわれる中国だが、電力不足という問題がその屋台骨を脅かす可能性も出てきていることは間違いない。

◎破たん国有企業に500万人、中国、失業率「7%」(2003年11月20日、産経新聞)
 中国で経営破たん状態にありながら閉鎖できずにいる国有の企業や鉱山が2500社余りあり、従業員は計510万人近くに上ることが国有資産監督管理委員会の調査で分かった。同委員会の李栄融主任が19、20の両日、北京で開かれたフォーラムで公表した。
 9月末の都市部の失業者数は793万人、失業率4.2%と過去最高水準にあり、こうした潜在失業者を加味すると失業率は3ポイント近く押し上げられ、約7%になる計算だ。
 破たん企業の金融債務は2400億元(約3兆1000億円)余りで、李主任は融資元の銀行経営に対する悪影響に加え、政府の財政資金不足、社会保障体制の未整備のため「直ちに市場から退出させるのは難しい」と指摘。市場経済推進に向けた改革の重荷になっていることを認めた。
 経営改善の見込みがない国有企業や資源が枯渇した国有鉱山を政府が計画的に倒産させる「政策的閉鎖」は「社会主義市場経済」の推進が本格化した1994年から昨年までに3080件、再就職などの対策を取った従業員は約530万人に上った。
 ほぼ同数に近い破たん企業や鉱山が、閉鎖できずに残っていることになり、監督委は競争力のない企業の「市場退出」制度の整備を加速し、今後5年間で閉鎖する方針。(共同)

◎上海の人口、1,700万人に(2003年11月19日、日本経済新聞)
 【上海支局】上海市政府のまとめによると、同市の人口は今年末には1,700万人前後に達する見通しだ。今年1年間の出生数は8万6,000人前後。このうち戸籍を持つ人の出生数は6万3,000人だった。市政府は1980年代に起きた「ベビーブーム」の影響で2006年から出生数の増加が顕著になり、2009年には16万5,600人が新たに生まれると予測している。

◎買春容疑で日本人3人を国際手配(2003年12月17日、産経新聞)
 中国の新華社は17日、広東省珠海市で9月に起きた日本人旅行客の集団買春騒動で、中国当局が売春女性を依頼した日本企業の幹部3人を組織買春の容疑で国際手配したと報じた。

◎中国人2人に終身刑、買春騒動(2003年12月17日、産経新聞)
 中国の広東省珠海市で起きた日本人旅行客の集団買春騒動で、同市の裁判所は17日、組織売春の罪に問われた中国人2人に終身刑、残る12人に2〜15年の禁固刑を言い渡した。
 被告はホステスの手配師や買春騒動があったホテルの幹部ら。

◎買春費用380万円、日本企業側が一括払い、上海紙報道(2003年11月19日、朝日新聞)
 中国広東省珠海市のホテルに宿泊した日本人団体客が今年9月、「中国人女性を相手に買春行為をした」とされる問題で、19日付の上海紙、青年報は、日本企業の担当者が女性185人の買春費用として約29万元(約380万円)を一括して支払っていたと報じた。警察・検察当局から得た情報としている。また、買春をあっせんした中国人女性ら14人の被告について、珠海市中級人民法院(地裁)で近く、初公判が開かれる見通しという。
 報道によると、日本企業の社員3人は8月、事前に現地を訪れ、仲介役の中国人男性らにコンパニオンの派遣を要求。社員側が到着した9月16日のパーティーには約300人の女性を参加させた。会社側はその場で買春費用などについて説明し、パーティー終了後に185人が買春行為をしていたという。
 会社側は翌日未明、買春や派遣費用などとして計29万元余りを仲介役に支払ったとしている。記事には、日本企業や中国側と交渉していた日本人社員の実名も書かれている。

◎中国集団買春:「日本側がホテルに手配、380万円払う」(2003年11月190日、毎日新聞)
 【北京・上村幸治】今年9月に中国広東省珠海市で起きた日本人団体客による集団買春疑惑で、中国紙「新京報」は18日、日本の企業の担当者が珠海のホテルに売春婦を用意するよう依頼し、買春費用など約29万元(約380万円)をまとめて支払っていたと報じた。珠海市司法機関から得た情報として伝えた。名指しされた日本企業は会社ぐるみの関与を否定していた。
 同紙の報道によると、同社の日本人担当者3人(実名)がホテルに、売春のできるホステスを500人から600人用意してほしいと依頼。3人は中国側と、ホステスをホテルに連れ帰る手順や経費の支払い方法も話し合った。
 9月16日夜に開かれた宴会には日本人客285人が参加、ホテル側は300人のホステスを用意した。この場で日本側の司会者が「1回800元(約1万円)、1晩1200元です」などと説明した。この夜は185人の女性が売春し、日本側が買春費用20万元余とテーブルチャージ名目の費用9万元をまとめて支払ったという。
 この事件はまもなく現地で裁判が開かれ、中国側で売春をあっせん、逮捕された関係者が出廷する。今回の記事で伝えられた内容も説明される見通しだ。

◎わいせつ寸劇:留学生側が反省文を提出、自主帰国へ(2003年11月1日、毎日新聞)
 【西安(中国・陝西省)浦松丈二】中国・西北大学の日本人留学生らによる「わいせつ寸劇」をきっかけに広がった当地のデモ騒ぎで1日、日中双方は留学生側が「中国の文化・風習を理解していなかった」との反省文を同日中に大学側に提出して自主帰国することで合意した。デモを組織している学生側幹部は留学生に対して公開謝罪を強く要請しており、反省文提出でデモ騒ぎは近く終息に向かう可能性が高まった。
 関係者によると、事態収拾をめぐる大学側と留学生側の協議は31日夜から1日午前6時(日本時間同7時)ごろまで続けられた。寸劇を演じた留学生3人と日本人教師1人の処分について、大学側は31日に退学・解雇処分を公表したが、デモ収拾のため、留学生らの公開謝罪などを要求した。
 これに対し、留学生側は寸劇に悪意はなかったが、中国の文化・風習を理解していなかったとの反省文に4人連名で証明・提出することを受け入れた。
 また、反省文提出の模様を地元テレビ局などが撮影。放映することも受け入れたという。
 関係者によると、デモを中心的に組織しているのは同大の「文芸の夕べ」を企画・運営した中国共産主義青年団の幹部ら。この催しは大学だけではなく、企業スポンサーも多数協賛する伝統的な行事で、留学生の寸劇は「著しく下品」だと強い反発を招いたという。
 体面を傷つけられた幹部らは、西北大学だけではなく各地で1000人規模のデモを繰り広げ、謝罪を要求していた。
 反省文の提出と自主帰国による決着方針は、デモ幹部側にも伝えられている模様で、反省文提出と4人の自主帰国を待ち、反日デモも終結する見通しだ。

◎3留学生除籍、日本人教師を解職、寸劇事件で西北大学(2003年11月1日、朝日新聞)
 中国・西安市の西北大学の文化祭で、日本人留学生らが行った下品な寸劇に中国人学生が謝罪を求めて抗議デモをした問題で、同大学は規律、規則に違反したとして、3人の留学生を除籍、日本人教師1人を解職処分にした。現地入りしている日本大使館員が31日に確認した。大使館員らは1日未明、寸劇に参加した4人も含む日本人留学生らと面会。同日午前中も引き続き、当時の詳しい事情を聴いている。
 大使館によると、3人の留学生と教師はいずれも男性。国営通信・新華社が前日報じた卑猥(ひわい)な寸劇を行ったことを大筋で認めたうえで、「大変なことをしてしまった。迷惑をかけ、反省している」と意気消沈した様子で語ったという。4人は反省文を提出し、日本に帰国する方向で大学当局と話し合いを進めている。
 ただ、寸劇の際に「これが中国人だ」という札をかけていたのかどうかなど、中国人学生の憤激を招いた理由をめぐる詳しい状況はまだ明らかになっていない。
 中国外務省側の説明では、寸劇が行われた翌30日、「パフォーマンスに強い不満を感じた」中国人学生が学内に壁新聞を張り出し、日本人学生に謝罪を要求した。その後、西北大学以外の学生も加わってデモ行進が行われるなど、事態がエスカレートしていったという。
 日本大使館の調べでは、学生宿舎に乱入した中国人学生に殴られてけがをした男女の日本人留学生は、寸劇には参加していなかったという。日本人留学生約40人を含む同大学の外国人留学生約80人は、中国当局によって市内のホテルに移され、そこにとどまっている。

◎日本人留学生が殴られ軽傷、中国・西安の寸劇反発問題(2003年11月1日、朝日新聞)
 中国・西安市の西北大学での文化祭で、日本人留学生の寸劇に中国人学生が反発している問題で、同大学の日本人留学生の男女2人が中国人学生に殴られ、軽傷を負ったことが分かった。北京の日本大使館が31日、職員を現地に派遣して確認した。約40人の日本人学生を含む同大学の外国人留学生らは31日未明、中国当局により市内のホテルに移され、安全が確保されているという。
 中国外務省の羅田広(ルオ・ティエンクワン)領事局長は同日午前、日本大使館の高橋邦夫公使を同省に呼び、日本人留学生の卑猥(ひわい)な出し物に中国人学生が謝罪を要求した経緯を説明。日中双方の学生の衝突を避ける措置をとったことを伝えた。
 そのうえで「留学生のパフォーマンスは日本の公の場所でも許されておらず、まして中国ではなおさら許されない。日本人が中国で学習や旅行をする間、中国の法律、風習、習慣を順守するよう希望する」と述べた。
 これに対し高橋公使は「日本人留学生が負傷したり、複数の留学生の部屋が荒らされたりした。理由がどうであれ、このような事態に強い遺憾の意を表明する」と伝えた。
 日本大使館によると、留学生らはホテル内にとどまるよう大学当局から指示されている。ホテルでは中国人の出入りも制限されているという。
 北京のインターネットニュース「千竜網」は同日、西北大学が3人の日本人留学生を除籍処分にしたと報じた。これについて大学の広報担当者は朝日新聞の取材に「教育省からの連絡を待っており、今は確認できない」としている。
 香港紙「文匯報」は、日本人留学生らが問題の寸劇をした際、「ほら、これが中国人だ」と書いた札を掲げていた、と報じたが、実際にそうした事実があったかどうか、日本大使館員らが調べている。ただ、こうした報道をもとに、ネット上では「中国人を侮辱している」などと反発する書き込みが続いている。
 中国国営通信・新華社によると、29日夜にあった同大学外国語学院の文化祭で、日本人留学生3人と同教師の計4人が、胸に赤いブラジャー、下腹部に紙コップを付けて踊り、ブラジャーから紙くずを出し観客席にまいた。中国人学生や教師が怒って中止させ、翌30日には同大以外も含む千人以上の中国人学生が留学生寮前に集まり、謝罪を要求した。

◎わいせつ寸劇:演じた日本人留学生らに数百人が抗議、中国(2003年10月31日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】31日の新華社電によると、中国陝西省西安市の西北大学の文化祭で、日本人留学生3人と日本人教師1人がわいせつな寸劇を演じ、これに反発した中国人学生数百人が30日、留学生らに謝罪を要求してデモ行進した。北京の日本大使館によると、この際、中国人学生らが留学生宿舎に入り込み、日本人留学生の女性1人がけがをしたという情報がある。約50人の日本人留学生は安全な場所に避難したという。同大使館は31日朝、現地に職員3人を派遣した。
 中国では今年9月に広東省珠海市で、日本人旅行客の集団買春が報道されたばかり。日本人留学生らのわいせつ劇が、中国人学生の反日感情に火をつけたようだ。
 同省教育庁報道官によると、留学生らは29日夜、同大外語学院の文化祭に出場し、胸に赤いブラジャー、腰に紙製の性器のようなものを付けて踊った。ブラジャーから白い紙くずを取り出して観衆にまき出したところ、中国人教師や学生から制止されたという。
 31日付の香港紙「りんご日報」などによると、留学生らは踊りながら「これがおまえたち中国人のイメージだ」などと叫んだという。また中国人学生らの抗議行動では「日本の畜生を追い出せ」「日本人を打倒せよ」などと書いた反日スローガンが掲げられた。

◎邦人留学生らの寸劇に抗議デモ、中国の大学文化祭(2003年10月31日、朝日新聞)
 中国陜西省西安市の西北大学の中国人学生数百人が、日本人留学生らが文化祭で演じた下品な寸劇に反発し、謝罪を求めて市内をデモ行進した。中国国営通信新華社が31日伝えた。中国側の学生の代表は同省の関係部門に対し、留学生による公開謝罪を求める請願書を提出した。
 新華社によると、29日夜、西北大学外語学院であった文化祭に出演した日本人留学生3人と日本人教師の計4人が、胸に赤いブラジャー、下腹部に紙コップを付けて踊り、ブラジャーの中から取り出した紙くずを観客席に向かってまいたという。
 その場にいた中国人の教師や学生が踊りの下品さに怒りだし、すぐに中止させた。翌30日昼には、1000人以上の同大の学生が留学生寮の前に集まり、謝罪を要求。さらに数百人の学生は夕方6時半すぎ、学校を出て、同市中心部の新城広場まで抗議のデモ行進を行った。
 香港紙の文匯報によると、寸劇をした留学生らは「ほら、これが中国人だ」と書かれた札を掲げていたという。
 中国では今年9月、広東省珠海市で、日本人団体客による集団買春騒ぎが起き、インターネットの掲示板に「中国人を辱めた」とする非難が掲載されるなど、対日感情が悪化している。

◎中国、マイカー増で交通事故死10万人以上に(2003年10月29日、日本経済新聞)
 【香港29日共同】29日付の中国系紙、香港商報によると、中国でのマイカーブームなどで交通事故が増え、昨年は死者が10万人以上と日本の13倍に達し、同紙は「大型旅客機一機が毎日墜落するのと同じ状況になっている」と報じた。
 2002年に中国で起きた交通事故は77万3000件で、死者は10万9000人、負傷者は56万2000人。1日平均約300人が交通事故で死亡している計算となり、直接的な経済損失は推定33億2000万元(約500億円)に上る。日本で昨年、交通事故発生から24時間以内の死者は8326人だった。中国の死亡事故の原因で多いのはスピード違反のほか、違法車線走行、無理な突っ込み、違法な追い越し、酒飲み運転など。事故予防の当局者は交通ルールを守る意識が薄いことが大きな問題と指摘、今後3―5年間は交通事故が増え続けると予測しているという。

◎ネズミ駆除剤の混入容疑で妻を拘束 中国・10人中毒死(2003年10月25日、朝日新聞)
 中国中西部の湖北省利川市で、葬式に出席していた住民33人が昼食中に中毒症状を起こし、このうち10人が死亡した事件で、地元公安当局は24日、ネズミ駆除剤を食事に混ぜて殺害した疑いで、死亡した男性の妻の身柄を拘束した。国営新華社通信などが伝えた。
 報道によると、夫婦は財産分与などをめぐり、子どもの家族も巻き込んで対立していた。妻は犯行を認めているものの、「まさか死ぬとは思っていなかった」と話しているという。

◎葬儀後の食事にネズミ駆除剤?10人死亡、中国・湖北省(2003年10月23日、産経新聞)
 22日付の上海紙、新民晩報によると、中国湖北省南西部の利川市で21日、10人が中毒症状を起こし死亡、22人が重体となった。劇薬のネズミ駆除剤による中毒症状に似ているという。
 一緒に食事をした3人が行方不明になっており、毒物混入事件に発展する可能性もありそうだ。中国では昨年10月に江蘇省南京市で、同じ駆除剤を混入した食物を食べた42人が死亡する事件が起きた。
 同紙によると、被害者は同市近くの村民ら。葬式の後に食事をしている際に相次いでけいれんを起こし倒れた。(共同)

◎葬式の昼食にネズミ駆除剤混入か、中国で10人中毒死(2003年10月23日、朝日新聞)
 中国の湖北省利川市で、葬式に出席していた住民33人が昼食中に突然けいれんを起こす中毒症状を起こし、このうち10人が死亡した。国営新華社通信(電子版)などが22日伝えた。ネズミ駆除剤による中毒症状と似ているといい、公安当局は、何者かが毒物を混入した疑いが強いとみて捜査を始めた。
 報道によると、21日正午ごろ、葬式に集まった30人余りの住民が昼食をとり始めたところ、同村の共産党書記の男性がけいれんを起こして倒れ、間もなく死亡。ほかの9人も病院に運ばれる途中に死亡した。
 中国では昨年10月、南京市内でネズミ駆除剤が混ぜられた朝食を食べた42人が死亡するなど、混入事件が相次いでいる。多くが怨恨(えんこん)による犯行とされている。

◎中国買春疑惑の企業、2億円所得隠し、大阪国税局追徴(2003年10月21日、朝日新聞)
 中国広東省珠海市のホテルで9月、集団で買春行為をしたと中国紙などに報じられた関西の企業が、大阪国税局の税務調査を受け、4年間で約2億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。同社は、重加算税を含め約7500万円を追徴課税され、全額納付している。
 関係者によると、同社は、売り上げを簿外の口座に隠すなどの方法で所得を圧縮。02年11月期までの4年間の約2億円が仮装・隠蔽(いんぺい)にあたるとして重加算税の対象になった。隠した所得は、社員の遊興費などに充てていたとみられる。
 この企業をめぐっては、中国や香港の各紙が9月、「日本人団体客が中国人女性相手に買春行為をした」と報道。中国政府が「強い憤り」を表明したのを受け、外務省が同社から事実関係を聴いた。
 同社によると、9月16〜18日の3日間、社員288人が慰安旅行として珠海市を訪れ、多数のコンパニオンが出席した宴会を開いたという。同社は「報道されたような買春目的ではない」と否定している。

<同社総務部の話>
 会社と税務当局との認識のズレがあったが、話はすべてついている。中身についてコメントする気はない。

◎旧日本軍毒ガス事故、日本3億円支払いを中国側に提示(2003年10月17日、朝日新聞)
 中国黒竜江省チチハル市で旧日本軍の遺棄化学兵器の毒ガスが漏れ出して住民らが死傷した事故で、外務省が中国政府に3億円の支払いを提示したことが16日、わかった。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて20日に予定されている小泉首相と中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席による首脳会談前の決着をめざし、中国側と最終調整している。
 支払いの名目は補償や見舞金とせず、協力費などとする方向だ。
 チチハルでの事故をめぐって日本政府は、当初1億円の支払いを打診したが、中国側は10億円の支払いを求め、協議は難航していた。また中国側は「見舞いの提供が緊急の問題」(李肇星(リー・チャオシン)外相)として、被害者の救済を求めてきた。日本は「中国は日中共同宣言で戦争賠償の請求を放棄している」との立場から補償などの名目での支払いは拒んできたが、「中国側が受け取った後に被害者に支払うことは問題ない」(外務省幹部)としている。
 事故は8月4日に発生し、1人が死亡、40人余が被害を受けた。日本政府は遺棄化学兵器の処理チームや医療チームを派遣してきたが、李外相が今月3日、「日本の対応が遅く、中国国民や被害者の強烈な不満を招いている」と発言するなど、中国側は対応の遅れに強い不満を示している。

◎中国、外国人の宿泊制限を撤廃、民宿滞在も可能に(2003年10月1日、産経新聞)
 北京市公安局は1日、外国人の宿泊先制限を正式に撤廃した。中国政府はこれまで50年余り、外国人に対し指定したホテルや宿舎への宿泊を義務付けていたが、北京市内では外国人が宿泊先を自由に選べるようになった。
 新華社電によると、軍事管制地区や未開放地区を除けば外国人は北京市内のどこでも宿泊でき、市街地の横町「胡同(フートン)」の民宿に滞在することも可能という。
 制限撤廃は北京市が独自に決めたもので、日本の旅行会社によると中国全国でも初めての試みとみられる。
 公安局の決定によると、これまでは設備が整った一定規模のホテルや大学の寮を指定宿泊先と定めていたが、1日からは旅館業の経営資格を持つホテルや企業ならどこでも外国人の受け入れができるようになった。
 新華社電はこれまでの宿泊制限について「外国人の安全と社会安定の維持に重要な役割を果たしてきたが、既に時代遅れになった」と撤廃の理由を伝えた。
 また、北京市公安局の張越副局長は制限撤廃について「世界貿易機関(WTO)の基本原則である内国民待遇の実現である」と指摘した。(共同)

◎売春組織主犯格の身柄拘束と中国紙報道、日本人集団買春(2003年9月30日、朝日新聞)
 中国広東省珠海市内のホテルに宿泊した日本人団体客が「中国人女性を相手に買春行為をした」と中国紙などが報じた問題で、日本人側に女性をあっせんしたとされる売春組織のリーダー格が、中部の湖南省で警察当局に身柄を拘束された模様だ。同省の地元紙・瀟湘晨報が30日伝えた。
 報道によると、広東省や地元の警察当局は9月28日、湖南省懐化市会同県内で潜伏していた売春組織の主犯格を拘束した。当局は「事件は複雑なため、詳細はまだ公表できない」としている。また、別の報道によると、珠海市の警察当局も、日本人との売春にかかわった疑いがあるとして50人以上の女性を拘束しているという。
 一方、駐広州日本総領事館は29日、広東省政府や省公安庁に職員を派遣し、事実関係の調査を始めた。

◎中国買春ツアー報道、大阪の建設会社が事実関係を否定(2003年9月29日、読売新聞)
 中国広東省珠海市内のホテルで日本人団体客が集団で買春行為をしたと現地紙で報じられた問題で、社員旅行でこのホテルを使った大阪府内の建築会社は29日、「集団買春はしていない。買春ツアーをしたかのように報道され、困惑している」と事実関係を否定した。
 同社によると、旅行には男性社員288人が参加し、16日から2泊3日の日程で珠海市を訪問、ホテル「珠海国際会議センター大酒店」に宿泊したが、報道されたような事実はあり得ないとしている。

◎「日本人団体が集団買春」と中国紙報道(2003年9月29日、朝日新聞)
 マカオに隣接する中国広東省珠海市の高級ホテル、国際会議センターホテルが28日までに、「日本人団体客による買春行為」にかかわった疑いで、当局から営業停止を命じられた。中国や香港の各紙が報じた。
 中国外務省の孔泉(コン・チュアン)報道局長は28日、この問題について調査中としながらも「外国人が中国に来たら、中国の法律を守らなければならない」と不快感を表明した。
 最初に報じたのは、26日付の中国紙中国青年報。16日深夜にホテルに到着した中国人の宿泊客が「約300人の日本人男性団体客が若い中国人女性を連れ、エレベーターの中で女性の体に公然と触れるなどしていた。ホールには日本企業の創立記念日の行事案内の看板があった」などと話した目撃談を報じた。この中国人が団体客の1人に中国人通訳を通じて聞いたところ、「女遊びに来た」と答えた、としている。
 翌日の中国、香港各紙は同じ中国人の話をもとに、「300人の日本人団体客が500人の中国女性を集め、ホテルの大会議場で接待させたあと、女性を部屋に連れ帰り、買春した」と断定的に報じた。
 香港の現地紙で、国際会議センターホテルで女性を呼んで宴会を開いたとして社名が報じられた会社の一つである西日本の企業の関係者によると、年1回の社員旅行で、9月中旬に社員200人余りが同ホテルに泊まったという。ただ、同ホテルが改装中だったため、宴会を開いたのは別のホテル。その際、社員とほぼ同数の女性コンパニオンがいたが、買春などの事実はなかったという。
 宿泊先のホテルの地下には女性がいるマッサージ店があったというが、「そうした店を利用した社員がいたかどうかは分からない」と話している。

◎集団買春:日本人団体客約380人 広東省のホテル営業停止(2003年9月28日、毎日新聞)
 【香港・成沢健一】中国広東省の夕刊紙「羊城晩報」(電子版)などによると、中国広東省の公安当局は27日、日本人の団体旅行客による集団買春が行われたとして同省珠海市の高級ホテルに営業停止を命じるとともに、組織売春にかかわったとみられる関係者の身柄を拘束した。
 営業停止となったのは、同市を代表する「国際会議センターホテル」。現地からの報道によると、今月中旬に男性ばかりの日本人団体客約380人がホテル内で宴会を開いた。この際、約500人の女性を呼んで買春行為をし、女性に1人当たり1200元(約1万7000円)程度を支払ったという。
 中国国内の報道には事実関係が食い違うものもある。しかし、満州事変72周年の今月18日と時期が重なったこともあり、中国や香港各紙が大きく報道。ネット上でも反日感情を露骨に表す書き込みが目立ち、広東省当局も強い態度でこの問題に対処することを決めた模様だ。

◎給食のケーキにネズミ駆除剤、400人以上入院、中国(2003年9月28日、産経新聞)
 27日の中国紙、重慶晨報(電子版)などによると、中国湖南省岳陽市郊外の小学校で23日、給食を食べた児童が嘔吐(おうと)などの食中毒症状を起こし、児童473人のうち402人が入院した。重症は22人に上り、うち5人が重体という。
 同省疾病予防対策センターで調べた結果、吐いた物などから強力なネズミ駆除剤「毒鼠強」の成分が検出され、地元公安局は人為的に給食のケーキに混入されたと判断、捜査を始めた。
 毒鼠強は中国で劇薬として製造販売が禁止されているが、各地で混入事件が相次いでいる。昨年9月には江蘇省南京市郊外で毒鼠強が混入した食品を食べた中高生ら42人が死亡する事件が発生。混入した男が死刑になった。(共同)

◎旧日本軍遺棄兵器:国に賠償命令、原告請求ほぼ認め、東京地裁(2003年9月29日、毎日新聞)
 旧日本軍が中国に遺棄した毒ガスや砲弾で、戦後に被害を受けたとして、中国人13人が日本政府に約2億円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は29日、原告側の請求をほぼ認め、国に約1億9000万円の支払いを命じた。片山良広裁判長は「可能な限り情報を集めて中国側に提供し、被害発生を防ぐよう依頼する義務があった」と指摘したうえで、「日中の国交が回復した72年以降、その義務を果たさなかったのは違法」と国の不作為責任を認めた。
 海外の遺棄兵器による被害で、被害者側の請求が認められたのは初めて。
 中国の被害者は2000人以上(中国側発表)いるとされ、今年8月にも毒ガス弾で43人の死傷者が出たことから、日中間の外交問題に発展しており、判決は重大な影響を与えるとみられる。
 判決は被害について、「終戦前後に日本軍が遺棄した兵器によるもの」と因果関係を認めた。遺棄行為の違法性も認めたうえで、「旧軍関係者から事情聴取を行なったり、残された軍関係の資料を調査すれば、遺棄兵器が現場付近にあることは予見できた」と認定した。
 そのうえで、「中国には主権が及ばないから、日本が直接回収を行うのは不可能だが、情報を中国に伝えれば、安全に処理されていた可能性がある」と結論づけた。
 遺棄兵器被害を巡っては今年5月、東京地裁が「主権が及ばない中国で、国が被害を回避することはできなかった」として、原告敗訴の判決を言い渡しており、同じ地裁で司法判断が分かれた。
 日本は95年、遺棄国による兵器処理を義務付けた化学兵器禁止条約を批准し、中国での処理の準備を進めているが、同条約は被害の賠償責任には触れておらず、判決が注目されていた。
 原告は74年と82年に黒竜江省で発生した計2回の毒ガス事故や、95年、同省で起きた砲弾爆発事故で死亡した3人の遺族6人と直接の被害者の計13人。工事中に発見した毒ガス缶のふたを開け、液体に触れたり、気化したガスを吸い込んで死亡したり、腕が動かなくなるなどの後遺症が残った。
 旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器数について、日本側は70万発、中国側は200万発とする調査結果を発表している。【小林直】

◎旧日本軍遺棄の毒ガス弾訴訟で、国に賠償命令(2003年9月29日、朝日新聞)
 旧日本軍が日中戦争終了前後に中国本土に遺棄した毒ガスや砲弾がその後数十年を経て漏れ出したり、爆発したりして死傷した中国人とその遺族計13人が日本政府に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。片山良広裁判長は、「政府は72年に中国との国交を回復した後も、遺棄兵器をどこに隠したかの情報を中国側に伝えるなどの対応をしないまま放置を続けており、その行為にわずかの正当性も認められない」と述べて計約1億9千万円の支払いを命じた。
 旧日本軍の遺棄兵器をめぐっては、今年8月に黒竜江省チチハル市の建設現場で見つかったイペリット(マスタードガス)入り缶から流出した液体に触れるなどして、1人が死亡し40人以上が負傷する事故が発生したばかり。この事故で日本政府は1億円を支払う意向を示したが、中国側はこれを受け取っておらず、見舞金との趣旨ではなく、補償そのものを求める世論が強まっている。
 訴えていたのは、同省の李臣さん(58)ら。
 判決によると、裁判で問題になったのは三つの事故で、(1)74年10月、同省佳木斯市の川で浚せつ中、船が引き揚げた砲弾から毒ガスが漏れだし、作業員3人が被害(2)82年7月、同省牡丹江市で下水道工事中に毒ガス缶が見つかり、4人の作業員が被害(3)95年8月、同省双城市の道路工事現場から発見された砲弾の信管を抜く作業中に破裂。農作業中の2人が死亡し、1人が重傷を負った。
 判決はまず、いずれの被害者も旧日本軍の遺棄兵器で死傷したと認定した。旧日本軍による遺棄行為について「単に物を置き去りにするという行為にとどまらず、生命や身体に危険な状態を積極的に作り出す作為的行為だ」と指摘した。そのうえで「日本政府には危険な状態を解消し、事故を回避するための義務がある」とし、72年の日中共同声明により、その義務を履行することが可能になったのに、それを果たさず各事故が発生したと認定した。
 さらに、74年の事件については民法の規定で20年の時効(除斥期間)が成立しているものの、「国がその適用を受けて損害賠償義務を免れることは著しく正義に反する」として適用を認めなかった。
 日本政府側は、事故を予見することはできなかったとして争っていた。
 今年5月、東京地裁の別の裁判部は同種訴訟の判決で、毒ガスの遺棄を違法と認定しつつも、「主権の及ばない中国で兵器を回収することは困難だ」として日本政府に撤去義務はなかったと判断し、原告の請求を棄却したが、原告側は東京高裁に控訴している。
 中国に遺棄された兵器は推計で70万発とされる。化学兵器禁止条約に基づいて07年の期限までに処理する必要があるものの、作業は遅れており外交問題となっている。今回の判決により、まだ地中や水中に残されている毒ガスなどによる被害が再発しないよう早急な撤去を求める声が強まりそうだ。

【旧日本軍の毒ガス・砲弾遺棄をめぐる主な動き】
1945年ごろ 旧日本軍が毒ガス弾など約70万発を中国各地に遺棄(日本政府の調査による)
 74年10月 黒竜江省佳木斯市で浚せつ船が毒ガス弾を巻き上げ、原告の李臣さんら作業員が被害
 82年7月 同省牡丹江市で発見された毒ガス缶で被害
 91年   日本政府が現地調査に乗り出す
 95年8月 同省双城市で砲弾が爆発し、3人死傷
 97年   化学兵器禁止条約が発効
 99年   遺棄兵器除去の協力に関する覚書を日中政府が交わす
   8月 同省チチハル市の建設現場で毒ガス缶が見つかり、1人死亡、40人以上が負傷
   9月 同市の事故で日本政府は1億円を支払う方針決める

◎伸びる上海、沈む地盤、高層ビル林立が拍車(2003年9月29日、朝日新聞)
 高層ビルが林立する上海の金融街で、毎年1.5センチ程度のペースで地盤沈下が進んでいることが分かった。上海の週刊紙外灘画報の最新号が伝えた。専門家は、90年代から進んだ高層ビルの建築ラッシュが沈下に拍車をかけ、安全に支障がでる恐れもあると指摘。市当局も、高層ビル建築の規制に乗り出す方針だ。
 上海市内には、昨年末の時点で18階以上の高層ビルが約2800棟もある。上海交通大学の朱栄林教授によると、上海は長江の下流域に位置することからもともと地盤が軟らかく、20年代以降、1メートル以上も沈下している。しかし、90年代以降は沈下の理由の7割が地下水のくみ上げ、3割が高層ビル建築によるものとされ、特に地上88階建ての世界第3位の高さのビルなど高層ビルが集中する「陸家嘴」地区では、年に12〜15ミリ沈んでいるという。
 一般的には地盤は平均して沈むため、建物本体への影響はそれほど大きくない。ただ、高さも形もばらばらの高層ビルが集まると不均衡な沈み方をする可能性がある。
 上海市地質学会の専門家も「地盤沈下の速度が速すぎたり、偏った沈み方をしたりすれば、高層ビルの安全に支障をきたす恐れもある」と指摘する。
 市議会にあたる上海市人民代表大会は10月に常務委員会を開き、都市計画条例の修正案を審議。高層ビルの建築に規制を設ける方針だという。

◎中国で深刻な電力供給不足、経済成長の足かせにも(2003年9月27日、読売新聞)
 中国の電力不足問題が深刻になってきた。電力の供給不足は早くとも2005年まで改善の見通しが立っておらず、今後高い経済成長を維持していく上での足かせにもなりかねない。(北京:東 一真)
 今月4日、上海呉●第2発電所(出力120万キロ・ワット)で突然ブレーカーが落ち、送電が止まる事故が発生した。今夏の猛暑で急伸した電力需要に対応するため、無理な運転を続けたのが原因と見られる。浙江省などから電力を振り向けてしのいだが、米加で起きたような大停電を懸念する声さえ出ている。(●は「徑」のギョウニンベンをサンズイに)
 中国経済時報によると、浙江省温州市では2、3日に1日の割合で昼間に停電が起こり、10月までこの状態が続く見通しという。
 この夏は、上海市や浙江省、江蘇省など長江デルタ地域を中心に停電や電力の供給不足が深刻化、操業が制約された工場も相次いだ。上海市内にある日系の音響関連メーカーの工場は、今月半ばまで平日の稼働を減らし、土日操業で代替。上海市政府から電力不足を理由に振り替え操業を求められたからだ。
 別の日系化学メーカーも、「2度も突然停電になった。24時間稼働が必要なプラントが止まり、大騒ぎだった」と振り返る。
 中国の今年1〜6月の電力消費は、前年比15・4%増の8616億キロ・ワット時に達した。同期の国内総生産(GDP)の伸び率は8.2%のため、電力消費は経済成長の2倍近い勢いで伸びている。
 需要が急増した原因は、アルミニウム精錬など電気を使う産業が国内で急成長したことだ。また、生活水準の向上に伴ってエアコンが普及したことも大きい。都市部の普及率は約50%に達しており、2000年に比べて12%増だ。
 中国政府はこうした需要の急拡大を予想できず、第10次5か年計画(2001〜2005年)では、発電所建設計画のベースとなる電力需要見通しで、電力消費の伸びをGDPよりも低く見積もっていた。計画策定当時は、電力消費の伸びがGDPの伸びを下回っていたため、読み誤ったと見られる。
 あわてた政府は今夏、浙江省に建設していた原子力発電所を予定より3か月早く稼働させた。大規模プロジェクトの三峡ダムにある2基の水力発電機が7月に出来上がったが、同ダムの別の2基についても予定を前倒しして年内稼働にこぎつけたい考えだ。
 ただ、1820万キロ・ワットの三峡ダムの発電を含め、現在建設計画がある発電所の総発電規模は8840万キロ・ワットしかない。このうち、2005年までに完成予定のものは5500万キロ・ワットにとどまる。
 一方、最新の需要見通しによると、2005年までに7500万キロ・ワット以上の新規電源開発が必要になるため、同年では差し引き2000万キロ・ワットが不足する勘定だ。日本の九州電力の発電総量が1900万キロ・ワットであることを考えると、深刻な事態だ。
 第11次5か年計画(2006―2010年)を策定中の政府は、発電能力を大幅に強化する方針だ。しかし、「世界の製造工場」の発展は当面続く見通しで、産業用の電力需要の一段の伸びは必至。民生用でも、値崩れが続くエアコンの一般家庭への普及がさらに進むことなどを考えると、再び計画を上回る電力需要が生じる可能性もある。
 2002年の総発電量のうち、火力発電は81.7%、水力が16.6%で原子力は1.6%と、中国は火力発電に大きく依存している。今後も電力供給の多くを火力に負うと見られるが、CO2排出が多いことから環境面での制約も予想され、構造的な電力不足体質から抜け出すのは容易ではない。
 ジェトロ北京事務所海外電力調査室の諸岡秀行室長は、「電力不足は経済成長の非常に大きな制約要因になる可能性がある。日本企業も、中国政府が実際にどんな対策を取っていくかを注意深く見守る必要がある」と話している。

◎給食にネズミ駆除剤、400人以上入院、中国の小学校(2003年9月27日、朝日新聞)
 中国湖南省岳陽の小学校で給食を食べた児童や教師ら450人が吐き気や頭痛を訴え、27日までに400人以上が入院、4人が重体、22人が重症という。地元紙などが伝えた。
 23日朝の学校給食が終わって、児童らが異常を訴え始め、地元の病院へ次々と収容された。省疾病対策センターが入院者の血液や嘔吐(おうと)物を調べたところ、ネズミ駆除剤「毒鼠強」が検出されたという。衛生局などの調べでは、毒物は給食のケーキから検出された。地元の警察は「人為的に混入された可能性が強い」として捜査を始めた。
 この駆除剤は昨年9月に南京郊外の軽食店で起きた毒物混入事件にも使われ、当局発表では児童・生徒ら38人が死亡。製造、販売とも禁じられた。

◎普通パスポートを持つ日本国民の査証なし中国への短期訪問に関して(2003年8月25日、中華人民共和国駐日本大使館HP)
1. 2003年9月1日より、普通パスポートを持つ商用、観光、親族訪問、トランジットの目的で入境する日本籍の者は、入境日から15日以内の場合ノービザ。その時、必ず外国人に開放する飛行場、港から入境し、イミグレーションで有効のパスポートを提出しなければならない。
2. 2003年9月1日より、普通パスポートを持ち、15日を越えて滞在する者、或いは留学、就業、定居、取材者、及び外交、公務パスポートの者は今まで通り、現在の法律と規定に基づいて、中国大使館総領事館でビザを申請する。
3. 日本の航空会社の乗務員は今までどおり中日間の協議に基づいて行われる。
4. 15日以内の滞在のつもりで入境した日本人がもし15日を越えるような場合は、現地の公安局の入境管理部門でビザの申請をする。停留期間を超過した者は、公安機関とイミグレーションで規定に基づく処罰が与えられることになるので注意すること。

◎中国、私有財産保護を憲法で明確化(2003年8月12日、日本経済新聞)
 【北京=石川正浩】中国共産党は11日の政治局会議で、第16期中央委員会第三回全体会議(三中全会)を10月に開くことを決めた。新華社電は主要議題となる憲法改正について「広範な人民の根本的な利益の維持、発展のため法律的な保障を提供する」としており、私有財産の保護を憲法で明確化する見通しだ。
 中国の経済成長のけん引役である私有企業の財産保護は、憲法で保障されているものの、国有財産の「不可侵」規定に比べて拘束力が弱い。このため、国家による接収などを恐れる私営企業家や個人が資産を海外に持ち出すなどの動きもある。

◎中国・河北省で爆破事件、新疆独立派の犯行か(2003年2月6日、朝日新聞)
 5日付の香港紙明報は、消息筋の話として、中国河北省滄州市で1月末、少数民族ウイグル人の東トルキスタン(新疆(シン・チャン))独立派の犯行とみられる爆発事件があり、警察官1人が死亡、負傷者が多数出たと伝えた。すでに複数の容疑者が逮捕された模様だ。滄州は首都北京から南約150km。
 また台湾・中央通信社の4日のアンカラ電によると、新疆ウイグル自治区の主要都市で中国当局が独立派の大規模摘発に乗り出した。トルコ居住のウイグル独立運動関係者の話では、ウイグル人の若者350人以上が拘束されたという。

◎厳寒の中国、電力不足が深刻、工業化の沿海部中心に(2003年2月1日、朝日新聞)
 厳しい寒さが続く中国で、電力供給不足が広域にわたって起きている。31日付の中国の英字紙チャイナ・デーリーによると、2002年12月以来、沿海部だけでなく、四川省、河南省といった内陸でも停電が深刻化している。
 上海市、浙江省など沿海都市部では企業立地の伸びに加え、例年にも増して厳しい寒さが電力需要を急増させた。産業用電力を確保するため、一般住民向けを一時的に止めて急場をしのいでいる。
 国内エネルギー源の3分の2を占める石炭は、前年より増産しているが需給は逼迫(ひっぱく)。また河川の水位低下で水力発電所の能力が落ち、水力への依存度が高い四川省では12月から、10%もの供給不足が生じている。1月は省内で1日当たり延べ880回の停電があったという。
 寒さが緩むとともに改善する見込みだが、冷房用需要が増す夏に再び不足が生じるとみられている。長期計画で電力需要の伸びを低く見積もり、発電所建設が遅れたのが原因という指摘もある。

◎新疆の男性を国家転覆扇動罪で起訴、ネット言論締めつけ(2003年1月16日、朝日新聞)
米国の人権団体「中国人権」は15日、新疆ウイグル自治区ウルムチ市在住の文筆家陶海東氏(45)がネット上で発表した文章を理由に国家転覆扇動罪で逮捕、起訴されたと発表した。
 陶氏はこれまで中国の民主化の提案や体制批判の文章をネット上に発表。2002年7月9日、党や国家指導者を侮辱したなどとして自宅で現行犯逮捕されたという。
 中国人権によると、2002年11月以来、「ステンレスのネズミ」というペンネームで当局を風刺する文章を発表していた北京師範大学生劉荻氏や、ウェブサイト「民主と自由」を主宰していた李毅斌氏など逮捕が相次ぎ、ウェブ上の言論への締めつけが強まっている。

◎ナンバー3万元、遠い上海マイカー時代(2003年1月13日、NNA)
上海での自家用車ナンバープレート取得費用が昨年、ついに3万元を超えた。上海大衆、上海通用(GM)と大手自動車メーカーが拠点を構え、自動車産業を重点産業の柱に据えている上海だが、マイカー市場では北京や広州、成都の後塵を排しているその背景には、ナンバープレート政策がある。
 上海ではマイカーの総量コントロール策として、ナンバープレートの発行数を制限し、競売方式を採用している。11月は3,200枚を発行、最低落札価格は3万800元、平均は3万1,721元と過去最高額に達した。12月は発行枚数の増加と様子見の心理から、入札者が発行枚数に達せず、図らずも最低価格100元となったが、平均価格は2万7,800元と高水準を保った。3万元台の乗用車があることを考えるとその突出ぶりがよく分かる。
 競売が始まったのは1992年。当時は台数規制というよりは、好きな番号を競り落とすもので、マイカーとはいえ会社の認可が必要だった。その後当局は車両数のコントロールを目的とした競売制度の整備を進め、1994年に「上海市私人自備車、両輪摩托車上牌額度競購弁法」を公布、1994年7月から毎月1回の競売が開始された。会社の認可は必要ないが、入札開始価格が決められており、1998年までの最高落札価格は16万8,000元に達した。
1998年には、上海製のサンタナは2万元から、その他の地域生産の車両は10万元からと開始価格に差をつけた地方保護主義を全面に出した競売となった。こうした上海のやり方は当然、他都市の反感を買い、湖北は、基金の名目でサンタナ購入者に7万元の支払いを義務付け、吉林や天津などでも同様の規定が相次いで出された。その後、保護主義を撤廃し、2000年からは開始価格を設定しない競売が始まった。
 こうした制限の中でも、昨年は各メーカーの相次ぐ新車発表と値下げに加え、しばらくはナンバー開放はないとの見方から、市場は刺激され、今年は発行枚数の増発にもかかわらず、最低落札価格は右肩上がりの上昇、上海富裕層のおう盛な購買力が浮き彫りとなった。
 だが、全体的にみると2001年のマイカー市場(国家統計局発表)では、トップの北京(62万台)に対し、上海は8万7,000台で6位にとどまった。都市部住民の収入では全国一の上海(1万2,883元)だが、7位の重慶(6,721元)との差はわずか5,000台。潜在市場規模を考慮すると、ナンバー規制の効果はかなり大きいことが分かる。中央政府は第10次5カ年計画(2001〜2005年)には「マイカー所有奨励」を盛り込み、各地方自治体はナンバー政策を緩和している。ナンバー取得費用は北京で144元、南京で124元。一方、上海は今年発表した交通白書に、ナンバープレートの発行制限による総量規制を継続することを明記した。
 上海と他都市の政策のすき間に目をつけた販売店は、他地域のナンバープレートでも上海で支障なく走行できることから、「異地上牌」つまり杭州や蘇州など、周辺都市でのナンバー取得サービスを始めた。
 奇瑞汽車のある特約代理店は、上海のナンバー代行のほか、浙江省のナンバー取得代行も手掛ける。例えば販売価格が10万2,900元の場合、約1万元の上乗せで、浙江ナンバーを取得、毎年1度の取得地での車検も代行するという。吉利汽車のディーラーは販売価格に1,000元プラスで江蘇省太倉市のナンバーを代行する。他都市のナンバーについて、いつ、何らかの制限が科せられるか分からないという不安定要素があるが、経済の中心地として他地域車両の通行制限は現実的ではない。
 加速する道路や駐車場インフラ整備も、車両増加数には追いついていない格好で、慢性的な交通渋滞に悩まされている上海。車両価格が下がってもその下げ幅を、ナンバー取得価格の上昇が軽く上回る現状では、値下げによるマイカー増は期待できないだろう。上海のモータリゼーションはまだ遠いようようだ。

◎電力不足の危機、今夏に広範囲で発生も(2003年1月10日、NNA)
2003年夏から2004年にかけて、広範な地域で電力不足が深刻化する可能性が出てきた。専門家によると、電力消費が発電量の増強計画を上回る勢いで増加している。2004年はさらに供給状況が厳しくなるとも指摘されている。
中国新聞社電が国内の業界紙を引用して伝えたところによると、電力部計画司の司長を勤めた経験があり、現在は国家能源投資公司の副総経理である呉敬儒氏は、全国12ブロックの電力供給ネットワークのうち、余剰電力があるのは東北と海南のみと分析。かつて豊富だった四川地区の電力も、今年は他地域への供給ができなくなると指摘している。呉氏は電力の不足について、「1998〜2001年当時の政策ミスが原因」とみている。
当時の判断では、全国規模で見れば電力は余剰しており、消費量の伸びも3〜4%にとどまるとされ、大きな発電施設建設計画が進められなかった。第10次5カ年計画期間(2001〜2005年)の後半3年間で増強される発電能力は6,000万キロワットだが、2002年1年だけで消費量は3,000万キロワット増えているという。
このため、呉氏は、有効な措置を採らなければ、今夏には広範囲で電力不足となると分析している。特に華東や四川、広東、さらに中央主導の大型発電プロジェクトがない華中ブロックの河南省で、電力不足は深刻になるとみている。
一方で当局側は9日付人民日報で、「今年は局部的に電力が不足するかもしれないが、総体的に見れば受給バランスは安定しており、消費者への影響は少ない」と反論している。
今冬に一部地区で起きている電力不足については、
1. 気温の低い日が続き、石炭やガスによる暖房施設がない長江以南地域で需要が急増した
2. 年末で商工業用の電力需要が増えた
3. 水不足で水力発電の効率が下がった
4. 石炭価格の上昇により、火力発電施設の発電量が落ちている
とし、政策的なミスではなく外部要因によるものとの見方をしている。

◎WTO加盟から1年〜金融を振り返る(2002年12月11日、NNA)
世界貿易機関(WTO)加盟で一気に開放が加速した銀行・保険・証券業界。1年目の今年は、外資の様子見もありシェアなどに大きな変化はなかったものの、もともと地場系の基盤がぜい弱な分野だけに、外資系の存在感は確実に強まっている。同時に地場系も外資のやり方などを見て経営方法を変えつつあるようだ。
WTO加盟に伴い、中国は外銀に対し中国公民・企業向けの外貨業務を認可。人民元業務は加盟前からの上海、深センに加え、加盟時に天津と大連で、今月からは広州、珠海、青島、南京、武漢での取り扱いを正式に認可した。だが1年たった現在、地場系銀と外銀とでシェアなどに大きな変動は起きていない。
外銀が最も多い上海では、1〜9月の預金の伸びが国有商業銀で18%だったのに対し、外銀は25%に達しており、外銀人気がうかがえた。一方で貸付の伸びは国有商業銀10%に対し、外銀は1%以下にとどまった。外銀の資産総量の伸びは6ポイントダウン。市場開放の影響は最小限にとどまったといえる。
ただし外資系の存在感は確実に強まっている。南京エリクソンが巨額資金の借入先を地場系からシティバンクに切り替えたことは、「市場開放が進めば、企業は取引行をサービス・信用度ともに上の外銀に変える」ことを予感させる象徴的な事件と受け止められ、地場系は危機感を強めた。外銀が小額預金に対し手数料を徴収したことも地場系を刺激。手数料の徴収を検討し始めるなど、サービス意識とともにコスト意識も変わりつつある。
HSBCなど3行が上海銀行の株式18%を取得、カナダのノバ・スコシア銀など2行が西安市商業銀行への出資を決めるなど、中小銀行への経営参画を通した進出も静かに起きている。迎え撃つ地場系は、外資の進出が本格化する前に不良債権比率を引き下げたり、自己資本率を引き上げ、経営体力を高めることが課題となっている。
保険業界では、WTO加盟時に4社が認可されていたが、その後も日系を含め計6社が認可されており、1年間で10社と比較的早いペースでの進出となった。
地域的には上海と広州に加え、北京と天津での業務が解禁された。北京では米大手金融・保険グループ、AIG傘下のAIAの支店が6月に開業、同市初の外資100%による保険会社となった。天津ではカナダ最大手のサンライフが合弁の生命保険会社を設立。英大手のスタンダードライフも合弁生保を設立することを決めた。
地場系の保険会社が海外大手の出資を受け入れるケースも相次いだ。中堅損害保険の華泰保険は米保険大手・エースグループの3社に株式の22.13%を売却。中国平安保険はHSBCに株式の10%を譲った。外資を取り込んで資金を充実させると同時に、ノウハウや技術を導入し、競争力を高めるのが狙いのようだ。
政策面では、自動車保険の保険料率が来年から自由化されることが決まるなど、計画経済色の強い政策は姿を消しつつある。
銀行・保険に比べると対外開放の遅かった証券業界だが、外資が中国の証券会社やファンド管理会社に出資する際の規定について定めた規則が7月に施行されるなど、法整備が進んだ。合弁証券会社は3月に国内2番目となる中銀国際証券が発足。内藤証券が上海B株取り扱いの域外代理商資格を認可され、野村証券上海事務所が証券取引所の特別会員になるなど業務の対外開放が加速した。合弁のファンド管理会社は4社が認可された。
今月からはQFII制度の導入で資本市場を限定開放、海外の機関投資家によるA株取引が可能となるなど、市場も海外との結び付きを強めている。

◎オムロン、中国現法に能力主義−“わかりやすさ”で人材確保(2002年12月5日、日刊工業新聞)
オムロンは中国で四半期ごとに社員の能力評価を行い、賃金に反映させる「クウォータリーマネジメントシステム」の導入を拡大する。現地子会社に2001年に導入以来、これまで中国全体で6法人の運用を始めている。同システムが現地社員のモチベーションや定着率の向上に結びついていることから、残る13法人にも今後順次導入していく。能力を考慮した成果主義に基づく査定制度は、わかりやすい賃金制度として中国人に受け入れられており、優秀な人材獲得にもつなげたい考え。
 中国は“世界の工場”として急速に製造インフラが整備されている。そこで、豊富な人材と労働力を生かすため、オムロンは能力評価を公平に行う「クウォータリーマネジメントシステム」の導入拡大が最適と判断した。

◎来年の携帯市場、大幅な供給過剰へ(2002年12月3日、NNA)
来年は携帯端末市場が大幅な供給過剰となる見通しだ。メーカー各社の生産計画を総合すると、供給量は1億7,000万台。一方の需要は5,000万〜7,000万台にとどまると予測されており、価格競争の激化、メーカーの淘汰(とうた)が加速しそうな気配だ。
家電量販大手の蘇寧電器は1日、南京市にメーカー14社を集め、来年度向けの携帯電話機の買い付けを行った。当日はモトローラやノキア、シーメンス、TCL、康佳、科健、波導など12社が参加。蘇寧電器の160万台、20億元分の購買会は、さながら携帯市場の縮図、来年の動向を反映する場となった。
蘇寧電器の購買成約リストを見ると、70%が1,500元以下の機種。中でも1,300元前後が全体の55%を占めている。一方でGPRS、カラー液晶やデジタルカメラ搭載機種の購買にも力を入れており、価格が2,200元以上の機種は20万台が契約されている。
メーカー別では、モトローラが全体の4分の1に当たる5億元分の受注を獲得。海外ブランドの強さを見せつける結果となった。
購買会に集まった各社は、いちように来年の供給過剰について懸念を示している。 康佳通信科技の曽ユウ(火へんに日に立)副総経理は「携帯生産は利益率が他製品より高い。新規参入が増えるのは当然の結果」とし、「価格競争は避けられない現象」と語っている。かつてカラーテレビの価格競争を経験した熊猫電子集団のトウ偉明副総裁は「来年は盲目的な生産拡張はしない。価格競争にも参入しない」としている。
12月2日付広州日報によると、国産ブランドの携帯端末は、昨年下半期からTCLや波導を中心に価格下落が目立ってきている。国産ブランド各社は「海外ブランドが価格競争に参入すれば、国産は非常に厳しくなる」と警戒を強めている。

◎映画も真っ青!飲茶老舗で富豪殺人(2002年12月2日、朝日新聞)
 老舗の飲茶店で友人と語らう富豪に、突然近づく殺し屋。富豪は短銃の一撃で血の海に倒れる:ギャング映画ばりの事件が30日朝、香港の飲茶の名店として知られる陸羽茶室で起きた。
 殺されたのは貿易・不動産業経営者の林漢烈氏(54)。地元紙によると、林氏は、友人3人と来店、飲茶を楽しんでいた。犯人の男は4つ離れた席で1人で食事をしていたが、席を立ち、カウンターでトイレの場所を尋ね、トイレに行ったあと、林氏に近づき右腕で林氏の頭を羽交い締めにし、左手に持った短銃で左のこめかみを撃って、逃走したという。
 男は短銃をトイレに隠していたとみられ、地元紙は「映画『ゴッドファーザー』か『男たちの挽歌』並みの手口」と伝えた。香港人の使う広東語ではなく、大陸で使われる普通話でトイレの場所を尋ねたことから、警察は「何者かに雇われた大陸出身のプロの殺し屋ではないか」とみている。
 林氏はオフィスビルなど不動産転売ビジネスで成功。葉巻好きで、「葉巻の林」と呼ばれていた。最近、ゴルフ場をめぐりビジネスパートナーと紛争になっているほか、商売上のトラブルもいくつか抱えていたという。
 陸羽茶室は香港の中心部、中環(セントラル)にある33年開店の老舗。香港の富豪たちのほか、キッシンジャー米元国務長官やパッテン前香港総督ら内外の名士が常連客という。

◎毒物混入した疑いで容疑者逮捕 南京の集団食中毒(2002年9月17日、朝日新聞)
 中国・南京で起きた集団中毒事件で、香港紙文匯報は17日、軽食店経営者のいとこの陳正平容疑者が毒物を食品に混入した疑いで逮捕された、と伝えた。
 同紙によると、陳容疑者は以前、同店で働いていたが、経営者と不仲になり、近所に別の軽食店を開いた。しかし前の店ほど繁盛せず、恨みを抱いていたらしい。事件のあった14日朝、軽食店経営者は顔なじみの陳容疑者に小麦粉をこねるのを手伝うよう依頼。この時、井戸に殺鼠剤(さっそざい)を入れたほか、小麦粉にも混ぜたという。
 事件後、陳容疑者は列車で逃げようとしたが、寝台車内で鉄道警察官に逮捕され、南京の警察に引き渡されたという。

◎ネズミ駆除剤の成分検出か?南京食中毒事件で中国当局(2002年9月16日、朝日新聞)
中国江蘇省南京市で14日起きた食中毒事件で、市の衛生局、公安局は中毒被害者の食べた物からネズミ駆除剤の成分を検出した模様だ。中国衛生省系の健康報(インターネット版)が16日付で報じた。「毒鼠強」という駆除剤で毒性が強く、今のところ即効性のある解毒剤はないという。
 同日付英字紙チャイナ・デーリーは、「事件は何者かによって故意に毒物が混入されて起きたとみられ、引き続き捜査中だ」とする江蘇省当局者の発言を伝えた。
 同紙によると、200人以上とされる中毒被害者の総数はさらに膨らむ可能性もあるが、同当局者は「死者は100人を下回る」と断言しているという。

◎死者100人以上か 南京中毒事件で香港のTV報道(2002年9月16日、朝日新聞)
 中国・南京郊外で起きた集団中毒事件で、香港の有線テレビは16日、現地警察関係者の話として死者が100人以上に達していると伝えた。
 香港各紙は、何者かが毒物を軽食店の工場の井戸に入れたとの見方を強めている。大衆紙太陽報は、毒物の残るガラス瓶が井戸のそばで見つかったと伝えた。文匯報は病院の話として、毒物が禁止されている殺鼠剤(さっそざい)テトラミンと特定されたと報じた。
 香港・有線テレビは地元で箝口令(かんこうれい)が敷かれている模様を伝え、地元村長が「中央の宣伝部と公安部の許可がない限り、国営新華社でも報道できないことになっている」と住民を怒鳴りつける場面を放送した。
 軽食店主は身柄を拘束され、聴取を受けている模様だ。東方日報は店員1人が事件後行方不明で、事件との関係が疑われている、と伝えた。
 明報によると、収容された中毒者の容体は落ち着いているが、専門家によると、テトラミンには中枢神経を傷つける作用があり、記憶障害などの後遺症の心配もある、としている。

◎中国、昨年の犯罪容疑者17.6%増84万人(2002年3月11日、日本経済新聞)
 中国の最高人民検察院は11日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、2001年に摘発した犯罪容疑者が84万1845人と前年に比べ17.6%増えたことを明らかにした。そのうち汚職の立件数は3万6447件で4万195人にのぼった。100万元(約1600万円)以上の「特大」贈収賄事件は1319件に達した。
 最高人民検察院、最高人民法院は今年の活動目標で世界貿易機関(WTO)加盟への対応への強化を課題として挙げ、最高人民検察院の韓杼浜検察長(検事総長)は活動報告で「法執行の際の透明度と信頼度を上げ、知的財産権に関する犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)に厳しく対処する」との方針を示した。
 最高人民検察院の活動報告によると、2001年は(1)「黒社会(暴力団)」による犯罪(2)爆発物を使った殺人・強盗などの暴力犯罪(3)窃盗――を重点取り締まり対象とし、「厳打(犯罪撲滅キャンペーン)」を展開。この3分野で摘発した犯罪容疑者は45万4587人にのぼった。

◎中国首相、7%成長めざす・全人代で表明へ(2002年3月2日、日本経済新聞)
 中国の朱鎔基首相は5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、今年も7%程度の経済成長率を目指すことを明らかにする。昨年12月の世界貿易機関(WTO)への加盟を踏まえ「経済開放のレベルを全面的に引き上げる」との方針も打ち出す。ただ、中国が高度経済成長を続けられるかどうかは米国経済の動向に左右されそうだ。
 全人代は15日までの11日間の予定。中国は2001年に政府目標の7%を上回る7.3%成長を達成したものの、10〜12月期の国内総生産(GDP)は実質で6.6%の伸びにとどまった。対米輸出額の前年比伸び率も2000年の24.2%から2001年は4.2%へと急減速している。中国が今年も7%成長に全力を挙げるのは、国内の「安定」を最優先課題に掲げているからだ。WTO加盟のあおりもあって、13億の人口の約7割を占める農村部や国有企業などで失業率がさらに上がる可能性があるため、雇用創出に向けた高成長が欠かせない。

◎違法炭坑でガス爆発、4人死亡(2002年2月3日、人民網日本語版)
湖南省婁底市管轄下にある漣源市安坪鎮の違法炭坑で、2日午前3時ごろガス爆発事故が起こり、現在までに少なくとも4人の死亡が確認されている。
爆発事故を起こした炭坑は「復興炭坑」と呼ばれており、事故発生前、現地政府から閉坑命令を出されていた。現地政府の関係部門は2日午前、炭坑の電源を強制遮断した。ところが、炭坑を経営する個人事業者はこのところの石炭価格の上昇に目がくらみ、政府の閉坑命令を無視して勝手に電源を開いて採掘を始め、爆発事故を起こした。

◎中国のインターネット人口、昨年は106万人増加(2002年1月7日、人民網日本語版)
インターネットの接続料の値下げやブロードバンドの導入などにより、中国のインターネット人口は昨年1年間で106万人増加し、合計1591万人に達した。
統計によると、ユーザーの月平均接続料は150〜200元となり、許容できるレベルに収まった。
中国電信の固定資産投資の拡大により、昨年1〜11月の固定資産投資額は前年同期比54%増の1979億元を突破。とりわけ広帯域幅問題の解決に巨額の資金を投入したこともあり、全国のブロードバンドの普及を促した。

◎ダライ・ラマ問題について談話を発表 外交部(2001年11月30日、人民網日本語版)
外交部の章啓月報道官は29日の記者会見で、ポルトガル大統領が28日ダライ・ラマと会見したことについて談話を発表した。章報道官の談話は次の通り。
中国は同問題について、すでに何度もポルトガル側に厳正な申し入れを行ってきた。しかしポルトガル側は、ダライ・ラマの訪問だけでなく大統領や政府高官との会見まで許可した。中国はこれに対し強い不満と断固たる反対を表明する。
ダライ・ラマは単なる宗教指導者ではなく、宗教の名を借り、長期にわたって国外で祖国の分裂や民族団結の破壊の活動を行っている政治亡命者だ。われわれは訪問場所や訪問の肩書きに関係なく、祖国の分裂と民族の団結を破壊するダライ・ラマの政治活動に反対する。また、いかなる国や地域であれ、名義や形式に関係なく政府当局者がダライ・ラマに訪問を招請し、会見することにも反対する。われわれはポルトガルが2国間関係の大局を考慮し、中国側の同問題に対する厳正な姿勢を重視して、同様の事件の再発を防止するとともに、両国の友好協力関係の健全かつ安定した発展を確保していくよう希望する。

◎米国による台湾への潜水艦売却を非難(2001年11月21日、人民網日本語版)
外交部の章啓月報道官は20日、米国企業による台湾向け新型ディーゼル潜水艦売却について双方が合意に達したことについて、中国政府はこれに強く反対するとの見解を示し、次のように述べた。
中国は、米国による台湾への武器、特に潜水艦の売却に反対しており、この問題については何度も米国側と交渉を行なってきた。中国政府は米国政府に対して、台湾向け武器売却の危険性を正確に認識すると同時に、中米間の3つの共同コミュニケ、特に「8・17コミュニケ」の関連規定を厳守し、台湾への潜水艦や武器売却を中止し、中米関係が損失を被ることがないように求める。

◎三徳、中国産のニッケル水素電池材料を高品質化(2001年7月24日、化学工業日報)
 三徳は、包頭三徳電子材料有限公司(三徳と仏ローディアの合弁事業)のニッケル水素電池材料の品質を大幅に引き上げ、年内に国内品や米国で生産している製品と同水準に高品質化する計画。これまでは中国国内企業向け品質での出荷が行われており、国際水準のニッケル水素電池原料の品質としては不十分だった。品質の改善によって、日米中の3拠点で同一品質による原料供給体制が確立される。ニッケル水素電池原料でグローバル展開を行っているのは同社だけであり、原料希土類金属からの一貫生産の強みを生かした供給ネットワークが大幅に強化される。

◎電線盗んだ農民4人に異例の死刑判決(2001年7月24日、朝日新聞)
 北京市第2中級人民法院は20日、電線などを盗んでいた農民21人に対する公開裁判を行い、全員に有罪判決を下した。4人を死刑、2人を執行猶予2年付きの死刑とし、8人を無期懲役にした。
 新華社電によると、21人は99年から00年にかけて、北京や河北省などで37回にわたり、ケーブル計5万6千メートル分を盗み、4期の高圧電線鉄塔を倒した。計221万間(日本円で約3300万円)相当の損失を国家に与えたという。
 中国でも電線の窃盗での死刑判決は極めて異例。新華社電は「電線を盗んで売ることで死刑になるとは、農民たちは夢にも思わなかっただろう」と伝えた。

◎石原産業、中国から酸化チタンを大量受注(2001年7月19日、化学工業日報)
 石原産業は、中国からの酸化チタンの大口受注で契約した。2001年第1四半期出荷分でルチル型酸化チタンの5000トンまとめての発注で、1トン当たり50ドルの値上げで決着したアジア市場向け新価格が適用される。ここ数年の間、中国の酸化チタン需要は好調に増加しており、1999年の輸入量は約11万トン、2000年も13万−14万トンが輸入されたとみられている。

◎中国で塩ビ樹脂生産計画−台湾FPCグループ(2001年7月19日、化学工業日報)
 台湾プラスチックス(FPC)グループが3億ドルを投じて中国本土に石油化学プラントを建設する計画が浮上している。建設するのは塩化ビニル樹脂(PVC)プラントで、実現すれば同グループにとって中国で初のPVC生産拠点になる。台湾政府は5000万ドルを超える対中投資を原則禁じているが、中国への進出ブームが高まるなかで産業界からの規制緩和圧力も増している。FPCグループは中国での投資プロジェクトを管理する事務所も上海に開設する予定で、今後、中国での投資を積極化する。

◎三洋電機、中国でのニッケル水素電池パック加工の生産能力を増強(2001年7月16日、日刊工業新聞)
 三洋電機は中国・天津市にあるニッケル水素電池生産工場での同電池パック加工の生産能力を大幅に増強する。8月中に月間60万個から同160万個に引き上げる。携帯電話向けを中心にした現地需要の増大に対応するのが狙い。三洋は天津では6月にパック加工する前のニッケル水素電池本体(素電池)の生産をスタートしており、これで素電池からパック加工までの一貫生産体制も整えた。
 三洋電機が生産増強するニッケル水素電池生産工場は「天津藍天三洋電源有限公司」。携帯電話用電池は基本的に、携帯電話端末メーカー向けのOEM(相手先ブランド)製品であり、端末ごとの仕様に合わせてパック加工して納入する。
◎台湾の大王電子、中国工場拡大・半導体増産(2001年7月6日、日本経済新聞)
 台湾の半導体メーカー、大王電子は約4億ドルを投じて中国に半導体工場を新設する。直径8インチ(200ミリ)のシリコンウエハー換算で年間2万枚の生産能力を持つ工場を2003年初めに稼働させる計画だ。新工場は大王電子の中国関連会社、南科集積電子が広東省珠海市に設ける。昨年末に稼働した同社の直径6インチ(150ミリ)ウエハー工場に隣接する8800平方メートルの敷地を珠海市政府から無償で譲り受ける。
 各種デジタル機器向けの半導体製品を中国の家電メーカーなどに供給する予定。ウエハーに電子回路を描く線幅が0.20マイクロ(1マイクロは100万分の1)メートルという微細加工技術を持つ中古の製造装置を「米国や日本のメーカーから購入することで投資額を低く抑える」(南科集積電子の呉緯国董事長)という。米政府は0.25マイクロメートル以下の製造装置の対中輸出を認めていないが、呉董事長は「中国の世界貿易機関(WTO)加盟を受け規制は緩和される」と期待している。

◎WTO中国加盟、11月承認で基本合意(2001年7月4日、日本経済新聞)
 世界貿易機関(WTO)加盟国は3日、11月の閣僚会議で中国の加盟を承認することで基本合意した。年内にも申請以来15年ぶりに加盟が実現する。社会主義市場経済の独自路線を歩む中国が多角的通商ルールの枠組みに参加、国際社会とのかかわりを飛躍的に深めていく歴史的な転換点を迎える。
 既に加盟条件交渉を実質的に終えている台湾も中国と並び、時間差を置かずに加盟承認を受ける見通しだ。既に加盟国・地域が140を超えているWTOは中台の加盟により、世界経済システムの中で一段と重みを増す。今後はロシア、サウジアラビア、ベトナムなどの加盟交渉を急ぐとともに、難航している多角的通商交渉(新ラウンド)の早期立ち上げを目指す。先月28日から大詰めの調整を続けているWTOの中国加盟に関する多国間作業部会は3日の会合で(1)中国の加盟条件などを盛り込んだ部会報告書や加盟議定書などを9月半ばまでに完成させ、部会の作業を終える(2)11月9-13日に中東のカタールで開く閣僚会議でこれらの合意文書を採択し、加盟を承認する――との日程で一致した。

◎欧州の素材企業、対中投資拡大(2001年6月27日、日本経済新聞)
 欧州の素材メーカーが中国向け投資を加速している。独化学大手バイエルが31億ドル(約3700億円)を投じて化学工場をつくるほか、独鉄鋼大手ティッセン・クルップも上海の製造拠点の生産能力を2倍に増やす。自動車や電機メーカーの進出で、中国が「世界の製造拠点」となり、今後素材需要が急増するとの判断がある。素材関連で欧州各社は対中進出に慎重な日米各社に先行しており、中国での競争力を一段と高めることになる。
 バイエルは2008年までに、中国にプラスチックの中間過程であるポリマーの生産拠点をつくる。同社は2010年までにアジア太平洋地域向けに60億ドルの大型投資をし、このうち中国での生産体制を構築するために全体の半分強を投じる。同社は今春、中国担当の取締役も置き、中国市場の調査から生産・販売戦略の策定に乗り出した。

◎中国、日本製品に特別関税・セーフガードに報復(2001年6月19日、日本経済新聞)
 中国の対外貿易経済協力省は18日深夜、国営の新華社通信を通じて日本製の自動車、携帯・自動車搭載電話、空調機の輸入に対し特別関税を課すことを決定したと発表した。日本が、輸入の急増しているネギなど農産物3品目に対し緊急輸入制限措置(セーフガード)を暫定発動したことに対する報復措置とみられる。日中貿易摩擦は、輸入制限措置を応酬し合う貿易戦争の様相を呈してきた。
 新華社電によると、同省の高燕スポークスマンは特別関税を課す理由について、「日本側は中国の強い反対と申し入れにもかかわらず、中国のいくつかの輸出品目に対して一連の不公正な貿易制限措置と差別待遇を講じ、中国の産業と企業、生産者の利益を著しく害するとともに、二国間の貿易関係の正常な発展にも重大な影響を与えた」と指摘した。税率や課税開始の時期は明らかにしていない。

◎台湾企業、長江三角州に注目(2001年6月12日、人民網日本語版)
台湾からの資金や人材が長江三角州に集まり始めている。業界関係者は、今後の台湾企業による投資は珠江三角州や福建省南部から長江三角州へと広がりをみせると分析している。
長江三角州には江蘇、上海、浙江の3省・直轄市の長江と杭州湾付近の15都市が含まれる。国内では経済が最も発達した地域の一つで、投資環境も整備されている。
台湾でこのほど発表された投資に関するデータによると、1〜4月の台湾企業による大陸部への投資額は9.98%増の8億800万ドル。その52.27%が江蘇省への投資だ。
浙江省の関係部門の統計データからも、台湾企業の投資が同省の資金誘致における重要な成長ポイントとなっていることが明らかになっている。同省では今年第1四半期に、台湾からの投資で新設された企業は105社に上っている。うち投資額が1000万ドル以上の企業は8社、契約ベースでの投資額は2億6500万ドルで、それぞれ133%増と145%増となっている。
台湾企業はこれまで低コストな人件費や地価を重視し、多くの資源を消費する産業に投資を行っていたが、現在ではハイテク分野への投資が増え、両岸が各自の強みを発揮して補完し合い、国際市場での競争力を高めることを望むようになっている。
今年1〜4月までの台湾企業による大陸部への投資のうち、46%がエレクトロニクス製品製造業へのものであった。台湾企業がこの2年間で、浙江省の寧波や杭州などに新たに投資した半導体企業やPCメーカーは20社あまりで、ほとんどの企業で投資額は1000万ドル以上となっている。
世界の半導体産業で大きな実力を持つ台湾の半導体メーカーも祖国大陸部への投資をはじめている。上海の張江テクノロジーパーク内に16億ドルを投資して設立されたチップ工場は、台湾の半導体メーカーによる大陸部への投資の先がけとなった。
情報によると、江蘇省では台湾からの投資で、(1)労働密集型の伝統産業から資金・技術密集型に転換(2)分散していた加工貿易プロジェクトからハイテクプロジェクトに転換(3)小額のプロジェクトから大規模な産業型プロジェクトに転換、という3つの転換の傾向が見られている。

◎キヤノン、中国最大級の複写機工場(2001年6月4日、日本経済新聞)
 キヤノンはキヤノンアプテックスなど子会社2社と共同で、中国江蘇省の蘇州に中国最大級の複写機工場を建設、来年7月稼働を目指す。第1期工事の総投資額は100億円強。中級クラス以下の複写機の生産を日本から中国に移管し、世界市場向け輸出拠点にする。中国の国内販売権を取得して現地でも販売する。中国ではリコー、富士ゼロックスが生産・販売を始めており、中国を舞台にした大手3社間の競争が激化しそうだ。
 キヤノンが今年9月に全額出資で設立する中国の現地法人が23万平方メートルの敷地を取得、1期工事で延べ床面積7万1000平方メートルの工場を建設する。アプテックス、コピアも全額出資の現法を設立し、この現法が工場を賃借する。キヤノンが毎分30枚程度の複写速度の中級機、コピアが毎分20枚以下の普及機種、アプテックスが給排紙装置など部品を生産する。
 中国工場は2004年時点で3500人前後の従業員を雇用し、月産約2万台で年間2000億円を売り上げ、キヤノングループの複写機販売額の3割を中国で生産する。

◎中国進出外資、全額出資が主流に(2001年4月16日、日刊工業新聞)
 外国企業が中国へ進出する際、中国企業との合弁ではなく、全額出資の会社を設立する傾向が強まってきた。国家工商行政管理局によると、2000年に外国企業が新規登録した全額出資会社は1万1470社に達し、前年比48.6%増となった。意思決定などの面で経営の自由度が高い全額出資企業が主流になっている。
 2000年の外資企業の新規登録社数は全形態で前年比32.1%増の2万727社となった。うち製造業が1万4901社で全体の72%を占めた。出資形態別にみると、最も多かったのが全額出資企業の1万1470社。中国企業との合弁は18%増の7622社、利益の分配比率などをあらかじめ契約で決めておく合作企業は9%増の1630社にとどまった。中国政府は金融や流通などの分野を中心に、外国企業による全額出資に対し厳しい規制をかけてきた。製造業でもハイテク業種では中国企業に技術移転を促すため合弁形態を奨励し、国内販売で優遇するなどの政策を適用してきた。

◎中国で炭鉱爆発54人死傷(2001年4月9日、日本経済新聞)
 8日付の中国夕刊紙、北京晩報によると、中国陜西省銅川市の炭鉱で6日夜、ガス爆発が起き、38人が死亡、16人が負傷した。
 同省の程安東省長らが現地入りし、救助活動を進めている。事故原因などの詳細は伝えられていない。中国では、安全管理のずさんな小規模な炭鉱などで爆発事故が頻発しており、政府は安全管理の徹底を呼び掛けていた。

◎キヤノン、中国・大連でプリンター生産(2001年4月6日、日本経済新聞)
 キヤノンは、今秋に中国・大連(遼寧省)の製造子会社でレーザービームプリンター(LBP)の生産を始める。月間4万台を生産し、全量を日本や欧米に輸出する。LBPは主に企業のオフィスで使うプリンターで、キヤノンは世界市場の約6割を占める最大手。キヤノンは世界のLBPの需要が今後、年1割前後伸びると見て、既にLBPを生産している中国・珠海に続いて大連でも生産する。
大連の製造子会社はLBP用のトナー(インク粉)やトナー容器を製造している。新たに20億円を投入して、LBP製造用の治工具など生産設備をそろえるほか、年内に200人前後を新規に雇用する。レーザー照射装置や光学部品など基幹部品は日本から持ち込む。生産品目は15万円前後の中級機。2年後をメドに当初の月間4万台の生産を8万台に倍増する。LBPの世界市場は年間1200万台前後。キヤノンは自社ブランド販売のほか、米ヒューレット・パッカードに大量にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。

◎中国、45%の富が1%の人口に集中(2001年3月13日、日本経済新聞)
 二つの「40%以上」に注目集まる。中国国営の新華社は12日、北京で開かれている全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で所得分配の不平等を示す二つの数値が委員らの注目を集めていると報じた。一つは中国の富の45%が全人口の1%に集中しているという数値。新華社は、国際的にはこの数値が60%を超えると社会動乱を引き起こす危険な状態になるとし、45%という水準は「貧富の差の拡大は警戒ラインを超えている」と指摘した。
 もう一つは昨年の個人所得税収全体に占めるサラリーマン層の比率が43%になったという統計。課税が難しい個人事業者などの比率が低すぎ、サラリーマン層を中心に税への不公平感が強まっているとしながら、いびつな所得分配は「民衆の心を蝕み、百害あって一利なし」としている。(北京=藤賀三雄)

◎腐敗対策に人民代表「ノー」、中国全人代(2001年3月6日、朝日新聞)
 15日閉幕した中国全国人民代表大会(国会)で、検察と裁判所に対する人民代表たちの強い不満が示され、中国が抱える腐敗問題の深刻さを浮かび上がらせた。当局の自浄能力に「ノー」を突きつけたもので、党はより厳しく腐敗問題に取り組まざるをえない。党高級幹部の関係者たちの腐敗関与もささやかれるなか、党は難しい立場に追い込まれた。
 この日は2789人の人民代表が出席。10時5ヵ年計画案には、97.7%が賛成、反対・棄権は合わせてわずか2.3%だった。だが、「この1年間の任務に努力し、経済発展に貢献した」とする最高人民検察院(最高検)の活動報告に対しては、584人が反対に回り、332人が棄権した。合わせて32.8%になる。同様に1年間努力したとする最高人民法院(最高裁)活動報告でも、30.0%が反対・棄権に回った。
 もともと人民代表には党や中央、地方政府の幹部ら「内輪」が多いだけに、深刻な数字といえる。
 各紙によると、全人代期間中、人民代表たちは党の腐敗対策に様々な注文をつけた。河南省代表は「この数年、社会の誘惑はますます増え、道徳水準は下がった。一部の幹部は、外見は共産党員だが中身は変質している」。人民解放軍代表は「(党が説いているように)徳で国を治めるなら、まず、官吏に徳がなければならない」などと訴えた。
 全人代常務委員会は監督機能を高めるために、「監督法」の近い時期の制定をめざしており、成思危・副委員長は14日、河北代表団に「監督のない権力は腐敗する。権力のない監督は形式に流れる」として、監督法の必要性を訴えた。李鵬常務委員長も、閉幕演説で、全人代が監督機能を発揮しなければならないこと、地方の全人代との連携などを訴えた。

◎大日本インキ、アジアの生産再編−中国に新工場(2001年2月27日、日刊工業新聞)
 大日本インキ化学工業はアジア・太平洋地域における印刷インキ事業の生産再編に乗りだす。99年末に子会社化した英コーツ社の同地域での拠点と品目調整を進め、約1万トン程度の増産余力を確保するほか、中国・深センに新聞インキ工場を新設する。生産体制の増強と、品目の最適化を推進することで、アジア・太平洋地域(日本を除く)で現在のシェア23%を5年後に35%に引き上げ、独走態勢を目指す。
 大日本インキはアジア・太平洋地域の生産設備を持つ自社9拠点と、英コーツ社13拠点との間で生産最適化を進める。

◎川重、米KBRと組み中国で肥料プラント受注(2001年2月26日、日本経済新聞)
 川崎重工業は米エンジニアリング大手のケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)と共同で、中国海洋石油総公司(北京市)から肥料プラントを受注した。同国海南省で計画中のプラントで、受注金額は約170億円。肥料プラントとしては世界最大級となる。食糧需給のひっ迫が予想される中国や中東諸国では化学肥料の需要が増える見通しで、両社は今後も協力してプラントの受注獲得を目指す。
 受注したのは、海南省東方市の工業地区で計画中のプラント。沖合のトンキン湾で産出される天然ガスを原料に、化学肥料である尿素を1日に2700トン生産できるプラントの建設を請け負う。川重が資材調達や工事監理、KBRが基本設計を担当し、2003年末に引き渡す。川重とKBRはナイジェリアやイランで肥料プラントを手がけた実績があり、今回が四件目の共同受注となる。両社は食糧の増産ニーズを背景にプラント需要が伸びると見ており、当面は年間1件ペースでの受注を狙う。