インド関連のニュース
このページは、私が気になったインドに関するニュースを個人的にまとめたものです。
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◎10月に露印が軍事演習、インド国内で実施へ(2005年9月16日、産経新聞)
 インタファクス通信によると、ロシア空挺(くうてい)部隊当局者は16日、ロシアとインドの合同軍事演習を10月10日から19日にインド国内で実施することを明らかにした。
 ロシアは8月に中国と大規模軍事演習を実施したばかり。中国とインドはロシアにとって武器の主要輸出国で、3国の軍事協力に米国が警戒を強めそうだ。
 当局者によると、演習にはロシア軍から120人以上が参加し、パラシュートの降下訓練などを行う。イリューシン76輸送機や装甲車両のほか、両国の海軍も参加する予定。(共同)

◎日本脳炎:インド北部で流行、死者600人以上に(2005年9月11日、毎日新聞)
 【イスラマバード支局】インド北部ウッタルプラデシュ州で日本脳炎が流行し、ロイター通信によると8日までに600人以上の死者が確認された。大部分は子供といわれ、子供に対する予防接種が完全に行われていないことが流行の大きな原因とされている。
 流行は7月下旬、同州東部から始まり、州都ラクノーに広がりつつあり、死者数も1000人を超える可能性もある。

◎インド北部で日本脳炎流行、500人以上の死亡確認(2005年9月8日、毎日新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド北部ウッタルプラデシュ州で日本脳炎が流行しており、7日までに514人の死亡が確認された。
 犠牲者はほぼ全員が子供で、ほかに2000人以上が入院している。多くは貧困層に属する。
 病気は7月下旬に同州東部ではやり始め、現在は同州70地区のうち25地区に拡大。確認作業が行われていない村もあり、州当局は死者が1000人を超えているとみている。同州と国境を接するネパールでも、これまでに400人以上の死亡が確認された。
 インドやネパールでは、子供に対する予防接種が徹底されておらず、被害拡大につながっている模様だ。

◎ホンダ、インドで二輪車生産増強・北部に新工場(2005年9月7日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=堀田隆文】ホンダは2010年にもインドでの二輪車の年間生産能力を05年の1.4倍にあたる550万台以上に引き上げる。現地企業との合弁会社、ヒーローホンダ(ニューデリー市)がインド北部で最大生産能力が年約180万台の新工場を06年に稼働させる。インドの二輪車需要は急拡大しており、同国シェア1位のホンダは生産体制の拡充で対応する。
 ホンダはインド二輪車市場で約50%のシェアを握る。二輪車生産では世界最大の年間330万台の生産能力を持つヒーローホンダ(ホンダ出資は26%)のほか、全額出資のホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(ハリアナ州・年産能力約60万台)で生産している。

◎コマツ、インドに鉱山機械新工場・米キャタピラーに対抗(2005年9月3日、日本経済新聞)
 コマツはインドに鉱山機械の新工場を建設する。鉄鉱石運搬に使う大型ダンプトラックを生産する計画で、来秋の稼働を目指す。インドでは都市インフラの整備に伴い鋼材需要が急拡大しており、豊富な鉱山資源の開発も進みつつある。現地工場建設を機にインド市場開拓を本格化。外資企業で唯一、鉱山機械の現地工場を持つ米キャタピラーに対抗する。
 新工場はインドの東海岸沿いにあるチェンナイに建設する。エンジンや油圧機器など基幹部品は日本から供給するため、港に近い地域を選んだ。積載重量が70〜90トンのダンプトラックを年40〜50台生産する計画で、投資額など詳細は年内に決める。

◎新日鉄、インド鉄鋼大手の製鉄所建設に協力(2005年9月1日、日本経済新聞)
 新日本製鉄はインド鉄鋼大手、タタ製鉄がインド・オリッサ州で進める一貫製鉄所計画で技術協力する。タタ製鉄は年産600万トンの高炉からの一貫製鉄所建設に向け準備中。道路を含めた製鉄所全体の配置と生産品目の選定、主要な生産設備の構成など、製鉄所の基本構想を策定するうえで必要な協力をする。
 タタ製鉄はインド最大の民間鉄鋼会社で、2004年度の粗鋼生産量は約400万トン。新日鉄は1973年から技術供与している。

◎インド:シン首相がアフガン訪問、パキスタンけん制も狙う(2005年8月28日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】インドのシン首相は28日、同国首相としては29年ぶりのアフガニスタン訪問のためカブールに到着した。シン首相はカルザイ・アフガン大統領らと会談し、アフガン復興に向けた5000万ドルの新たな経済支援を約束する。インドはエネルギー政策上も中央アジアにつながるアフガンを重視しており、両国関係の緊密化を改めて確認する見込みだ。
 アフガンはソ連軍侵攻の79年以降、イスラム武装勢力を支援するパキスタンとの関係を強め、インドとは疎遠になった。しかし01年の米軍による攻撃でタリバン政権が崩壊し、パキスタンのアフガンに対する影響力が低下した。
 カルザイ新政権はインドと近かった反タリバンの北部同盟系が主体で、カルザイ氏自身もインドで教育を受けるなど親インド的な色合いが濃い。インドは01年以降、カルザイ政権に対し5億ドルの復興支援資金を供与。警官や政府軍兵士の訓練、学校再建など幅広い分野でアフガン復興にかかわってきた。
 インドにとって、アフガンは戦略的な重要性を持つ。将来的には天然資源が豊富な中央アジアからアフガンを経由してインドに至る石油や天然ガスのパイプライン建設を視野に入れているほか、インドとの対抗上アフガンへの影響力強化を図ってきたパキスタンをけん制する狙いもある。
 しかしアフガンとインドの緊密化は、カルザイ政権と隣国パキスタンとの間の潜在的緊張をさらに高め、地域の不安定要因となる面もある。

◎インドに世界最大級の製鉄所、タタ、1兆4300億円を投資(2005年8月26日、フジ産経ビジネスI)
 インド鉄鋼2位のタタ・スチールは24日、同国西部に粗鋼生産で年間1000万トン規模の製鉄所を建設すると発表した。完成すれば日本のJFE西日本製鉄所の福山地区(1045万トン)などと並ぶ世界最大級の製鉄所となる。
 ブルームバーグなどによると、投資総額は130億ドル(約1兆4300億円)。インド最大の鉄鉱石埋蔵地域であるジャルカンド州内で建設地を選定し、4年以内の完成を目指す。完成後、4年間は年産500万トンで操業。その後フル生産に移すという。
 インドの鉄鋼需要は経済成長に伴い急増しており、現在の年間3000万トンから2012年ごろまでには倍増するとみられている。ジャルカンド州は鉄鉱石の採掘から製鉄まで一貫して行えるため、韓国の鉄鋼最大手ポスコなど海外メーカーの進出も相次いでいる。

◎マツダ、インドのトラック事業から事実上撤退(2005年8月25日、日本経済新聞)
 マツダがインドのトラック製造会社スワラジマツダの保有株式約15.6%を住友商事に売却したことが24日、明らかになった。住商は約41%を保有する筆頭株主となったもよう。マツダは事実上インドのトラック事業から撤退、同国では乗用車事業へ力点を移す。一方、住商はトラック事業を再構築する。
 スワラジマツダはマツダと住商、現地のトラックメーカーのパンジャブトラクターなどが共同で1985年に設立。マツダが日本から部品を輸出して中型トラック「タイタン」を生産していた。インドは2010年に排ガス規制を強化する予定だが、タイタンの新規制への適応が難しいことから、マツダは商用車事業を見直す。当面、部品の供給は継続する。

◎インド西部で4階建てビル崩壊、10人死亡(2005年8月23日、朝日新聞)
 インド西部のムンバイで23日、4階建ての住居ビルが突然崩壊し、ビル内にいた10人が死亡、約30人が負傷した。インドPTI通信などが伝えた。地元報道ではまだがれきの中に20〜30人が閉じこめられている可能性がある。
 ビル崩壊が起きたのはムンバイ南部のナグパダ地区。築100年近い古いビルで、約20世帯が住んでいたほか、複数の商店が入っていた。住人が眠っている未明に崩壊したため、被害が大きくなったと捜査当局はみている。
 ムンバイでは毎年雨期になると古い建築物の崩壊が起きている。今年の雨量はかつてなく多く、7月に洪水や土砂崩れでムンバイを中心にマハラシュトラ州で1000人以上が死亡した。

◎インド:日本脳炎で子ども79人死亡(2005年8月19日、毎日新聞)
 AP通信によると、インド北部ウッタルプラデシュ州で日本脳炎が流行し、18日までに子ども79人が死亡した。地元の保健当局者が明らかにした。
 州都ラクノーから約250キロのゴラクプルを中心に感染が広がっており、これまでに少なくとも子ども182人が入院し、うち100人以上の症状が重い。ほとんどが貧しい家庭の子どもで、衛生状態が悪い環境にいたとみられる。
 同州では毎年、日本脳炎により数十人が死亡しており、過去25年で計約3500人が死亡したと推計されている。(ニューデリー共同)

◎インドの乗用車販売台数、2カ月連続で前年割れ(2005年8月16日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】好調を維持していたインドの国内自動車販売台数が、6、7月と2カ月連続で前年同月実績を下回った。天候不順や付加価値税(VAT)導入による負担増、自動車ローンの金利上昇などによる買い控えが主な背景。業界では販売落ち込みは一時的と見ているが、原油価格の上昇でガソリンなどの再値上げ観測が強まるなど、不安要因は少なくない。
 インド自動車工業会が発表した7月の国内乗用車販売台数(多目的車などを除く)は約6万3000台と、前年同月比10.6%の減少。4〜7月の累計でも約26万台と、前年同期に比べわずか3%の微増にとどまった。昨年度(2004年4月〜05年3月)の販売台数は約82万台と、前年度に比べ17.8%の大幅増を記録していた。
 6月の雨不足で農業生産への不安が高まった上、マハラシュトラ州などインド西部を襲った洪水の影響で農村部の購買意欲が減退。新車購入者の80%以上が利用する自動車ローンの金利上昇も売り上げに響いた。

◎インドのタタ自動車、25万円乗用車を発売へ・07〜08年にも(2005年8月11日、日本経済新聞)
インド有力財閥タタ・グループ傘下のタタ自動車は2007〜08年にも1台10万ルピー(約25万円)の乗用車を発売する。ラタン・タタ会長が明らかにした。現在インドで販売している最も安い乗用車の半額程度で、大企業サラリーマンの平均年収を下回る。格安乗用車が売り出されれば、現在0.7%程度の自動車普及率が上昇する可能性がある。
 格安乗用車は排気量600cc前後となる見通し。タタは「国民車」と位置づけて開発を進めている。鉄鋼価格が上昇すればプラスチック部品を多用したり、各地の整備工場などに組み立てを委託することでコスト削減を目指す考え。
 昨年度(04年4月〜05年3月)約100万台を販売したインドの乗用車市場ではスズキの子会社マルチ・ウドヨグが50%近いシェアで首位。タタ自動車は韓国の現代自動車と激しい2位争いをしている。(ニューデリー=山田剛)

◎インドの鉱工業指数、6月11.7%上昇・10年ぶりの高い伸び(2005年8月13日、日本経済新聞)
 インド中央統計局が12日発表した6月の鉱工業生産指数(速報値、1993年度=100)は、212.5と前年同月比11.7%上昇し、約10年ぶりの高い伸び率を記録した。指数の約80%の比重を占める製造業の伸び率は同12.5%に達した。また4〜6月期でも前年同期比10.3%上昇した。
 業種別では、米国向け輸出の拡大などで繊維産業が同37.6%と大きく伸びたのをはじめ、基礎化学品が20.2%、飲料・タバコ関連が19.2%とそれぞれ大幅に上昇した。(ニューデリー支局)

◎インド、ホンダ子会社の労使紛争が決着・州首相が仲介(2005年7月31日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】ホンダの全額出資子会社ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI、本社ハリヤナ州グルガオン)の労使紛争は7月30日までに解雇された従業員の職場復帰や賃上げなどで双方が合意し、約2カ月ぶりに決着した。交渉を仲介した同州のフーダ首相が記者会見で明らかにした。
 同州首相によると、HMSIは抗議デモやストに参加した従業員に対する懲戒処分などは行わないことを確認。PTI通信によると同社の従業員代表は30日、「今後1年間は会社側に対し新たな要求は行わない」と語った。
 解雇処分の撤回などを求めたHMSI従業員らの抗議デモは25日、警官隊と激しく衝突し双方に140人以上の負傷者を出した。これに関連して、連立政権を支える共産党など左翼政党や野党は国会で事件を強く非難。州首相や警察幹部の辞任を要求していた。

◎列車爆発、7人死亡、インド北部(2005年7月29日、産経新聞)
 AP通信によると、インド北部ウッタルプラデシュ州のジャウンプル近郊で列車が爆発、同国鉄道当局者によると、少なくとも7人が死亡、約50人が負傷した。爆弾が爆発したとの情報もあるが、詳しい原因は不明。
 ニューデリーの日本大使館がインド鉄道当局に確認したところによると、爆発は一般車両で起きた。死傷者の身元は確認されていないが、乗客に外国人が含まれているとの情報はないという。
 ロイター通信によると、列車は東部パトナから首都ニューデリーに向かっていた。(共同)

◎ホンダ、インド二輪車工場の労働争議で生産落ち込み(2005年7月27日、日本経済新聞)
 ホンダのインドの二輪車生産拠点が、労働争議による生産落ち込みに揺れている。従業員の組合設立の要求に端を発した争議は5月末にストライキに突入。25日にはホンダ従業員などによるデモ行進も発生した。インドは中国に次ぐ世界2位の二輪車市場で、ホンダは約5割のシェアを持つ最大手。生産減が長引けば影響が大きくなる。
 労働争議が起こったのは全額出資の現地法人、ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI)。HMSIが生産ライン停止などの影響を与えた4人の従業員を解雇、50人を出社停止処分としたことに一部従業員が抗議し、ストライキに突入したもようだ。争議とデモの関連についてはホンダは「事実関係は調査中」としている。

◎インドのホンダ子会社工場で衝突・数百人負傷(2005年7月26日、日本経済新聞)
 【イスラマバード26日共同】AP通信によると、インドの首都ニューデリー近郊のグルガウンにあるホンダの全額出資子会社のオートバイ工場で26日までに、同僚の解雇に反発した従業員約1000人のデモ隊と警官隊が衝突。インド北部ハリヤナ州当局者は「警官を含め、数百人が負傷した」としている。
 ホンダ広報部は「詳しいことは分からないが、労働争議があり、解決するべく従業員代表と話し合いをしていると聞いている」とコメントした。
 同当局者は、従業員が警官隊に投石、警察車両に放火するなど暴徒化したため、警官隊が鎮圧に乗り出したとしている。従業員側は警官がデモ隊を殴打したため、衝突に発展したと主張した。
 工場では、1カ月前に4人の従業員が解雇された後、多くの従業員がストを行っているという。

◎ホンダ系社員と警官隊衝突、インド、数十人負傷(2005年7月26日、朝日新聞)
 インド北部の工業都市グルガオンで25日、ホンダ全額出資のホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI)の従業員ら約1000人が警官隊と衝突し、少なくとも数十人が負傷、多数が拘束された。PTI通信などが報じた。
 同通信によると、HMSIでは先月から労働争議があり、約50人の従業員が停職になった。他の従業員らは25日、停職者の救済を求めてハリヤナ州政府のグルガオン事務所に詰めかけ、抗議行動として首都ニューデリーとグルガオンを結ぶ幹線道路を封鎖した。労働者の一部が警官隊に対して投石などを始めたため、衝突した。労働者は近くにあった車に放火するなどした。
 地元政府関係者はHMSI従業員65人が負傷したと語った。負傷者は約100人と報じるテレビ報道もある。グルガオンはニューデリーの南約30キロの新興工業都市。
 HMSIは1日約2000台のオートバイやスクーターを生産しているが、労働争議でこの1カ月間、生産台数が半減していたという。

◎丸紅、インドで繊維製品一貫生産・人民元改革受け拠点分散(2005年7月24日、日本経済新聞)
 丸紅はインドで繊維製品の一貫生産に乗り出す。稼働中の紡績工場に続き、2006年中に現地の紡織大手と合弁でシャツなど衣料品の縫製工場を建設、製品は欧米に輸出する。産業界では中国人民元の切り上げを受けて、中国事業を拡充しながら製造拠点の分散を進める動きがある。丸紅も中国に工場を持つが、今後インドの輸出競争力が相対的に高まると判断した。
 インド紡織大手バルドマン(ルディアナ市)と共同で、従業員1000人弱の縫製工場を2つ建設する。それぞれワイシャツなどの織物製品とニットなど編み物製品を月産30万着の規模で製造する。場所はムンバイとニューデリーの中間辺りを予定。資本金や出資比率など詳細は年内に詰める。香港や日本の縫製メーカーにも参加を呼び掛ける。

◎世界遺産タージマハル所有権、イスラム団体主張で波紋(2005年7月15日、朝日新聞)
 インドの世界遺産、タージマハルについて、同国のイスラム教団体「スンニ派ワクフ委員会」が13日に「わが組織に所有権がある」と宣言し、波紋を広げている。現在タージマハルを管理している政府考古局は法的に対抗するとしている。
 ワクフ委はイスラム教の宗教施設の管理団体で全州にスンニ、シーア両派の委員会がある。6月下旬、タージマハルがあるウッタルプラデシュ州に住むイスラム教徒の男性が、州高裁にスンニ派ワクフ委員会の所有権を認めるように請願を出した。高裁は、イスラム教施設の所有・管理がワクフ委の管轄のため、ワクフ委に請願内容の適否の検討を指示。ワクフ委は「タージマハルは金曜礼拝にも使用されており、敷地内のモスク、廟(びょう)はすべてワクフ委の所有物」との結論を出した。
 これに対し考古局は「タージマハルは古代遺跡保護法に基づいて1920年に中央政府のものになった。ワクフ委では十分な管理はできない」と法的に争う方針を表明した。
 一方、シーア派ワクフ委員会も「タージマハルはペルシャのシーア派建築家が建てた。シーア派ワクフ委にも所有権がある」と主張し出した。
 同州では5日にヒンドゥー、イスラム両教徒が聖地と主張するアヨディヤで、ヒンドゥー教徒に破壊されたモスク跡地に武装グループが突入、ヒンドゥー教祭壇を破壊しようとする事件が起きた。与党・国民会議派は「タージマハルは愛の象徴。敵対の象徴にしてはならない」と呼びかけた。
 タージマハルは17世紀にムガール帝国皇帝が愛する妃の死を悼んで建てた壮大な大理石廟。

◎機械大手がインド生産拡大、ファナックNC2倍に(2005年7月13日、日本経済新聞)
 大手機械メーカーがインドで相次ぎ事業を拡大する。ファナックは来年までに工作機械用の数値制御(NC)システムの現地生産を現在の2倍に引き上げ、コマツは建設機械を増産、横河電機はプラント制御システムの設計人員を増やす。自動車生産の増加やインフラ整備に伴い機械関連の需要が高まっており、各社ともインドを中国に続く重要市場と位置づけ生産体制の増強を急ぐ。
 ファナックはインド子会社、ファナックインディア(バンガロール)で工作機械に組み込むためのNCシステムを月間400台生産している。既存工場をフル活用し、年内に同600台、来年中に同800台に増やす。自動車や二輪車、部品メーカーの生産拡大によって、需要増は続くと見込む。

◎インド:ニューデリー中心部の地下鉄開業、通勤客らで混雑(2005年7月4日、毎日新聞)
 【ニューデリー西尾英之】ニューデリーで建設中の地下鉄網のうち、中心部の繁華街コンノート・プレイスや政府の官庁街に乗り入れる延伸区間が3日、開業し、4日朝、都心部の各駅が通勤客らで混雑した。
 デリー首都圏は約1400万人の人口を抱えながら公共交通機関は極めて貧弱。地下鉄網はこの抜本的改善策として日本からの円借款約1500億円を投入して建設中だ。ステンレス製の銀色の車体、全面空調の駅構内など、経済成長を続ける「輝くインド」のシンボル的存在になっている。
 デリー地下鉄は02年に最初の区間が開業。今回の延伸は北部から都心部への約7キロで、12月にも第1期工事区間約65キロが全面開業の見込みだ。市民は「安全な地下鉄が利用できれば、女性一人での外出もさらに容易になる。市民の意識も近代化していく」と話した。

◎インド:モスク跡地襲撃の武装グループ6人射殺(2005年7月6日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】インド北部ウッタルプラデシュ州アヨドヤにあるモスク(イスラム礼拝堂)跡地を5日、武装グループが襲撃。治安部隊と銃撃戦になりグループの6人全員が射殺された。現場はイスラム教徒とヒンズー教徒の宗教抗争の舞台で、襲撃はイスラム過激派の可能性が強い。ヒンズー教徒によるイスラム教徒への報復も予想されるため、治安当局はインド全土で警戒を強めている。
 地元テレビの報道などによると、6人は手りゅう弾や自動小銃で武装。車で現場に乗りつけ突入を図った。車にとどまっていた運転手は治安当局に拘束された。
 現場には数百年前に当時のムガール帝国によって建設されたモスクがあったが、ヒンズー教至上主義グループはモスクがヒンズー教寺院を破壊して建設されたと主張。92年にヒンズー教徒数千人がモスクを破壊し、全国で2000人以上が死亡する大規模な宗教抗争に発展した。その後もヒンズー教徒がモスク跡地にヒンズー教寺院の建設を計画したことから、両教徒間の宗教対立の大きな原因になってきた。
 武装グループの身元は不明だが、両教徒間の対立をあおるイスラム過激派の可能性が強い。複数の人数で射殺を覚悟で突入を図る手口から、インドとの関係改善に反発するパキスタン国内に拠点を置くイスラム過激派の関連を指摘する見方も出ている。

◎インドの宗教抗争跡地に車突入、12人死傷(2005年7月6日、朝日新聞)
 インド北部ウッタルプラデシュ州のアヨディヤで5日、92年にヒンドゥー、イスラム宗教抗争で破壊されたモスク(イスラム教の礼拝所)跡地に爆発物を積んだ車が突入して爆発、武装グループ6人が自動小銃を乱射しながら、跡地内のヒンドゥー教祭壇に向かって侵入した。跡地を警備していた警官隊と銃撃戦になり、武装グループ全員が射殺された。4人の警官と近くにいた市民2人が負傷した。
 PTI通信は、犯行グループはカシミール地方でテロ活動を展開しているイスラム過激派ラシュカレトイバに属していた可能性があると報じている。インド政府は、この事件を引き金に宗教対立が全国に広がらないよう治安当局に対して宗教施設などを中心に警備強化を指示した。
 跡地にあったのはムガール帝国時代に建造されたモスク。内部にラーマ神像もあり、ヒンドゥー教徒はヒンドゥー教の聖地だと主張していた。92年、ヒンドゥー至上主義者が大挙してモスクを破壊。全国に両教徒間の衝突が広がり2000人以上が死亡したとされている。モスク破壊後は警察が一帯を厳重に警備し、持ち物検査などを受けた者だけに、破壊後も残ったラーマ神祭壇の参拝を認めていた。

◎円借款で都心部に地下鉄、ニューデリーで開通式(2005年7月3日、産経新聞)
 総工費の6割以上を担う日本の円借款約1630億円を使ってインドのデリー首都圏に建設中の地下鉄で2日、初めて都心部へ乗り入れる延伸区間が開通し、式典が行われた。
 約1400万人を抱えるニューデリーの中心部にある中央官庁、商店街と国鉄駅を結び、高成長を続けるインドの首都交通網の要となる。
 今回開通したのは計6キロ余り、乗車時間にして約13分の区間で、既に開通している北部の路線とつながった。
 駅構内は空調が完備された快適な空間。最低運賃は6ルピー(約15円)、最高で14ルピーでバス料金と同程度。式典招待客の1人は「日本の協力でようやく国際水準の都市交通ができた」と話した。
 デリー地下鉄の1期工事は計約63キロ(地下は13キロ)で、年内にもほぼ全線開通の見通し。インド政府は2期工事でも日本政府に円借款供与を申し入れている。(共同)

◎沖電気、インドのバンガロールに半導体の営業拠点(2005年6月26日、日本経済新聞)
 沖電気は7月1日、インドのバンガロール市に半導体の営業拠点を新設する。シンガポールにある現地法人の支店として位置付け、携帯電話や家電、自動車向け半導体で、顧客への提案営業を担う。2004年度に4億円程度だったインド国内での売り上げを07年度には3倍に高める。
 携帯電話用では着信メロディー半導体の仕様を変え、インドの伝統楽器の音色を出せるようにする。同国の半導体市場は年間1000億円程度。家電製品や自動車の製造拠点として成長しており、需要増が期待できる。

◎「インド市場に供給優先」韓国ポスコ会長、製鉄所建設で会見(2005年6月23日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド・オリッサ州で年間粗鋼生産能力1200万トンの一貫製鉄所建設を表明した韓国・ポスコの李亀沢会長は23日ニューデリーで記者会見し、新たな製鉄所からの製品はまずインド国内市場向けを優先させ、その後に輸出も検討する方針を明らかにした。
 同会長は「インド産の鉄鉱石はアルミナ分が多いため、生産効率を上げるには輸入鉄鉱石とブレンドする必要がある」と指摘。輸入分と等量の鉄鉱石を交換輸出する考えを示し、「優遇措置としての採掘権で得る鉄鉱石を輸出しようとしている」とした一部現地報道に反論した。
 地元経済への波及効果については「直接雇用で1万3000人、関連工事など間接雇用でも3万5000人に達する」と述べ、製鉄所建設がオリッサ州だけでなくインド全体の経済発展にも貢献すると強調した。

◎カシミールで自爆テロか、14人死亡100人負傷(2005年6月13日、朝日新聞)
 インド北部ジャム・カシミール州の町プルワマで13日午前、自動車に仕掛けられた爆発物が爆発し、少なくとも子供を含む14人が死亡し、約100人が負傷した。PTI通信などが伝えた。
 地元警察はイスラム過激派による自爆テロの可能性が高いとみている。中央予備警察隊基地や郵便局、学校がある人通りの多い所で爆発し、学校や商店、近くに駐車してあった自動車が損傷を受けた。プルワマは州都スリナガルの南約25キロ。

◎印首相がカシミール訪問・緊張緩和アピール(2005年6月13日、日本経済新聞)
 【ニューデリー12日共同】インドのマンモハン・シン首相は12日、パキスタンとの間で領有権を争うカシミール地方の標高約6000メートルにあるシアチェン氷河を訪れ、「世界で最も標高が高い戦場を平和な山に変える時がきた」と述べ、緊張緩和に向け努力する姿勢をあらためて示した。
 インド首相のシアチェン氷河訪問は初めて。両国軍は、2003年11月の停戦発効以後も部隊を配置しにらみ合っている。シアチェン氷河は実効支配線がない地域で、戦闘よりも過酷な自然環境の犠牲となる兵士が多いとされる。
 シン首相は一方で、国家の安全保障と威信にかけて「和平達成のために(パキスタンとの)境界線を引き直すことはできない」と言明し、カシミール地方の実効支配線を現行のまま維持する考えを示した。
 4月の印パ首脳会談は、部隊削減など緊張緩和に向けて双方が努力することで合意。5月に高級事務レベル協議が行われたが、部隊削減など具体的な合意には至らなかった。

◎インド向け04年度円借款1345億円、2年連続首位(2005年3月30日、産経新聞)
 政府は29日、インドに対する2004年度の円借款について、前年度比約7.6%増の総額1344億6600万円を限度に供与すると発表した。
 国別供与額は2年連続トップ。04年度の上位はインド、インドネシア、トルコ、中国、ベトナムの順になる。インド向け円借款は、インフラ整備、環境対策、貧困解消が3大基本方針で、04年度分でもインドの発展を確実なものにするための支援を行う。
 具体的にはデリーの地下鉄建設、東部のジャルカンド州の火力発電所建設を始めとする社会基盤整備を引き続き推進。環境対策としては、南部のカルナタカ州やタミールナド州で、地域住民を直接雇用する植林事業を通じて森林の拡大を図り、地域の貧困層の所得向上にも役立てる。
 北部のウッタル・プラデシュ州では、仏跡観光の促進に向けた道路整備なども行う。

◎インド政府、外資規制を緩和(2005年3月29日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド政府が、経済改革の柱として国内産業に対する外国企業の直接投資規制を相次いで緩和している。電気通信や銀行などの主要分野で過半数の出資比率を認めたほか、外資単独による建設・不動産開発も解禁した。海外建設大手の進出が増えているほか、欧米銀行のリテール営業網拡大なども予想される。外資が活力を呼び込み、成長が加速する可能性もある。
 先月閣議承認した通信部門の外資規制緩和は、出資上限を49%から74%に引き上げるという内容。安全保障に配慮して役員の半数以上を国内在住インド人とすることなどの条件を付けた。携帯電話など通信サービスへの潜在的需要はなお大きく、外資系の本格進出や企業買収などが加速する見通し。
 現在は49%を上限としている民間銀行への出資規制の緩和は、2009年3月末までに外銀の既存支店網を100%子会社に切り替えることを解禁。それ以降は外資にインド民間銀行の株式を74%まで取得することを認めるという2段階。

◎カシミール:支配地結ぶバス運行、印パ合意(2005年2月16日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】インドのナトワル・シン外相は16日、訪問先のパキスタンでムシャラフ大統領、カスリ外相らと相次いで会談し、両国が領有権を巡って争い、関係改善の焦点であるカシミール地方の両国支配地域間を結ぶ直通バスの運行を4月7日から開始することで合意した。03年から始まった両国対話で最大の成果といえ、今後両国はカシミール問題の解決へ向け本格的に動き出す可能性が強まった。
 シン、カスリ両外相が会談後の記者会見で共同声明を発表し、合意内容を明らかにした。
 両国はまた、偶発的な核兵器使用を防ぐための協議を開始することでも合意した。
 直通バスはインド側中心都市のスリナガルとパキスタン側中心都市のムザファラバードを結ぶ。双方の支配地をつなぐバス路線の開設は1947年の両国の分離独立後、初めて。両地域の一般住民が利用できる見込み。カシミールでは多くの家族や親類などが分かれて暮らしているが、徒歩などによる往来は57年ごろから途絶していた。
 印パ両国は98年に相次いで核兵器保有を宣言。01年12月のイスラム過激派によるインド国会襲撃事件で「核戦争の一歩手前」といわれるまで緊張が高まったが、03年4月に当時のバジパイ印首相の呼びかけで関係改善がスタートした。

◎印が短距離ミサイル「トリシュル」の発射実験(2005年1月20日、産経新聞)
 AP通信によると、インドは19日、東部オリッサ州で、短距離地対空ミサイル「トリシュル」の発射実験を行った。
 射程9.6キロで、重さ15キロまでの弾頭搭載が可能。トリシュルはインドが開発を進めている最新型ミサイルの一つで、定期的に発射実験している。
 インドは実験に先立ち、パキスタンが18日、一昨年11月に結んだ停戦合意を破って、インド側カシミールに迫撃弾を撃ち込んだとして非難していた。パキスタンは全面否定している。(共同)

◎インド洋津波:インド南部で原発が緊急停止(2005年1月9日、毎日新聞)
 【カルパカム(インド南部)田中洋之】スマトラ沖大地震でベンガル湾に面したインド南部カルパカムにある原子力発電所が大津波に襲われ、原子炉が緊急停止するなどの影響を受けた。政府当局は「放射能漏れや深刻な被害はなかった」としているが、周辺住民に不安を与えている。
 カルパカムは出力17万キロワットの加圧水型重水炉2基(84年と86年に運転開始)や実験炉1基、再処理工場を持つ核複合施設。09年の完成を目指し高速増殖炉の建設も進んでいる。
 今回の大津波で原発の冷却装置につながるポンプ室に大量の海水が流入し、稼働中だった原子炉1基が緊急停止した。もう1基は部品交換のため点検で停止中だった。作業員1人が死亡、2人が行方不明になったという情報もある。
 原発労働者と家族ら2万5000人が暮らす隣接の居住地区も津波の直撃を受け、計38人が死亡した。海沿いのアパート1階にいた原発職員のラビクマルさん(40)は「灰色の波が押し寄せ、首の高さまで海水につかった」と恐怖を語る。
 また近くの漁村プドゥパティナム・クッパムに住むサディーシュ・クマルさん(20)は「津波発生直後に原発から放射能が漏れたとのうわさが流れ、パニック状態になった」と話す。
 当局は放射能漏れを否定し、施設の安全性が確認されたとして津波から1週間後に原子炉の運転を再開した。これに対し、チェンナイ在住のジャーナリスト、シュリ・ラーマン氏は「インドの原発は今回のような大津波を想定した設計になっていない。一歩間違えれば原子炉が破壊され第二のチェルノブイリになる危険性があった」と指摘する。
 カルパカム原発は03年1月にインドで過去最悪とされる放射能漏れ事故を起こし、作業員6人が被ばくした。しかし、当局は半年近く事故を公表せず、「秘密主義」が批判されている。
 インドには現在、14基の原発があり、08年までにもう8基が加わる予定。

◎インドへの事業進出さらに加速、台湾・情報産業界(2004年12月29日、電子商情:台湾IT産業ニュース)
 台湾・情報産業界のインド進出が一段と活発化している。従来はソフトウエア分野が主体だったが、最近はハード分野でも進出が盛んになっており、2005年からは新たなインド進出ブームが見込まれる。
 台湾の情報・IT産業界のインド進出は90年代後半から始まり、現在までに5〜6社が現地企業との提携の形を含めて事業進出を実現している。その中心となってきたのはソフトウエア・プロダクツだったが、ここ数年はハード分野でも進出が増えているのが特徴だ。
 例えば友訊は、現地資本と合弁でインドに子会社を設立、2001年からマザーボードなどのOEM生産に入っている。精英も地元企業に委託し、自社製品のノックダウン生産を開始した。
 また 技はこのほど、インド企業と合弁でマザーボードなどを現地生産する計画を明らかにしている。さらに大手の鴻海精密も、インドに工場を建設する方向で検討に入っているという。
 加えてソフト分野でも、新たに大型進出計画が浮上した。明基はソフトウエア開発センターを近い将来インドに開設する計画を明らかにしており、2005年初めにも要員を派遣して具体的な準備に入る。
 こうしたインド進出志向は、従来から定評のあったソフト関係人材のレベルの高さのほかに、ハード面でも世界で中国に次ぐ人口を持つことから低コスト労働力が得られるだけでなく、将来の市場としての有望性にも基づいている。
 世界の情報・通信関係産業も、先にノキアがインドに世界で10番目の携帯電話機生産拠点の開設を発表するなど、インドへの関心を強めている。台湾企業の進出もこれと歩を一にしたもので、大陸・中国への過剰傾斜によるリスク対策も兼ねて、2005年以降進出がさらに本格化するのは確実な情勢だ。

◎インドのラオ元首相死去、経済自由化に尽力(2004年12月23日、朝日新聞)
 90年代にインド経済の自由化を進めたナラシマ・ラオ元首相が23日、ニューデリーの病院で心不全のため死去した。83歳だった。インドPTI通信が伝えた。
 91年、総選挙の遊説中に暗殺されたラジブ・ガンジー元首相の後任として急きょ国民会議派総裁に就き、選挙に勝利。首相に就任した。それまでの統制的な経済政策を大幅に見直し、自由化へと転換。危機的状況だった財政を立て直した。現在のインドの情報通信(IT)産業の隆盛はラオ首相時代に基盤ができた。
 5年の任期を最後までつとめた初の首相だったが、経済改革の恩恵が一部の富裕層に偏ったことから96年総選挙で大敗した。初の南インド出身の首相。また、国民会議派でネール一族出身ではない初めての首相だった。
 同通信によると、ラオ氏の死去を受けて政府は国葬を営むことを決めた。

◎インド石油大手、中東進出を加速(2004年12月21日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】中国、日本に次いでアジア第3位の石油消費国で、原油需要の約7割を輸入に依存するインドの大手石油会社が、中東産油国に相次ぎ進出している。エネルギー需要の急増を背景に、各社は同様の動きを見せる中国勢をにらんで油田・ガス田開発への参加や権益取得での活動を本格化させている。
 インド最大の高収益企業のインド石油ガス公社(ONGC)は子会社のONGCビデシュを通じてスーダンやリビアなどの油田開発利権を相次ぎ取得した。英BPと組んでクウェート北部の大規模油田開発にも参加を表明した。
 開発計画書はクウェート国会で審議中だが、同国のフォウダリ駐印大使は「国会ではBP案への関心が強い」と発言し同社が有利であることを示唆している。

◎インドの列車事故、死者31人に(2004年12月15日、産経新聞)
 インド北部パンジャブ州で14日に起きた列車同士の正面衝突事故で、AP通信によると15日までに、死者が31人、負傷者は少なくとも50人になった。鉄道省当局などが、負傷者の救出や死者の身元確認などを続けている。
 現場は単線で、近くの駅での信号ミスなどが事故原因とみられている。(共同)

◎インドで列車衝突、27人死亡(2004年12月14日、産経新聞)
 インド北部パンジャブ州ホシアルプルで14日、急行列車と普通列車が正面衝突、PTI通信などによると、少なくとも27人が死亡、50人が負傷した。
 同州のシン州首相は州議会に対し、50人が死亡、約150人が負傷したと報告しており、死傷者はさらに増えるとみられる。
 鉄道省当局者によると、現場付近は単線のため信号などのミスがあった可能性がある。
 衝突したのはジャムからアーメダバードへ向かっていた急行と、地元を走るディーゼル車両。(共同)

◎インドで米狙ったテロ情報、ムンバイでは領事業務停止(2004年11月23日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】当地の米国大使館は23日、インド国内の米国の権益拠点をテロリストが「近い将来」攻撃する計画があるとして、在留米国人に警戒を呼びかけるとともに、駐ムンバイ米国領事館での領事業務などを同日中止した。
 ニューデリーでの大使館業務は通常通り行われている。

◎インテル、インド政府とIT教育支援で覚書(2004年11月18日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】米インテルのクレイグ・バレット最高経営責任者(CEO)は18日ニューデリーで記者会見し、インド国内での情報技術(IT)教育支援やパソコンの普及拡大などへの協力を盛り込んだインド政府との覚書に調印したと発表した。
 覚書によるとインテルは、インド南部ケララ州やカルナタカ州など地方の学校を中心に、各州政府と協力して小・中学生や教師へのパソコン訓練などを実施するほか、州政府業務の電子化も支援する。総事業費は明らかにしていない。
 バレットCEOは覚書について「インドの経済成長を加速させるIT分野を支援し、大都市と地方の格差を縮小するのが目的」と述べ、すでにケララ州では児童・生徒1600人を対象に初級パソコン教育を実施するプログラムを開始したことを明らかにした。

◎インド軍が撤退開始、カシミール和平へ積極姿勢(2004年11月17日、産経新聞)
 インド軍は17日、パキスタンと領有権を争うカシミール地方の兵力の一部撤退を開始した。カシミール問題ではパキスタンに比べ、インドの消極さが目立っていただけに撤退開始は和平に向け大きな弾みとなる。
 インド軍は同日、約1000人の撤退を開始。段階的に撤退を進め、最終的に2万人に上る見通し。同地方のインド軍総兵力は40万人以上とされ、撤退の割合は小さいが、パキスタン外務省報道官は同日「(両国が)正しい方向に向かう良い措置だ」と歓迎した。
 両国は2月、和平に向けた包括対話を始めた。インドが同地方のパキスタン側からのイスラム過激派の越境テロを問題視、話し合いは難航したが、パキスタンのムシャラフ大統領が10月、非武装化や両国による共同統治などを柱とする新たな和平案を提示。これを受け、インドは越境テロの減少などを理由に、兵力削減を表明した。
 パキスタンのアジズ首相は23日からインドを訪問し、カシミール問題を協議。来月には包括対話が再開し、来年1月の南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議でも、両国の首脳会談が行われる予定だ。
 当面の焦点は、分断された両国カシミールを結ぶ直通バスの運行で合意できるかどうか。利用の際、査証(ビザ)を必要とするか、便宜的な許可証で代用するかの対立が解けていない。(共同)

◎タージマハルは傾いている? インドで論争再燃(2004年11月16日、朝日新聞)
 世界遺産のタージマハルが傾いている――インド国内で10月から、傾斜をめぐる論争が起きている。傾きはかねて指摘されていたが、「政府は対策をとっていない」という学者の主張が発端だ。建立350年の祝賀年ということもあり、背後を流れるヤムナ川の環境悪化と合わせて注目を集めている。地元州政府は委員会を設け、調査に乗り出した。
 傾いているとされるのは、タージマハルの四隅に立つ高さ約40メートルの尖塔(せんとう)。インド独立前の1942年、英国による調査でそれぞれ約5〜21センチ外向きに傾いていることが判明した。65年の調査でも、さらに最大1.3センチ傾斜。00年までの3〜4年ごとの政府測量で、2〜3ミリ程度の傾斜拡大が検知されたが、「測定誤差の範囲にとどまる。60年代以降、傾きは止まった」(考古局アグラ事務所のダヤラン所長)としていた。
 政府見解に反論したのが、65年の調査を担当した元ラジャスタン大教授のラム・ナート氏(71)。10月に「政府は対策を講じていない。今も傾き続けている」と有力紙で主張。環境団体や研究者らも「政府は構造の安全に関する情報を開示せよ」と声を上げ始めた。政府が今年を建立350年記念の年に定め、歴史的建造物として話題になる機会が増えたことが背景にある。
 傾斜の原因として指摘されるのが、ヤムナ川の水量減少だ。川べりのタージマハルは、建立当時の豊富な水量が構造的安定の前提とされる。上流に人口約1400万人のデリー首都圏を抱える同川は、汚濁と流量減が問題になっている。
 タージマハル裏で渡し舟のさおを差して30年というビジャイさん(40)は、「井戸水が減った。中州も10年前は珍しかったが、今は雨期以外はずっとある」と話す。「異変は起きていない」(タージマハルで大理石細工を修理するジャインさん)という見方もあるが、地元メディアなどの「タージは倒れるのか」との声にかき消されがちだ。
 事態を重視した地元ウッタルプラデシュ州政府は調査委員会を設置し、中央政府考古局も過去の調査報告書の再検討に乗り出した。
〈タージマハル〉 ムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが17世紀半ば、愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで建立した白大理石の大廟墓(びょうぼ)。56メートル四方の四角い基部の中心に廟堂がある。
 建立は1643年が有力。今年は正確には350周年ではないが、「建立350年を祝賀する年」とインド政府は位置づけ、さまざまな行事をする。なぜ今年なのか、詳しい説明はない。
 観光客は年間約185万人(03年)。約1割は外国人だ。大気汚染から守るため、周囲500メートル以内への自動車進入禁止や、160カ所にのぼる工場の閉鎖、移転などが最高裁命令で90年代に実施された。

◎インド、海軍用弾道ミサイル・ダヌシュの発射実験成功(2004年11月7日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インドは7日、東部オリッサ州沖のベンガル湾で、核弾頭搭載可能な短距離弾道ミサイル「ダヌシュ」(射程250キロ)の発射実験を行い、成功した。
 ダヌシュは艦対艦ミサイルで、国産の地対地ミサイル「プリトビ」を海軍使用に改良したもの。ミサイルは哨戒艇から発射された。
 AFP通信によると、ダヌシュの発射実験は2000年4月、2001年9月に続き3回目。

◎インド北部で武装勢力と治安部隊衝突、15人死亡(2004年11月7日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド北部ジャム・カシミール州で6日、同国からの分離を求めるイスラム武装勢力と治安部隊の衝突などで計15人が死亡した。
 州西部プンチとウリで、治安部隊がパキスタン側から越境してきた武装勢力の計8人を射殺、別の銃撃戦でも2人を殺害した。また、夏の州都スリナガルと、その北西ソプルで武装勢力による治安部隊の駐屯地襲撃などで国軍兵士ら4人が死亡、北西部クプワラで警察への情報提供者1人が殺害された。

◎カシミールで14人死亡、治安当局と武装勢力交戦(2004年11月7日、産経新聞)
 AP通信などによると、インド北部ジャム・カシミール州で6日、国境警備隊がパキスタン側から侵入してきた武装勢力8人を殺害するなど、インド治安当局と武装勢力の交戦で計14人が死亡した。
 インドのパティル内相が同日、5月の就任後初めてカシミールを訪問。イスラム過激派が訪問に合わせ攻勢を強めた可能性がある。
 同州の主要都市スリナガルで兵士を乗せたトラックが襲撃され2人が死亡。またスリナガルの北約50キロのソポレで国境警備隊の施設が襲撃され銃撃戦となり、武装勢力1人と警備隊員1人が死亡した。(共同)

◎ロッテグループ、インドに本格進出(2004年10月16日、日本経済新聞)
 ロッテは韓国のグループ企業と共同でインドに本格進出する。韓国のロッテ製菓がこのほどインドのキャンデー大手を買収。日本のロッテはインドのたばこ大手と合弁でガムの製造・販売を開始する。約10億人の人口を抱えるうえ、BRICsの一角として経済成長を続けるインドでは今後、菓子市場が膨らむとみている。日韓で連携して市場開拓を進める。
 重光武雄ロッテ社長が会長職を務める韓国ロッテ製菓が買収したのは、食品、運輸などを幅広く手がけるムルガッパグループの企業でキャンデーの製造・販売を手掛ける上場企業のパリース(チェンナイ市)。韓国ロッテ製菓はパリースの発行済み株式の約60%をムルガッパから、20%を株式市場から株式公開買い付け(TOB)で取得し、計80%保有し、社名も「ロッテ・インディア」に変更した。買収金額は明らかにしていない。

◎英ロイター、インドに情報処理拠点(2004年10月10日、朝日新聞)
 世界の金融業界やメディアに情報提供する英ロイターグループが、インドに情報処理拠点を設けた。英国では「ジャーナリズムのアウトソーシング(海外委託)」と大きな話題になっている。
 ロイターによると、すでに米国の企業財務などのデータ収集・分析要員として340人を南部の都市バンガロールで雇っており、年内に400人に増やす。地元ジャーナリストを起用するニュース編集室も増員するが、軸は情報処理部門だ。
 英米企業は通信技術の発達を受け、顧客への電話対応や会計事務、調査部門などを、賃金も安く英語ができるスタッフがそろうインドに移す動きを加速させている。

◎インド北東部で銃乱射、12人死亡、分離派犯行か(2004年10月6日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】AFP通信などによると、インド北東部アッサム州ドゥブリ地区で5日夜、6人組の武装グループが、村の広場に集まっていた住民に向けて銃を乱射、少なくとも12人が死亡、7人が負傷した。犠牲者には子供や女性もいるという。
 地元警察は、少数民族ボド族居住区のインドからの独立を求めている武装組織「ボドランド民族民主戦線」の犯行とみている。
 同州内では、今月2日から、分離派組織による銃撃、爆弾事件が相次ぎ、50人以上が死亡している。

◎インド:連続テロでボド族の過激派組織が犯行声明(2004年10月4日、毎日新聞)
 【イスラマバード支局】インド北東部で2日から3日にかけて爆発が相次ぎ、多数の死傷者が出たテロ事件で、インドからの分離独立を求める少数民族、ボド族の過激派組織「ボドランド国民民主戦線」(NDFB)は3日、アッサム州での犯行を認める声明を出した。AFP通信が伝えた。
 アッサム州では、市場での無差別銃撃や相次ぐ爆破で計23人が死亡した。NDFBはアッサム州での一連の犯行を認めたうえで、「攻撃は我々の強さのあかしだ」などと主張した。
 AP通信によると、アサッム州やナガランド州で起きたテロ事件の死者は3日、新たに4人増え、全体で57人になった。負傷者は200人を超えている。ナガランド州の事件では犯行声明は出ていない。

◎爆発など相次ぎ7人死亡、インド、分離独立派テロか(2004年10月4日、産経新聞)
 インド北東部アッサム州で3日、市場や茶畑などで爆弾による爆発などが相次ぎ、7人が死亡、43人が負傷した。AP通信が伝えた。インドからの分離独立を目指す過激派のテロとみられるが、犯行声明は出ていない。
 同州や隣接するナガランド州では2日から、市場などを狙った爆弾テロが続発。3日までの死者は少なくとも計57人、負傷者は計100人以上に達した。
 AP通信によると、3日はアッサム州の中心都市ゴウハティの北約170キロの市場で爆弾が爆発し3人が死亡したほか、同市の西200キロの茶畑では作業員が殺害されるなどした。
 インド北東部では、分離独立を目指す反政府武装勢力「ナガランド国民社会主義評議会」など複数の過激派組織によるテロが起きており、今回の連続テロもこれら独立派が関与している可能性もある。(共同)

◎インドで駅と市場の連続爆破、28人死亡100人負傷(2004年10月3日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド北東部ナガランド州の商業都市ディマプルで2日午前、鉄道駅と市場でほぼ同時に爆弾が爆発し、英BBCテレビによると、少なくとも28人が死亡、約100人が負傷した。
 駅構内は爆発当時、列車を待つ客でごったがえしており、被害が拡大した。警察は、時限式プラスチック爆弾が使用されたと見ている。市場では2発の爆弾が爆発したとの情報もある。州内でこれだけの犠牲者が出た爆破事件は初めてと見られる。
 ナガランドは、インド独立時から分離・独立を求める運動が盛んで、現在も複数の分離派組織が活動。このうち最大組織「ナガランド民族社会主義評議会」は1997年に停戦に合意、話し合いによる解決を模索している。ニュース専門チャンネル「NDTV」は、州外の過激派組織が関与した可能性を指摘している。
 一方、隣接するアッサム州西部ドゥブリで同日夕、5人組の男が市場で銃を乱射して11人を殺害、逃走先でも4人を射殺した。別の市場では爆弾で2人が死亡した。少数民族ボド族武装組織の犯行と見られる。

◎爆発、銃乱射で44人死亡、インド、分離独立派らのテロか(2004年10月3日、産経新聞)
 インド北東部ナガランド州の商業都市ディマプルの駅と市場で2日、爆発が相次ぎ26人が死亡した。その数時間後には、隣接するアッサム州の計7カ所で武装集団が銃を乱射するなどし、18人が死亡した。
 ともに過激派組織によるテロとみられるが、犯行声明は出ておらず、両州の事件の関連性も不明だ。ナガランド州ではこれまでも、インドからの分離独立を目指す反政府武装勢力「ナガランド国民社会主義評議会」など複数の過激派組織による同様の事件が起きている。
 ナガランド州の事件では、市場で立て続けに2回爆発があり、駅で1回の爆発があった。市場は店が開き始める時間帯で比較的人が少なかったが、駅は列車が来る直前だったため、多くの待合客で混雑していた。同州はミャンマーとの国境沿い。
 アッサム州では、正体不明の武装集団が、買い物客でにぎわう市場などで銃を乱射した。(共同)

◎インドで爆発や銃の乱射相次ぐ、44人死亡(2004年10月3日、朝日新聞)
 AP通信によると、インド北東部のナガランド州とアッサム州で2日、爆弾の爆発や銃の乱射が相次ぎ、計44人が死亡した。過激派によるテロと見られるが、犯行声明は出ていない。
 ナガランド州の商業都市ディマプルでは、駅と市場の計2カ所で爆発があり、26人が死亡、84人が負傷した。また、隣接するアッサム州の村でも、武装した男たちが買い物客らに銃を乱射し、11人が死亡した。このほかにも爆発が相次ぎ、2州での事件は計9件に上ったという。
 この地域では、インドからの分離独立を目指す複数の反政府武装勢力が活動している。
 ナガランド州は人口約200万人。少数民族が住み、インドの英国からの独立(47年)後、インドからの独立闘争を展開。97年にインド政府と武装組織との間で休戦協定が成立し、対話が進められていた。

◎インド鉄鋼公社とBHPビリトン、鉄鉱石資源開発で提携(2004年9月30日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インドの製鉄最大手、インド鉄鋼公社と世界最大の鉱山会社である豪英系BHPビリトンは29日、インド国内外での鉄鉱石鉱山やコークス用石炭開発で協力を明記した提携文書に調印した。BHPはすでに韓国ポスコとインド東部オリッサ州で大規模な製鉄所建設計画を進めており、インド鉄鋼公社との提携でインドでの鉄鋼関連事業を拡大する。
 インド鉄鋼公社は、BHPが開発する炭鉱に共同出資し、生産する石炭を長期契約ベースで購入する。BHPはインド国内の鉄鉱石鉱山をインド鉄鋼公社と共同で開発し、探鉱や採掘、鉄鉱石処理などでインド側に最新技術を供与する。
 インドの鉄鋼生産の約3分の1を担うインド鉄鋼公社はコークス用石炭の70%近くを豪州などからの輸入に依存している。特に昨年からは中国などの需要増で製鉄用コークスの安定供給に不安が出ており、これがコークス用の石炭を長期・安定的に販売したいBHPの思惑と一致した。

◎インド国勢調査でイスラム教徒急増、排斥あおる声も(2004年9月30日、朝日新聞)
 インド政府が01年に実施した国勢調査の宗教別人口を今月上旬にまとめて発表したところ、イスラム教徒の人口の伸び率がヒンドゥー教徒を大きく上回っていたため、ヒンドゥー至上主義を掲げる前政権党のインド人民党(BJP)から「憂慮すべき現象だ」とイスラム教徒排斥をあおるような声が上がるなど騒動が起きた。
 政府は事情を調査する方針だが、前回調査(91年)の時にカシミール紛争の激化による治安悪化で、イスラム教徒が7割近くを占めるジャム・カシミール州約1000万人分の調査が行われなかったことを織り込まずに単純に比較したのが、「ムスリム急増」の原因のようだ。今年5月に政権に返り咲いた国民会議派から「何たるへま」(ソニア・ガンジー党総裁)と責任追及の声が上がっている。
 インドの国勢調査は10年に一度。最初の発表ではヒンドゥー教徒の人口比率は91年から01年の間に82%から80.5%に減少、一方イスラム教徒はこの間に12.1%から13.4%に増加した。人口増加率ではヒンドゥー教徒20.3%、イスラム教徒36%と大きな差になった。
 指摘を受けて国勢調査委員会は、同州人口を除いた「調整値」を発表。ヒンドゥー、イスラム両教徒の人口比率は81.4%、12.4%となだらかな変化になった。
 宗教別人口は毎回調査されているが、宗教に特化した統計報告書が出たのは初めて。宗教対立で多くの犠牲者を出してきた同国だけに、不手際だけでなく、報告書の意図をいぶかる声もある。

◎カシミール問題、平和的解決目指す、印パ首脳が声明(2004年9月25日、読売新聞)
 【ニューヨーク=勝田誠】ニューヨークで24日に会談したインドのシン首相とパキスタンのムシャラフ大統領は、両国が「あらゆる分野で信頼醸成を図る」ことで合意するとともに、最大の懸案であるカシミール問題の「交渉による平和的解決」を目指し、パキスタンからインドへの天然ガス・パイプライン建設計画についても歓迎するとの声明を発表した。
 カシミール問題では、インドがパキスタンからのイスラム過激派の越境テロに懸念を表明し、テロ取り締まりが不十分としてパキスタン政府を強く批判。パキスタン側は、インドによるイスラム教徒への人権侵害を非難し続けてきた。

◎東芝・NEC、インドで社員研修(2004年9月14日、日本経済新聞)
 東芝とNECはインドでの社員研修に力を入れ始めた。東芝は4カ月間の長期研修を来年度は年100人規模に拡大、NECも新入社員を対象とした研修を来年度も継続実施する。ソフトウエアを軸に情報技術(IT)産業が集中するインドに日本人社員を派遣。開発の手法や英語での説明方法などを学ばせ、今後の取引増加が見込まれる海外のソフト会社などとの交渉能力を高める。
 東芝は昨年12月、インド中西部にある学園都市のプネ市に、入社3年目までの若手社員7人を初めて研修で派遣した。ベンチャー企業のソフトブリッジ・ソリューションズ(東京・千代田、プラシャント・ジェイン社長)が仲介しており、9月末には第2弾としてグループ会社の社員を含む13人を派遣する。
 NECは6月、南部の港湾都市チェンナイ市で1カ月間の研修を実施した。対象は「ミドルウエア」と呼ばれるソフトの開発部門の新入社員37人。プログラミング言語「Java」を使った開発実習などを実施したが、研修効果が高いとみて来年度も継続する。

◎スズキ、インドに四輪車の第2工場建設(2004年9月13日、日本経済新聞)
 スズキは13日、インドに四輪車の第2工場を建設すると発表した。年産能力は25万台規模。稼働時期は2007年初頭の見通し。スズキはインドに子会社で同国最大の四輪車メーカー、マルチ・ウドヨグ社(ニューデリー市)を持つが、既存工場は年産規模が50万台に達し、拡張余地が少ない。同国市場の成長をにらみ、新たな工場建設に踏み切る。第2工場の運営会社として、マルチ社と合弁で新会社「スズキ・マルチ・インディア社」(仮称)を設立する。既にハリアナ州マネサールに工場建設用地を取得した。
 新工場は国内主力の湖西工場(静岡県湖西市)並みの自動化ラインとし、3〜4車種を混流生産する。テストコースも併設し、スズキの海外工場のモデル拠点と位置づける。設備投資額や生産車種などについては今後詰める。スズキはインド政府の国民車構想に沿う形で、1982年にマルチ社へ26%出資、乗用車生産を開始した。2002年には出資比率を54%にまで引き上げ、経営権を握った。マルチ社の昨年の販売台数は42万台で、同国の乗用車市場で過半のシェアを持つ。

◎パキスタン外相:インドを訪問、対話継続確認へ(2004年9月4日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】パキスタンのカスリ外相は4日からニューデリーを訪問し、5日から2日間の日程で、シン印外相と会談する。両外相の公式会談は1月の両国首脳会談以降初めてで、これまで次官レベルや事務レベルで行われてきた両国関係改善協議を総括し、今後も対話を継続することを確認する見込みだ。カスリ外相は6日にはマンモハン・シン印首相とも初めて会談する予定だ。
 1月の首脳会談ではパキスタンが改めてインド側カシミールへの武装勢力の越境阻止などを約束する代わりに、これまでカシミール問題を国内問題としてきたインドが、同問題は両国間の重要な問題であることを認め、関係改善へ向けた協議が本格的にスタートした。しかし、両国の思惑が微妙に食い違い、対話開始後の半年間で大きな進展はないままだ。今回の外相会談でも同問題で大きな進展は望めないが、友好を確認し、協議継続で合意することになりそうだ。

◎インド新幹線への協力表明、訪印の中川経産相(2004年8月28日、朝日新聞)
 インド訪問中の中川経済産業相は27日に行われたマンモハン・シン首相との会談で、インドが研究中の高速鉄道について正式に協力を表明した。日本にとっては得意技術と円借款を生かせる経済協力の有力案件。9月には日本貿易振興機構(ジェトロ)が予備調査団を送り込む予定だ。
 シン首相は会談で「鉄道・道路の高速ネットワーク構築を重視している」と述べた。中川経産相は「日本の新幹線は40年の実績がある。高速化には電力の安定供給も必要」と述べ、電力網を含めた関連事業全般に日本が協力する意向を示した。
 輸送距離がアジア最長の「鉄道王国」インドでは、2年ほど前から鉄道省が高速鉄道の研究を進めている。商都ムンバイ(ボンベイ)と産業都市のアーメダバード間(約500キロ)などが候補に浮上している。
 日本企業は「夢の1兆円事業」(大手商社)と食指を動かし始めている。今回の経産相訪印には、日印経済委員会会長の大橋信夫・三井物産会長、辻亨・丸紅会長ら大企業の役員が20人近く「異例の同行」をした。7月には自民党の古賀誠・元幹事長ら建設・運輸族もJR関係者らを伴って訪印している。
 日本は、建設中のニューデリーの地下鉄に円借款を投じ、日本企業も受注した。9月に予定されるジェトロの調査は「おおまかなコスト試算や技術評価」が目的というが、事業本体の受注に先手を取る思惑は明らかだ。だが、中国が計画を進める高速鉄道建設と同様、フランスなど欧州企業との激しい競争が予想される。

◎バス連続爆発、4人死亡、インド北東部アッサム(2004年8月27日、産経新聞)
 PTI通信などによると、インド北東部アッサム州の州都ディスプールの西約250キロの町ゴッサイガオンで26日朝、バスの車内で爆発があり、少なくとも1人が死亡、約30人が負傷した。手荷物に爆弾が仕掛けられていたらしい。
 数時間後、約50キロ離れた同州西部の村サティパラで、国境警備隊兵士と家族が乗ったバスが爆破され、兵士2人と子供1人が死亡、6人が負傷した。爆弾が道路脇の溝に置かれていたもよう。
 犯行声明などは出ていない。治安当局は、アッサムの分離・独立を求める武装組織アッサム統一解放戦線(ULFA)の犯行とみている。(共同)

◎インド・アッサム州で爆弾テロ、6人死亡(2004年8月27日、朝日新聞)
 インド北東部のアッサム州で25日夜から26日にかけて7件の爆弾テロ事件が発生し、市民や治安部隊の計6人が死亡、60人以上が負傷した。アッサム州の分離独立を掲げる武装組織「アッサム統一解放戦線(ULFA)」の犯行とみられる。
 26日、同州西部のゴルパラ地区で治安部隊の車両が爆破され、乗っていた3人が死亡した。また、州西部のコクラジャ地区の市場に停車していたバスも爆破され、乗客2人が死亡、30人以上が負傷した。25日夜には州東部のディブルガル地区で映画館前に爆弾が投げ込まれ、観客1人が死亡した。

◎インドTCS、25日にも新規上場、史上最高の11.7億ドル調達(2004年8月10日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド最大のソフトウエア輸出企業であるタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が今月下旬、ムンバイ(旧ボンベイ)証券取引所に株式を新規上場する。5日までの購入希望調査で株式の購入申し込みは公開株数の約10.3倍と過去最高を記録し、人気の高さを裏付けた。
 上場による資金調達額は11億7000万ドル(約1300億円)に上り、インド企業による新規株式公開としては史上最高となる見通しだ。上場日は25日から27日までの間で調整中という。
 好調な米国向けソフト輸出を背景に、インフォシス・テクノロジーズなどインドの有力な情報技術(IT)企業が軒並み好決算を発表したことがTCS株の人気を盛り上げた。130万人以上の投資家が購入を申し込んでおり、TCSは当初予定の5545万株に加えて830万株を追加放出する見通しだ。

◎雨期の死者2000人に、インド、バングラなど南アジア(2004年8月9日、産経新聞)
 インドやバングラデシュなど南アジアで6月から続く雨期の死者が9日までに2018人となった。洪水や土砂崩れなどの被害をAP通信がまとめた。
 インド東部のビハール州で新たに39人の遺体が見つかり、インド全体では同州や西部のグジャラート州などを中心に死者は計1195人。バングラデシュでは694人が死亡、食料や医薬品が不足し、下痢などの病気のまん延も深刻化している。
 ネパールでは124人、パキスタンでも5人が死亡した。(共同)

◎銃撃戦で10人死亡、インド北部カシミール(2004年8月5日、産経新聞)
 PTI通信などによると、インド北部ジャム・カシミール州スリナガルで4日夜、武装組織が治安部隊施設を襲撃、5日朝まで銃撃戦が断続的に続き、治安要員9人が死亡、10人が負傷した。武装組織側も1人死亡。イスラム過激派組織のアルマンスリアンとアルマディナが犯行声明を出した。
 武装組織は同施設に侵入、手りゅう弾を投げつけ銃を乱射、治安部隊が応戦した。約2時間の銃撃戦で12人が死傷。5日未明に銃撃戦が再発し死傷者が増えた。
 カシミール地方の領有を争うインドとパキスタンは実効支配線(停戦ライン)などで停戦を続けているが、パキスタン側から越境してきたとみられるイスラム過激派のテロは依然続いている。(共同)

◎世界見てある記:スリナガル(インド)、にぎわい戻るかハウスボート(2004年8月3日、毎日新聞)
 猛暑のニューデリーから飛行機で1時間で、ヒマラヤ山脈の盆地に広がるジャム・カシミール州の夏の州都、スリナガルの空港に到着する。インド平野部が40度を超える5月でも、スリナガルの気温が25度を超えることはまれだ。
 天然のクーラーともいえる自然条件を利用して、スリナガルはインド有数の避暑地として発展してきた。市街地の東側に広がるダル湖には、名物のボートを使った民宿「ハウスボート」が浮かび、土産物を売る商人がタライのような小さな船でハウスボートの間をのんびりと行き来する。
 ハウスボートはインドでもスリナガルにしかみられない、珍しい宿泊施設だ。もともとは英国支配時代に英国人が別荘を建設しようとしたものの地元藩王の許可が出ず、湖に浮かべたボートで代用したのが起源とされる。
 係留されたボートは居間、寝室、ダイニングを備え、ボートの中でシャワーを浴びることも可能。ベッドに寝そべって湖越しにヒマラヤの山並みを眺めるのは、スリナガルでしかできない体験だろう。
 ハウスボートを売り物に、世界各国からの観光客でにぎわっていたスリナガルの歴史が暗転したのは、1989年にイスラム武装組織がインドからの分離・独立をめざす武装闘争を開始してからだ。
 「89年からの数年間が最もひどかった。街角のどこに武装組織のメンバーが隠れているかわからない。ばったり出くわせばすぐ撃ってくる。日中でも外出できない状態だった」。ハウスボートを経営するハリリさん(33)は振り返る。
 90年代半ばから状況は徐々に好転。厳重を極めたインド軍による警備態勢も緩和されてきた。「この町は観光客が来ないとやっていけないんだ。カシミールの悪いニュースだけでなく、いい面を伝える記事も書いて」とハリリさんは笑う。
 スリナガルとはサンスクリット語で「吉祥(よい前兆)の町」との意味だ。「東京にも『吉祥寺』という町がある」と説明すると、地元記者の一人は「それじゃ『姉妹都市』だ」と大喜び。「州政府に言って、東京の吉祥寺で観光キャンペーンを張らないとな」。記者はまじめな顔で語った。【西尾英之】

・ひとこと
 スリナガルへの観光客数は、昨年春からの印パ関係改善の動きを受けて地元インド人を中心に急速に回復しつつある。しかし、観光客を狙った武装組織のテロ事件もまだ起きている。日本の外務省は7月現在、スリナガルには「渡航の延期をおすすめします」との危険情報を出している。

◎インドで日本人観光客ら一時足止め、イラクでの拉致に抗議(2004年7月30日、産経新聞)
 AP通信によると、イラクでインド人が拉致された事件に抗議して、インド北部で、インド人人質の故郷近くの村人が、日本人1人を含む外国人観光客37人を一時、人質に取ったが、30日午後(日本時間同日夜)解放し、観光客はニューデリーに向かった。警察当局者が明らかにした。
 イラクで相次ぐ外国人拉致事件をめぐり、拉致された外国人の出身国で過激な抗議行動が表面化したのは異例。
 村人らは、拉致されたインド人人質救出のため、政府が取り組みを強めるよう要求していた。
 村人らに人質に取られていたのは日本人のほか、英国人22人、韓国人2人、米国人、カナダ人各1人など。
 現場はニューデリーの北西約300キロ。観光客は29日夜、2台のバスに分乗、インド北部ダラムサラからニューデリーに向かう途中で停止させられ、寺に拘束。警察が周囲を取り囲んでいた。
 イラクでは21日、「黒い横断幕を持つ者たち」と名乗る武装勢力が、インド人3人やケニア人らを人質に取ったとする声明を出した。(共同)

◎インド東部、バングラの洪水で死者1000人超す(2004年7月28日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド北東部やバングラデシュを襲った大規模な洪水による死者が27日までに1000人を超えた。犠牲者数は今後さらに増える見通しだ。バングラデシュではあふれ出した下水による伝染病が拡大し始めており、政府や援助機関などは食料・医薬品の配給や病気予防に全力を挙げている。
 国土の3分の2が海面下の高さにあるバングラデシュでは雨期にたびたび洪水被害に見舞われてきたが、過去3週間での死者は400人以上に達し約15年ぶりの大規模災害となった。
 インドでは東部ビハール州、北東部のアッサム州を中心に630人が死亡。家を失うなどの被災者は1200万人以上に達した。

◎大雨の死者1200人超、南アジア(2004年7月28日、産経新聞)
 インドやバングラデシュ、ネパールなど南アジアで断続的にモンスーン(雨期)の大雨が続き、AP通信のまとめによると、6月からの死者総数は28日までに約1240人に上った。各地で洪水や土砂崩れなどが発生、家屋の倒壊や下痢などの疾病の被害が拡大した。
 バングラデシュでは河川の堤防が決壊するなどして国土の約3分の2が冠水、約1300万人が避難を余儀なくされている。これまでに約400人が死亡し、特に子供を中心に汚水による下痢が深刻化している。
 インドでは北東部アッサム州や東部ビハール州を中心に各地で洪水が発生し約730人が死亡。アッサム州だけで約1200万人が家を失うなどしたほか、農作物や家畜などにも大きな被害が出ている。
 ネパールでも山間部の土砂崩れなどで約100人が死亡。パキスタンでも5人が死亡している。(共同)

◎豪雨で686人が死亡、インド(2004年7月27日、産経新聞)
 AP通信によると、インドでは26日までに、モンスーンによる豪雨で686人の死者が出た。特に被害が大きいのは東部ビハール州で、政府当局者によると同州だけで計485人が死亡した。(共同)

◎インド外相がパキスタン訪問、新政権発足後初めて(2004年7月21日、読売新聞)
 【イスラマバード=平本秀樹】インドのシン外相は、南アジア地域協力連合(SAARC)外相会議出席のため、5月の国民会議派の新政権発足後、閣僚として初めてパキスタンを訪問した。
 23日までの滞在中、カスリ外相のほか、ムシャラフ大統領らパキスタン政府要人と会談する予定。
 カシミール問題については外務次官級協議を進めた上で、8月25日の外相会談で進ちょく状況を話し合うことになっているが、6月末の外務次官級協議では成果はなかった。ただ、今月19日の次官級非公式会合後、パキスタン側が「いくつかの提案について話し合った」としていることから、信頼醸成分野で議論が進んだとみられている。

◎インド分離組織の会合襲撃、25人死亡、バングラデシュ(2004年7月18日、産経新聞)
 AP通信によると、バングラデシュの首都ダッカで18日、インドから分離独立を目指す組織の会合が襲撃され、25人が死亡した。インド警察当局者が明らかにした。
 同当局者は、襲撃されたのはアッサム統一解放戦線(ULFA)のメンバーとみているが、襲撃の背景などは明らかでない。
 ULFAはインド北東部などを拠点に反インド政府闘争を展開。インド政府は隣国バングラデシュにULFAの拠点があると主張し取り締まりを求めているが、バングラデシュ政府はそうした拠点の存在を否定している。(共同)

◎インド:南部タミルナド州で小学校火災、児童50人焼死(2004年7月16日、毎日新聞)
 PTI通信などによると、インド南部タミルナド州クンバコナムの小学校で16日、火災が発生、少なくとも50人の児童が焼死した。地元テレビは、約30人が負傷したと伝えた。
 AP通信によると、70人から100人が焼死したとの情報もある。
 調理室から出火したとの情報もあるが、確認されていない。煙に巻かれ、逃げ遅れたらしい。(ニューデリー共同

◎ヒョウが人間襲い、死者14人、インド西部の国立公園(2004年7月13日、朝日新聞)
 インド・ムンバイ郊外のサンジャイ・ガンジー国立公園にすむ野生のヒョウが、住民を襲う事件が続発している。今年になって19件発生し、14人の死者が出ている。
 この国立公園は、広さ約100平方キロ。広大な森に35頭前後のヒョウが生息している。マハラシュトラ州政府の森林局によると、犠牲者の多くは公園の中に不法に住み着いた住民というが、ヒョウが公園の外の住宅地に出没するケースもある。
 森林局は、ヒョウの餌としてブタやウサギなど500匹を公園に放す「緊急措置」を実施。触れると低電圧の電気が流れる塀を周囲に設けるなどの対応に追われている。

◎パキスタン:インド人女性医師に国外退去求める(2004年7月10日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】私はパキスタン人になりたい−−。留学先でパキスタン人男性と恋に落ちて結婚、同国に移住したインド人女性医師、ハフサ・アマンさん(25)に対し、パキスタン政府は市民権授与を認めず国外退去を求めている。ヒンズーからイスラムに改宗してまで結婚したハフサさんへのパキスタン国内の同情心は高まる一方で、同国の裁判所は8日、政府に対し15日以内に市民権授与の可否とその理由を明らかにするよう命じた。
 ハフサさん(旧名ダヤバン・ダンさん)はインド南部ケララ州の出身。95年、留学先のウクライナで同じく留学中のパキスタン人医学生、アマン・ハーンさん(25)と知り合い昨年6月に結婚。ハーンさんの郷里のパキスタン北西部ペシャワル近郊へ移住した。
 夫のハーンさんはイスラム教徒。イスラムはキリスト教、ユダヤ教を除く他宗教との結婚を認めておらず、ハサフさんはヒンズーからイスラムに改宗。名前もアラビア語のものに改めた。
 ところが政府はビザの期限が切れた今年3月以降、ハフサさんの滞在を認めず国外退去を求め、応じない場合は拘束する姿勢を示した。パキスタンの法律ではパキスタン人男性と結婚した外国人女性にはパキスタンの市民権授与を認めている。関係改善が進んだとはいっても長年敵対関係にあったインド国籍であることが、滞在を認められない理由とみられる。
 ハフサさんは「私の郷里と彼の郷里は、宗教が違うだけで伝統も文化もとてもよく似ている。イスラムに改宗した私は、インドに戻れば保守的な父に殺される。パキスタン人として受け入れてほしい」と訴えている。

◎インド、国防費28%の大幅増、04年度予算案(2004年7月9日、産経新聞)
 インドのシン政権が8日に下院に提出した2004年度予算案で、国防予算は7700億ルピー(約1兆9000億円)と前年度の6030億ルピーから約28%の大幅増となった。
 隣国パキスタンとの関係改善が進んでいるが、シン首相は「国防費は過去3、4年無視されてきた」と軍事力近代化の必要性を指摘。事故が相次いでいるミグ21戦闘機の更新などを進めるものとみられる。
 インドのPTI通信は、今回の増額でも国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は2.5%にすぎず、中国の6%、パキスタンの5.5%より、はるかに少ないとしている。(共同)

◎インドが中距離ミサイル「アグニ」の発射実験(2004年7月4日、日本経済新聞)
 【ニューデリー4日共同】PTI通信によると、インドは4日、東部オリッサ州で核弾頭搭載可能な地対地ミサイル「アグニ1」の発射実験を行い、成功した。
 同通信が国防省筋の話として報じたところによると、アグニ1は射程700キロで、可動式の発射台から海上に向け発射。液体燃料を使用し、今回の実験で時速約9000キロを達成したとしている。
 アグニ1は2002年1月25日に初めて発射実験に成功、03年1月にも実験を行った。

◎時速約9千キロ達成、印がミサイル「アグニ1」の発射実験(2004年7月4日、産経新聞)
 PTI通信によると、インドは4日、東部オリッサ州で核弾頭搭載可能な地対地ミサイル「アグニ1」の発射実験を行い、成功した。
 同通信が国防省筋の話として報じたところによると、アグニ1は射程700キロで、可動式の発射台から海上に向け発射。液体燃料を使用し、今回の実験で時速約9000キロを達成したとしている。
 アグニ1は2002年1月25日に初めて発射実験に成功、03年1月にも実験を行った。(共同)

◎インド外相、パキスタンARF加盟歓迎、予定外の発言(2004年7月2日、読売新聞)
 【ジャカルタ=吉形祐司】東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムの冒頭で、新規加盟したパキスタンのカスリ外相が謝意を示した際、インドのシン外相が突然挙手して予定外の発言を求める一幕があった。シン外相の発言は、「パキスタンと共に、ARFの場で地域の平和と安定のために十分に協力していく用意がある」という、友好と歓迎を示したもの。対立してきた印パ両国は最近、外務次官級協議を開き、6月21日には中国の青島で外相会談を行うなど“雪解けムード”で、この日のハプニングもそんなムードを象徴した。

◎インド・パキスタン、核実験の停止継続で合意(2004年6月21日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】当地で開かれていたインドとパキスタンの核問題に関する専門家協議は、最終日の20日、両国外務次官の間に偶発的核戦争を回避するための専用ホットラインを設置することや、核実験停止の継続などで合意した。
 共同声明によると、両国間には現在、両国軍幹部の間に連絡体制が設置されているが、今回の協議では、新たに外務省高官をつなぐラインのほか、既存の連絡体制の機能向上を目指すことも合意された。現在は国軍幹部が週1回、定時意見交換を行う程度だ。また、今回の専門家協議は両国が1998年に核実験を行って以来初めてのものだったが、今後も協議継続することでも合意した。
 インド、パキスタン両国は核実験実施以後、国際社会から「核戦争の可能性が最も高い」との懸念を持たれてきた。今回の協議で、信頼醸成の上で一定の成果を上げたことは、国際社会に対して「偶発的核戦争の可能性が減った」ことをPRする形になった。両国は2002年、インド国会襲撃事件(2001年12月)をきっかけとして、互いに軍を国境沿いに集結させ、戦争の一歩手前の状況に陥るほど関係が悪化していた。
 また両国は、声明の中で、他の核保有国と「共有する懸念」についても、定期的な会合を行うよう提唱した。両国は現在、核拡散防止条約(NPT)に属しておらず、国際的核管理体制の外にある形だが、他の核保有国との協議要求には、核保有国としての認知を迫る意味もありそうだ。
 ただし、両国の核戦略などについては依然として隔たりが大きく、地元メディアによると、協議の中で、インドは核の先制不使用の方針をパキスタンにも求める一方、パキスタンは両国が必要最小限の核戦力の維持にとどめることを要求した。しかし、通常兵力ではインドに劣るパキスタン、中国を仮想敵国として核整備を進めているインドともに、相手の求めには応じられない立場だった。

◎印パ、核実験停止継続で合意(2004年6月21日、産経新聞)
 インドとパキスタンは20日、核兵器に関する信頼醸成措置を話し合う2日目の専門家協議(次官補級)をニューデリーで行い、核実験停止継続や2国間のホットラインの充実などで合意したとの共同声明を発表して協議を終了した。
 両国の専門家が核兵器について詳細に協議したのは初めて。カシミール問題などで対立する両国は今回の合意で、核兵器使用の危険性を減らすため、信頼関係の確立に向けて協力する方針をあらためて確認した。
 2002年に核戦争にも発展しかねない危機に直面した両国の関係改善は、南アジアの安定化に大きく寄与することは間違いない。
 共同声明では、双方が続けている核実験の一方的停止の継続、ミサイル発射実験の事前通告、双方の誤解を避けるため現在あるホットラインの性能や安全性を充実させる−ことなどをあらためて確認。今後も信頼醸成措置の拡充に向け、協議を続けることで合意した。
 両交渉団は協議内容を双方の外務省に報告、27、28両日にニューデリーで行われる外務次官協議でも引き続き核問題についての協議を重ねる。パキスタン交渉団はインドのシン外相とも会談した。
 今回の合意は1999年のバジパイ、シャリフ両国首相(当時)による合意を確認する内容だが、同年のカルギル紛争など厳しい対立を経て、双方が「非戦」に向け新たに協力を始めたことに意義がある。
 インドは核兵器の先制不使用を宣言したが、通常兵力で劣るパキスタンは核兵器による先制攻撃の可能性を否定していないなど、双方の核戦略には相違も大きい。(共同)
 インドとパキスタンの核兵器に関する専門家協議で発表された共同声明の要旨は次の通り。
 一、現在の軍当局レベルのホットラインの更新、拡充。外務次官間のホットライン新設。
 一、ミサイル発射実験の事前通告について最終合意に向け努力。
 一、核実験の一方的停止の再確認。
 一、1999年のラホールでの合意履行へ向け二国間協議を継続。
 一、すべての核兵器保有国による定例会合を要請。(共同)

◎印パ、核実験の凍結継続で合意、ホットラインの設置も(2004年6月21日、朝日新聞)
 19日から開かれていたインド、パキスタン両国の外務次官補級の信頼醸成協議は20日、双方が核実験停止措置を継続し、外務次官同士が緊急連絡をとる「ホットライン」を設置することなどを盛り込んだ共同声明を発表し終了した。対立から対話路線に歩み出していた両国が一層の緊張緩和を確認したものといえ、南アジア地域の安定化は一層進む兆しが出てきた。
 核実験について両国は98年5月、ともに実験を強行した後、「これ以上の実験は必要ない」として一方的な停止を表明。99年にラホールで行われた首脳会談でも確認していた。しかし、99年以降、パキスタンの軍事クーデターや印パ関係の悪化があり、核をめぐる対話が途絶えていただけに、今回の停止継続の再確認の意義は小さくない。
 ホットラインの設置はは、偶発的な核戦争や事故を避けるのが目的。従来は両国の陸軍で作戦を担当する幹部同士で、最低週1回連絡を取り合う体制があった。今回は、これを外務次官というより高いレベルに引き上げることになった。
 両国間では27、28日に外務次官、7月下旬には外相同士の協議がそれぞれ予定されており、今回合意された信頼醸成措置のほか、カシミール問題も含めた包括的な対話が進められる見通しだ。

◎印パで核の信頼醸成協議始まる、包括対話の進展に期待(2004年6月19日、朝日新聞)
 インドとパキスタンの核兵器をめぐる信頼醸成協議(外務次官補級)が、19日から2日間の日程でニューデリーで始まった。年初の首脳会談での合意に基づくもので、27、28日には外務次官、7月下旬に外相同士の協議が予定され、カシミール問題も含む包括的な対話の進展が期待される。
 核をめぐる印パ協議は99年のラホールでの首脳会談以来5年ぶり。偶発的な核戦争や事故を防ぐ信頼醸成の強化が最大の課題だ。99年には(1)ミサイル実験の事前通告(2)偶発を防ぐ連絡メカニズム確立(3)核実験の停止措置、などが合意されたが、さらに具体化し、徹底させることが求められる。
 パキスタン側は中長期的に核兵器を削減するため、保有数の開示を求める模様だ。しかし、インド側は、ナトワル・シン外相が「中国も含めた核ドクトリンが必要」と3国間協議を提唱し、パキスタンとの2国間交渉だけでは削減できないという姿勢を堅持している。むしろ、インドは自国が掲げる「核の先制不使用」の原則をパキスタンも採用するよう求めていくとみられる。

◎鉄橋で列車脱線、インド、12人死亡(2004年6月16日、産経新聞)
 インドからの報道によると、同国西部マハラシュトラ州で16日、ムンバイ行きの列車が川に架かる鉄橋の上で脱線し、少なくとも12人が死亡した。
 現場付近は豪雨が続いており、川を流れてきた大きな石が鉄橋の上に乗り上げていたといい、列車が石と衝突したとの報道もある。機関車は川に転落、客車2両も橋からぶら下がるような形になった。豪雨のため、救助作業は難航している。(共同)

◎インド核情報売却の疑いでドバイ在住の実業家逮捕(2004年6月14日、朝日新聞)
 インド各紙によると、アラブ首長国連邦(UAE)の警察当局が、インドの核技術の機密情報を売却しようとした疑いで、ドバイ在住のインド人実業家アフタル・フセイン容疑者(35)を逮捕した。12日、インド当局に身柄が引き渡された。
 UAE側の調べによると、同容疑者は核科学者である兄弟から情報を得て、ドバイで複数のアラブ諸国の外交官に売却しようとした疑い。
 ドバイは、パキスタンの核科学者カーン博士の側近だったスリランカ人実業家サイド・アブ・タヒール容疑者が核技術の闇取引の拠点にしていたことが明らかになっている。

◎インドが巡航ミサイル実験(2004年6月13日、日本経済新聞)
 【ニューデリー13日共同】PTI通信によると、インド東部オリッサ州の実験場で13日、インドがロシアと共同開発した超音速の巡航ミサイル「ブラモス」の発射実験が行われ、実験は成功した。
 同ミサイルは射程290キロで、通常弾頭を搭載。対艦ミサイルとして開発されたが、今回の実験では対地攻撃用の仕様について精度などが試された。

◎インド最大のソフト会社、新規上場を申請(2004年6月11日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド最大のソフトウエア開発会社、タタ・コンサルタンシー・サービスズ(TCS)は10日、同国の証券取引監視委員会に対し新規株式上場を申請した。7月にもムンバイ証券取引所などに正式上場する予定。新規上場での資金調達額は史上最高となる見通し。
 ロイター通信によると、TCSの持ち株会社タタ・サンズによる売却分と公募増資を合わせた6300万株が新規上場の対象。上場後発行済み株式の10%強に達する。
 資金調達額は7億8000万〜8億9000万ドル程度と見られ、一度の株式売却としては今年3月に公募を実施したインド石油・天然ガス公社(ONGC)に次ぐ規模。新規上場では1993年に約6億9000万ドルを調達した新興財閥系の石油化学最大手リライアンス・インダストリーズを抜き過去最高額となる見込み。

◎インドのソフトウェア・関連サービス輸出、30%増(2004年6月7日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インドの情報技術(IT)関連企業でつくるインド・ソフトウェア・サービス業協会(NASSCOM)は、同国のソフトウェアと関連サービスの輸出額が昨年度(2003年4月〜04年3月)に、前年度比30.5%増の約125億ドルに達したとの統計を発表した。今年度は輸出額が163億ドルに拡大すると予測している。
 昨年度の輸出額内訳では、ソフト製作や関連サービスなどが同25%増の89億ドル、コールセンター業務受託など海外向けのビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が同44%増で36億ドルに達した。また、売り上げの約70%を米国向けが占めた。
 同協会では「世界的なIT支出の伸び悩みや通貨ルピーの対ドル相場の上昇などの逆風にもかかわらず、インドのソフトウェア関連業界は成長力を維持している」と分析している。
 インドのソフト業界では最大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズに続き、インフォシス・テクノロジーズとウィプロの2社が昨年度決算で初めて売り上げ10億ドルを達成した。

◎印パ外務次官級協議、6月27日から開催(2004年6月2日、読売新聞)
 インドのナトワル・シン外相は1日、記者会見し、カシミール地方の領有権問題などで対立するパキスタンとの間で、外務次官級協議を6月27、28の両日、ニューデリーで行うことで合意したと発表した。
 協議は、バジパイ前インド政権が、今年2月にパキスタン側と合意した日程に沿って行われるもの。5月に誕生した国民会議派主導のマンモハン・シン政権は、前政権が進めてきた和平プロセスに継続して取り組む方針を示していた。次官級協議では、カシミールや安全保障関連の問題を話し合う。(ニューデリー支局)

◎インドで初の国産機が飛行成功(2004年5月30日、産経新聞)

29日、インド南部バンガロールの飛行場に着陸する同国初の国産機「サラス」(AP)
 インド南部バンガロールで29日、同国が初めて独自に設計・開発した多目的機「サラス」(ヒンディー語で鶴の意)の飛行実験が行われ成功した。
 PTI通信などによると、同機は14人乗りの双発プロペラ機で米国製エンジンを搭載し、巡航速度は時速550キロ。旅客機や軍の偵察機などへの利用が見込まれている。実用化までに500時間の飛行が必要で、完了するのは2007年ごろとみられている。
 同機の開発は1991年に始まったが、98年のインドの核実験実施による米国の経済制裁で中断。制裁解除後の2000年に再開された。(共同)

◎インド新内閣の閣僚名簿発表、ベテラン起用目立つ(2004年5月24日、読売新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インドのマンモハン・シン新首相は23日夜、連立政権の閣僚名簿を発表した。最重要課題である経済改革を担う財務相に1990年代に商工担当国務相や財務相を歴任したP・チダンバラム氏(58)を任命した。外相には駐パキスタン大使などを務め、中国との関係も深い与党国民会議派長老のナトワール・シン氏(73)を指名した。
 治安維持の責任者である内相にはシブラジ・パテル元国会議長(68)が、国防相にはベテラン議員のプラナブ・ムケルジ元外相(68)がそれぞれ就任する。閣僚の数は無任所の国務大臣も含めて68人。主要ポストの多くは与党第一党の国民会議派が占めたが、他の連立政党党首らにも鉄道相、農業・食糧相、石炭・鉱物資源相などの重要ポストが割り振られた。閣僚人事では全般的に党長老やベテラン議員の起用が目立っている。カラム大統領は6月2日に新議会を招集。10日に新内閣の信任投票を実施する予定。

◎外相に元駐パキスタン大使、インド新内閣の閣僚発表(2004年5月24日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インドのマンモハン・シン新首相は23日夜、大統領府を通じて28人の閣僚名簿を発表した。
 主要ポストを国民会議派のベテラン政治家で固めたのが特徴。外相にはナトワル・シン元駐パキスタン大使を起用。北京大学への留学経験もあり、会議派内でも有数の外交通として知られる。パキスタンと中国という、かつての戦争相手国に詳しいシン元大使の就任は、両国との関係を重視する新政権の姿勢を印象づける。
 また、財務相には、中道・左派政党などによる連立政権「統一戦線」(1996〜98年)でも同職を務めたP・チダムバラム元商業相が返り咲いた。
 国防相には会議派の重鎮であるプラナブ・ムカルジー元外相、内相にはシブラジ・パティル元下院議長が就任した。

◎インドのシン首相が主要閣僚人事発表、ベテラン中心に(2004年5月24日、朝日新聞)
 インドのマンモハン・シン首相は23日、主な閣僚人事を発表した。外相には元外務次官のナトワル・シン氏(73)、財務相にP・チダンバラム元財務相(58)、国防相にプラナブ・ムケルジー元外相(68)が選ばれ、ベテラン中心の布陣となった。
 ナトワル・シン外相は、外交官として米国や中国に駐在し、パキスタン大使も務めた。80年代後半にはラジブ・ガンジー政権で外務担当国務相を務め、中国との関係改善に努めた。外相としてもパキスタン、中国との対話と領土問題の解決が大きな課題となる。
 チダンバラム財務相は、90年代半ばのラオ政権で商業担当国務相を務め、当時は財務相だったシン首相とともに、経済改革路線を進めた重鎮。ムケルジー国防相もラオ政権で外相などを務めた。

◎印パ首脳が電話協議、関係改善評価、対話推進で一致(2004年5月24日、朝日新聞)
 PTI通信によると、22日に就任したインドのシン首相に、パキスタンのムシャラフ大統領が23日、電話をかけて就任を祝うメッセージを伝えた。両首脳は約20分間協議。今年1月の印パ首脳会談や、2月の外務次官級協議で関係改善が進んだことを評価し、今後、一層の対話を進めることで一致したという。
 また、シン首相はロシアのプーチン大統領から祝賀の電話を受け、両国間の「戦略的パートナーシップ」の強化について話し合ったほか、英国のブレア首相からも祝賀の電話を受けたという。

◎カシミールで地雷、バスの国境警備隊員ら33人死亡(2004年5月24日、読売新聞)
 インド北部ジャム・カシミール州の幹線道路で23日、同国の国境警備隊の輸送バスが通過中に、路上に仕掛けられた地雷が爆発し、隊員とその家族少なくとも33人が死亡した。
 同州のインドからの分離を求めるイスラム過激派組織「ヒズブル・ムジャヒディン」の報道官を名乗る人物が同日、地元メディアに対して犯行声明を出した。爆発が起きたのは、夏の州都スリナガルと冬の州都ジャムを結ぶ幹線道路上。
 インドでは22日に国民会議派主導の新政権が発足したばかり。過激派組織は声明の中で、組織の司令官が治安部隊に殺害されたことに対する報復とした。
 同州では、イスラム過激派によるパキスタンからの越境攻撃は減少しているが、州内には依然としてインドからの分離を求める過激派が潜伏している。(ニューデリー支局)

◎カシミールで地雷爆発、インド兵33人死亡、過激派声明(2004年5月24日、朝日新聞)
 PTI通信などによると23日午前、インド北部ジャム・カシミール州のスリナガルから約80キロ南の山中で、インド軍の車両が地雷を踏んで爆発、炎上した。乗っていた兵士とその家族ら計33人が死亡、十数人が負傷した。
 非番の兵士が妻子らと一緒にジャムの町に行く途中だった。犯行後、イスラム過激派のヒズブル・ムジャヒディンが犯行声明を出し、最近、インド軍に同グループの幹部が殺害されたことに対する報復だったと明らかにした。
 カシミールでは、5月10日に終わったインドの総選挙に絡み、過激派が投票所を襲うテロが散発的に起きていたが、これほど多くの兵士らが一度に殺害される事件は過去1年ほどの間、なかった。

◎バス爆破、兵士32人死亡、インド北部カシミール州(2004年5月23日、産経新聞)
 インド北部ジャム・カシミール州のスリナガルとジャムを結ぶ幹線道路で23日、国境警備隊のバスが地雷で爆破され、兵士とその家族少なくとも32人が死亡、十数人が負傷した。ロイター通信によると、イスラム過激派ヒズブル・ムジャヒディンが犯行声明を出した。
 カシミール地方の領有を主張するインドとパキスタンが今年1月に対話再開を合意して以来、最大規模の攻撃。インドのシン新政権が22日に発足したばかりで、政治的空白を突かれた形となった。
 爆発は、同州の夏の首都スリナガルの南約100キロにあるローアームンダ村の橋の近くで発生。
 カシミール地方のインドからの分離独立を求める武装組織は10以上あり、インドはパキスタンが支援していると批判してきた。両国の対話再開でカシミール問題の平和的解決へ向けた兆しが見えてきたが、イスラム過激派などは武装闘争の継続を言明。インド政府も武装組織の掃討作戦を続ける方針を示している。(共同)

◎インド新政権が発足、シン氏・シーク教徒初の首相(2004年5月23日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インドのマンモハン・シン元財務相(71)は22日、ニューデリーの大統領府で宣誓式を行い同国第13代首相に正式就任した。人口比2%の少数派シーク教徒として初の首相。総選挙で第一党となり8年ぶりに政権復帰した国民会議派主導の連立政権が発足し、経済改革の推進や貧困層対策、隣国パキスタンとの和平促進など多くの難題に挑む。任期は5年。
 式典ではシン新首相に続き閣僚内定者が担当省庁未定のまま相次ぎ宣誓した。新首相は同日中にも新閣僚の名簿を発表する予定。インド主要メディアによると、最重要ポストの財務相はシン首相の兼任が濃厚。外相には駐パキスタン大使や外務担当国務相などを歴任した会議派長老のナトワール・シン氏(73)、内相には同党ベテラン議員のプラナブ・ムケルジ元外相(68)がそれぞれ有力視されている。

◎インド首相にシン氏就任、少数派宗教出身者で初(2004年5月23日、朝日新聞)
 インドのマンモハン・シン元財務相は22日夕、大統領府で宣誓し、正式に首相に就任した。シン氏はシーク教徒。ヒンドゥー教徒以外の少数派宗教の出身者が首相になるのは初めて。国内の宗教対立の緩和や印パ関係の改善、経済改革の推進に期待がかかる。
 インド国内のシーク教徒は約2000万人。このうちパンジャブ州の分離独立を求める過激派が80年代に武装闘争を展開、84年に国民会議派のインディラ・ガンジー元首相を暗殺した。その会議派がシン氏を国政のトップに選んだことで「宗教紛争のひとつの終えんを象徴している」(UNI通信)との見方がある。
 また、シン新首相が分離独立前のパキスタン領出身であることから「隣国からの親しみと信頼を得やすい」との観測も出ている。パキスタンは外務省高官を24日に訪印させ、核管理をめぐる信頼醸成について協議をする予定で、前向きな対話姿勢を見せている。
 経済学者が首相に就くのも初めて。独立の英雄一族でもなく、宗教思想とも関係ない普通の知識人の登場であり、経済政策が最重要課題になったことを示している。

◎インド、新政権が発足(2004年5月22日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド次期首相に指名されたマンモハン・シン元財務相(71)は22日、ニューデリーの大統領府で宣誓式を行い独立後14人目の首相に正式就任した。人口比で約2%の少数派シーク教徒としては初の首相。総選挙で第一党となり8年ぶりに政権復帰した国民会議派主導の連立政権が発足し、経済改革の推進や貧困層対策、隣国パキスタンとの和平促進など多くの難題に挑む。任期は5年。
 シン新首相は宣誓式の後、新政府の閣僚人事を発表する。インド主要メディアの報道によると、最重要ポストの財務相はシン首相の兼任が濃厚。外相には外交官出身で駐パキスタン大使の経験もある会議派長老のナトワール・シン氏(73)、内相には同党ベテラン議員のプラナブ・ムケルジ元外相(69)がそれぞれ有力視されている。会議派率いる連立与党は、各党の議席数に応じた閣僚ポスト配分で合意しており、大臣の数は無任所の国務大臣を含め約80人となる見通し。今回選挙で躍進し、計59議席を得た共産党などの左翼政党はすでに閣外協力を表明している。

◎インド・シン内閣が発足、23政党が参加・支持(2004年5月22日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド総選挙(下院、定数545)で第1党となった国民会議派のマンモハン・シン元財務相は22日夕、ニューデリーの大統領官邸で宣誓し、首相に就任した。同時に閣僚・準閣僚約67人も宣誓し、シン内閣が誕生した。
 シン氏はシーク教徒で、ヒンズー教徒以外の首相は、インド独立後初めて。
 新政権を担う与党連合「統一進歩連合」(UPA)には、閣外協力を表明した共産党勢力を含め20政党が参加。ほかに3政党が支持を表明している。
 シン氏は経済自由化を進める意向だが、改革に慎重な共産党勢力と、いかに折り合いをつけるかが課題となる。

◎インドのシン新首相就任、経済改革、和平が課題(2004年5月22日、産経新聞)
 インドのマンモハン・シン首相(71)が22日、就任宣誓を行い、新政権が発足した。8年ぶりに政権に復帰した国民会議派を中心に地方政党などによる連立政権で、農民や貧困層への配慮も欠かさない「人の顔をした経済改革」や、パキスタンとの和平推進などの課題に取り組む。
 シン首相はインド初のシーク教徒の首相。カラム大統領はイスラム教徒で、ヒンズー教徒が多数派の同国で少数派が両主要ポストを占めることになった。宗派や民族間の調和、政教分離の政権づくりも重要課題だ。
 左派共産党などが閣外支持に回ったため、政権自体は確定した539議席のうち会議派やドラビダ進歩同盟など計217議席の少数内閣となる。新与党連合は「統一進歩連合」と命名された。
 新内閣の全容は明らかになっていないが、シン首相は財務相を兼務、外相には会議派のナトワル・シン元外務担当国務相、内相にプラナブ・ムカジー元外相などが有力視されている。
 総選挙でバジパイ前政権の与党連合が敗北。第一党になった会議派のソニア・ガンジー総裁が首相就任を辞退し、シン氏を指名した。
 シン首相は1991年にラオ内閣の財務相に就任、経済自由化に踏み切り改革を進めたことで知られる。(共同)

◎「経済改革モデル示す」、インド新首相のシン氏が抱負(2004年5月20日、朝日新聞)
 インドの新首相に任命された国民会議派幹部のマンモハン・シン元財務相(71)は19日夜、大統領府で記者会見を行い、「社会経済の開発を進め、『21世紀をインドの世紀に』という故ラジブ・ガンジー元首相のビジョンを実現したい」と抱負を語った。
 また、農民らの間に貧富格差の拡大への不満が広がり、政権交代の背景になったことを意識し、「貧困層や抑圧された人々の声が開発に反映する経済改革モデルを示したい」と述べた。特に、農業対策や雇用拡大の大切さを強調した。
 同席した国民会議派のソニア・ガンジー総裁は「(自分の首相就任に)多くの圧力がかかったが、今、すべてが落ち着き、ハッピーだ」と笑顔を見せた。

◎インド:次期首相にシン元財務相、数日中に新政権発足(2004年5月20日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】13日開票されたインド総選挙で第1党となった国民会議派は19日、首相就任を辞退したソニア・ガンジー総裁に代わる次期首相候補に、90年代の経済改革で国民の人気が高いマヌモハン・シン元財務相(71)を選出した。カラム大統領は同日夜、シン氏と会談し同氏による組閣を了承した。数日中にシン政権が発足する見通しとなった。
 大統領との会談後、シン氏は記者団に「(新政権は)経済改革を継続する」と述べ、政権交代で動揺している株式市場や投資家に「パニックになる必要はない」と呼びかけた。
 会議派は19日、改めてソニア総裁に首相就任を要請したが拒否された。ただ総裁は会議派の最高指導者である総裁にとどまる考えを示した。会議派が連立を組む地域政党や左派系政党の大部分が「会議派の選択を尊重する」として、シン氏の首相就任を受け入れている。
 シン氏はデリー大学経済学部の教授などを務めた後政界入りし、会議派政権時代の91年から5年間財務相を務めた。この間それまでの旧ソ連寄りの社会主義的な経済体制から親米、開放経済体制への転換を図った。
 シン氏は現在パキスタン領になっている西パンジャブ地方の生まれ。インドでは少数派のシーク教徒で、同国初の多数派ヒンズー教徒以外からの首相となる。

◎シン氏を首相候補に選出、インド会議派、組閣協議へ(2004年5月19日、産経新聞)
 インドの国民会議派は19日、両院議員総会を開き、前日の総会で首相就任を辞退したソニア・ガンジー総裁(57)に代わる首相候補にマンモハン・シン元財務相(71)を選出した。元財務相らは同日中にもカラム大統領を訪問、組閣について協議する。
 シン元財務相は、1990年代初めの経済自由化を進めたことで知られ、就任すれば初のシーク教徒の首相になる。
 ガンジー総裁は19日、同派への支持を表明している左派共産党や地域政党のドラビダ進歩同盟の指導者と相次いで会談。辞退について「決意は変わらない」と説明し、シン元財務相擁立に理解を求めた。また国民会議派の総裁にとどまる意向を明らかにし新首相への全面的な支持を要請した。
 19日付インド英字紙ヒンドゥスタン・タイムズは一面トップで、首相就任を辞退した総裁の決断を「アメージング・グレイス(驚くべき美しさ)」とたたえるなど、メディアには「政治的な混乱を避けるため自らを犠牲にした」(地元記者)決断への高い評価が目立った。
 ヒンディー語紙サハラは「ガンジー、ソニア」との見出しで、政治的ポストを求めなかったインド建国の父、マハトマ・ガンジーと並べて総裁を称賛した。(共同)

◎インド首相にシン元財務相任命(2004年5月20日、朝日新聞)
 インドのカラム大統領は19日夜、国民会議派幹部のマンモハン・シン元財務相(71)を首相に任命した。20日にも宣誓式を行い、正式に就任する予定。ソニア・ガンジー総裁が首相就任を辞退したことで混乱した政局は収拾に向かい、新政権が発足する。
 シン氏は敬虔(けいけん)なシーク教徒で、90年代に財務相として経済改革に着手したエコノミスト。シーク教徒の首相就任は初めて。
 会議派は総裁の辞退表明に対し、常任委員会の全員が抗議の辞表を提出し、19日も総裁の翻意を促した。しかし、同日午後、説得を断念。議員総会でシン氏擁立を決め、連立与党も合意した。
 シン氏は中央銀行総裁を経て、91〜96年に会議派のラオ政権で財務相を務めた。91年には旧ソ連崩壊と湾岸戦争の影響で起きた外貨危機の克服に手腕を発揮。経済改革を始めたことで国際的な知名度は高い。
 現在は間接選挙で選ばれた上院議員だが、政治家の経験は十分と言えず、ガンジー総裁に比べて党内の求心力は弱い。会議派としては、経済改革の推進を印象づけ、経済界の信任を得る狙いがある。これを受けて株式市場も反転した。

◎住友商事、インドで世界最大級の排出権取得事業(2004年5月19日、日本経済新聞)
 住友商事は英化学大手イネオス・フローなどと共同で、インドで世界最大級の温暖化ガス排出権取得事業を来年から始める。地球温暖化防止・京都議定書の規制対象で、温暖化効果が大きい代替フロンを破壊、二酸化炭素(CO2)換算で年間500万トンの排出権を獲得する。日本では従来の省エネルギー対策では京都議定書のCO2削減義務達成が難しくなっている。排出権取引の活用は不可欠とみられ、民間による海外からの排出権取得の動きが加速しそうだ。
 住商、イネオスは現地の化学会社グジャラート・フルオロケミカルズと共同で、グジャラート社のフロン工場に副産物として出てくる代替フロンを回収・破壊する装置を設置する。この代替フロンはオゾン層は破壊しないが、温室効果はCO2の1万1700倍。無害なため大気中に放出してきたが、加熱処理してCO2と蛍石に変換する。年間500万トンの排出権は1990年度の国内の産業部門のCO2排出量の約1%、日本全体の約0.4%に相当する。排出権価格を一トン500円とすれば売却益で年25億円の収入が見込める。

◎ガンジー総裁がインド首相就任辞退、伊出身反発に考慮(2004年5月19日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド総選挙で下院第一党となり、首相就任が確実視されていた国民会議派のソニア・ガンジー総裁(57)は18日、会議派の両院議員総会で演説し、首相就任を辞退すると述べた。
 地元テレビなどによると、会議派は同日中にもあらたな首相候補となる議員団長の選出作業に着手するという。候補には、マンモハン・シン元財務相らの名があがっている。
 ガンジー総裁は、首相就任辞退の理由について、「首相職は私の目的ではなく、内なる声に従った」とだけ述べたが、暗殺されたラジブ・ガンジー元首相の夫人だった総裁がイタリア生まれで、他党から「外国人出身者がインドの首相になるのはふさわしくない」と攻撃を受けていたことが背景にあると見られている。
 選挙で敗れた元与党インド人民党は、ガンジー総裁の首相就任に反発し、就任宣誓式をボイコットする方針を明らかにしていた。
 ガンジー総裁は、独立インドを支えてきた名門「ネール・ガンジー家」の一員としてのカリスマ性をてこに会議派を勝利に導いた。会議派議員や支持者の間には、あくまでも「ガンジー首相」の誕生を求める声も少なくない。会議派との連携を決めた政党の中にも、総裁の首相就任辞退を受け、連携関係の見直しを示唆する党もあり、新政権の行方も不透明となっている。

◎インド、国民会議派の連立工作が週内にも本格化へ(2004年5月14日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】13日開票のインド総選挙で勝利し政権復帰を確実にした最大野党・国民会議派(ソニア・ガンジー総裁)による組閣工作が週内にも本格化する見通しだ。会議派率いる野党連合は下院(545議席)で220議席近くを獲得するとみられるが、過半数の273議席には50議席以上も不足している。このため左派政党や有力地方政党との連立で安定多数の確保を目指す構えだ。
 ソニア総裁は13日夜、会議派幹部らによる選挙後初の会合を主宰し、連立構想を巡って協議した。総裁は会議後の記者会見で「数日以内に組閣作業が活発化するだろう」と述べた。同総裁の政策秘書は、会議派が14日に今回当選した党員らを含めた集会を開き、15日には野党連合に参加した他政党の指導者らとの合同会議に臨む予定だ、と語った。

◎ガンジー氏、翻意せず、混迷深まるインド首相選び(2004年5月19日、産経新聞)
 インド国民会議派のソニア・ガンジー総裁(57)が18日、同派の両院議員総会で首相就任を辞退したことに対し、議員総会は再考を求める決議を採択した。だが総裁は翻意せず、「世界最大の民主主義国家」の首相選びは混迷が深まっている。
 総裁は代わりの首相候補にマンモハン・シン元財務相を推し承認を求める意向だが、議員総会では協議に至らなかった。
 総会では所属議員らが次々に演壇に立ち「あなたの指導で選挙に勝てた」「全国民が期待している」などと翻意を促した。総裁はじっと耳を傾けていたが最後に発言、「あなた方が苦しんでいることは分かっている。でも、私を信頼してくれるなら、許してほしい」と決意が変わらないことを強調した。
 ニューデリーでは会議派本部や総裁公邸に集まった支持者が、総裁の首相就任に反対するインド人民党の事務所に押し掛け、双方の党員同士がにらみ合う場面もあった。
 AP通信によると、総裁の長男、ラフル氏は、総裁が少なくとも5日前に「首相にはならない」と述べていたと語った。(共同)

◎ガンジー氏、首相就任辞退 伊出身に攻撃、インド(2004年5月19日、産経新聞)
 インド総選挙で国民会議派を第一党に導き、首相就任が確実視されていた同派のソニア・ガンジー総裁(57)は18日、同派の両院議員総会を招集し「首相就任を辞退する」と表明した。
 総裁がイタリア出身であることに対し、総選挙で敗北したインド人民党を中心に攻撃が強まっており、総裁は国政混乱を避けるとともに、経済界の不安解消を狙ったとみられる。しかし、名門「ネール・ガンジー家」の総裁に対する人気が選挙勝利の要因だっただけに、新政権発足までには曲折も予想される。
 地元テレビによると、ガンジー総裁は新首相の候補にベテラン政治家、マンモハン・シン元財務相を指名、同総会で承認を求める見通し。
 総会は「ノー、ノー」と叫ぶ議員らで騒然となったが、総裁は「権力や地位は求めてこなかった」と心情を述べ「安定した政府をつくることが最優先」と理解を求めた。ニューデリー中心部の会議派事務所や総裁の自宅周辺には数百人の支持者が集まり、総裁の翻意を要求。短銃を額につけて自殺を図ろうとした人もいた。
 インド人民党は、外国生まれの首相は「国辱」(同党幹部)として就任宣誓式のボイコットを決めたほか、全国で「反ソニア運動」を展開すると表明。カラム大統領に対し、ガンジー総裁の首相就任反対を伝えていた。
 総裁は18日、大統領と次期政権について協議したが、大統領は支持政党の詳細などを求め、公式な組閣要請を行わなかった。
 会議派に閣外協力を決めている左派共産党の幹部は、総裁の長男、ラフル氏(33)ら「2人の子供が総裁の身の危険を案じて就任に反対している」と語った。
 総裁の夫、ラジブ・ガンジー元首相は1991年に暗殺され、総裁の義母、インディラ・ガンジー元首相も84年に暗殺されている。

 インド総選挙で国民会議派の「誰も予想しなかった」(インド人民党党首)勝利を導いたソニア・ガンジー総裁が18日、確実視された首相就任を辞退した。会議派の8年ぶり政権復帰と、3人の首相を輩出した名門「ネール・ガンジー王朝」の復活など周囲が沸き立つ中、総裁は安定政権確立を模索し混乱を避けるために冷静な判断を下したといえる。
 しかし支持者の失望は大きい。新たな首相候補とされるシン元財務相を中心に、会議派が今後想定される連立政権でどう求心力を維持するかが焦点となる。政治的な余波はまだ続きそうだ。
 総裁には「イタリア生まれ」「政治経験不足」などの弱点があった。10億の人口を抱え、最先端産業から最貧困層まで共存する複雑な大国を率いるのは容易ではない。
 高い経済成長も、バジパイ前首相の豊かな経験とバランス感覚からくる抜群の安定感があったからだ。株価の乱高下は経済界の不安を反映した。
 生命の危険にさらされる恐れも高まった。総裁は選挙戦中、既に何度かの「脅威」があったことを明らかにしている。
 夫の故ラジブ・ガンジー元首相ら一族が守った会議派の再興を目指し、今回選挙で目的を果たした。その政権安定のために身を引くことが望ましいと考えたとみられる。(共同)

◎ソニア・ガンジー氏が首相就任辞退を表明、インド(2004年5月18日、朝日新聞)
 インド総選挙に勝利した国民会議派のソニア・ガンジー総裁は18日、会議派の議員総会で声明を発表し、事実上決まっていた首相への就任を辞退することを表明した。総裁がイタリア生まれなのに対し、野党の攻撃が激化しており、政権の不安定要因になることを懸念したとみられる。代わりの首相候補に会議派幹部のマンモハン・シン元財務相の名前が浮上している。
 総裁は声明を読み上げ「首相になることが目的ではなかった。辞退させていただく」と述べた。出席者からは強い抗議の声が上がったが、「理解してほしい」と訴えた。
 総裁は同日午前、大統領府でカラム大統領に会見し、組閣の考えを説明したばかり。19日にも大統領府で首相任命と宣誓式があるとみられていた。
 しかしその後、会議派幹部に対して「国を分裂させることは出来ない。首相になりたくはない」と述べたらしい。17日夜にも就任をためらう発言をし、周囲が説得に努めたという。
 総裁は総選挙に勝利後、党内と主な連立与党の支持を得て、首相就任が事実上決定していた。しかし野党の人民党を中心に「外国人の首相就任は国辱だ」との攻撃が続いていた。

◎通信各社、インドでのサービス強化・需要増見込み(2004年5月18日、日本経済新聞)
 通信各社がインドでの日系企業向けサービス強化に乗り出した。NTTコミュニケーションズが現地の通信事業者と提携し、インターネットを利用した低料金のデータ通信サービスを始めるほか、KDDIは現地営業拠点の整備に着手した。経済成長が見込めるインドを中国に続く有力市場と位置付けて進出する日系製造業などが増えると判断、サービス体制を整えることにした。
 NTTコムはインドの国際通信最大手のVSNLと提携し、今月中に従来の専用線に比べ半額程度の国際データ通信サービスを開始する。NTTコムの持つ日印間のIP(インターネットプロトコル)ネットワークの一部を顧客企業の仮想専用線として利用。VSNL社内にNTTコムと同仕様の設備を設置するなどで日本国内と同等の通信品質とする。

◎インド自動車輸出、昨年度は8割増(2004年5月17日、日本経済新聞)
 インドの自動車各社による輸出が急増している。欧州やアフリカ、近隣の南アジア諸国向けがいずれも好調で、昨年度(2003年4月〜04年3月)の乗用車輸出は前年度比79.6%増の約12万9000台となった。年初以降続いていた通貨ルピー高傾向が緩和に向かっていることなどから、各社とも今年度はさらに輸出に重点を置く方針を鮮明にしている。
 日本のスズキが54.2%出資するインド最大の自動車メーカー、マルチ・ウドヨグ社は前年度比59.6%増の約5万1000台を輸出した。主力の小型車アルトが欧州市場で好評だ。インド現代自動車は前年度の4.7倍の約4万2000台を輸出。有力財閥傘下のタタ自動車も輸出が急伸した。インド自動車各社による乗用車販売台数は昨年度、輸出を含めて前年度比32%増の103万台に達し初めて100万台の大台に乗せた。各メーカーは今年度も内需拡大と海外需要の開拓で国内販売、輸出ともに二ケタ増を確実視している。(ニューデリー支局)

◎インド首相確実なガンジー氏、寄り合い政権で前途多難(2004年5月15日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド国民会議派のソニア・ガンジー総裁は15日、新首相への就任を確実にしたが、前途は多難だ。
 外国出身問題という第一関門は突破したものの、「バジパイ政権打倒」の思惑だけで結集した連携政党を束ねるのは容易ではない。政治経験も浅く、カシミール地方の領有問題で対立するパキスタンとの関係改善など、前政権から積み残された課題に手腕を発揮できるかも未知数だ。
 「我々は、連携諸政党を尊重し、密接な関係を保っていく」。ガンジー氏は15日、国民会議派の議員団長に選出された後、自党の当選議員らに向かって強調した。しかし、連携政党との話し合いでは、各党の利害衝突が早くも表面化し、政権の安定を不安視する声が強まっている。
 最大の不安材料は、共産党勢力の動向だ。政権与党が国会内で過半数を確保するには、共産党勢力の協力が不可欠。しかし、前政権を踏襲して経済の自由化を進めたい会議派に、「労働者の権利確保」を掲げる共産勢力が異論を唱える公算は大きい。このため国内では「産業合理化が進まなくなり、改革の速度が鈍る」(クルディップ・ナヤル元駐英印大使)との懸念が急速に拡大している。
 また、南部タミルナド州を席巻し、会議派勢力の躍進に貢献した「ドラビダ進歩同盟」(DMK)も、政権の「時限爆弾」となる可能性がある。「新首相」の夫、ラジブ・ガンジー元首相は、スリランカ紛争鎮圧のため、同国に平和維持軍を派兵。それが、当時DMKが支援していた独立派ゲリラ「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)との戦闘に発展したため、LTTEが報復として元首相を暗殺した。両党の間に残る遺恨が、政権内の不協和音につながる恐れは十分にある。
 外交も、新首相にとっては未経験の分野だ。パキスタンとの和平プロセスは、「印パ和解」をライフワークに位置づけてきたバジパイ首相が、パキスタンのシャリフ元首相、ムシャラフ大統領らと個人的な信頼関係を築いたうえに前進させてきた。ガンジー氏は13日、記者団に対し、対パ関係で「バジパイ路線」を踏襲する意向を表明したが、ガンジー氏がパキスタンとすんなり信頼醸成を進められるかは、現時点で不透明だ。
 対米関係についても、米国との協調路線を打ち出したバジパイ政権時代よりも、若干距離を置くことになりそうだ。歴史的に「国連中心主義」「非同盟主義」を唱えてきた会議派は、バジパイ政権が米国からイラク派兵を求められた際に猛反対し、派兵を断念させた経緯がある。しかし対米関係を後退させれば、米国からの投資誘致にも悪く響くのは確実だ。

◎インド新首相にガンジー総裁決定、義母に次ぎ女性2人目(2004年5月15日、朝日新聞)
 インドの新首相に国民会議派のソニア・ガンジー総裁(57)の就任が15日、決まった。女性首相は義母の故インディラ・ガンジー元首相に次いで2人目。初の外国(イタリア)出身者となる。10億人を抱える国の政治・治安の安定と経済発展が課題だ。週明けにもカラム大統領の任命を受けて正式に就任する見通し。
 総選挙で第1党の座を獲得した会議派は同日、当選議員の総会を開き、首班にガンジー総裁を選んだ。会議派は十数政党で連立政権を構成、他の連立与党に強い異論はなく、首相就任が決定した。同総裁は総会で「他の連立与党と緊密に協力しながら、国民、農民のために働きたい」と抱負を述べた。
 ソニア氏は暗殺されたラジブ・ガンジー元首相の妻。保守層や野党の間には、外国出身を理由に首相就任に難色を示す声もあったが、すでにインド国籍を持ち、ヒンディー語も堪能。国民の人気も高い。劣勢の予想を覆して選挙に勝利し、党内で求心力を強めた。
 同総裁には野党党首としての政治経験しかなく、国政運営の手腕は未知数だ。連立与党の議席は過半数に満たず、政権基盤も弱い。現在、閣外協力も含めて左翼政党への多数派工作を進めているが、経済改革の推進には抵抗が予想される。野党に下ったインド人民党との攻防も激しくなりそうだ。
 新首相は、バジパイ前政権下で高度成長した経済をさらに発展させることが求められる。外交面では、パキスタンや中国との対話路線を継続し、「南アジアの大国」として地域協力に指導力を発揮できるかどうかが課題だ。内政では、人口の約10%を占めるイスラム教徒などとの融和を進めることが重要になる。
 会議派の政権復帰は96年以来、8年ぶり。

◎インド総選挙で勝利したガンジー氏、「数日内に組閣」へ(2004年5月14日、朝日新聞)
 インドの総選挙で勝利し、首相就任が確実視されている国民会議派のソニア・ガンジー総裁は13日夜、党本部で記者会見し、2、3日中に組閣を進める考えを表明。「第1党の党首として強靭(きょうじん)で安定した、政教分離の政権を組む指導力を示したい」と意欲を述べた。自らの首相就任については明言を避けたが、14日に会議派を支持する政党連合の指導者との会合があり、そこで主要人事が協議される見通しを示した。
 下院(定数545)の総選挙は13日深夜までに大半の開票が終了。地元テレビによると、会議派と政党連合の議席が計219、インド人民党など前政権の与党陣営が計188となっている。
 会議派と政党連合の議席は過半数には届かない見通しだが、インド共産党や地方政党の社会党など左翼政党を取り込む多数派工作の協議が水面下で進んでいる。
 一方、バジパイ前首相は13日夜、選挙の敗北を認め、カラム大統領に辞表を提出した。この後、テレビで演説し、「新政府の努力が国益に沿ったものである限り、私たちは協力の手を差し伸べる」と会議派にエールを送った。また、パキスタンや中国との対話路線については、「平和と協力、友好の新しい章が開かれることを祈っている」と述べた。

◎ガンジー総裁軸に連立協議、総選挙勝利の国民会議派(2004年5月14日、産経新聞)
 インド総選挙で勝利した国民会議派(ソニア・ガンジー総裁)は13日夜、幹部会議を開き、ガンジー総裁を首班とする政権発足を目指し連立協議に本格的に動きだした。ガンジー総裁は「安定し宗教色のない政権の成立を目指す」と述べ、会議派主導の新政権樹立に強い意欲を示した。
 これまでに左派共産党などが閣外協力を表明しているほか、社会党や大衆社会党も会議派を中心とした「世俗政党の結集」に協力する姿勢を見せている。
 しかしイタリア生まれのガンジー総裁の首相就任に反対論もあり、新政権発足には一定の時間がかかるとみられる。
 総選挙に敗北、辞任したバジパイ前首相(現首相代行)は声明で「思わぬ敗北。政権は渡すが国家への責任は変わらない」と述べ、次期政権に協力姿勢を示した。
 一方、選挙管理委員会は公式選挙結果を発表。議席数は会議派146、会議派支持勢力は合計217。閣外協力を約束している左派共産党を含めると、会議派中心の連合は既に過半数を確保した。
 これに対し人民党は139、同党を中心にした国民民主連合(NDA)は187だった。(共同)

◎インド総選挙、与党連合敗北 「貧者の反乱」大番狂わせ 貧富拡大、思惑裏目(2004年5月14日、産経新聞)
 【バンコク=鈴木真】十三日に開票されたインドの総選挙は与党連合の敗北という大番狂わせとなった。高度経済成長の実績を掲げ、予定を六カ月繰り上げて選挙にのぞんだ与党、インド人民党(BJP)の思惑は完全に裏目に出た。最大の敗因は、経済発展に取り残された農民や地方による「貧者の反乱」である。
 インドは六年にわたるバジパイ政権下で経済自由化と積極的な外資導入を進めた。これが功を奏し、二〇〇三年度(二〇〇三年四月−二〇〇四年三月)は約8%の高度成長を達成した。昨年第四・四半期に限れば前年同期比で10.4%増と中国を上回った。
 この実績を背に、BJPは自信満々で選挙にのぞみ、下馬評もバジパイ政権の続投を予想する見方が支配的だった。これに対し、国民会議派を中心とする野党勢力は経済成長の陰で貧富の格差が拡大しているとし、政府の政策を「弱者切り捨て」と攻撃した。
 結果的にこの主張が国民のより多くの支持を得たことになり、「世界最大の民主主義国家」インドは劇的な形で民主主義が機能していることを証明したといえる。
 その象徴は南部アンドラプラデシュ州での政権交代だ。同州はバンガロールを抱えるカルナタカ州とともにインドを代表するハイテク州だが、総選挙と同時に行われた州議会選でIT(情報技術)振興の旗を振った与党が惨敗した。
 圧勝した国民会議派は州政府の企業優先策が農民などの反発を招いたと分析している。インド全体では一日一ドル以下で暮らす貧困層がまだ約三億人いるといわれ、この層を中心に野党勢力に支持が流れたようだ。
 もう一つ、宗教的要因を挙げる見方もある。BJPは近年、穏健な性格を強めているが、本来、ヒンズー教至上主義の政党だ。国民会議派は「非宗教」が党是でありBJPの宗教的偏りを批判していた。
 西部のグジャラート州では一昨年、ヒンズー教徒とイスラム教徒の抗争が発生、千人近いイスラム教徒が殺された。同州はBJPの牙城だが、今回の総選挙では国民会議派が躍進し、BJP批判の高まりを示した。

≪国民会議派≫
 独立運動を率いたマハトマ・ガンジーや、後の初代首相となるネールらが1885年に創設した。1969年に左右に分裂。ネールの長女、インディラ・ガンジーは78年、ガンジー派国民会議派を結成したが、84年に暗殺された。同年の総選挙後、長男のラジブが首相に就任したが、89年の総選挙で大敗。91年、ラジブは遊説中に爆弾テロで死亡したが、国民会議派は総選挙で政権に復帰した。政権を引き継いだナラシマ・ラオ氏は、統制経済から自由化を目指したが、96年総選挙で敗北。2年後の総選挙でも、大差で敗北し、政権を少数連立内閣のバジパイ氏に譲った。

≪最近のインド政治の動き≫
 1998・3 インド人民党(BJP)の総選挙圧勝を受け、第二次バジパイ内閣発足。国民会議派総裁にソニア・ガンジー氏就任
    5 24年ぶりの地下核実験実施
  99・2 ラホールでバジパイ首相とシャリフ・パキスタン首相が会談
    10 総選挙でBJP主導の国民民主連合勝利、第三次バジパイ内閣発足
 2001・7 バジパイ首相がインド・アグラでムシャラフ・パキスタン大統領と会談
    12 ニューデリーの国会議事堂襲撃を受け、印パ関係が緊張。両国軍が展開
  02・2 西部グジャラート州でヒンズー教活動家を乗せた列車にイスラム教徒が放火、宗教抗争に発展
  04・1 バジパイ首相がイスラマバードを訪問し、ムシャラフ大統領と会談。カシミール問題などの協議開始で合意
    2 インド下院解散
    4 総選挙投票(5月まで)

◎野党国民会議派が勝利、インド総選挙(2004年5月13日、産経新聞)
 インド総選挙(下院、定数545)の開票が13日行われ、地元テレビの開票速報によると、国民会議派を中心とする野党連合が219議席を獲得、バジパイ首相率いるインド人民党主導の与党連合の188議席を抑え、勝利した。
 これにより、伝統政党の会議派が約8年ぶりに政権に復帰する見通しとなった。ソニア・ガンジー総裁が首相に就任する可能性が高い。ヒンズー主義政党の人民党は約6年維持した政権の座から去る。バジパイ首相は同日、与党連合の敗北を受け辞任した。カラム大統領は辞表を受理した上で、次期政権発足まで職務を代行するよう求めた。首相は同日夜、国民向けに声明を発表、「政権は離れるが、国家への責任は放棄しない」と述べた。
 会議派は147議席を獲得し第一党となったことから連立協議を開始。ただ野党連合は過半数には達しておらず、今後、左派共産党など左派系政党から閣外協力などを取り付ける多数派工作を行う見通しだ。ガンジー総裁がイタリア生まれであることなどから首相就任に反対意見もある。人民党は137議席。
 バジパイ首相は好調な経済などを背景に任期終了の半年前の2月に議会を解散。「2020年までに先進国入り」の目標を掲げ「輝くインド」キャンペーンを展開した。しかし約10億人の国民の約3割を占める成長から取り残された貧困層や、農村部の有権者が反発、国民会議派の支持に回ったとみられる。
 地域政党などその他の政党や無所属が132議席を占め、再投票などのため4選挙区は開票されない。2議席は大統領任命。
 投票は4月20日から5月10日まで5回に分けて行われた。初めて電子投票機約100万台を導入し投開票作業の効率化に効果を示した。(共同)

・国民会議派
 1885年に結成されたインドで最も歴史ある政党。マハトマ・ガンジー主導の下、独立運動を率いた有力者が結集した。69年に分裂。78年にインディラ・ガンジーがガンジー派国民会議派を結成、総選挙で勝利したが84年に暗殺され同年、息子のラジブ氏が首相に。経済状況の悪化などで89年総選挙で大敗。91年にラジブ氏が暗殺されたが総選挙で政権を奪還、ラオ氏が政権を担い、96年総選挙で大敗し下野した。2年後、ラジブ氏の妻でイタリア生まれのソニア・ガンジー氏が総裁に就任した。(共同)

・インド人民党
 1980年にヒンズー至上主義の旧ジャンサン(大衆連盟)党系が結成。89年総選挙で支持母体の民族義勇団(RSS)の協力やインド北部アヨーディアのモスク(イスラム教礼拝所)破壊事件につながったヒンズー意識の高揚などで躍進。96年の総選挙で第1党となり第1次バジパイ政権ができたが13日間で崩壊。98年総選挙で182議席を獲得し第2次バジパイ政権が発足。99年総選挙でも勝利し、経済成長や対中国、パキスタン関係改善などを実現した。(共同)

≪威力示した電子投票≫
 インド政府は今回の総選挙で、6億人を超す有権者がボタン一つで投票できる電子投票機を約100万台導入、迅速な開票作業を実現した。前回大統領選挙で混乱があった米国のほか、日本や欧州からも注目されている。
 投票機には候補者名と政党のマークが記され、ボタンを押して投票する仕組み。投票結果は各機に記録・保存され、開票所に集められ一斉に集計される。選挙準備で山間部の投票所に象を使って投票機を運ぶ様子が新聞などで報じられた。
 2002年9〜10月のジャム・カシミール州議会選挙でも使われ効果を示した。
 関係者によると、AP通信社では米国内の編集部が高い関心を示し「同投票機の詳しい情報を」と指示。各国外交団でも話題になっているほか、日本の民間コンサルタント会社も現地入りし、調査した。(共同)

≪最近のインド政治の動き≫
 最近のインド政治に関する主な動きは次の通り。
 ・1998年3月 国民会議派でガンジー総裁就任。総選挙でインド人民党が第1党、少数連立の第2次バジパイ政権発足
 ・5月 インドとパキスタンが核実験
 ・99年2月 ラホールでバジパイ首相とシャリフ・パキスタン首相が会談
 ・4月 インド下院で信任投票が否決され連立政権が崩壊、下院解散
 ・5〜7月 ジャム・カシミール州でインドとパキスタンが軍事衝突
 ・9〜10月 総選挙で人民党主導の国民民主連合が勝利、第3次バジパイ政権発足
 ・01年7月 バジパイ首相がインド・アグラでムシャラフ・パキスタン大統領と会談
 ・12月 武装グループがインド国会議事堂襲撃
 ・02年2〜3月 グジャラート州で宗教暴動
 ・04年1月 バジパイ首相がイスラマバードを訪問し、ムシャラフ大統領と会談。カシミール問題などの協議開始で合意
 ・2月 インド下院解散
 ・4−5月 総選挙投票
 ・5月13日 総選挙が開票。国民会議派など野党連合勝利
 (共同)

◎インド総選挙で与党が敗北、首相辞任、政権交代(2004年5月14日、朝日新聞)
 インド下院(定数545)の総選挙は13日、開票され、国民会議派を中心とする野党連合が、事前の予想を大きく上回って得票を伸ばし、96年以来8年ぶりに政権を奪回することになった。与党インド人民党(BJP)のバジパイ首相は同夜、敗北を認め辞任した。新首相には、イタリア生まれのソニア・ガンジー会議派総裁(57)の就任が確実視されている。
 午後9時半(日本時間14日午前1時)現在、議席の大半が確定し、地元テレビの速報によると国民会議派陣営が219、人民党陣営は188となっている。
 ガンジー総裁は91年に暗殺されたラジブ・ガンジー元首相の妻。核兵器を保有して対峙(たいじ)してきたパキスタンとの関係については、対話路線を継続すると語った。会議派は経済重視政策の継続を宣言しており、大きな変化はないとみられる。
 人民党政府は、パキスタンとの対話路線の道を開く一方、各種の規制緩和で経済の自由化を進め、高い成長を実現した。だが成長の果実は、多数の貧困層を底上げするまでには至らず、「弱者切り捨て」といった野党側の攻撃をかわしきれなかった。
 長く野党にとどまっていたため、ガンジー総裁らに政権運営の経験は乏しい。権力基盤が安定する保証はなく、連立を組む少数政党に振り回され、外交、経済政策でも十分な指導力が発揮できない恐れもある。外国生まれのガンジー総裁の首相就任に難色を示す勢力もありそうだ。
 人民党は「2020年の先進国入り」など大国への夢を訴えるスローガンを掲げ、選挙戦序盤では、過半数獲得に自信をみせていた。
 一方、会議派は、貧困層や農民、低カースト層、イスラム教徒など少数派住民の支持獲得に力を入れた。同時に総裁の長男ラフル氏(33)を初めて立候補、当選させ名門政党の「若返り」を演出して関心を高めた。
 選挙管理委員会によると、有権者は約6億7500万人だった。

◎インド総選挙、野党連合が優勢に(2004年5月13日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】4月20日から5回に分けて投票を実施したインド総選挙(下院定数545議席)は13日朝から一斉に開票が始まった。主要テレビ局などの同日午前までの開票速報によると、最大野党・国民会議派(ソニア・ガンジー総裁)率いる野党連合が解散時を69議席上回る220議席を獲得、同73議席減で198議席にとどまっている第一党のインド人民党(BJP)を中核とする与党・国民民主連合(NDA)をリードしている。
 高度経済成長を実現した経済改革の成果を強調し政権続投を訴えた与党連合に対し、野党側は経済開発に取り残された地方の農民など貧困層や少数派のイスラム教徒らの支持を集めて躍進。首都周辺の北西部や南部などの主要州で大幅に議席を増やした。
 与野党の議席数が小差となった場合、左派政党や地方政党などを巻き込んだ連立工作が活発化する見通し。いずれの政治勢力も全議席の過半数を獲得できないことがほぼ確実なため、これら小政党の発言力が増し議会運営が不安定化するとの懸念も強まっている。

◎インド総選挙は与野党逆転の勢い、会議派返り咲きか(2004年5月13日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】世界最大の民主選挙であるインド総選挙(下院、定数545、2議席は大統領が指名)の開票が13日午前8時(日本時間13日午前11時半)から、全国1200か所以上の開票所で一斉に始まり、最大野党の国民会議派勢力が、予想を上回る躍進を見せ、第1党に返り咲く勢いを見せている。
 地元テレビによる午前9時半(日本時間午後1時)現在の開票速報では、国民会議派勢力が171議席を確保。バジパイ首相が率いるインド人民党(BJP)主導の与党連合「国民民主同盟」は157議席にとどまり伸び悩んでいる。
 中央選管によると、選挙で決まる543議席中、開票が行われるのは539議席分。残りの4議席については不正投票の疑いが持ち上がったため、後日、再投票を行う。

◎インドで総選挙開票始まる、電子投票機107万台が活躍(2004年5月13日、朝日新聞)
 インド総選挙の開票が13日朝、全国約1200カ所の開票センターで始まった。今回からボタンひとつで投票できる「電子投票機」を全国で約107万台導入。前回選挙では3日かかった開票作業も大幅に短縮化され、13日夜にも大勢が判明する見通しだ。
 ニューデリーの開票センターでは、選挙管理委員会の職員が、投票機に蓄積された党派別の得票データを立会人の前で表示。中央政府の選管に集計を送る作業を進めた。
 日本で電子投票の準備をしている「電子投票普及協業組合」(東京)によると、すでに世界で約120カ国が電子投票の実用化や準備に着手。ブラジルは02年の大統領選で約40万台の電子投票機を導入したが、100万台以上の導入台数は「世界最大」という。
 有権者が6億人以上もいるインド総選挙の壮大な「実験」を見るため、日、米、欧、東南アジアなど約70カ国の視察団が開票センターを訪れたという。

◎インド総選挙で最終回投票、与党連合の過半数確保微妙?(2004年5月10日、朝日新聞)
 インド下院の総選挙(定数545、うち2議席は任命制)で10日、首都圏を含む16の州・連邦直轄地の182選挙区で5回目の投票があった。これで投票は全日程を終え、13日朝から開票、同夜に大勢が判明する見通しだ。各種の世論調査では、与党のインド人民党(BJP)が第1党の座を維持するとみられるが、終盤に入って野党が追い上げている。このため、人民党を軸にした与党勢力が過半数を確保するかどうか、微妙な情勢になってきた。
 主要メディア5グループが投票後の出口調査と世論調査による最新の議席予測を報じた。スターニュースは「与党勢力が263〜275議席を確保へ」と伝えたが、テレビ局「アージタク」は「248議席」で過半数ライン(272)に達しないとの予測を伝えている。
 与党勢力の解散前の議席は約280。当初は過半数維持との見方が強かったが、終盤から最大野党、国民会議派の善戦が伝えられた。
 人民党は選挙戦で「2020年の先進国入り」をスローガンに「大国インド」の夢を訴える作戦に出た。ところが、貧困層も多い有権者にはこれらの訴えでは不十分、との反省も党内には出ていた。後半戦から政権の実績や安定度を訴えるよう修正してきたという。
 10日の投票では、北部のパンジャブ、東部の西ベンガル各州で武装勢力の投票妨害などが発生し、2人が死亡した。

◎250万人が沐浴、インド中部で12年に一度の大祭(2004年5月7日、朝日新聞)
 インド中部のヒンドゥー教聖地ウッジャインで4日、12年に1度の大祭「クンブ・メーラー(水がめ祭)」があり、ヤムナ川支流の岸辺で約250万人の巡礼客らが水を浴び、身を清めた。
 沐浴(もくよく)ですべての罪が浄化されると信じられ、同日は気温40度以上の熱暑の中、男性は半裸で、女性もサリーのまま水につかった。大祭は四つの聖地で異なる年に行われ、「世界最大の祭り」とも言われている。

◎インドのハイテク州、農民自殺急増、州内で「明暗」(2004年5月5日、朝日新聞)
 情報技術(IT)産業が集積し、インドの経済発展のシンボルとなっている南部の都市バンガロールを州都とするカルナタカ州で、農村の苦境が総選挙の争点のひとつになっている。ハイテク産業の隆盛とは裏腹に、これまで州経済を支えてきた農業の不振で、借金苦による農民の自殺が急増。州内の「明暗」が、国全体の課題を浮き彫りにしている。
 国内一の先進都市と呼ばれるバンガロールには、モダンなビルがひしめき、外国企業も含めてIT関連の約1200社が拠点を構える。郊外にはトヨタの工場もある。建設現場などに労働者が農村から流入している。
 しかし、州都を除けば農村地帯が広がり、州人口5300万人の6割以上は農民だ。その地域が今、少雨に苦しむ。
 01年以降、年500ミリ程度の降雨しかなく、州内のダムの水位は満杯時の半分。1年のうち半分は潅漑(かんがい)用水が止まった状態という。
 州都の隣、マンディヤ郡に住むプタスワミ・ゴウダさん(当時45)は、8万ルピー(約21万円)の借金が返せず、昨年秋自殺した。00年に肥料購入や家の新築のために借りたが、干ばつで家族が食べる程度のコメしかとれず、収入は途絶えた。妻(40)は「返済に高利貸から借金を重ね、農地を取り上げると脅された」とうち明ける。
 州政府によると、昨年4月からの1年間に自殺した農民は696人。うち190人は借金苦が原因という。農民らによると、都市化で商品作物の需要が増えたが、作付けに以前より金がかかる。だが、公的な農村金融はなく、どうしても民間の高利貸に頼ってしまう。
 降雨に恵まれ、収穫があれば、まだいい。だが「半世紀ぶりの大干ばつ」が襲った。州政府は干ばつ被害に補償金を出し、自殺した農民の遺族に10万ルピー(約27万円)の見舞金を出している。だが、「見舞金ほしさで自殺がさらに増えた」(地元紙)との批判もある。
 インドでは、都市を基盤にする運輸・通信・貿易分野の成長率は97〜02年に平均7.9%だったが、労働力の半分以上を占める農業は2.0%と低迷。北部のパンジャブ州などでも農民の自殺が増えている。
 農民の地方政党、カルナタカ州農民協会の幹部、ナンジュンダスワミ氏は「農産物自由化でサトウキビやコーヒーなどの価格が下がり、農家を直撃していることも自殺増加の背景。急速な自由化を進めた政府に責任がある」と指摘した。
 野党の国民会議派は「政府与党のインド人民党が富裕層重視の政策をとってきた」と批判し、総選挙で「農民重視」を公約に掲げる。だが、カルナタカ州では、会議派は与党。農業政策にも責任を負う。同州では総選挙と同時に州議会選挙も行われ、5月13日の開票日に有権者の審判が明らかになる。

◎インド:総選挙集会に手りゅう弾、62人死傷、カシミール(2004年4月29日、毎日新聞)
 【ニューデリー西尾英之】インド北部ジャム・カシミール州で28日、インド国会総選挙の集会に手りゅう弾が投げ込まれ、爆発により住民2人と警官1人が死亡し、59人が負傷した。治安当局は総選挙を妨害しようとするイスラム武装組織の犯行とみている。集会には、約400人が参加していた。また、州内の警察署や政党指導者の車両への襲撃が相次ぎ、26人が負傷した。

◎インドで総選挙第1回投票、過激派の選挙妨害多発(2004年4月21日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】有権者6億7000万人を擁するインド総選挙の第1回投票が20日、16の州・連邦直轄地で行われた。選挙で決定する543議席のうち、今回投票の対象となったのは140議席分。
 警備の都合上、投票は5月10日までに5回に分けて行われ、同13日に一斉開票される。選挙期間中、200万人の治安要員が警戒にあたるが、初日には北部や東部などで選挙に反対する過激派による爆破事件などが相次ぎ、少なくとも16人が死亡した。

◎インドのインフォシス、03年度売上高10億ドル突破(2004年4月19日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インドのソフトウエア開発大手のインフォシス・テクノロジーズが発表した2004年3月期決算は、売上高が前の期に比べ31%増の476億ルピー(約1170億円)に達した。年間売上高の10億ドル突破は、上場している同国の情報技術(IT)企業で初めて。純利益は30%増の124億ルピーだった。
 欧米に比べ低賃金の技術者を活用し、米企業などからソフト開発業務の委託を受けて急成長している。1981年に設立。売上高は99年度に約1億2000万ドルになり、その後4年でさらに約九倍に急増した。
 ただ、通貨ルピーの対ドル相場急上昇に加え、競争激化による世界的なソフト技術者の賃金高騰、米国による「アウトソーシングによって雇用が奪われている」との批判などで、インドIT企業の業績伸び率は今後鈍化するとの見方が多い。

◎インド、2003年度輸出額は17%増(2004年4月19日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=山田剛】インド商工省が発表した昨年度(2003年4月―2004年3月)の貿易統計によると、輸出総額は618億4000万ドルで、前年度比17.3%の大幅増となり、政府が当初目標とした12%増を大きく上回った。通貨ルピーの対ドル相場はこの間急速に上昇したが、主力の繊維、化学製品、機械などの輸出がいずれも好調で、米国を中心とする世界経済の復調も寄与した。
 輸入総額は25.0%増の752億ドルで、このうち石油部門は14.3%増の約202億ドル。非石油部門は29.4%の大幅増で約550億ドルに達した。

◎インド総選挙20日に1回目の投票、与党勢力が優勢(2004年4月18日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】有権者6億7000万人を擁する世界最大の民主選挙、インド総選挙(下院、定数545、うち2議席は指名制)が、20日の第1回投票(140議席分)で幕を開ける。
 世論調査では、バジパイ首相率いるインド人民党(BJP)勢力が前回選挙に引き続き過半数を制しそうな状況だ。
 投票所の警備の都合上、全土での一斉投票は不可能で、5月10日まで5回に分けて行われる。5月13日に一斉開票され、同日夜にも大勢が判明する見通し。
 地元紙とニュース専門テレビが13日実施した合同世論調査によると、人民党とそれに同調する諸政党の勢力は300議席以上を確保した前回選挙(1999年)時には及ばないが、過半数前後の260―280議席を占める見通し。一方、最大野党・国民会議派(ソニア・ガンジー総裁)と同調諸政党の勢力は、前回より議席を増やすものの、165〜180議席にとどまるとみられている。
 大きな争点がない中、人民党勢力への支持は、バジパイ首相の指導力に負うところが大きい。首相は、20を超える政党を束ね安定政権を維持してきた手腕に加え、カシミール地方の領有権問題で対立する隣国パキスタンとの関係を改善し和平機運を高めたことが、国民に高く評価されている。各メディア調査でも、次期首相の適任者として他候補を大きく引き離し、「首相への支持がそのまま政党支持に直結している」(地元記者)。
 一方、ソニア総裁は、3人の首相を輩出した名門「ネール・ガンジー家」の一員として人気は高いが、1998年に政界入りしたばかりで経験不足は否めない。また、イタリア出身のため、BJPから「外国出身者は首相に不適格」と批判を受けている。
 会議派は、ヒンズー至上主義を掲げる人民党の台頭が、国是である世俗主義を脅かすと訴えたいところだが、バジパイ首相は宗教問題に深入りしないため議論は空回り状態。形勢ばん回の起爆剤として、故ラジブ・ガンジー首相とソニア総裁の長男ラフル・ガンジー氏を出馬させたものの、現時点での効果は限定的なものにとどまっている。

◎ガンジー家新世代が政界進出へ、長男は表明、長女も意欲(2004年3月29日、朝日新聞)
 4月下旬から投票が始まるインド下院選挙で、名門ガンジー家の新世代2人が注目の的だ。最大野党、国民会議派のソニア・ガンジー総裁の長男ラフル氏(33)がすでに立候補を表明し、長女プリヤンカ氏(32)も意欲をちらつかせている。低迷が目立つ会議派の復活に向けた「切り札」になるのを支援者は願う。
 2人は、曽祖父(そうそふ)ネール、祖母インディラ・ガンジー、父ラジブと首相3人を輩出した家系に生まれた。ソニア総裁は91年に夫ラジブ氏の死後、党を率いてきた。
 ラフル氏は29日朝、ガンジー家代々の地盤である北部ウッタルプラデシュ州の自分の選挙区に入った。米英で学んだ経済コンサルタントで、父ラジブ氏に似た端正な顔立ち。「カースト制や階級にとらわれない新しいインドを築きたい」と記者団に述べた。
 さらに期待を集めるのは妹プリヤンカ氏。2児を持つ主婦で、政治手腕は未知数なものの、勝ち気な性格や表情が祖母インディラ似で、人気は絶大だ。周囲からは「将来の宰相候補」と気の早い声も。本人は「政治は好きでないが、いずれ参加する」との言い方だ。
 会議派は96年の下院選挙でインド人民党に大敗。人民党は経済政策で実績をあげ、ヒンドゥー至上主義政党を脱皮しつつあり、会議派からの移籍も相次ぐ。ソニア総裁の「出身地」問題もある。イタリア出身で今はインド国籍だが、「インドの政治は分からない」と批判されてきた。会議派内には「党の求心力強化に新世代の登板が必要」との声が出ていた。
 もっとも、会議派に詳しい評論家インデル・マルホトラ氏が「いつまでもガンジー家のカリスマ性に頼るより、集団指導体制を築いていかなければ、党は生き残れない」と語るように、批判的な意見もある。

◎文学者タゴールのノーベル賞メダルなど盗難、インド(2004年3月26日、朝日新聞)
 26日付のインド各紙によると、東部コルカタ(カルカッタ)郊外の博物館から、インドの国民的英雄である文学者、ラビンドラナート・タゴール(1861〜1941)が受賞したノーベル文学賞のメダルなどが盗まれた。25日に発覚し、バジパイ首相らに緊急連絡された。各紙は「悲劇だ」と報じている。
 現場は、タゴールが活動拠点にしていたコルカタ郊外のシャンティニケタンにある記念博物館。メダルや賞状のほか、愛用のペン、時計や指輪などの遺品も盗まれた。
 警察の調べによると、博物館の窓が破られており、休館日にあたる水曜の24日から25日にかけて、何者かが侵入したとみられる。
 タゴールは英国留学時代に文学を学び、多くの詩や小説を発表して、インド独立運動の精神的支柱となった。ロマン・ロランやアインシュタインら世界の知識人とも交流。日本も数回訪れ、文学者らと交流し、当時の日本の軍国主義を批判したことでも知られる。

◎インド下院選挙、ガンジー一家の後継者が出馬(2004年3月23日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド最大野党・国民会議派は21日、4〜5月に行われる国会下院(定数545、2議席は大統領が指名)選挙に、独立インドを支えてきた名門ネール・ガンジー家の後継者であるラフル・ガンジー氏(33)が、会議派候補として出馬すると発表した。
 ラフル氏は、母親でイタリア出身のソニア・ガンジー会議派総裁の選挙区だった北部ウッタルプラデシュ州アメティ地区から出馬する。

◎印パ交流:クリケットファン、初戦を前に過熱(2004年3月11日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】印パ緊張緩和の進展を受けて14年ぶりにパキスタンツアーを実施するインドのクリケット・ナショナルチームが10日、パキスタン入りした。約1カ月半にわたり各地を転戦してパキスタンチームと試合を行う。13日の初戦の前売りチケットはすべて売り切れ。両国ファンの熱気は過熱気味だ。
 両国のクリケット連盟が1月のバジパイ・ムシャラフ首脳会談に合わせて、ツアーの開催で合意した。単なるスポーツ交流の枠を超えて、両国関係改善の象徴としてとらえられている。もしテロなどがあれば両国関係に重大な影響を与えかねず、試合は治安当局の厳戒態勢下で行われる。
 一方でパキスタン政府はインドのファンのために観戦用ビザ発給を表明。期間中インドから大量のファンが観戦に訪れる見込みで、スタジアムでの草の根レベルの市民交流も期待されている。

◎クリケット:印のチームがパキスタン入り、緊張緩和受け(2004年3月10日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】印パ緊張緩和の進展を受けて14年ぶりにパキスタンツアーを実施するインドのクリケット・ナショナルチームが10日、パキスタン入りした。約1カ月半にわたり各地を転戦してパキスタンチームと試合を行う。13日の初戦の前売りチケットはすべて売り切れ。両国ファンの熱気は過熱気味だ。
 両国のクリケット連盟が1月のバジパイ・ムシャラフ首脳会談に合わせて、ツアーの開催で合意した。単なるスポーツ交流の枠を超えて、両国関係改善の象徴としてとらえられている。もしテロなどがあれば両国関係に重大な影響を与えかねず、試合は治安当局の厳戒態勢下で行われる。
 一方でパキスタン政府はインドのファンのために観戦用ビザ発給を表明。期間中インドから大量のファンが観戦に訪れる見込みで、スタジアムでの草の根レベルの市民交流も期待されている。

◎インドがイスラエル製のAWACS導入へ(2004年3月6日、日本経済新聞)
 【ニューデリー6日共同】PTI通信などによると、インドとイスラエルの国防省当局者は5日、インド軍がイスラエル製の早期警戒管制レーダーシステム「ファルコン」を搭載した空中警戒管制機(AWACS)3機を導入することで最終合意、契約書に署名した。費用は約11億ドル(約1200億円)で、5年以内に引き渡される予定。
 同システムは、昼夜を問わず全天候下で低空や数百キロ離れた航空機の探知が可能。インド軍はパキスタン軍などの動向を把握する上で大きな効果があると期待しており、パキスタン側は警戒を強めていた。
 ロイター通信によると、イスラエルが数年前に中国に売却しようとして米国の反対で撤回したのと同じシステム。米国はインドへの売却には理解を示しているという。

◎空中警戒管制機:イスラエル製3機購入、インド軍が契約(2004年3月6日、毎日新聞)
 【エルサレム樋口直樹】イスラエルの航空機メーカーとインド軍は5日、ニューデリーで、イスラエル製空中警戒管制機(AWACS)「ファルコン」3機の売買契約を結んだ。売買額は計11億ドル(約1100億円)。イスラエルの武器輸出額としては過去最高を記録した。
 イスラエルのシャロン首相は昨年9月、12年前にインドと外交関係を樹立して以来初めて同国を公式訪問。パキスタンとの軍事的緊張を背景にAWACSの購入を望むインドと、インドとの関係強化を狙うイスラエルとの思惑が一致し、売買契約に道を開いた。
 AWACSの売買は、インドとパキスタンの軍事バランスが崩れることを恐れた米国の圧力などで先延ばしになってきた経緯がある。

◎インド総選挙、投票は4月20日から(2004年3月1日、読売新聞)
 インド選挙管理委員会はこのほど、2月6日に解散した国会下院(定数545、2議席は大統領が指名)の総選挙の日程を発表した。
 投票は4月20日、同26日、5月5日、同10日の4日間で、開票は1州をのぞき5月13日に行われる。有権者は全国で約6億7500万人。今回の選挙から電子投票機が大幅に導入される予定。(ニューデリー支局)

◎インド総選挙、4月20日から、投票は4回に分ける(2004年3月1日、朝日新聞)
 インドの選挙管理委員会は29日、下院(定数545)の総選挙の日程を発表した。4月20日から5月10日にかけて4回に分けて投票を実施し、5月13日に開票する予定。投票を4回に分けるのは、有権者が6億人以上もいるマンモス選挙であることに加え、テロへの厳重な警備が必要とされるためだ。
 投票率を高め、開票を効率化するため、電子投票を全面的に実施する予定で、ボタンひとつで投票できる端末機器を全国に約100万台設置するという。

◎インドで列車とトラック衝突、30人以上死亡(2004年2月28日、朝日新聞)
 インド東部の西ベンガル州で27日、旅客列車とトラックが衝突し、AFP通信などによると、トラックに乗って結婚式に向かう途中だった人たち30人以上が死亡した。列車の乗客に死者は出なかったという。トラックが無人の踏切を渡ろうとして列車と衝突したらしい。

◎クリケット観戦ビザ発給へ、パキスタン、インド人8千人に(2004年2月27日、産経新聞)
 パキスタン内務省は26日までに、約15年ぶりに同国を訪れるクリケットのインドチームとパキスタンチームとの試合観戦を希望するインド人ファンに、8250人分の査証(ビザ)を発給することを決めた。同日付のデーリー・タイムズが伝えた。
 両国でクリケットは非常に人気があるが、インドチームの訪問は1989年以来。パキスタン政府がこれほど多くのビザを、インド人向けに一度に発給することは異例で、昨年来の関係改善の動きの一環。
 試合は3月13日のカラチから4月17日まで、ペシャワル、ラホールなど数カ所で行われる。(共同)

◎インド軍戦闘機、民家に墜落、住民3人死亡(2004年2月21日、産経新聞)
 PTI通信などによると、インド西部グジャラート州で20日、インド空軍のミグ21戦闘機が民家に墜落し炎上、子供ら住民3人が死亡し、9人が負傷した。操縦士は脱出して無事だった。
 現場は首都ニューデリーの南西約900キロ付近。死亡したのは18歳の少年と子供2人で、飛び散った機体の破片が当たったもよう。周辺の数軒も延焼した。軍当局が墜落原因を調べている。
 インドではミグ戦闘機の墜落事故が相次いでおり、AP通信によると、過去6年間で100機以上が墜落、少なくとも乗員50人が死亡している。(共同)

◎印パ、カシミール問題など本格協議の枠組みで合意(2004年2月18日、読売新聞)
 【イスラマバード=林英彰】インドとパキスタン両外務省は17日夜、声明を発表し、2国間問題の本格協議を始めるにあたり、日程や話し合いの形式などについて、「幅広く合意に達した」ことを明らかにした。
 当地で16日から行われていた局長級協議でまとまった。18日に行われる外務次官級協議で、正式決定する見通し。
 声明は、協議項目や具体的な日程については触れていないが、パキスタン政府筋によると、両国は、1998年に協議項目として合意した<1>カシミール<2>平和と安全保障<3>テロリズムと麻薬の不正取引、など、8項目についての協議を進める模様。
 また、パキスタンの国営テレビは17日、両国が8項目のほかに、新たに2項目を協議対象とすることを検討していると報じた。

◎インド・パキスタンが2国間協議を開始(2004年2月16日、読売新聞)
 【イスラマバード=林英彰】インドとパキスタンの関係正常化を目指す協議が16日、イスラマバードで始まった。17日までは局長級で、最終日の18日にはインドのシャシャンク、パキスタンのコーカル両外務次官が協議を行う。
 両国が公式協議に臨むのは、インドのバジパイ首相とパキスタンのムシャラフ大統領が2001年7月にインドのアグラで会談して以来、約2年半ぶり。
 今回は最大の懸案であるカシミール領有権をはじめ安全保障、経済協力など8つの問題について、具体的な協議事項や今後の日程を決めるとみられる。

◎インド側カシミールで銃撃戦、18人が死亡(2004年2月7日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド北部ジャム・カシミール州南西部プンチ地区などで6日、イスラム武装勢力とインド国軍の間で銃撃戦が発生し、武装勢力メンバー8人、国軍兵士7人が死亡した。別に市民3人が死亡したとの情報もある。
 また、インド国軍は同日、同州スリナガルで、インドからの分離を求める武装組織ウマル・ムジャヒディンの司令官1人を射殺したほか、インドとパキスタンの実効支配線(事実上の国境)付近でもパキスタン側から侵入してきた武装勢力メンバー2人を射殺した。
 インド治安当局によると、インド、パキスタン両国軍が昨年11月に休戦に入ってからも武装勢力はインド側への侵入を試みている。しかし、パキスタン軍による「援護射撃」がないため、ほとんどが拘束または射殺されているという。

◎インド下院解散、総選挙へ(2004年2月6日、産経新聞)
 インドのカラム大統領は6日、下院(定数545)を解散した。好調な経済成長やパキスタンとの関係改善を追い風に、続投を目指すバジパイ首相(79)が支持基盤強化のため10月の任期満了を待たずに解散を決めた。内閣は1月27日、大統領に2月6日の下院解散を助言していた。
 選挙管理委員会が近く総選挙の日程を決める。早ければ3月末にも実施されるが、現地の報道では4月後半に3〜4回に分けて実施されることが有力視されている。
 有権者は約6億5000万人で、世界最大の選挙となる。
 1998年3月から連立政権を率いるバジパイ首相は、インド人民党(BJP)を中心とした約20政党による国民民主連合(NDA)の政権継続を目指す。首相は5日、5年間の政権運営で「政治的安定」をもたらし安全保障、外交面でも前進したと強調、選挙勝利に自信を示した。
 最大野党、国民会議派のソニア・ガンジー総裁(57)は96年以来の政権奪回を目指し、世俗政党の結集を呼び掛けた。「(ヒンズー至上主義の)BJP主導の政権で宗教コミュニティー間の対立が深まった」と攻撃を強めている。
 同総裁と故ラジブ・ガンジー元首相の夫婦の子である長男ラフル氏(33)と長女プリヤンカさん(32)の動向も注目され「祖母の故インディラ・ガンジー元首相の資質を受け継いだ」といわれるプリヤンカさんが立候補すれば、国民会議派の支持率に大きく影響するとみられている。(共同)

◎ネール・ガンジー家後継者、インド総選挙出馬する?(2004年2月6日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】今春にも行われるインド総選挙を前に、名門政党・国民会議派の復権のため、ネール初代首相のひ孫にあたるラフル氏(33)とプリヤンカさん(32)が出馬するのでは、とのうわさが国内を駆けめぐっている。独立インドを支えてきたネール・ガンジー家の“正統”な後継者である2人は、低迷する会議派にとり最後の「切り札」。最近、正式に党員登録を済ませたこともあり、最大与党・インド人民党(BJP)も2人の動向を気にしているようだ。
 先月21日、母親のソニア・ガンジー会議派総裁の選挙区であるウッタルプラデシュ州アメティを訪れた2人は、「ラフル、プリヤンカ、永遠なれ」と大勢の市民が歓呼の声を上げる中、出馬表明について「1週間後かも知れないし、3年後、10年後かもしれない」(プリヤンカさん)とメディアを煙に巻いた。
 3人の首相を輩出し、うち2人が暗殺されたネール・ガンジー家の栄光と悲劇の歴史は、米国のケネディ家とも比較される。会議派の不振にもかかわらず、国民の間では絶大な人気だ。
 2人は、ラジブ元首相と、イタリア出身で夫の暗殺後に会議派総裁となったソニア氏の間に生まれ、祖母のインディラ元首相や父親の活動を間近に見て育った。
 ラフル氏は、米ハーバード大学と英ケンブリッジ大学に学び、現在は、国内で銀行関連の仕事に従事しているという。穏やかな性格と顔つきが「父親の生まれ変わり」と評判だ。
 一方、プリヤンカさんはインド国内の大学で心理学を学んだ後、25歳で結婚、現在は2児を育てる主婦。強気な性格と美ぼうは祖母譲りで、兄よりも政治的野心が強いといわれ、20代のころから将来の首相候補と見なされてきた。
 政界入りが選挙の度に取りざたされる2人だが、祖母と父親の暗殺を目の当たりにしたことで、これまでちゅうちょしてきたとみられている。
 インド独立以来、45年も政権を担った会議派は、1996年以降野党に甘んじている。下院(定数545)の議席は108議席まで後退し、BJPに75議席も引き離されている。下院は6日にも解散される見通しだが、総選挙で会議派が政権に返り咲くのは難しいと見られている。
 インドは「世界最大の民主主義」を標榜(ひょうぼう)するが、地方政府でも世襲政権は多い。有権者が世襲の指導者を選ぶ理由について、民間調査研究機関、政策研究所のカシャップ研究員は「インド国民の多数を占める貧困層は教育水準や識字率が低く、政治家を政治的手腕より、名前や家柄で選ぶ傾向が強い」と指摘する。
 2人の動向には、BJPも過敏な反応を見せている。マハジャンBJP事務局長は先月、政界入りさえしていない2人を念頭に「両親がインド出身者である者だけが首相になるべきだ」と放言した。
 専門家の間では、「2人の出馬で会議派は勢いづき、議席が飛躍的に増える」(社会開発研究所・クマル研究員)との予測もある。会議派の夢を乗せ、2人の若者が政界への船出を決意するのか、当分は目を離せない状況が続きそうだ。

◆ネール・ガンジー家
 インド独立の父、マハトマ・ガンジー氏と共に民族運動を率いた初代首相(1947年〜1964年)ジャワハルラル・ネール氏以降、娘のインディラ・ガンジー氏、その長男ラジブ氏と3代にわたり首相を輩出。しかし、シーク過激派に対する強硬姿勢を取ったインディラ氏は84年10月、シーク教徒の警護警官により銃殺された。後を継いだラジブ氏も91年5月、遊説中に爆弾テロで殺害された。現在はラジブ氏の妻だった、イタリア出身のソニア氏が国民会議派を率いる。ガンジーの姓はインディラ氏の結婚相手、フェローズ・ガンジー氏の名字で、マハトマ・ガンジー氏とは無関係。

◎アフガン元国王、体調不良でインドの病院に搬送(2004年2月6日、読売新聞)
 AFP通信によると、アフガニスタンのザヒル・シャー元国王(89)が3日夜、アフガニスタンからインドのニューデリーの病院に搬送された。
 腸の不調を訴えているが、容体は安定しているという。アフガニスタンのカルザイ大統領の報道官は、元国王がここ数日、疲労気味で気分がすぐれなかったことを明らかにしたが、危険な状態ではないとしている。(ニューデリー支局)

◎インド・カシミールで銃撃、爆発、23人死亡(2004年2月6日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インド北部ジャム・カシミール州で5日、少なくとも3か所で銃撃戦や爆発があり、計23人が死亡した。1日にこれだけの死者が出たのは、先月6日にインドとパキスタンが二国間問題の協議開始で合意して以来初めて。
 同州南西部アナントナグ地区では早朝、インド国軍兵士が乗ったバスの通過中に地雷が爆発、兵士4人が死亡した。同州のインドからの分離を求めるイスラム武装組織「ヒズブル・ムジャヒディン」が犯行声明を出した。
 北部クプワラ地区では武装勢力メンバー9人、国軍兵士1人が銃撃戦の末、死亡。地元警察によると、別の地区でも武装勢力メンバーや、銃撃戦に巻き込まれた市民ら計9人が死亡した。

◎カシミール:トラック爆破され、インド兵士4人死亡 (2004年2月5日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】インドからの報道によると北部ジャム・カシミール州で5日、インド軍のトラックが爆破され兵士4人が死亡、7人が負傷した。カシミールのインドからの分離・独立をめざすイスラム武装組織のテロ攻撃とみられる。
 現場は同州の夏の州都スリナガルの南約65キロ付近で、トラックが通過する際、路上にしかけられた爆発物が爆発したらしい。インドとパキスタンは1月の両国首脳会談でカシミール領有問題に関する対話再開を決めているが、武装組織は対インド武装活動を続けると主張している。

◎インド、総選挙4月にも実施へ(2004年1月13日、日本経済新聞)
 【ニューデリー=吉野蔵一】インドのバジパイ首相は12日、最大与党のインド人民党(BJP)が開いた全国幹部大会で、今年4月末までに総選挙を実施したいと言明した。同国下院議員は10月に任期満了で、かねて総選挙の早期実施が取りざたされていたが、首相が時期を明言したのは初めて。
 同国では、政府から独立した選挙管理委員会が総選挙の期日を決める。首相は4月末の実施をにらみ、2月中に下院を解散する意向を示したとみられる。
 好調な国内景気やパキスタンとの緊張緩和外交の推進で、インド人民党の支持率は上昇傾向にある。首相は総選挙の早期実施で現在の多党連立から脱却し、政権基盤の強化を狙う。

◎サイクロンで11人死亡、インド南部(2004年1月13日、産経新聞)
 AP通信によると、インド南部アンドラプラデシュ州をサイクロンが襲い、16日、少なくとも11人が死亡した。
 当局者の話によると、サイクロンは時速100キロの暴風と雨を伴い、家屋倒壊などの被害も出ている。これまでに少なくとも数カ所の村落で2万人が避難した。
 インド南部や東部、バングラデシュなどでは毎年のようにサイクロンの被害が出ており、1999年には1万人以上の死者が出た。(共同)

◎味の素、家庭用うまみ調味料でインド進出(2004年1月12日、日本経済新聞)
 味の素はインド南部のチェンナイに現地法人を設立、インド市場でうまみ調味料「味の素」の販売に乗り出す。タイの現地法人で量産しているうまみ調味料の一部をインドに輸出し、新会社で包装して出荷する。うまみ調味料の世界生産量は現在、160万トンと推定され、味の素グループのシェアは33%に上る。インドの家庭や飲食店などを中心に需要開拓することでさらにシェアを拡大する。
 設立した現地法人「インド味の素」の資本金は4000万ルピー(約1億円)。味の素が全額出資するタイの現地法人、タイ味の素(バンコク)が90%出資し、残りの10%を味の素本体が出資した。代表権のある会長には三本侃治タイ味の素社長が兼任の形で就任した。

◎モスクで爆発1人死亡、インド北部ジャム(2004年1月9日、産経新聞)
 インド北部ジャム・カシミール州ジャムで9日、モスク(イスラム教礼拝所)に手投げ弾が投げつけられて爆発、1人が死亡、17人が重軽傷を負った。犯人は逃走した。
 現場周辺はイスラム教徒とヒンズー教徒が混在する地区。犯行声明などはないが、警察当局は、インドからの分離・独立を目指すイスラム過激派が両教徒間の関係悪化を狙った犯行とみている。
 モスクには金曜礼拝のため、州政府閣僚を含む多くのイスラム教徒が集まっていた。
 インドとパキスタンは6日、カシミールの帰属問題を含むすべての2国間問題について対話を再開すると発表したが、イスラム過激派は闘争継続を表明した。(共同)

◎駅で銃撃戦7人死亡、インド・カシミール(2004年1月3日、産経新聞)
 インド北部ジャム・カシミール州のジャム駅で2日、イスラム過激派とみられる数人の武装グループが銃を乱射して警官らと銃撃戦になり、国境警備隊員や警官ら5人と過激派側2人が死亡、市民ら9人が負傷した。
 目撃者によると、犯人は2、3人で軍兵士の服装をしていた。事件当時、駅は休暇のために任地を離れる国境警備隊員らで混雑していた。
 カシミール地方ではインドとパキスタンによる実効支配線(停戦ライン)での停戦が続いているが、同地方の独立などを求める過激派の一部はインドに対する闘争を続けると言明している。(共同)

◎2年ぶり航空路線再開、インド、パキスタン(2004年1月2日、産経新聞)
 インドとパキスタンを結ぶ航空路線が1日、約2年ぶりに再開し、パキスタン東部ラホール発のパキスタン航空機がニューデリーに到着した。カラチ−ムンバイ便なども順次運航が始まる。
 2001年12月のインド国会襲撃事件後、両国間の航空路線は閉鎖されていた。最後の便が飛んだのは2002年1月1日だった。
 昨年4月以降、両国は関係改善を進め、バス路線を再開したほか、領有を争うカシミール地方の実効支配線(停戦ライン)で停戦を発効させた。(AP)

◎印パ停戦合意後も12人死亡、インド側カシミール(2003年11月28日、朝日新聞)
 停戦ラインをはさんで14年ぶりに戦闘停止が成立したインドとパキスタンの係争地カシミールで27日、イスラム過激派と治安当局の間で衝突が相次ぎ、AP通信によると計12人が死亡した。
 事件が起きたのはいずれもインド側。カシミールの州都スリナガルの中心街では過激派とみられる集団が手榴弾(しゅりゅうだん)を投げ、商店主1人が死亡、通行人9人が負傷した。ほかにも同州内の4カ所で警察と武装勢力の間で戦闘があり、双方で計11人が死亡した。
 インドとパキスタンは26日からの停戦で合意していたが、インドからの分離を求めるイスラム過激派は武装闘争の継続を宣言。インド治安当局も停戦合意とは関係なく摘発を継続する方針を示していた。停戦に入ったインド・パキスタン両軍間の砲撃は報告されていない。

◎ロープウエー落下4人死亡、インド・ダージリンで(2003年10月20日、産経新聞)
 インド北東部ダージリンの観光地で19日、ロープウエーのゴンドラが落下し、約100メートル下の地面に激突、乗っていた4人が死亡、11人が負傷した。AP通信が20日伝えた。
 ほかに2台のゴンドラがワイヤからぶら下がったままになったが、取り残された10人以上の乗客は救助された。
 現地の警察によると、ワイヤの一部が切れたのが原因とみられる。(共同)

◎インド、高性能レーダー搭載機を購入か(2003年10月10日、産経新聞)
 インドとイスラエル、ロシアの各国政府は10日、イスラエル製の早期警戒管制レーダーシステム(ファルコン)を搭載したロシア製輸送機をインドに売却する契約を締結した。PTI通信などが伝えた。
 輸送機の数は不明だが、売却総額は約10億ドル(1100億円)。インド空軍の空中警戒管制システムの中核となる。
 カシミール地方の領有権などをめぐりインドと対立するパキスタンは、インドとイスラエルの軍事協力強化に懸念を表明している。パキスタンのラシッド情報メディア相は契約締結について「(地域の)軍事的均衡を崩す」と非難した。(共同)

◎インドの砲撃でパキスタン市民12人死亡(2003年10月6日、産経新聞)
 国営パキスタン・テレビは5日、同国とインドが領有権を争うカシミール地方の実効支配線(停戦ライン)越しに4日夜からインド軍が砲撃、5日までにパキスタン側のムザファラバード近郊で市民12人が死亡、19人が負傷したと伝えた。
 現地の当局者によると、パキスタン軍も反撃した。インド側の被害は不明。
 インドとパキスタンは関係正常化に向けた試みを始めているが、実効支配線を挟んだ砲撃や越境者の銃殺が散発的に続いている。(共同)

◎インド東部に隕石?1人死亡、20人負傷(2003年9月29日、朝日新聞)
 PTI通信などによると、インド東部オリッサ州のケンドラパラ地区などで27日午後6時半(日本時間同日午後10時)ごろ、隕石(いんせき)と思われる物体が空から落下し、農家などを直撃、数軒の家屋が焼けた模様だ。直撃を受けた家屋の男性(75)1人が運ばれた病院で28日に死亡したほか、約20人が負傷したという。
 現場はベンガル湾の海岸から西に30キロほどの農村部。目撃者談によると、いくつもの物体が瞬時のうちに火を放って落下し、一時は数百人がパニック状態に陥ったという。同地区からは重さ6キロほどの隕石とみられる物体が複数発見されたという。

◎イスラエル・インド首脳会談、テロ対策などで協議(2003年9月10日、読売新聞)
 【ニューデリー=林英彰】インドを訪問中のイスラエルのシャロン首相は9日、インドのバジパイ首相と首脳会談を行った。PTI通信によると、両首相は2国間関係のほか、パレスチナ情勢やテロ対策などについて協議した。
 両国は、環境保護、麻薬密輸防止、教育・文化など6つの分野での協力で合意した。

◎列車狙った起爆装置も、インドの連続爆発(2003年8月26日、産経新聞)
 インド西部ムンバイ(ボンベイ)で25日、連続して爆弾が爆発し、45人が死亡した事件を捜査しているインド警察当局は同日夜までに、ムンバイ郊外の鉄道に仕掛けられた起爆装置を発見した。ロイター通信が伝えた。
 この時期は巡礼のため多数のヒンズー教徒が列車を利用しており、ヒンズー教徒を狙ったテロの可能性が強い。警察当局は連続爆弾テロと併せ、イスラム過激派による組織的な犯行との見方を強めている。
 警察当局は、北部カシミール地方の分離・独立を求める過激派組織ラシュカレトイバと共闘するイスラム学生組織が、一連の事件に関与した疑いがあるとしている。警察当局者は「敵国によって放たれた組織がたくさんある」と述べ、パキスタンの関与に言及した。
 調べによると、起爆装置が発見された付近では複数の枕木が取り外され、線路をふさぐ格好で放置されていた。
 ムンバイでは今年3月に列車爆破事件があり、11人が死亡。警察当局はこの事件でもイスラム過激派が関与したとみて捜査している。(共同)

・米大統領、ムンバイのテロを強く非難
 ブッシュ米大統領は25日、インド西部ムンバイで起きた爆弾テロについて声明を発表し「罪のない多数の人々を殺害し負傷させた爆破を強く非難する」と述べた。
 大統領は「テロ行為は自由な人々に混乱と恐怖を植え付けることを狙ったものだ」と指摘。「犯人が速やかに特定され、裁かれることを望む」と述べた。
 パウエル国務長官は同日、インドのシンハ外相と電話会談し、市民を巻き込んだテロを非難するとともに、犠牲者への哀悼の意を伝えた。(共同)

◎ムンバイで連続爆弾テロ、45人死亡、インド西部(2003年8月25日、産経新聞)
 インド西部ムンバイ(ボンベイ)で25日、市内の2カ所で爆弾がほぼ同時に爆発し、PTI通信によると45人が死亡、150人以上が負傷した。
 警察当局者によると、いずれの現場でもタクシーの車内に仕掛けられた爆弾が遠隔操作で爆発しており、テロとみられる。
 ムンバイでは過去にイスラム教徒とヒンズー教徒の宗教対立を背景とした爆弾テロが発生しており、今回も宗教対立を背景に起きた可能性がある。
 在ムンバイ日本総領事館によると、日本人の被害情報は入っていない。
 爆発があったのはムンバイの観光名所「インド門」の駐車場と、市民らで混雑するバザール(市場)内の2カ所。一時は4カ所で爆発があったとの情報が流れたが、警察当局は否定した。
 インド門近くの現場では、タクシーが近くに止まっていた数台の車両とともに大破した。
 AP通信によると、警察当局はムンバイと首都ニューデリーで、新たな事件発生に備えて警備を強化、市民に警戒を呼び掛けている。
 爆発現場に居合わせたタクシー運転手はロイター通信に対し、遺体が散乱した現場の惨状を語った上で「奇跡的に助かった」と血まみれで話した。
 ムンバイは人口約1190万人でインド第2の都市。(共同)

◎ムンバイで爆発、6人死亡、インド(2003年8月25日、産経新聞)
 ニューデリーのテレビによると、インド西部ムンバイ(ボンベイ)で25日、ほぼ同時に4回の爆発があり6人が死亡、10人が負傷した。
 警察当局によると、爆発が起きたのはムンバイの有名な観光地「インド門」近くと、ムンバイ南部の警察署付近の2カ所。警察は2回の爆発しか確認していないという。爆発の原因は分かっていない。(AP)

◎警官装おうインドの詐欺師、日本人観光客の被害届で逮捕(2003年8月6日、読売新聞)
 警官を装って外国人観光客から現金などをだまし取っていたニューデリーの詐欺師グループが4日、逮捕された。被害にあった日本人女性が警察に届けたため御用となった。
 5日付のタイムズ・オブ・インディア紙などによると、一味は、観光ガイドなどと称して外国人に近づき、すきを見てカバンに違法な薬物を入れる。次に警官を装った仲間が現れて薬物を発見、所持品を没収してしまう手口。警官役は、「日本人を逮捕した」と携帯電話で連絡するふりをするなど、手が込んでいた。(ニューデリー支局)

◎インドが「医療外交」、パキスタンの子供20人治療招待(2003年8月4日、朝日新聞)
 インド政府がパキスタンの子どもを病気治療に招待する計画を打ち出した。パキスタンの2歳半の女児が先月、再開されたばかりの印パ直行路線バスでインド入りし、心臓手術を受け成功したのがきっかけ。インド各紙は「癒やしに国境はない」などとの見出しで、パキスタンとの関係改善を狙った政府の「医療外交」を評価している。
 計画は、シンハ外相が先月下旬、パキスタンのカーン駐インド大使との会談で打ち出した。インド政府が旅費、滞在費、治療費を負担し、当面は20人が対象だという。
 きっかけとなった女児ヌール・サジャドちゃんは1日、インドでの治療を終えて退院し、パキスタンに戻った。インドの新聞は今回の計画を「ヌールちゃん効果」と呼んでいる。
 インドはパキスタンより病院の数が多く、手術代も割安とされる。

◎IT大国インドで研修を、民間ベンチャーが今夏スタート(2003年7月15日、毎日新聞)
 近年、世界的にIT技術者を輩出する国として注目されているのがインド。しかし、欧米に比べて、日本とはあまり縁がないのが実情だった。ベンチャーのソフトブリッジ・ソリューションズ(本社・シンガポール)は今夏、インドの政府系IT教育機関で行われる講義に、日本人を送りこむパッケージツアーを実施する。近くて遠い国だったインドとの本格的なIT交流が始まるかどうか注目される。(柴沼 均)

・近くて遠い国インド
 インドはソフトウエア産業に力を入れており、輸出総額のうち10%をソフト関連が占める。人材が豊富なうえ、人件費などのコストが安くつくため、マイクロソフトやオラクルなど、世界的なIT企業がインドに拠点を置いている。だが、日本との関係はそれほどでなく、インドのソフトの輸出先の6割が米国なのに対し、日本はわずか4%しかない。
 ソフトブリッジのプラシャント・ジェインCEOは「文化、言語の違いがあり、これまで日本とインドはなかなか交流がなかった」と指摘する。英語圏のインドはシリコンバレーなど欧米に優秀な人材を送り込み、フォーチュン上位500社のうち23社にインド出身のCEOがいるといわれる。その成果がインドにフィードバックされるため、インドと米国は交流をどんどん深めている。
 それに対して、日本語という壁があるうえ、IT技術者といえども、アジアからの労働者受け入れに抵抗がある文化や複雑な法規制などから、日本での受け入れはなかなか進まなかった。それでも2000年に森喜朗・前首相がインドを訪れ、IT施設を見学したことなどから、インドで日本に対する関心は高まっている。

・講座は大学生から一線技術者まで
 ジェインCEOは日本、米国、インドの3カ国のIT関連企業で働いた経験があることから、世界第2の経済大国である日本とインドの橋渡しをすることでビジネスチャンスが生まれるとして、昨年、ソフトブリッジを立ち上げた。
 まず4月からインドで、インドのIT技術者に対する日本語と日本の企業文化などに関する講座を開設した。15人の受講者が5カ月間勉強し、卒業後は日系企業に就職する予定だ。
 次いで、8月に日本人向けツアーがスタートする。ツアーは大学生、新入社員、一線技術者などに分かれる。インドの政府系研究機関C-DAC(Center forDevelopment of Advanced Computing)と提携し、中南部のプネという町にある専門学校ACTS(Advanced Computing Training School)で講義を受ける。
 大学生向けは初心者向けのコンピューター基礎コースとJava、マイクロソフトの.NETなどのIT経験者向け講座があり、英語が苦手な人は英語の授業もついている。8月上旬から6週間で、現地での滞在費を含めた費用は30万円(インドまでの旅費は別)。
 新入社員向けコースは3カ月間。コンピューターの基礎からプログラミング言語についてのIT研修が324時間、英語研修が60時間に上る。費用は100万円(旅費、滞在費含む)。実務経験者向けは4〜6カ月の各コースがあり、月額25万円からとなっている。

・インドのIT業界との交流も
 徹底したIT教育と日本で実施する場合の半額近い低料金をセールスポイントにしているが、インドのIT業界との交流もインドで実施する理由の一つだ。学生向けと新入社員向けは日本人専用講座だが、実務者向けはインド人と同じ講座を受ける。また、米国の最新動向もインドに入れば伝わってきやすいのも魅力で、不況下の就職、転職に不可欠な技術を身につけることができる。
 ジェインCEOは「インドのIT産業はソフト中心、日本はハード中心であり、両国で相乗効果を発揮できる。プネに滞在し、インドの技術者と交流の機会も作る。インドを理解してもらうきっかけになればいい」と話す。
 IDCによると、インドのIT市場規模は2002年の100億ドルが2006年には400億ドルへと急成長が予測されている。日本では中国市場の急成長が話題の中心だが、同じアジアのIT国家、インドとの交流も重要な課題といえるだろう。

◎インドで魔女狩り、2人を火あぶり(2003年7月4日、東京新聞、夕刊)
 【バンコク3日、田内建一】インドからの報道によると同国東部ジャルカンド州で“魔女狩り”が行われ、2女性が火あぶりとなって焼死した。同州の警察当局がAFP通信などに明らかにした。
 火あぶりにされたのは州都ランチーの北約300キロの農村に住んでいた35歳と50歳の女性。警察によると、村の群衆が「別の女性を病気にさせた」として、2人を家から近くの野原に連れ出し、灯油をかけて殺害したという。
 インド東部や北東部の部族地帯では、部族宗教と黒魔術がつながり、村人が悪魔の呪(のろ)いなどの迷信を信じており、女性人権団体が抗議を続けているが、被害者の家族も警察も宗教的な行為として黙認しているという。

◎SARS感染の花嫁が挙式、出席者は式後に検査(2003年4月23日、朝日新聞)
インド西部の都市プネーのキリスト教会で21日、花嫁がSARSに感染しているのを承知のうえで、結婚式が行われた。式後、花婿や牧師ら出席者25人が検査を受けた。
 インド各紙の報道によると、感染源は花嫁の兄。式に出席するため、8日に勤務先の東南アジアから帰国した際、機内で感染したらしい。兄から花嫁と母親にも感染し、3人とも入院した。
 地元の保健当局は式の中止を求めたが、花嫁は症状が軽かったため、花婿らの希望で式を開催した。医師や当局の係官が立ち会い、花嫁はマスクをつけて指輪を交換後、すぐに救急車で病院に戻ったという。インドのSARS感染者は、この3人を含め、計4人になった。

◎イラク破壊兵器原料、インド企業から不正輸入か(2003年1月20日、日本経済新聞)
 【ロサンゼルス=長尾弘嗣】19日付の米ロサンゼルス・タイムズ紙は、イラクが2001年までの4年間にインド企業から大量破壊兵器やその運搬手段の開発・製造に必要な原材料などを不正に輸入していたと報じた。イラクが昨年12月に国連安全保障理事会に提出した申告書にはこの事実の記載はなく、国連決議への「重大な違反」に該当する可能性もある。
 この企業はニューデリーやムンバイで事業を展開する「NECエンジニアリング・プライベート」。日本企業のNECとは関係がない。
 同社は不正輸出の発覚を防ぐため、中東や欧州に設立したペーパーカンパニーを利用してイラクへの輸出品を調達していた。国連査察官は同社が輸出した原材料の一部が、バグダッド南方のミサイル燃料工場で使われたことを確認したという。
 輸出したのは大量破壊兵器の製造に使用される粉末状のアルミニウムやチタンの遠心ポンプなどの物資。約79万ドル(約9300万円)に相当し、1998年9月から2001年2月までの間にイラクに不正輸出したという。

◎インドで爆発、数人負傷(2002年11月22日、報知新聞)
インド南部ハイデラバードで21日、オニール米財務長官が訪問した直後、駐車場でバイクが爆発し、市民6〜10人が負傷した。同国警察当局が明らかにした。
 財務長官は爆発の数時間前、同市内のハイテク技術の施設を訪問した。

◎地雷でバス爆破、20人以上死亡(2002年11月20日、朝日新聞)
インドPTI通信によると、インド南部のアンドラプラデシュ州で18日夜、走行中の路線バスが地雷で爆破され、乗っていた地元住民ら20人以上が死亡した。極左武装組織「人民戦争グループ(PWG)」が警官の輸送車を狙って仕掛けたとみられている。
 同グループは貧農を基盤にし、毛沢東主義による武装闘争を掲げている。同州を拠点に警察や政治家への襲撃事件を繰り返している。ネパールの共産党毛沢東主義派と交流があり、インド国内で同派をかくまって軍事訓練や武器供与をしているとされる。現場は州都ハイデラバードの北東約200キロ。

◎ポリオ、インドで再び猛威 今年は患者数1000人超す(2002年11月19日、朝日新聞)
インドで撲滅しかけていたポリオが、子供の間で再び猛威をふるっている。過去2年、年200人台に減っていた感染患者数は今年、3年ぶりに1000人台に達し、34人の死者が出た。世界保健機関(WHO)と患者が集中している北部各州政府は予防接種の緊急キャンペーンを始めた。
 インドは世界最大のポリオ発生国。2001年には世界15カ国で報告された480人の患者のうち、インドは56%の268人を占めた。それでも毎年3000〜5000人だった以前に比べ、1998年以降は減少傾向が見られ、政府は2005年までに「撲滅宣言」をしたいと考えていた。
 ところが、今年は再び激増し、11月中旬までに患者は1005人に達した。その多くが0〜1歳児だ。特に北部のウッタルプラデシュ州が患者の70%以上を占める。
 WHO南東アジア地域事務所(ニューデリー)の地域アドバイザー、ブレント・ブルックホルダー氏によると、同州では定期予防接種率は20%と低いままだ。「州人口は1億8000万人を超え、月40万〜50万人の新生児が生まれるのに対し、人手が不足して接種が徹底されず、衛生環境の改善も追いつかない」と指摘する。
 気になるのはイスラム教徒の患者数の増加だ。全患者に占めるイスラム教徒の比率は今年同州内で74%に達し、2000年(61%)より増えた。もともと貧困家庭が多く、「予防接種で不妊症になる」といった誤った情報を信じ込み、接種を嫌がる家庭が多い。
 そのうえ州人口ではヒンドゥー教徒が約8割を占め、州政府で接種の活動を進める監督官や医務官でも多数派を占める。WHO職員の中には「最近強まっているイスラム・ヒンドゥー間の宗教対立も反映し、イスラム教徒の警戒心が接種活動を難しくしている面がある」との指摘もある。

◎インドでコカ・コーラ工場襲撃(2001年10月22日、朝日新聞)
 インド南東部のアンドラプラデシュ州にあるコカ・コーラ工場で21日早朝、建物の一部や車両が爆破された。けが人はいない。PTI通信などによると、極左武装組織ナクサライトが犯行声明を出した。現場に「米軍によるアフガニスタンへの報復攻撃に抗議する」との声明文が残されていたとの情報もある。